FX Morning 03/02/2021

【前日の為替概況】ドル円、5 日続伸 米10 年債利回り1.45%台まで上昇し円売り・ドル買い先行

1 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5 日続伸。終値は106.76 円と前営業日NY 終値(106.57 円)と比べて19 銭程度のドル高水準だった。時間外の米10 年債利回りが1.45%台まで上昇したことを 受けて円売り・ドル買いが先行。22 時過ぎに一時106.77 円まで値を上げた。米10 年債利回りが1.41% 台まで上昇幅を縮めると106.52 円付近まで下押しする場面もあったが、ダウ平均が一時730 ドル超上昇 し、豪ドル円などクロス円が上昇するとドル円も再び強含む展開に。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投 票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁が「イールドカーブの状況は見通しに対する自然な反応」 「インフレ期待が上昇している兆候はない」と発言したことで、米10 年債利回りが1.4582%前後と本日 高値を付けるとドル高が進み、一時106.89 円と昨年8 月28 日以来の高値を更新した。

もっとも、同日高値106.95 円が目先レジスタンスとして意識されると、引けにかけてはやや伸び悩ん でいる。

なお、24 時発表の2 月米ISM 製造業景気指数は60.8 と予想の58.6 を上回り、2018 年2 月以来3 年ぶ りの高水準となった。

ユーロドルは続落。終値は1.2049 ドルと前営業日NY 終値(1.2075 ドル)と比べて0.0026 ドル程度の ユーロ安水準だった。ただ、NY 市場に限れば一進一退の展開だった。米国株相場の上昇に伴うリスク・ オンのドル売りが出ると1.2067 ドル付近まで持ち直したものの、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「最近 の利回りの上昇は不当であり、欧州中央銀行(ECB)はそれに対応する必要がある」「選択肢には必要に応 じて預金金利の引き下げが含まれる」などと発言すると、一時1.2028 ドル付近下落し欧州時間に付けた 日通し安値に面合わせした。

ユーロ豪ドルは一時1.5479 豪ドル、ユーロNZ ドルは1.6534NZ ドル、ユーロカナダドルは1.5228 カナ ダドルまでユーロ安に振れた。

ユーロ円は小幅ながら続落。終値は128.64 円と前営業日NY 終値(128.67 円)と比べて3 銭程度のユ ーロ安水準。欧州長期金利の低下などをながめ円買い・ユーロ売りが先行。ビルロワドガロー仏中銀総裁 が足もとの金利上昇をけん制すると一時128.22 円と日通し安値を更新した。ただ、米国株価の大幅上昇 を受けて、リスク・オンの地合いが強まると128.73 円付近まで持ち直す場面もあった。

【本日の東京為替見通し】米金利高容認でドルは堅調か、RBA 理事会後の豪ドルの動きも注目

本日の東京時間の為替市場は、引き続き堅調な動きになるか。昨日の米要人の発言を聞いている限り、 金利高を容認する姿勢が変わらなかった。本邦に関しては1999 年2 月に日銀が短期金利の指標である無 担保コール翌日物金利を史上最低の0.15%に誘導することを決定して以来、長期に渡って金利を上げら れない経済状態が続いている。本邦は数十年に渡り利上げの声が全く聞こえないため、米金利の上昇はド ル買い・円売りに反応することが顕著で、今後もドルが底堅い相場になりそうな勢いだ。ただし、市場を 見渡しても買い遅れの市場参加者はいるが、ショートにしている参加者は少ないことで、上昇の勢いは緩 やかになるだろう。日銀短観12 月調査時の2020 年度下期の大企業・製造業の想定為替レート106.42 円、 通期の106.70 円のいずれも上抜けているため、本邦勢を含め上昇時は手堅く売りを抑えることが予想さ れる。規模は大きくはないがシカゴIMM 先物市場での主要な先物のみのポジション状況で、円ショートを 保持していることも上値の重しになるだろう。また、昨日はダウ平均が2%弱、ナスダック総合は3%を 超えて上昇するなど、株高によるリスク・オンはドル売りだけでなく、円売りにもなることがドル円を支 えそうだ。

なお、本日は日本時間では3 日の未明になるが、ブレイナードFRB 理事、デイリー米SF 連銀総裁が講 演を行う。両者の発言で再び米長期金利が上下することには警戒したい。

欧州通貨は昨日も欧州要人からは金利高への懸念が表明され、米国要人の容認姿勢と異なるスタンスだ った。本日は独雇用統計やユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値などの重要指標が発表されることで、 ユーロの値動きもボラタイルになるか。

アジア時間に関していえば、豪準備銀行(RBA)の理事会が最大の注目となる。市場では政策金利は据 え置かれ、声明文も金融緩和姿勢の継続を強調することになるだろう。昨日のRBA による40 億ドル規模 の長期債購入などの行動を見ても、目標金利を維持することに執着しそうだ。ただし、先週NZ 準備銀行 (RBNZ)が同様の姿勢を表明した後もNZ ドルが上昇したように、両オセアニア国は経済指標が好転して いることもあり、通貨売りには傾きにくいか。なお、豪州は明日3 日に10-12 月期の国内総生産(GDP) の発表を控えていることもあり、豪ドルは一方的な動きにはなりにくいかもしれない。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ◎ 1 月完全失業率(予想:3.0%)
○08:30 ◎ 1 月有効求人倍率(予想:1.06 倍)
○08:50 ◇ 2 月マネタリーベース
○08:50 ◇ 10-12 月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額、予想:前年比▲ 2.0%)

<海外>
○09:30 ◎ 1 月豪住宅建設許可件数(予想:前月比▲3.0%)
○09:30 ◇ 10-12 月期豪経常収支(予想:131 億豪ドルの黒字)
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○16:00 ◇ 2 月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比▲0.3%)
○16:00 ◎ 1 月独小売売上高指数(予想:前月比▲0.3%/前年比1.3%)
○17:55 ◎ 2 月独雇用統計(予想:失業率6.0%/失業者数変化▲1.3 万人)
○19:00 ☆ 2 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比0.9%)
○19:00 ☆ 2 月ユーロ圏HICP コア速報値(予想:前年比1.1%)
○22:30 ☆ 12 月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%/前年比▲3.0%)
☆ 10-12 月期カナダGDP(予想:前期比7.5%)
○22:40 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○3 日03:00 ◎ ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○3 日04:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

3 日
<国内>
○10:30 ◎ 片岡剛士日銀審議委員、あいさつ

<海外>
○06:45 ◎ 1 月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ☆ 10-12 月期豪GDP
○10:45 ◎ 2 月Caixin 中国サービス部門PMI

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

1 日18:25 ルメール仏経済・財務相
「最近の金利上昇に対しては心配していない」

1 日19:37 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「米国のインフレ率は、いずれインフレ目標2%を超える 見通し」
「米景気回復に連れてインフレ率は上昇する見込み」
「米国の景気回復に向けた夜明けが近づいている」
「景気回復に伴って金利が上昇しなければ残念」
「長期債の利回りは、パンデミック(世界的大流行)以前 に比べると低水準のまま」
2 日02:47
「イールドカーブの状況は見通しに対する自然な反応」
「インフレ期待を注意深く見ているが、それらはまだある べき所に達していない」
「インフレ期待が上昇している兆候はない」
「利回りの上昇が投資に影響を与えるという根拠を見た ことがない」

1 日21:23 ジョンソン英首相
「都市封鎖(ロックダウン)の解除に向けて正しいペース で進んでいる」

1 日23:03 ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE) 副総裁
「見通しが実現しない場合、マイナス金利という手段が 必要になる可能性」

2 日00:12 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「最近の利回りの上昇は不当であり、ECB はそれに対応 する必要がある」
「選択肢には必要に応じて預金金利の引き下げが含ま れる」
「最初のツールはPEPP 購入の柔軟性を積極的に利用」

2 日01:14 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「パンデミックは依然として我々の経済に重くのしかかっ ている」

2 日02:12 エルドアン・トルコ大統領
「2020 年の成長率は政策の正しさを示している」
「政府は新憲法の準備を決定」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 02032021 chart 1

<ドル円=高値圏の下押し軽微にとどめたい>
下影陽線引け。先週末は一目均衡表・転換線付近、昨日は 106 円台で上昇中の5 日移動平均線付近で下げ渋り、上値を 追う流れを維持した。
昨年8 月28 日高値106.95 円を目前とした106.89 円でや や上昇の勢いが緩んだ感もあり、高値圏で警戒も感じられる。 本日106.44 円前後へ切り上がる5 日線の維持も徐々に難し くなる。ただ、直近の上昇幅の61.8%押し程度までに反落を とどめることができれば106.95 円ほか、昨年8 月13 日高値 107.05 円や同7 月22 日の107.29 円など、107 円台のポイン トを試すことになろう。

レジスタンス1 107.29(2020/7/22 高値)
前日終値 106.76
サポート1 106.25(2/26-3/1 上昇幅の61.8%押し)
サポート2 105.85(2/25・26 安値)
fx morning 02032021 chart 2

<ユーロドル=年初来安値も視野に>
小陰線引け。一目均衡表・雲の下限付近で底堅さを示した いところだったが、雲のやや下1.2050 ドル台で推移する90 日移動平均線さえ支えにならない、さえない推移だった。一 時1.2028 ドルと、目先のチャートポイントだった2 月17 日 安値1.2023 ドルに近づく場面もあった。同5 日につけた年 初来安値1.19 ドル台が視野に入りつつある。

レジスタンス1 1.2098(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.2049
サポート1 1.1986(ピボット・サポート2)
fx morning 02032021 chart 3

<ポンド円=転換線付近の切り上がりへ追随できるか>
上影極小陽線引け。一目均衡表・転換線付近の攻防となっ ている。本日148.50 円へ上昇した同線に追随するように下 値を切り上げられるか注視したい。戻りの鈍さを示す上ひげ をつけた足型を形成しており、2 月25 日につけた年初来高値 150.45 円を一気に上抜くのは難しそう。一方、反落の場合は 同26 日の下振れ水準147.41 円前後にとどまるとみるが、割 り込むと21 日移動平均線や一目・基準線が位置する146 円 前後が意識されてくる。

レジスタンス1 149.30(3/1 高値)
前日終値 148.67
サポート1 147.81(ピボット・サポート2)
fx morning 02032021 chart 4

<NZ ドル円=いったん割り込んだ転換線付近へ戻す>
陽線引け。一目均衡表・転換線を割り込んだが、77 円台で 上昇中の同線付近に戻してきた。転換線を下回る水準の底堅 さを背景に、再び上値トライする展開を見込む。転換線は本 日77.60 円に位置。下放れても、上昇が想定される一目・基 準線76.76 円が支えとなり、深押しを回避できるとみる。

レジスタンス1 78.12(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 77.57
サポート1 76.98(2/26 安値)
fx morning 02032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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