2020 年米国大統領選挙:バイデン氏の政策とマーケットに及ぶ可能性のある影響

2020 年米国大統領選挙:バイデン氏の政策とマーケットに及ぶ可能性のある影響

2020 年米国大統領選挙まで残り 2 か月を切りましたが、主要候補者 2 名が掲げる経済政策は、通常に比べ具体性に欠けており、トレーダーは公開演説の「行間」を読み、過去の政党に連動したトレンドを基に優先事項を予測せざるを得ない状況となっています。討論会など選挙活動のラストスパートに向けて、今後さらに詳細な情報が得られると予想される一方 (選挙日の夜前後に弊社が注目するイベントの完全なスケジュールはこちら)、先読み派のトレーダーが、マーケットでの勝者と敗者を選挙結果によらずに見極めるための機会はまだ残っています。

民主党候補のジョー・バイデン前副大統領は選挙活動の中で、「バイデンの新型コロナウイルス対策計画」から「アラブと米国の協調へ向けた計画」まで、政策を徹底的に網羅した文書を提示しています。

新型コロナウイルスと経済

トランプ大統領と比較して、バイデン氏の計画では、新型コロナウイルスの感染被害に対応するための州政府と自治体へのサポート、失業手当の拡大、政府による全般的な経済対策の強化が協調されています。バイデン氏の積極的なアプローチが実行されれば、米国株式は、大打撃を受けている小規模資本の銘柄を中心に、短期的に活気を取り戻す可能性があるものの、連邦が抱えている長期債務が最終的には、国債市場や米ドルにまで影響を及ぼす恐れがあります。

税金

中間所得層をはじめとした増税をベースに選挙戦に参戦する政治家は皆無だとしても、共和党と比較して、民主党は減税をあまり強調しない傾向が過去の例から分かります。トランプ大統領が 2017 年に成立させた重要な法律「減税・雇用法」の下実施されている減税措置の多くが 2025 年に失効する、ということは念頭に置くべきでしょう。あらゆる可能性を考慮しても、バイデン氏が大統領に就任した場合、これらの減税措置はかなりの確率で予定通り失効することになるでしょう。特に、民主党が合衆国議会の議席を多数獲得した場合は、この確率が高くなるでしょう。喫緊の問題でないとはいえ、バイデン氏が当選し、就任から最初の数年間に減税措置の延長がなされない場合は、上記のリスクによりトレーダーは公開株からの収入予測を引き下げることになる可能性があります。

政府の支出

詳細は後述しますが、バイデン氏は「近代的で持続可能なインフラと公平でクリーンなこれからのエネルギー」を築いていくための大規模な支出案を公約に挙げています。現時点では、バイデン氏の掲げるこの支出案が、第 2 期のトランプ政権の下実施される可能性のある支出と規模において大きく異なるとは思えませんが、資金の配分については間違いなく違いがあると言えます。バイデン氏が勝利を収めた場合、「クリーンなエネルギー」とインフラ関連の銘柄が最も伸びるでしょう。

規制

ドナルド・トランプ大統領が政府のすべてのレベルにおいて規制緩和や「官僚主義」を積極的に排除しようとしているのと対照的に、バイデン氏は環境、選挙資金調達、医療、経済に関して数多くの新規制を導入する案を掲げています。特に、バイデン氏は自身のウェブサイトで2050 年までに、経済全体にわたり、実質排出ゼロへ向けた一方通行の道へ米国を乗せる」ことを公約に掲げており、第 1 期中にこの目標を達成すべく、追加で 2 兆米ドルを投資する予定としています。

したがって、バイデン氏が勝利を収めた場合は、医療やエネルギー業界をはじめ、株式市場の一部のセクターが短期的に向かい風を受けることにつながるかもしれません。興味深いことに、バイデン氏はトランプ大統領よりも「主要 IT」企業 (Facebook、Amazon、Apple、Google、Microsoft、Netflix など) に対する姿勢が厳しくないため、バイデン氏が勝利を収めた場合、反トラスト規制が敷かれる可能性が短期的に低くなり、これらの銘柄は引き続き株式市場で順調に伸びる可能性があります。

外貨取引と国際関係

選挙活動用のウェブサイトに明示されているわけではありませんが、バイデン氏が当選した場合には恐らく、米国は歴史的に築いてきた西欧と北米との間の協力関係の維持に比較的前向きに取り組んでいくと考えられます。この流れを前提とすると、今後は低い関税で二国間貿易が積極的に行われるとトレーダーは考えるため、ユーロやカナダドルなどの通貨はバイデン政権下で伸びる可能性があります。特に、民主共和両党が近年は中国に対して非好意的な見方を強めているので、バイデン氏が当選しても、トランプ氏がさらに今後 4 年大統領の座につく場合と比較して中国に対する姿勢が和らぐとは必ずしも言い切れません。

出典:ギャラップ

繰り返し指摘していることですが、トレーダーは一般的に政治がマーケットに与える影響を大きく見積もりすぎる傾向がある一方で、バイデン氏の当選によってメリットを享受することになる可能性がある特定のセクター、通貨、アセットクラスを見極める機会はまだ残っています。起こり得る結果への対応を事前に計画しておくことで、選挙日の夜の動向に左右されないための準備を整えることができます。さらに、高い目標を掲げているトレーダーは、今後行われる討論会や世論の結果を追跡し、結果が 100% 確実になる前に、勝ちが狙えるトレードに寄ったポジションを確保し、「集団より一歩先に」行動を起こす機会を特定できます。

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