【前日の為替概況】ドル円 弱い米指標を受け109.59 円、米長期金利の上昇で110.08 円へ反発

31 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら続伸。終値は110.02 円と前営業日NY 終値 (109.92 円)と比べて10 銭程度のドル高水準だった。8 月米シカゴ購買部協会景気指数や8 月米消費者 信頼感指数が予想より弱い内容だったことが分かると円買い・ドル売りが先行し、109.59 円と日通し安 値を更新した。ただ、月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると一転上昇 した。米10 年債利回りが1.31%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、110.08 円まで反落した。

ユーロドルは上昇したものの、上値が重かった。終値は1.1809 ドルと前営業日NY 終値(1.1797 ドル) と比べて0.0012 ドル程度のユーロ高水準。欧州時間発表の8 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値 が予想を上回り、約10 年ぶりの上昇幅を記録すると、独長期金利の上昇とともにユーロ買いが先行し 1.1845 ドルと5 日以来の高値を付けた。ただ、そのあとはユーロ円の失速に伴って次第に弱含んだ。月 末のロンドン・フィキシングに向けたドル買いのフローが入ると、一時1.1797 ドル付近まで下押しした。

ユーロ円は3 日続伸。終値は129.92 円と前営業日NY 終値(129.67 円)と比べて25 銭程度のユーロ高 水準。独長期金利の上昇につれる形で130.18 円まで値を上げたものの、そのあとは欧米株相場の下落に 伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りに押され、129.60 円まで値を下げた。

カナダドルは一時売りが強まった。4-6 月期カナダ国内総生産(GDP)が前期比年率1.1%減と予想の 2.5%増に反して減少したことや原油先物相場の下落が嫌気されて、米ドルカナダドルは一時1.2654 カナ ダドル、ユーロカナダドルは1.4935 カナダドル、カナダドル円は86.81 円までカナダドル安に振れた。 市場では「カナダ経済が予想されたほど力強くなかったことが裏付けられた。カナダ銀行(中央銀行、BOC) のテーパリング計画に影響が及ぶかどうかが焦点」との声が聞かれた。

【本日の東京為替見通し】「円高アノマリーの8 月」から「ドル危機アノマリーの9 月」へ

本日の東京外国為替市場のドル円は、3 日に発表される米8 月雇用統計を控えて動きづらい展開の中、 「円高アノマリーの8 月」から「ドル危機アノマリーの9 月」を迎えることになる。

8 月のドル円相場は、1998 年のロシアショック、2011 年の米国債ショック、2015 年の人民元ショック などのイメージが強く、円高に推移する傾向がある。実需面からは、15 日の米国債償還・利払いに伴う 本邦資本筋からの円転やお盆休み期間中の本邦輸出企業からのまとまったドル売りオーダーが円高のイ メージを強めている。ただ今年の8 月足は、アフガニスタン情勢を巡る地政学リスク回避の円買いなどが あったものの、米連邦準備理事会(FRB)の年内テーパリング(資産購入の段階的縮小)開始観測などで、 陽線(始値109.69 円・高値110.80 円・安値108.72 円・終値110.02 円)に終わった。

9 月のドル円相場は、プラザ合意(1985 年9 月22 日)、LTCM 危機(1998 年9 月23 日)、米国同時多発 テロ(2001 年9 月11 日)、リーマンショック(2008 年9 月15 日)など、ドル安・円高のトラウマが根強 く残されている。

8 月27 日のジャクソンホール会合で、パウエルFRB 議長は、年内のテーパリング(資産購入の段階的 縮小)開始を表明しながら、利上げ時期に関しては、今後入手するデータやデルタ変異株の感染拡大など のリスクを慎重に見極めていく、と述べている。

9 月に入手するデータは米8 月雇用統計であり、警戒すべきリスクは、コロナ変異株の感染拡大リスク やアフガニスタンを巡るテロリスクとなる。

10 時30 分に発表される4-6 月期豪国内総生産(GDP)の予想は、前期比+0.5%で、1-3 月期の前期比 +1.8%からの減速が見込まれている。新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)や 輸出の減少により、景気減速への警戒感が高まっていることで、ネガティブサプライズに要警戒か。

10 時45 分に発表される8 月Caixin 中国製造業PMI の予想は50.2 で、7 月の50.3 からの低下が見込ま れている。昨日発表された8 月中国製造業PMI は、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で50.1 と なり、7 月の50.4 から低下していたことで、同様の悪化が警戒されている。非製造業PMI は47.5 と、7 月の53.3 から悪化し、製造業と非製造業を合わせた総合PMI は48.9 で、7 月の52.4 から悪化し、景況 改善・悪化の分岐点となる50 を割り込んだことで、景況感の悪化懸念が高まっている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 4-6 月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額、予想:前年比 3.5%)
○10:30 ◎ 若田部昌澄日銀副総裁、あいさつ

<海外>
○10:30 ☆ 4-6 月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%/前年比9.2%)
○10:45 ◎ 8 月Caixin 中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.2)
○15:00 ◎ 7 月独小売売上高指数(予想:前月比▲0.9%/前年比3.7%)
○15:00 ◇ 8 月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ 4-6 月期トルコGDP(予想:前年比21.7%)
○16:00 ◇ 8 月トルコ製造業PMI
○16:30 ◇ 8 月スイスSVME 購買部協会景気指数(予想:67.3)
○16:50 ◎ 8 月仏製造業PMI 改定値(予想:57.3)
○16:55 ◎ 8 月独製造業PMI 改定値(予想:62.7)
○17:00 ◎ 8 月ユーロ圏製造業PMI 改定値(予想:61.5)
○17:30 ◎ 8 月英製造業PMI 改定値(予想:60.1)
○18:00 ◎ 7 月ユーロ圏失業率(予想:7.6%)
○20:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数
○21:00 ☆ 4-6 月期ブラジルGDP(予想:前期比0.2%/前年同期比12.8%)
○21:00 ◎ バイトマン独連銀総裁、講演
○21:15 ☆ 8 月ADP 全米雇用報告(予想:61.3 万人)
○22:45 ◎ 8 月米製造業PMI 改定値(予想:61.2)
○23:00 ◇ 7 月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○23:00 ☆ 8 月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:58.6)
○23:30 ◇ EIA 週間在庫統計
○2 日01:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○2 日01:00 ◎ 7 月ロシア失業率(予想:4.7%)
○2 日03:00 ◎ 8 月ブラジル貿易収支(予想:72.00 億ドルの黒字)
○石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国による「OPEC プラス」閣僚級会合(テレビ会議)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

31 日08:18 ブリンケン米国務長官
「米国のアフガニスタンへの関与、新たな章が始まった」
「米国は域内で強力な反テロ能力を維持する」

31 日20:54 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「次回の会合で第4 四半期のテーパリングについて議論 する予定」

1 日00:24 クノット・オランダ中銀総裁
「見通しはECB 刺激策の減速を可能にする」
「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)は3 月に終了 する可能性」
「資金調達条件が良好のため、PEPP のペースを減額で きる」

1 日04:40 バイデン米大統領
「米国人がアフガニスタンから避難する期限はない」
「8 月31 日の期限はタリバンによって課された、去るしか なかった」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 01092021 chart 1

<ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の下で引けているものの、買いシグ ナルが優勢な展開となっている。2 手連続陽線で上昇し、転 換線を上回って引けていることで続伸の可能性が示唆され ている。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 111.66(7/2 高値)
レジスタンス1 110.80(8/11 高値)
前日終値 110.02
サポート1 109.76(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 109.11(8/16 安値)
fx morning 01092021 chart 2

<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、3 手連続陽 線で上昇して、転換線を上回って引けていることから続伸の 可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1845(8/31 高値)
前日終値 1.1809
サポート1 1.1755(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 01092021 chart 3

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。遅行スパンは実線を上回っているものの、一 目・転換線は基準線を下回り、一目・雲の下で引けているこ とから、売りシグナルが優勢な展開となっている。しかし、 3 手連続陽線で上昇し、転換線を上回って引けていることか ら続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 130.18(8/31 高値)
前日終値 129.92
サポート1 129.07(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 01092021 chart 4

<豪ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の中で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、抱き線で反 発し、転換線を上回って引けていることから、続伸の可能性 が示唆されている。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 81.47(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 80.47
サポート1 79.74(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 01092021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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