FX Morning 03/01/2021

【前日の為替概況】ドル円、4 日続伸 米債利回りの動向を背景としたドル買い継続

26 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4 日続伸。終値は106.57 円と前営業日NY 終値(106.21 円)と比べて36 銭程度のドル高水準だった。米10 年債利回りが前日に一時1.6085%前後まで急騰した ことを受けて、この日もドル買いが継続した。NY 市場に入り、ダウ平均が一時490 ドル超下落すると、 リスク・オフのドル買いが活発化し一時106.69 円と昨年8 月28 日以来約半年ぶりの高値を付けた。市場 では「米連邦準備理事会(FRB)が年内に資産購入の減額を議論するとの観測が高まっており、パウエル FRB 議長の緩和継続姿勢に懐疑的になりつつある」との声が聞かれた。

ユーロドルは3 営業日ぶりに反落。終値は1.2075 ドルと前営業日NY 終値(1.2175 ドル)と比べて0.0100 ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の上昇基調に対する警戒感から世界各国の株式相場が下落す ると、投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から安全資産とされるドルが買われた。ユーロポン ドの下落につれたユーロ売り・ドル買いも出て、6 時過ぎに一時1.2062 ドルと日通し安値を付けた。ユ ーロポンドは「月末特有のユーロ売り・ポンド買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時0.8656 ポンドまで下落した。ユーロ円は4 日ぶりに反落。終値は128.67 円と前営業日NY 終値(129.32 円)と 比べて65 銭程度のユーロ安水準。ドル円の上昇につれた買いが先行し一時129.39 円付近まで値を上げた ものの、アジア時間に付けた日通し高値129.52 円を上抜けることは出来なかった。ドルやポンドに対し てユーロ安が進むと、対円でもユーロ売りが強まり一時128.56 円と日通し安値を更新した。

原油や銅など商品相場の下落を背景に、資源国通貨が軟調に推移した。豪ドル米ドルは一時0.7693 米 ドル、NZ ドル米ドルは0.7223 米ドル、米ドルカナダドルは1.2749 カナダドル、ドル・南アフリカラン ドは15.1972 ランドまで米ドル高に振れた。

【本日の東京為替見通し】米金利相場継続、東京時間はもみ合いもNY 時間は乱高下の可能性

本日の東京時間のドル円市場は、底堅さは維持されるだろうが神経質な値動きになりそうだ。市場の注 目が米金利の動向ということもあり、米市場が開くまではあくまでも思惑や実需のフローによる相場にな り、トレンドを形成するのは難しい。

ここ最近のドル円は米金利高でドル買いに反応し、米金利が低下しても株価上昇で円売りになるなど、 非常に底堅く推移している。この買いトレンドの中でショートにしている市場参加者は多くないことや、 日銀短観で発表された2020 年度下期の大企業・製造業の想定為替レート106.42 円を上回り、2020 年通 期想定為替レートの106.70 円近辺で取引されていることで実需勢の売り意欲が強く、上昇する場合も勢 いは緩やかになると思われる。本日の東京時間は余程のことがない限り、買い遅れで下値では拾う市場参 加者と、上昇時に適宜売りを入れてくる実需勢の間に挟まれたトレードを繰り返しそうだ。

東京時間では動きが限られるだろうが、本日を含め今週は米経済指標や、米要人の講演が多数予定され ていることで、市場の値動きは激しくなることが予想される。本日は米国から複数の経済指標が発表され るが、2 月の米ISM 製造業景気指数が一番の注目となる。また、ウィリアムズ米NY 連銀総裁、ブレイナ ードFRB 理事、ボスティック米アトランタ連銀総裁、メスター米クリーブランド連銀総裁、カシュカリ米 ミネアポリス連銀総裁の講演が予定されている。先週はブラード米セントルイス連銀総裁が「最近の米 10 債利回り上昇は妥当な市場の反応」との認識を示し、インフレ期待の高まりを目指すFRB にとっては 「歓迎すべき動向だ」と発言。ボスティック米アトランタ連銀総裁も「利回りは歴史的にみて依然として 非常に低い」「FRB が現時点で利回りに対応する必要はない」などと語ったように、両者は金利高をけん 制していない。ウィリアムズ米NY 連銀総裁も2 月中旬に「利回りの上昇は懸念していない」などと発言 している。今晩は要人の発言が変わらないのか、もしくは先週の米金利の高騰について懸念を表明するの か注目が集まる。なお、今週は4 日(日本時間では5 日未明)にパウエルFRB 議長もウォールストリート・ ジャーナル主催のイベント前に公開インタビューを受ける予定になっている。

米金利以外では先週米下院で可決した、1 兆9000 億ドル規模の経済対策案の審議が今週から上院で行 われる。法案については最低賃金を1 時間あたり7.25 ドルから15 ドルに引き上げる提案については、民 主党内でも反対意見が出ていることで、今後の動向には注目したい。また、サウジアラビアをめぐる混迷 (イエメンのフージ派による攻撃や、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が2018 年のカショジ氏殺害を 承認したことを米国が認めたこと)が、今後の中東情勢に影を落とし、為替相場にも影響を与えることも あるため注意を怠らないようにしたい。なお、欧州通貨、オセアニア通貨、新興国通貨などはドル円と比 較にならないほど大きく動いており、市場全体を見回すとドル円相場への参加者は少ない。これらの通貨 も米金利動向次第ということは否めないため、NY 入り後までは神経質な値動きになりそうだ。特に明日2 日に豪準備銀行(RBA)の理事会が開かれることで、豪ドルの動きには要警戒。ここ最近は米金利同様に 大きく上昇していた豪金利が、早朝から神経質に動いていることで、豪ドルの値動きにも注目したい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○10:45 ◎ 2 月Caixin 中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.4)
○16:00 ◎ 10-12 月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比7.0%)
○16:00 ◇ 2 月トルコ製造業PMI
○16:30 ◇ 1 月スイス小売売上高
○17:30 ◇ 2 月スイスSVME 購買部協会景気指数(予想:60.1)
○17:50 ◎ 2 月仏製造業PMI 改定値(予想:55.0)
○17:55 ◎ 2 月独製造業PMI 改定値(予想:60.6)
○18:00 ◎ 2 月ユーロ圏製造業PMI 改定値(予想:57.7)
○18:30 ◎ 2 月英製造業PMI 改定値(予想:54.9)
○18:30 ◇ 1 月英消費者信用残高(予想:▲20 億ポンド)
○18:30 ◇ 1 月英マネーサプライM4
○22:00 ◎ 2 月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%/前年比1.2%)
○22:30 ◇ 10-12 月期カナダ経常収支(予想:70.0 億カナダドルの赤字)
○23:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:05 ◎ ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:45 ◎ 2 月米製造業PMI 改定値(予想:58.5)
○24:00 ◇ 1 月米建設支出(予想:前月比0.8%)
○24:00 ☆ 2 月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:58.6)
○2 日03:00 ◎ 2 月ブラジル貿易収支(予想:6.38 億ドルの黒字)
○2 日04:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、メスター米クリーブランド連銀総裁、カシュカリ米 ミネアポリス連銀総裁、討議に参加
○韓国(独立運動記念日)、休場

2 日
<国内>
○08:30 ◎ 1 月完全失業率
○08:30 ◎ 1 月有効求人倍率
○08:50 ◇ 2 月マネタリーベース
○08:50 ◇ 10-12 月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額)

<海外>
○09:30 ◎ 1 月豪住宅建設許可件数
○09:30 ◇ 10-12 月期豪経常収支

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

26 日09:19 オア・NZ 準備銀行(RBNZ)総裁
「緩和的な金融政策は長期に渡って変更せず」
「必要ならばマイナス金利などさらなる緩和策を講じる可 能性」

26 日09:41 米国防総省
「米国はシリアで防衛空爆を実施した」
「イランが支援する過激派グループが使用する国境管 理ポイントの複数の施設を破壊」
「空爆はシリアとイラクの紛争をエスカレート解除するこ とを目的」

26 日14:00 黒田日銀総裁
「政策点検、方向性言えないが効果や物価低迷の理由 など議論」
「コロナ禍でイールドカーブを低位安定させることが大 事」
「金融政策でこれ以上できること何もないとは言えない」
「日本経済や物価は下向きのリスク」

26 日17:42 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理 事
「名目金利の変化は注意深く監視する必要」
「利回りの上昇が成長を損なう場合は、ECB は追加サポ ートが必要かもしれない」
「名目利回りの上昇がインフレ期待を反映している場合、 それは歓迎すべき兆候」
「長期金利の上昇は回復を損なう可能性がある」

26 日20:08 ホールデン英金融政策委員会(MPC)委員
「インフレ率の高止まりを予想」

26 日20:13 ロシア外務省
「(米軍のシリア空爆)行為を非難、シリアの主権や領土 保全を尊重すべき」

26 日22:40 ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、 BOE)副総裁
「利回りの上昇は経済を巡る好材料を反映している」

27 日00:47 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「ECB はパンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)を 加速する必要」
※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 01032021 chart 1

<ドル円=上昇余地を残す転換線を支えとした底堅さ見込む>
下影陽線引け。105.85 円へ下振れる場面もあったが持ち直 し一時106.69 円と昨年8 月28 日以来、約半年ぶりの高値を つけている。
先週末の下振れ局面でも一目均衡表・転換線を維持した。 不安定に推移しつつも、今後の上昇余地を残す同線を支えと した底堅さが見込める。

レジスタンス2 107.21(ピボット・レジスタンス2)
レジスタンス1 106.95(2020/8/28 高値)
前日終値 106.57
サポート1 105.81(一目均衡表・転換線)
fx morning 01032021 chart 2

<ユーロドル=90 日線付近で底堅さ示すことできるか>
大陰線引け。1.21 ドルを割り込み、2 月17 日につけた 1.2023 ドルを底とした直近の上昇幅を解消しつつある。一目 均衡表・雲の下限1.2074 ドル前後の攻防。1.2056 ドル前後 で上昇中の90 日移動平均線も支えとなる可能性はあるもの の、これらのテクニカル指標や17 日安値を下抜けると、2 月 5 日につけた年初来安値が次のめどとなる。

レジスタンス1 1.2127(5 日移動平均線)
前日終値 1.2075
サポート1 1.2023(2/17 安値)
fx morning 01032021 chart 3

<ユーロ円=転換線前後の攻防>
陰線引け。2 月25 日に2018 年11 月以来の130 円台を目前 に失速して以降の調整が加速し、128 円台まで下落幅を広げ た。一目均衡表・転換線128.65 円前後の攻防だが、同線を 下放れて調整が進展する展開も想定しておきたい。一目・基 準線127.79 円まで支えとなりそうな日足テクニカル指標は 見当たらないが、まずは1 月からの上昇幅に対する38.2%押 し付近が、下押した場合の目先のめどとなるか。

レジスタンス1 129.28(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 128.67
サポート1 128.11(1/18-2/25 上昇幅の38.2%押し)
fx morning 01032021 chart 4

<豪ドル円=21 日線付近への調整もあるか>
大陰線引け。1 週間ぶりとなる82 円割れまで下振れた。一 目均衡表・基準線82.08 円をいったん割り込む格好となった。 緩やかな上昇維持が予想される同線付近の底堅さ維持を期 待するが、その下の21 日移動平均線付近までの下押し余地 も見込んでおきたい。

レジスタンス1 82.90(2/22 安値)
前日終値 82.13
サポート1 81.74(21 日移動平均線)
fx morning 01032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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