【前日の為替概況】8 月ADP 全米雇用報告でドル売り、対円では一時109.88 円

1 日のニューヨーク外国為替市場でドル円はほぼ横ばい。終値は110.01 円と前営業日NY 終値(110.02 円)と比べて1 銭程度のドル安水準だった。8 月ADP 全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数 が37.4 万人増と予想の61.3 万人増を大きく下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ド ル売りが先行し109.88 円と日通し安値を更新した。8 月米ISM 製造業景気指数が59.9 と予想の58.6 を 上回ったことが分かると買い戻しが入り110.13 円付近まで持ち直した。

ユーロドルは続伸。終値は1.1839 ドルと前営業日NY 終値(1.1809 ドル)と比べて0.0030 ドル程度の ユーロ高水準。低調な米雇用指標をきっかけに全般ドル売りが先行し、1.1857 ドルと8 月5 日の高値に 面合わせした。予想を上回る米ISM 製造業景気指数発表後の下押しも1.1833 ドル付近にとどまった。

バイトマン独連銀総裁はこの日、「ユーロ圏のインフレ率が欧州中央銀行(ECB)予想を上回るリスクが ある」「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)は段階的に縮小すべき」などと発言。足もとでユーロ 圏金融当局者からタカ派的な発言が相次ぐ中、市場では「ECB の緩和縮小観測が強まり、ユーロ買いを促 した」との指摘があった。

ユーロ円は4 日続伸。終値は130.25 円と前営業日NY 終値(129.92 円)と比べて33 銭程度のユーロ高 水準。ドル円の下落につれた売りが出て一時130.13 円付近まで下押ししたものの、ユーロドルの上昇に つれた買いが入ると130.45 円と7 月30 日以来の高値を更新した。ECB によるPEPP 早期終了の思惑が浮 上する中、ユーロ買いが入りやすい面もあった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、明日の米8 月雇用統計を控えて動意に乏しい展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、明日発表される米8 月雇用統計を控えて動きづらい展開が予想さ れる。

米8 月雇用統計の非農業部門雇用者数の予想は、前月比75 万人の増加、最小予想は+37.5 万人、最大 予想は+102.7 万人となっている。雇用統計が予想を上回り、7 月同様に労働市場の回復を示す増加幅だっ た場合は、9 月21-22 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内のテーパリング(資産購入の段階的縮 小)開始が協議され、公表される可能性が高まることになる。新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大な どの影響で、予想を下回る増加幅だった場合は、テーパリングの開始時期が年末から来年以降に先送りさ れる可能性が高まることになる。8 月の米国の雇用関連指標は以下の通りに改善を示唆している。

  【8 月】 【7 月】(〇改善・●悪化)
〇失業率(予想): 5.2% 5.4%
●非農業部門雇用者数(予想): +75.0 万人 +94.3 万人
〇シカゴ購買部協会雇用指数: 48.3 47.5
〇失業保険継続受給者数(8/12 週): 286.2 万人 329.6 万人
〇新規失業保険申請件数(8/12 週) 34.9 万件 42.4 万件
〇ADP 全国雇用者数: +37.4 万人 +32.6 万人
●米ISM 製造業雇用指数: 49.0 52.9
●消費者信頼感指数(雇用): 42.8% 44.1%(※職が十分-雇用が困難)

本日のドル円のオーダー状況は、110.00 円の3 日のNY カットオプションを軸にして、上値には、 110.50-90 円に断続的にドル売りオーダーが控えている。下値には、109.80-90 円に断続的にドル買いオ ーダー、109.30-60 円に断続的にドル買いオーダーが控えている。

ドル円のテクニカルポイントは、一目均衡表の雲の上限110.11 円、雲の下限110.10 円、転換線109.92 円、そして21 日移動平均線109.94 円などに位置している。

10 時30 分に発表される7 月豪貿易黒字の予想は102.00 億豪ドルで、6 月の104.96 億豪ドルからの減 少が見込まれている。世界的な新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大の影響で、オーストラリアの輸出 は減少傾向にあることから、ネガティブサプライズに要警戒となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 8 月マネタリーベース
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◎ 片岡剛士日銀審議委員、あいさつ

<海外>
○10:30 ◇ 7 月豪貿易収支(予想:102.00 億豪ドルの黒字)
○15:30 ◎ 8 月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%)
○15:30 ◇ 7 月スイス小売売上高
○16:00 ◎ 4-6 月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比2.0%/前年比9.0%)
○18:00 ◎ 7 月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.1%/前年比11.0%)
○20:30 ◇ 8 月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◇ 7 月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比0.3%)
○21:30 ◇ 7 月カナダ貿易収支(予想:14.0 億カナダドルの黒字)
○21:30 ◇ 4-6 月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比2.4%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:34.5 万件/277.5 万人)
○21:30 ◎ 7 月米貿易収支(予想:710 億ドルの赤字)
○23:00 ◎ 7 月米製造業新規受注(予想:前月比0.3%)
○3 日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、討議に参加
○3 日04:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、ウェブセミナーに参加

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

1 日09:38 菅首相
「総裁選の先送り考えていない」
「最優先は新型コロナ対策、今のような厳しい状況では 解散できない」

1 日10:35 若田部日銀副総裁
「日本経済全体の持ち直し基調は維持されていると判 断」
「経済の先行きはワクチン接種の進捗などに伴って回復 が明確になっていく」
「気候変動への対応は中銀の使命からの逸脱ではな い」
「米国が金融引き締め局面に入っても、それを理由に日 銀が政策を調整することはない」
「2%物価目標から離れれば、為替の不安定な動きに繋 がりうるので避けなければならない」
「目先のコアCPI の動きをもとに、時期尚早に緩和的な 金融環境を引き締めないことが肝要」

1 日14:21 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「インフレ率、今年は引き続き上昇するが来年には低下 を予想」
「今後の政策決定は、経済とインフレの動向に左右され る」
「9 月会合で、第4 四半期のPEPP について決定しなけ ればならない」

1 日21:26 バイトマン独連銀総裁
「過度のインフレリスクを無視すべきではない」
「PEPP は段階的に縮小すべき」
「インフレの見通しリスクは上方向が優勢」
「緩和的な金融政策は依然として適切」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 02092021 chart 1

<ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
ほぼ寄引同事線引け。一目・雲の下で引けているものの、 一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、 買いシグナルが優勢な展開。2 手連続陽線で上昇後、伸び悩 んだものの、転換線を上回って引けていることで反発の可能 性が示唆されている。8 月31 日の変化日と昨日の寄引同事線 は、トレンドの開始を示唆しており要警戒か。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 111.66(7/2 高値)
レジスタンス1 110.80(8/11 高値)
前日終値 110.01
サポート1 109.76(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 109.11(8/16 安値)
fx morning 02092021 chart 2

<ユーロドル=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯。しかし、4 手連続陽線で上昇 し転換線を上回って引けていることで続伸の可能性が示唆。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1909(7/30 高値)
前日終値 1.1839
サポート1 1.1787(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 02092021 chart 3

<ポンド円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の中で引けていることから、売りシ グナルが優勢な展開。しかし、4 手連続陽線で上昇し転換線 を上回って引けていることで続伸の可能性が示唆。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 152.27(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 151.48
サポート1 150.68(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 02092021 chart 4

<NZ ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯した。2 手連続陽線で上昇し、 転換線を上回って引けていることから続伸の可能性が示唆 されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 78.77(7/6 高値)
前日終値 77.79
サポート1 76.37(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 02092021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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