銘柄同士の関連性

銀・原油と通貨ペアの関連性

まず大事なことは、コモディティ銘柄とFX銘柄の関連性を見るにあたっては、いくらかの傾向性はあってもあくまで過去のデータからの記録であり、将来の動きを保証するものではないということです。状況は変わりうる流動的なものだということが大前提です。
しかしながら、年数を経てもなお認められ、この21世紀にあっても引き続き通用すると思われる関連性のセオリーがいくつかあります。ここではその中でも特筆すべきものをご紹介しましょう。

AUD/USD と銀価格
よく豪ドルと金価格との相関性について議論がなされますが、銀のほうがより明確な豪ドルとの関連性があるといわれています。
オーストラリア経済は鉱業への依存度が高いことは知られていますが、これを数字で見てみると、なんと労働力の2%以上が従事し、GDPの5%以上をもたらし、輸出の約35%を占めていることがわかります。
このため、金属価格の変動は豪ドルの動きに大きな影響を与えるのです。


USD/CAD とWTI (West Texas Intermediate) 原油価格
WTIは米国内、テキサス州とニューメキシコ州を中心とした地域で産出する、北アメリカで主要に取引されている原油で、カナダ経済に非常に大きな影響力を持っています。
米国が世界でも飛び抜けて原油の消費が大きい国(2位中国の日量1100万バレルに対し大差の日量1900万バレル)であることは知られていますが、しかしどのように原油を入手しているかはあまり知られていないようです。よく、米国がサウジアラビアからの輸入に大きく依存していると思われがちですが、実は輸入の1/3がカナダからであるのに対し、サウジアラビアからの輸入は17%です。面白いことに、米国が消費する日量1900万バレルのうち1000万バレルは米国内での生産によりまかなわれています。カナダは相当量の原油を米国などに輸出しているため、WTIの価格が上がるとカナダ経済およびカナダドルにプラスの影響を及ぼし、下がった場合はマイナスの影響があります。したがって、WTIの動きとUSD/CADの動きは逆相関になるのです。


USD/NOK とブレント原油
ブレント原油は英国やノルウェーなどの領海周辺に位置する北海油田で産出する原油で、主に欧州で取引な取引がなされています。このブレント原油には様々な国家が油田を保有していますが、このうちノルウェーの領海には埋蔵量の54%があると推測されています。ノルウェーは原油輸出において世界第5位、また天然ガス輸出で世界第3位であり、これらの資源輸出でノルウェーのGDPの20%以上を占めています。ブレント原油価格はノルウェーの経済に多大な影響を及ぼすのです。
ブレント原油価格が上昇するとノルウェー経済およびノルウェークローネにプラスの影響があり、逆に下降するとマイナスの影響が出ます。このため、ブレント価格とUSD/NOKは逆相関になるのです。


さて、これまでご紹介した相関性の例は、比較的よく知られており、現在の21世紀初頭でも通用するとされているものですが、このようなものはまだ他にもあります。コモディティについていえば、世界中で非常に多様なものがあり、常に動き続けている世界の様々な状況においては、業界や業種などによって衰退や興隆がみられるものもあるでしょう。
現在判明している原油の埋蔵量は2040年付近までには枯渇するとの研究もあり、その後の時代、動力を得るための代替燃料を探さなければなりません。現在取引の対象となっている油田の枯渇や、資源産出に依存する国の経済状況の変化などもあるでしょう。その中で、ボリビアは電気自動車のバッテリーに必須なリチウムの豊富な埋蔵量を持ち、次世代のサウジアラビアとなる可能性を指摘する人々もいます。
常に世界の様々な要素に目を向けつつ、新しいマーケットの関連性をいち早くつかんでいくことが重要です。
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