ユーロ価格見通し:ユーロ/米ドルは多数のレジスタンスラインが待ち受けるゾーンへ
2023/03/31 10:28 JST
ユーロの話題:
- 先週のFOMC政策金利決定の後、ユーロが強さを見せており(英文のみ)、ユーロ/米ドルは心理的にキリの良い1.1000ドルの水準を再度試す展開に入りつつある。
- ユーロ/米ドルは2023年に入ってからこれまでに一度1.1000ドルを試していたが、この時はフィボナッチレジスタンスラインで売り手が参入し、500ピップスのリトレースメントが発生した。2週間前には重要な価格水準でサポートラインが出現し、それ以降は欧州中央銀行の政策金利決定とFOMC会合の両方を通じて強気筋が主導権を握っている。
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ユーロが引き続き強さを見せており、ユーロ/米ドルが心理的にキリの良い1.1000ドルの水準に再度到達しつつある。2月初旬、この価格帯を試す展開がごく短期間見られたものの、強気筋はほどなくして主導権を失った。これが2月2日、予想を大幅に上回る非農業部門雇用者数(NFP)(英文のみ)データが発表された次の日で、このデータをきっかけに以後6週間にわたって米ドルの強さが続くことになる。
ユーロ/米ドルのサポートラインは3月15日から現れ始めた。昨年2月から9月まで続いた弱気相場の値動きに基づく50%のフィボナッチリトレースメント(英文のみ)を試す展開の後、買い手が参入を始めたのだ。同じ期間の主要な値動きに端を発する76.4%のリトレースメントが、2月初旬の高値に到達する支えとなったことから、心理的にキリの良い1.1000ドルの水準が近付くにつれ、最近は引き続きこのテクニカルな分析が注目されている。
ユーロ/米ドルの日足チャート
チャート作成: James Stanley
より短期的なユーロ/米ドルの動き
この分析からの61.8%のリトレースメントは、最近の市場の動きにも影響を与えている。これは1.0747ドルに該当し、2週間前に高値を支えた後は先週の終わりにかけてサポートラインとなった。今週初めにもこのサポートラインが機能して値上がりにつながり、現在ではハイペースで先週の高値である1.0930ドルに向かっている。
ユーロ/米ドル4時間足チャート
チャート作成:James Stanley。TradingViewでのユーロ/米ドルチャート
ユーロ/米ドルの戦略
ユーロ/米ドルではこの先多数のレジスタンスラインが見られ、強気筋は近いうちに対処をせまられるだろう。2021年~2022年の主要な値動きからフィボナッチリトレースメントを引くと、50%にあたる1.0943ドル近辺が目を惹く。先週のスイングハイに非常に近い価格だ。しかしおそらく、さらに重要なのは、3月初旬に売り手が主導権を握りつつあったにもかかわらず、心理的にキリの良い1.0500ドルの水準より下の価格を維持できなかったことだろう。
そこからゾーン内の他のレジスタンスラインに焦点を当てる必要が出る。1.0930ドルから始まり、その後は1.0943ドル、1.1000ドルと続く。買い手がこの価格水準を突破できれば、目下この通貨ペアの11か月ぶりの高値となる1.1034ドルが見えてくる。その上では1.1122ドルでサポートラインがレジスタンスラインに変わり、強気筋が上げ相場を維持する上で注目すべき価格になるだろう。
米ドル/円の週足チャート
チャート作成:James Stanley。TradingViewでのユーロ/米ドルチャート
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