FX Morning 03/04/2021

【前日の為替概況】ドル円、反発 米債利回り受けて円売り・ドル買い

3 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は107.01 円と前営業日NY 終値(106.69 円)と 比べて32 銭程度のドル高水準だった。米10 年債利回りが一時1.49%台まで上昇したことを受けて円売 り・ドル買いが先行。2 月ADP 全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が11.7 万人増と予想 の17.7 万人増を下回ったことが分かると106.80 円付近まで下押ししたものの、米長期金利が上昇傾向を 強める中、0 時30 分過ぎには一時107.15 円と昨年7 月23 日以来の高値を付けた。2 月米サービス部門 PMI 改定値が59.8 と予想の58.9 を上回ったことも相場の支援材料。

ただ、同日高値107.23 円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。前日と同様に、 ロンドン16 時(日本時間1 時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されたことも相場の重 しとなり、106.85 円付近まで押し戻された。24 時発表の2 月米ISM 非製造業指数が55.3 と予想の58.7 を下回ったことも次第に意識された。

なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するエバンス米シカゴ連銀総裁は「インフレが急激 に上昇する著しいリスクは見られない」「長期金利の上昇は前向きな経済的兆候であるという見解を共有」 と述べたほか、「イールドカーブ・コントロールについては考えていない」「米連邦準備理事会(FRB)は 必要に応じて債券購入の満期を延長する可能性がある」などと発言した。

ユーロドルは反落。終値は1.2063 ドルと前営業日NY 終値(1.2091 ドル)と比べて0.0028 ドル程度の ユーロ安水準だった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.2043 ドルと日通し 安値を付けたものの、ロンドン・フィキシングにかけては全般ドル安が進んだため、1.2081 ドル付近ま で下げ渋った。フィキシング通過後は1.20 ドル台後半で次第に値動きが細った。FRB はこの日公表した 米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、「米経済活動はほとんどの地区で緩慢に拡大」「企業は今後数 カ月間の見通しに楽観的で住宅需要も堅調」「労働市場の改善ペースは鈍い」などと指摘した。

ユーロ円は小幅ながら続伸。終値は129.09 円と前営業日NY 終値(129.01 円)と比べて8 銭程度のユ ーロ高水準。ユーロドルの下落につれた売りが強まると128.74 円と日通し安値を付けたものの、ロンド ン・フィキシングにかけては129.25 円付近まで持ち直した。もっとも、NY 中盤以降は129.00 円を挟ん だ狭いレンジ取引に終始した。

米国株相場の下落を受けて、新興国通貨は軟調だった。トルコリラは対ドルで一時7.4990 リラ、対円 で14.26 円まで下落したほか、南アフリカランドは対ドルで15.1130 ランド、対円で7.08 円までランド 安に振れた。また、メキシコペソは対ドルで20.9988 ペソ、対円で5.09 円まで売り込まれた。

【本日の東京為替見通し】米金利の高止まりでドル円は堅調、欧州・オセアニア通貨は調整続く

本日の東京時間のドル円は、引き続き底堅い展開となるか。米金利が引き続き高止まりしていることは、 ドル円を支える要因として根強い。昨日も今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバーであるエ バンス米シカゴ連銀総裁が「長期金利の上昇は前向きな経済的兆候であるという見解を共有している」と 発言しているように、米要人からは金利高についての懸念表明は現時点では見受けられない。本日(日本 時間では5 日未明)にパウエルFRB 議長がウォールストリート・ジャーナル主催のイベント前に公開イン タビューを受ける予定になっていることで、警戒は怠らないようにしておきたいが、米金利が大幅に低下 することは考えにくく、日米の経済回復格差による金利差がドル円を底堅く推移させることになるだろう。

ただし、昨日のナスダック総合の大きな下げ幅をみても分かるように、金利上昇の副作用による株式市 場の軟調さはドル円の上値を抑えるかもしれない。米上院では追加刺激対策の審議が着々と行われ、追加 の1400 ドルの給付に対する収入制限などがより厳しくなると予想されているが、合意に向けて前進はし ている。しかしながら、株式市場がこの進展に対する反応が非常に限られていることは、株価の地合いの 弱さを示しているのかもしれない。

ドル円以外は、この数日は調整の域から脱していない。本日も米金利高が欧州通貨やオセアニア通貨の 頭を抑えるだろうが、週初に下値をトライして跳ね返された後だけに、強引に下押しするような地合いで もないだろう。アジア時間には豪州から1 月の貿易収支が発表されるが、豪準備銀行(RBA)理事会、10-12 月期国内総生産(GDP)という大きなイベント終了後なこともあり、貿易収支での市場の反応は限られる か。ただし、関係悪化が著しい中国との貿易収支は、中長期的に今後の豪州の経済状況を占うことになる ので目を通しておきたい。いずれにしても、米国入り後の経済指標や上述のパウエルFRB 議長のインタビ ュー、OPEC プラスの会合などでサプライズがない限り、明日の米雇用統計までは大きな動きにはなりに くそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 2 月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:30.0)

<海外>
○09:30 ◇ 1 月豪貿易収支(予想:65.0 億豪ドルの黒字)
○17:10 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 2 月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.0)
○19:00 ◎ 1 月ユーロ圏失業率(予想:8.3%)
○19:00 ◎ 1 月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲1.4%/前年比▲1.2%)
○21:30 ◇ 2 月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 10-12 月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比▲1.9%)
○22:30 ◇ 10-12 月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比▲4.7%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:75.0 万件/430.0 万人)
○24:00 ◎ 1 月米製造業新規受注(予想:前月比2.1%)
○5 日02:05 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国の閣僚会合(テレビ会議)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

3 日10:22 フライデンバーグ豪財務相
「金利が上昇し、財政の安定を脅かす時期が来るだろ う」

3 日10:40 片岡日銀審議委員
「見通しに対するリスク・バランスは、感染症の影響を中 心に下振れ方向のリスクが大きい」
「必要があれば、特別プログラムの再延長も含め、躊躇 なく追加的な金融緩和措置を講じる方針」
「金融政策においては、長短金利操作とコミットメントに 関して緩和を強化することが必要」
「積極的に国債を買入れ、長短金利を引き下げることが 適当」

3 日18:34 菅首相
「1 都3 県を対象とする緊急事態宣言の2 週間延長を検 討」

3 日18:41 欧州中央銀行(ECB)関係筋
「債券利回り上昇を抑制するために、劇的な措置は必要 ない」

3 日20:11 スナク英財務相
「英国の戦時レベルの債務残高は無視できない」
「英経済は、来年半ばに新型コロナウイルス流行以前の 水準を回復する見通し」
「一時帰休労働者への支援は9 月末に終了する」
「英国は新型コロナウイルス対策の追加支援で、今年と 来年に650 億ポンド拠出」
「英国政府債務の対GDP 比は、2020-21 年が88.8%、 2021-22 年が93.8%」
「2023 年には法人税が25%へ上昇する見込み」

3 日21:06 ワイトマン独連銀総裁
「ドイツ経済は、都市封鎖(ロックダウン)が長期化しても 対応できる」
「欧州中央銀行(ECB)は、パンデミック緊急資産購入プ ログラムに関して柔軟に対処」
「利回りの上昇幅は特に気になるものではない」
「ECB は不当な引き締めに対応する準備ができている」
「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)は柔軟性があ り、預金金利の引き下げはECB の手段の1 つ」

3 日21:40 デコス・スペイン中銀総裁
「ECB は必要に応じてすべての措置を調整する用意が ある」
「ECB はかなり大きな金融刺激策を維持する必要があ る」
「為替相場の推移を監視し続ける必要がある」

4 日00:22 デギンドスECB 副総裁
「今年度の成長見通しは12 月から基本的に大きく変わ らない」
「21 年の物価上昇率は前回ECB 見通しを明らかに上回 る」
「下半期は経済成長が強まると予想」
「PEPP の購入ペースはいつでも拡大できる」

4 日01:42 テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委 員
「マイナス金利によるリバーサルレートは理論上のリスク であり、現実世界の経験には裏付けられていない」
「マイナス金利が銀行の信用供与を減らすとは考え難 い」
「基本的な見通しでは、インフレリスクは見られない」

4 日03:23 エバンス米シカゴ連銀総裁
「失業率は9%近辺もしくはそれ以上」
「年末までに失業率は5%程度になると予想」
「ワクチンの進展は非常にポジティブ」
「インフレが急激に上昇する著しいリスクは見られない」
「利上げ検討前に2%以上のインフレを望む」
「インフレ率が3%まで上昇した場合は異常だが、上昇し た場合でも実際問題はない」
「長期金利の上昇は前向きな経済的兆候であるという見 解を共有」
「私の見通しは昨年12 月以来改善している」
「金融市場はより前向きな見通しを織り込みつつある」
「イールドカーブ・コントロールについては考えていない」

4 日03:36 クオモ・ニューヨーク州知事
(複数のセクハラ疑惑が浮上していることについて)
「私の行動を人々に不快感を与えた」
「お詫びする」
「私は一度も不適切に人に触れたことはない」
「辞任しない」

4 日04:12 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動はほとんどの地区で緩慢に拡大」
「個人消費と自動車販売に関してはまちまち」
「ほとんどの地区で製造業は緩やかに拡大」
「ホテルや小売、オフィス部門の商業用不動産の状況は やや悪化」
「ほとんどの地区では緩慢に雇用が改善」
「いくつかの地区では賃金がわずかに上昇」
「いくつかの地区では今後数カ月にわたって適度な価格 上昇を見込んでいる」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 04032021 chart 1

<ドル円=警戒感あるが転換線が支えとなり下振れは回避へ>
上影陽線引け。107 円目前の足踏みを経て、目立った下押 しもなく昨年7 月23 日以来の回復となった大台を維持して NY を引けている。
107 円の節目前後の攻防は続き、達成感による調整リスク はくすぶったまま。5 日移動平均線割れの警戒感は継続中。 ただ、下押し局面では、今後の上昇が見込まれる一目均衡 表・転換線のサポートが効きそうな状態も維持しており、大 きな下振れは回避できるとみる。

レジスタンス2 107.79(2020/7/7 高値)
レジスタンス1 107.29(2020/7/22 高値)
前日終値 107.01
サポート1 106.48(ピボット・サポート2)
fx morning 04032021 chart 2

<ユーロドル=90 日線前後の底堅さ維持し戻すことできるか>
小陰線引け。一目均衡表・雲の下限1.2075 ドル近辺から 1.21 ドル台へ戻したものの、一目・転換線1.2118 ドル目前 で上値が抑えられた。雲を下回って引けており、1.2067 ドル 前後で上昇中の90 日移動平均線前後の底堅さを維持し、再 び戻りを試すことができるか注視したい。下押しが進んだ場 合の目先のめどは、2 日の下振れでつけた1.1992 ドルとなる。

レジスタンス1 1.2113(3/3 高値)
前日終値 1.2063
サポート1 1.1992(3/2 安値)
fx morning 04032021 chart 3

<ポンド円=転換線付近で底堅いがレンジ上方突破が必要>
上影小陽線引け。一目均衡表・転換線付近のレンジを維持 し、年初来高値150.45 円をつけた2 月25 日以来の150 円回 復をうかがう場面もあった。2 月25 日ロンドンタイムのレン ジ下限149.75 円へわずかにとどかぬ149.70 円から押し戻さ れたが、小さいながら陽線で引け、底堅さは維持。高値トラ イは続くが、支えとなる転換線は現状からすれば本日148.93 円へ切り上がったところで頭打ちの見込み。上昇基調の維持 には、転換線が低下する前にレンジ上限を広げる必要がある。

レジスタンス1 150.13(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 149.32
サポート1 148.86(3/3 安値)
fx morning 04032021 chart 4

<NZ ドル円=転換線-基準線レンジの推移予想>
上影小陰線引け。上昇中の一目均衡表・転換線を追うよう に戻し、78 円台を回復する場面もあった。しかし、本日78.00 円へ切り上がった転換線を足もとで下回る相場展開となっ ている。そして転換線は、現状からすれば週明け8 日に78.10 円へじり高となった後、低下へ転じる公算。抵抗へ転じる同 線と、今後切り上がる見込みの基準線の交差が予想される77 円台の推移が続くとみる。

レジスタンス1 78.07(3/3 高値)
前日終値 77.55
サポート1 76.98(2/26 安値)
fx morning 04032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたもので あり、通貨、CFD、その他あらゆる金融商品の、購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くあ りません。本文書に盛り込まれている、いかなる見解や情報も、予告や通知なく変更することが あります。本文書は、特定の投資目的や、何らかの財務的背景、特定の受領者の意思などに沿っ て書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている、あらゆる過去の価 格データ・価格推移データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供 元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版 を原版とし、翻訳版と原版で相違がある場合には、原版の内容が優先するものとします。本文書 の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことによる、いかなる人物や団 体が結果的に引き起こした損失についても、当社は一切その責を負いません。

先物取引、先物オプション取引、外国為替証拠金取引(またはFX)、CFD、その他、入金額より もレバレッジをかけて、より大きな金額で取引をする金融商品には、当初入金額を超える大きな 損失を被るリスクがあり、すべての人に適するわけではありません。レバレッジを大きくして取 引すると、その分リスクも高くなります。金スポットや銀の取引は、米国商品取引法(U.S. Commodity Exchange Act)の規制で保護されていません。また、差金決済取引(CFD)は米国 在住者の取引は許可されていません。外国為替証拠金取引(FX)や商品先物取引を行う前には、 投資目的、投資経験、リスク許容範囲等について十分検討する必要があります。本文書内にある、 いかなる見解、ニュース、調査、分析、価格その他についても、「本文書を読むいかなる人物や 団体も、FOREX.comが、投資、法的、税務に関して助言するものではないことを理解している」 ことを前提として、一般的な情報として提供されるものです。いかなる投資、法的、税務に関す る事柄についても、適切な専門家や助言者に相談をしてください。FOREX.comは、米国の商品先 物取引委員会(CFTC)、英国の金融行動監督機構(FCA)、オーストラリアのオーストラリア証 券投資委員会(ASIC)、日本の金融庁の規制を受けています。