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2017年第2四半期の見通し―為替相場を動かす注目要素!

2017年第1四半期は数々のニュースが世界を駆け巡り、第2四半期から今年いっぱいにかけてマーケットに影響を及ぼす可能性のある要因が揃ってきました。
第2四半期のスタートにあたり、これらのキーワードをひとつひとつ見ていきましょう。

トランプ

まず最も注目されるのは、米国のトランプ新政権の不安定なスタートでしょう。ロシアとの関係性に関する報告や、目玉公約であったオバマケアの廃止もしくは変更の頓挫などがあり、トランプ新大統領の就任後100日間という期間、マーケットに低迷をもたらしています。しかし株式市場は、3月後半の急落があったにせよ強さを保っており、トランプ政権の成長主義・財界優遇の経済政策がいずれ達成されていくという期待を保ちながら、一部では回復もみせています。また、過去数ヶ月に出てきているおおむね好調な米国の各種経済指標の示す上向きの流れも、マーケットを支えているといってよいでしょう。

FRB
通貨マーケットに目を向けると、第1四半期においてマーケットの動きを主導したのは米国FRBだったといえるでしょう。大方の予想通り3月に政策金利の引き上げが実施されましたが、そのFOMCにおいて発表された金融政策の見通しにおけるトーンは、期待されたよりも弱いものでした。FRBは、トランプ政権による金融刺激策に呼応して本年中の利上げのペースを上げることはせず、改めて「3月を含めて2017年に3回」という見通しを示し、現在のFRBらしいハト派的トーンを保っています。このハト派的コメントはドルの急落と、株式・金(ゴールド)の急騰を招きました。ただ、その後FRBから再度タカ派的なシグナルがみられ、米国の主要な経済指標が予想を超えて好調なこともあり、マーケットはドルに関してそれほど反応しなくなってきています。

ブレグジット (英国 脱EU)
3月末ごろに英国からリスボン条約第50条に基づくEU離脱の通告がなされ、英国のEU離脱プロセスが正式に発効する中、英国・欧州双方でマーケットは沈黙していました。これはひとえに、昨年6月の国民投票の結果から9ヶ月間にわたってすでにその反応は行き渡っており、マーケット、特に英ポンドへの多大なる影響はすでに数ヶ月前までに織り込み済みであったことによるものです。次の重要なステップは英国-EU間の貿易関連他の交渉ですが、今後多くの複雑な問題の表面化が見込まれ、痛みを伴うものになる可能性があります。すでに別個の存在となった英国とEUによる貿易協定の再交渉は途方もない量の課題を抱え、影響範囲が広がって、いくつものポンドの急落局面をもたらす可能性もあります。これらの急落についてはその後の動きで相殺されていくとみられますが、英国内のインフレ圧力によってイングランド銀行が現在中立的な金融政策を引き締め傾向にシフトさせ、政策金利を上げていくと、ポンドが一層上がる局面ができる可能性もあります。

ECB
ECB(欧州中央銀行)もまた高まるインフレ圧力のプレッシャー下にあります。3月前半、ECBが現在の巨大な量的緩和プログラムの終了前に政策金利の引き上げを行うという観測がなされたことがありました。これによりユーロは3月中盤に急伸。ただこの上昇は長くは続かず、また最近ECBより、この利上げ観測は「過剰な深読み」であり、金融緩和策の終了が差し迫っているというよりは、その出口戦略において「巨大なリスクの可能性を減らす」ことの重要性を強調した、との公式コメントが発せられました。これにより水を差されたユーロの下落とドルの反発が相まって、ユーロドルは急落を見せています。

第2四半期の注目要素

以上のように、この第2四半期のFX市場の動向は、やはりトランプ政権の経済政策の進捗(もしくは停滞・失敗)、FRBの金融政策の見通し、英国の離脱に関するEUとの交渉、グローバル全体でのインフレ動向や政策金利の流れに大きく影響されるといえそうです。

フランス大統領選挙
4月後半に始まるフランス大統領選挙(とそれに続く国民議会選挙)が近づいていますが、この動向からも目が離せません。もし極右政党「国民戦線」の、反EU主義で知られるマリーヌ・ル・ペン党首が支持を広げる場合、EUおよび通貨ユーロの将来が不透明になるとみられます。これまで、ル・ペン党首と中道系独立候補でEU肯定派のエマニュエル・マクロン氏との間で接戦が続いている情勢です。最近の大会において「欧州連合は終焉を迎える」と宣言している通り、ル・ペン党首の勝利はユーロにとって良い知らせとはならないでしょう。

米国経済イベント

米ドルにとっては、さしあたって今週から続く各種の経済指標発表イベントに注目です。非常に大きな意味を持つISM製造業・非製造業PMIの発表に加え、常に動向を左右する雇用統計(非農業部門雇用者数)の発表を控えています。順調な傾向を今回も続けるとすると、今後利上げペースが年内4回と増加し、ドルを押し上げる可能性も出てきます。さらに極めて注目度の高い3月FOMCの議事録発表もあり、ここでは3月の利上げ決定およびその後の利上げについては慎重な姿勢を見せた背景がより明らかになり、場合によってはドルを大きく動かす要因にもなりえます。

ドルの強さに期待
第2四半期にかけ、ユーロやポンドが高いリスクや下落要因にさらされる見込みである一方、ドルは相対的に、第1四半期の不調からの反発の準備が整っているといえるでしょう。FRBが主要中央銀行のうちで唯一引き締め傾向を堅持しており、また米国の経済状況が堅調さを明確にしてきていることから、ドルはファンダメンタル面では上昇、また主要他通貨に対しての回復の傾向を見せていく見込みです。