ユーロ/米ドル予測:ユーロ圏のコアCPIは上昇の見通し

ユーロ/米ドルの概要

ユーロ/米ドルは50日間移動平均(1.0731)から反発して値上がりを続けており、今月の高値(1.0930ドル)を試す展開に向かっていると思われる。依然として強固なインフレ継続を示すと見込まれるユーロ圏の消費者物価指数(CPI)発表が、この値上がりを後押しするかもしれない。

ユーロ/米ドル予測:ユーロ圏のコアCPIは上昇の見通し

ユーロ/米ドルは引き続き1月の安値(1.0483)よりも上で取引されており、他のほとんどのメジャー通貨ペアを上回るパフォーマンスを見せている。欧州中央銀行(ECB)が今後もさらなる引き締め政策を続ける可能性を示していることから、今後もより高値圏での取引が続くかもしれない。

最近の『ビジネス・ポスト』紙のインタビューで、ECB裁のルイス・デギンドス副総裁は「ベース効果によってインフレ率が急速に下がる傾向があることから、総合インフレ率は今後67か月ですみやかに下がるだろう」と述べた上で、物価上昇圧力の継続サインが出ている中「政策委員会はコアインフレ率の推移を非常に慎重に注視する必要がある」と続けた。

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結果として市場参加者のあいだでは、今後の動向の判断基準としてインフレのユーロ圏のコアCPIへの注目が高まっている。2月の前年比5.6%から、3月は前年比5.7%に上昇すると予想されている。インフレの高止まりのサインが見られれば、ECBへの利上げ圧力となることから、ユーロが反応して値上がりする可能性がある。

ECBが引き締め政策を強めていく可能性がある一方、FRBは利上げサイクルから距離を取りつつある。パウエル議長らは「ある程度の追加の政策引き締めが妥当になると思われる」という姿勢だ。

これを踏まえ、政策の方向転換が近づいているという観測から、53日の連邦公開市場委員会(FOMC)の金利決定までは米ドル価格に逆風が吹く可能性がある。50日間移動平均(1.0731ドル)からの上昇を続ければ、ユーロ/米ドルは今月の高値 1.0930ドル)を試す展開に入るかもしれない。

ユーロ価格チャート ユーロ/米ドル日足

チャート作成:David Song、ストラテジスト

ユーロ/米ドルは1月の安値(1.0483ドル)を防衛した後、ふたたび50日間移動平均(1.0731ドル)より上で取引されており、高値と安値がともに上昇していることから、今月の最高値(1.0930ドル)を試す可能性もある。

  • 1.0880ドル(23.6%のフィボナッチエクステンション)~1.0940ドル(50%のフィボナッチリトレースメント)の領域を抜けるか、ここが終値となった場合、2月の最高値(1.1033ドル)まで上がる可能性もある。その次の注目エリアは1.1070ドル(23.6%のフィボナッチリトレースメント)付近で、ここは20224月の高値(1.1076ドル)に近い。
  • 一方1.0880ドル(23.6%のフィボナッチエクステンション)~1.0940ドル(50%のフィボナッチリトレースメント)の領域を超えられなければ、ユーロ/米ドルは50日間移動平均(1.0731ドル)に向けて下がり始めるかもしれない。そこを割ると1.0610ドル(38.2%のフィボナッチリトレースメント)近辺まで下落する可能性が見えてくる。


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