FX Morning 03/03/2021

【前日の為替概況】ドル円、6 日ぶり小反落 節目107 円の上抜け失敗すると一転下落

2 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は6 営業日ぶりに小反落。終値は106.69 円と前営業日NY 終 値(106.76 円)と比べて7 銭程度のドル安水準だった。米10 年債利回りが一時1.45%台まで上昇すると 円売り・ドル買いが先行。市場では「米追加景気対策が間もなく成立するとの観測や、新型コロナワクチ ンの普及による早期の経済正常化に期待が強まる中で円売り・ドル買いの動きは根強い」との声も聞かれ、 20 時30 分前に一時106.96 円と昨年8 月14 日以来の高値を付けた。

ただ、節目の107.00 円の上抜けに失敗すると一転下落した。米10 年債利回りが低下に転じたことも相 場の重しとなり、一時106.68 円と日通し安値を更新した。市場では「ロンドン16 時(日本時間1 時)の フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測された」との指摘もあった。

なお、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事は「市場動向に細心の注意を払っている」「経済は目 標には程遠く、忍耐強さが必要」「債券購入の縮小までしばらく時間がかかる」などと述べた。

ユーロドルは3 日ぶりに反発。終値は1.2091 ドルと前営業日NY 終値(1.2049 ドル)と比べて0.0042 ドル程度のユーロ高水準だった。欧州市場では、米欧の金利差拡大を見込んだユーロ売り・ドル買いが優 勢となり一時1.1992 ドルと2 月5 日以来の安値を付けたものの、NY 市場では底堅い動きとなった。米長 期金利が低下に転じたことで手掛かりに全般ドル売りが進んだ流れに沿って、一時1.2094 ドルと本日高 値を更新した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローも観測されたほか、「欧州連合(EU) は新型コロナ対策のため加盟国に認めている財政規律の一時停止を2022 年も継続する可能性が高い」と の一部報道も好感された。なお、パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事はこの日、「債券利回りの上昇を 抑えるためECB は債券購入増額を躊躇すべきではない」との考えを示したものの、相場の反応は限られた。

ユーロ円も3 日ぶりに反発。終値は129.01 円と前営業日NY 終値(128.64 円)と比べて37 銭程度のユ ーロ高水準。日本時間夕刻に一時128.19 円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢 に。5 時30 分過ぎに一時129.08 円と日通し高値を付けた。ユーロドルにつれた動きとなった。

【本日の東京為替見通し】ドル円はもみ合いか、豪ドルは豪GDP 次第で上げ幅拡大の可能性も

本日の東京時間のドル円は、106 円台を中心にもみ合いとなるか。先週の米金利上昇の熱狂が醒めてき ていることもあり、ドル買い意欲が後退しつつある。また、本日の日経平均もCME225 先物が大阪取引 所比30 円高で引けているものの、大幅高を期待する地合いでもないことで株高による円売りを期待する のも難しそうだ。昨日の動きを見ても、日銀短観12 月調査時の2020 年度下期の大企業・製造業の想定 為替レート106.42 円、通期の106.70 円のいずれも上抜けていることもあり、断続的にどの水準でも売 りオーダーが散見された。本日の東京時間も上昇過程では本邦勢を中心に売り意欲が上値を抑えるだろう。 もっとも、他国よりもワクチンの普及率が低く、日本が再びどこの国よりも金融緩和政策から脱すること ができないと予想する声が多いことで、円売りのトレンドが中長期で変わることも難しいか。

本日も米金利動向には注目が集まる。NY 入り後にハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、ボスティッ ク米アトランタ連銀総裁、エバンス米シカゴ連銀総裁の講演が予定され、講演内容次第で本日も金利およ び為替を上下させることになりそうだ。特に後者2 人は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での投 票権を保持していることで注目度が高い。ボスティック総裁は2 月末に「利回りは歴史的にみて依然とし て非常に低い」「FRB が現時点で利回りに対応する必要はない」と発言していることで、同様な発言が予 想される。一方で、エバンス総裁は1 月に「金利は長期間低水準にとどまる」と予想をしていたこともあ り、ここ最近の金利急騰についてどのような見解を示すかが注目される。

ドル円以外ではアジア時間は、本日の日本時間9 時半に豪州から10-12 月期豪国内総生産(GDP)が 発表されることで、豪ドルの動きが最も注目されるだろう。先週発表されたGDP を構成する1 つでもあ る10-12 月民間設備投資が好結果だったこともあり、GDP に対する期待は高い。豪準備銀行(RBA)は 長期債の購入で金利を目標水準に抑えているものの、ここ最近は経済指標が好調なこともあり、RBA が 金融緩和政策を維持すると繰り返しても豪ドルの買い意欲は衰えていない。もし、GDP が市場予想を上 回れば豪ドルはさらに強含みそうだ。

ユーロドルは欧米の中銀関係者の金利高に対する見解相違(米国は金利高容認・欧州は金利高懸念)は あるが、市場はその見解の相違を織り込みつつある。昨日の下げがセリング・クライマックスになったと いう声もあり、ここから新たなネタ探しになりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○10:30 ◎ 片岡剛士日銀審議委員、あいさつ

<海外>
○09:30 ☆ 10-12 月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比2.5%/前年比▲1.9%)
○10:45 ◎ 2 月Caixin 中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.5)
○16:00 ◎ 2 月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.70%/前年比15.40%)
○16:30 ◎ 2 月スイスCPI(予想:前月比0.4%)
○16:45 ◇ 1 月仏財政収支
○17:50 ◎ 2 月仏サービス部門PMI 改定値(予想:43.6)
○17:55 ◎ 2 月独サービス部門PMI 改定値(予想:45.9)
○18:00 ◎ 2 月ユーロ圏サービス部門PMI 改定値(予想:44.7)
○18:30 ◎ 2 月英サービス部門PMI 改定値(予想:49.7)
○19:00 ◎ 1 月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.2%/前年比▲0.4%)
○21:00 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数
○21:00 ☆ 10-12 月期ブラジルGDP(予想:前年同期比▲1.6%)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○22:00 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:15 ☆ 2 月ADP 全米雇用報告(予想:17.7 万人)
○22:30 ◇ 1 月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比3.5%)
○23:45 ◎ 2 月米サービス部門PMI 改定値(予想:58.9)
○23:45 ◎ 2 月米総合PMI 改定値
○24:00 ☆ 2 月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:58.7)
○24:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00 ◎ デギンドスECB 副総裁、講演
○4 日00:30 ◇ EIA 週間在庫統計
○4 日01:00 ◎ テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○4 日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○4 日03:00 ◎ エバンス米シカゴ連銀総裁、講演
○4 日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○4 日04:30 ◎ シュナーベルECB 専務理事、パネルディスカッションに参加
○4 日05:15 ◎ オアNZ 準備銀行(RBNZ)総裁、講演

4 日
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○09:30 ◇ 1 月豪貿易収支

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

2 日08:18 ホークスビーNZ 準備銀行(RBNZ)総裁補佐
「必要に応じてキャッシュレートを引き下げることができ る」
「RBNZ は、必要に応じて毎週の債券購入額を増やすこ とができる」
「RBNZ は長期的な刺激に取り組んでいる」
「ニュージーランドの景気回復は不均一で脆弱であり、 見通しは鈍い」

2 日16:53 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「もし金利上昇が資金調達にマイナスの影響を与え始め た場合、緩和措置の検証を行う」
2 日17:45
「欧州中央銀行(ECB)は、望ましくない金利上昇に対応 する柔軟性がある」

2 日22:47 パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事
「政策支援はパンデミック終了後もかなり期間継続する 必要」
「2021 年は依然としてパンデミックの年」
「利回りの急上昇に対応する必要」

2 日22:53 バーキンド石油輸出国機構(OPEC)事務局 長
「石油市場の見通しは引き続き明るい」
「ポジティブな世界経済の拡大とアジアの需要回復に勇 気づけられている」

3 日03:39 ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事
「市場動向に細心の注意を払っている」
「経済は目標には程遠く、忍耐強さが必要」
「インフレは低いが、インフレ予測は2%に近づいてい る」

3 日04:49 OPEC プラス共同技術委員会(JTC)
「最近の石油価格の回復はファンダメンタルの改善とい うよりも投機的な動きの可能性が高い」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 03032021 chart 1

<ドル円=上ひげともなう陰線は目先的な天井示唆か>
上影小陰線引け。じりじり上値を切り上げる流れが続いた ものの、107 円回復目前で足踏みの状態となっている。
上ひげをともなう陰線は、目先の天井形成の示唆とも受け 取れる。現在106.50 円台で推移している5 日移動平均線を 割り込む調整も視野に入れて臨みたい。下押しを経ての上値 再トライは、今後の上昇余地を残す転換線の切り上がりとと もに戻すパターンが想定できる。

レジスタンス2 107.53(2020/7/20 高値)
レジスタンス1 107.05(2020/8/13 高値)
前日終値 106.69
サポート1 105.94(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 03032021 chart 2

<ユーロドル=上昇中の雲の下限を支えに抵抗こなすか>
下影陽線引け。一時1.1992 ドルへ下振れた。2 月5 日につ けた年初来安値1.1952 ドルを意識させる動きとなったが下 げ渋り、下限が1.2075 ドルの一目均衡表・雲の中へ戻した。 一目・基準線1.2098 ドル。転換線1.2118 ドルが上値に控え ており、戻りは鈍そう。上昇中の雲の下限の切り上がりとと もに、これらの抵抗をこなすことができるが見定める局面と なる。

レジスタンス1 1.2118(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.2091
サポート1 1.2024(ピボット・サポート1)
fx morning 03032021 chart 3

<ユーロ円=転換線が低下してしまう前のレンジ上放れ必要>
下影陽線引け。上昇余地を残す一目均衡表・転換線から下 振れる場面もあったが下げ渋り、129 円を回復してNY を引け た。転換線が支えだが、同線は来週9 日に129 円台をつけて ピークアウトする可能性がある。上昇基調を維持するために は、サポートとなる同線が低下へ転じる前にレンジを上方へ 放れることが必要といえる。

レジスタンス1 129.52(2/26 高値)
前日終値 129.01
サポート1 128.19(3/2 安値)
fx morning 03032021 chart 4

<豪ドル円=頭打ちとなる公算の転換線付近で失速も>
小陽線引け。一目均衡表・基準線82.08 円付近から、じり 高の転換線を追い直すように戻す展開となった。だが、転換 線は本日83.47 円へ切り上がったところで頭打ちとなる公算 が大きい。失速も視野に入れて臨むことになるが、押し目が 深くなっても、基準線や同線近辺で推移する21 日移動平均 線が下落幅の拡大を抑制しそうだ。

レジスタンス1 83.83(2/26 高値)
前日終値 83.43
サポート1 83.01(2/26-3/2 上昇幅の38.2%押し)
fx morning 03032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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