FX Morning 03/05/2021

【前日の為替概況】ドル円、続伸 米経済正常化期待から米長期金利が上昇基調を維持

4 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は107.98 円と前営業日NY 終値(107.01 円)と 比べて97 銭程度のドル高水準だった。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及による米経 済正常化期待から米長期金利が上昇基調を維持。日米金利差拡大への思惑からNY 市場に入っても円売 り・ドル買いの流れが続いた。107.50 円超えに観測されていたストップロス注文を誘発し、1 時前には 107.65 円まで値を上げた。24 時発表の1 月米製造業新規受注が前月比2.6%増と予想の2.1%増を上回っ たことも相場の支援材料。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は討論会で「FRB は目標達成のために強くコミット」「依然とし てFRB の目標には程遠い」と述べ、金融緩和の継続する姿勢を強調したものの、長期金利の上昇について は「一過性のインフレ加速に対して我々は慌てない」「市場が秩序のない状況になれば問題視するだろう」 と述べるにとどまった。市場では「金利上昇へのけん制が期待するほど強くなかった」として、米10 年 債利回りが一時1.56%台まで急伸した。これを受けて為替市場では全般ドル買いが活発化し、ドル円は 取引終了間際に一時107.99 円と昨年7 月1 日以来の高値を付けた。

ユーロドルは続落。終値は1.1969 ドルと前営業日NY 終値(1.2063 ドル)と比べて0.0094 ドル程度の ユーロ安水準だった。パウエルFRB 議長が講演でインフレ圧力の高まりに懸念を示さず、長期金利上昇の 抑制策にも特に言及しなかったため、米長期金利が急上昇。主要通貨に対してドル高が進んだ流れに沿っ て、5 時30 分前に一時1.1962 ドルと2 月5 日以来約1 カ月ぶりの安値を付けた。

ユーロ円は小幅ながら3 日続伸。終値は129.24 円と前営業日NY 終値(129.09 円)と比べて15 銭程度 のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが優勢となり、1 時30 分過ぎに一時129.64 円と本日高値を更新したものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると上げ幅を縮めた。

カナダドル円は一時85.54 円と2018 年12 月以来の高値を付けた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロ シアなど非加盟産油国でつくる「OPEC プラス」がこの日の会合で協調減産の1 カ月延長を決めると、WTI 原油先物価格が一時5%超上昇。産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。

【本日の東京為替見通し】日本売りの悪い円安は継続か、米雇用統計・全人代開幕に注目

本日の東京時間のドル円は、引き続き堅調推移となるか。今週、バイデン米大統領が5 月末までに米国 の全成人にワクチンを供給できると発表したように、米国を中心に世界各国はパンデミック前の日常を取 り戻そうとしている。その一方で、日本のワクチン接種件数は昨日4 日時点で3 万9174 件しかない。た だでさえワクチンの確保が大幅に遅れた「負け国」の中でも、異常に少ない数値となっている。日本と同 日の2 月17 日からワクチンの接種が始まった南アフリカが、すでに接種件数が7 万件近くになっている ことを考えると、日本は確保の遅れだけでなく、その普及率や接種率の低さも鮮明になっている。コロナ 前も日本経済の停滞が指摘されていたが、経済の回復も多くの国より大幅に遅れることが予想されること で、日本売り・円売りという「悪い円安」が今後も続く可能性が高い。

中長期的な流れは日本売りで変わらないだろうが、ここ最近は一方的に円安が続いていることで若干の 調整は入るかもしれない。特に本日は米国の2 月雇用統計の発表もあり、指標前後では乱高下をする可能 性には警戒したい。今週に入り米国から複数の雇用指標は発表されたが、ADP 全米雇用報告などは本日 発表される雇用統計との相関性は全くないことで、予想より弱かったADP と同様に雇用統計が悪化する とは限らないことは念頭に入れておきたい。

また、市場の不安要素の1 つとして、本日から中国全国人民代表大会(全人代)が開幕することがあげ られる。バイデン政権になって以後も米中関係が悪化しているが、ここ最近は香港や新疆ウイグル自治区 をめぐる人権問題を西側諸国が懸念していることで、全人代での中国の動きと、それに反発する米国など の動きは要注意となりそうだ。

ドル円以外の通貨もドル買いが昨日は鮮明だった。特にユーロ圏は金利高・通貨高に懸念を表明してい ることで、ユーロドルは上値が重くなるか。その一方で、ワクチン接種率が高い英国や、経済指標が好調 なオセアニア諸国などの通貨は、比較的底堅い動きになる可能性もある。今後は金利上昇でドルが堅調推 移も、各国の経済回復期待により通貨の取捨選択が、より分かれてくることになりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 2 月外貨準備高

<海外>
○16:00 ◎ 1 月独製造業新規受注(予想:前月比0.7%/前年同月比1.9%)
○16:45 ◇ 1 月仏貿易収支(予想:34.00 億ユーロの赤字)
○16:45 ◇ 1 月仏経常収支
○22:30 ◇ 1 月カナダ貿易収支(予想:14.0 億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ 1 月米貿易収支(予想:675 億ドルの赤字)
○22:30 ☆ 2 月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化18.2 万人/失業率6.3%/平均時給、前月比 0.2%/前年比5.3%)
○23:00 ◎ ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00 ◇ 2 月カナダIvey 購買部協会景気指数
○6 日01:00 ◎ 2 月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%)
○6 日05:00 ◇ 1 月米消費者信用残高(予想:120.0 億ドル)
○6 日05:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○中国全国人民代表大会(全人代)開幕

8 日
<国内>
○08:50 ◎ 1 月国際収支速報

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

4 日05:26 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「2022 年の利上げを予想せず」
「イールドカーブ・コントロールは可能な手段のひとつ」
「利上げがあるとするならば2023 年末に向けてだろう」

4 日05:49 オアNZ 準備銀行(RBNZ)総裁
「任務を達成するためには、まだ緩和的な金融政策が 必要」
「住宅価格のボラティリティがNZ 金融システムの健全性 にリスクをもたらす」

4 日07:54 メルケル独首相
「ロックダウンを段階的に緩和する道筋を設定する」
「予防接種はパンデミックから抜け出す方法」
「自分たちを後退させることなく開放するためのステップ を踏む必要」
「10 万人あたり感染者が50 人を下回ると小売業を含め た緩和を検討」

4 日12:52 カーンズ豪準備銀行(RBA)金融安定局長
「現在の住宅価格は懸念していない」
「貸し付けの質は我々が見守る必要のあるもの」
「債券利回りの上昇は国際的な現象」

4 日17:42 クノット・オランダ中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)理事会での金利上昇に関する議 論は、景気回復とインフレ見通しを反映したものだとの 認識が土台となる」

4 日22:26 ショルツ独財務相
「2021 年に追加の借り入れが必要となる可能性」

5 日02:11 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「FRB は目標達成のために強くコミット」
「依然としてFRB の目標には程遠い」
「インフレの上昇は一時的な可能性が高い」
「市場が秩序のない状況になれば問題視するだろう」
「最大限の雇用は年内確保の可能性は極めて低い」
「賃金の上昇を見極めたい」
「さらなる顕著な進展までしばらく時間がかかる」
「一過性のインフレ加速に対して我々は慌てない」
「最近の債券市場のボラティリティが気になる」
「FRB は条件が満たされるまで利上げを行わない」
「FRB の現在の金融政策スタンスは適切」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 05032021 chart 1

<ドル円=高値警戒の調整あっても下落幅の拡大は回避へ>
大陽線引け。足もとで昨年7 月1 日以来の108 円台を回復 する動きとなっている。
高値警戒感による調整の下押しがあっても、上昇中の5 日 移動平均線付近にとどまるか。割り込んでも、106 円台で上 昇傾向を維持している一目均衡表・転換線を下抜けることは ないだろう。

レジスタンス2 108.67(ピボット・レジスタンス2)
レジスタンス1 108.23(2020/3-2021/1 下落幅の61.8%戻し)
前日終値 107.98
サポート1 107.28(5 日移動平均線)
fx morning 05032021 chart 2

<ユーロドル=年初来安値付近で不安定>
大陰線引け。一目均衡表・雲の下限1.2075 ドルを回復し きれず、1.2060 ドル台の90 日移動平均線も下抜けて下落が 加速した。2 日の下振れでつけた1.1992 ドルを割り込み、一 時1.1962 ドルと2 月5 日以来、約1 カ月ぶりの安値をつけ た。年初来安値となる同日の1.1952 ドルは抜けていないが、 その他サポートとなりそうな目立った日足ベースのテクニ カル指標は付近にない。安値更新をうかがう不安定な状態で、 ピボットなど目先的なポイントも手掛かりに含め、落ち着き どころを探ることになる。

レジスタンス1 1.2029(5 日移動平均線)
前日終値 1.1969
サポート1 1.1894(ピボット・サポート2)
fx morning 05032021 chart 3

<ユーロ円=129 円台で上ひげ形成、戻り売り圧力を意識>
上影小陽線引け。少しずつ戻りを試しており、一時129.64 円まで上昇した。しかし、押し戻されており、長めな上ひげ をともなう足型を形成。2 月25 日につけた年初来高値129.98 円付近の売り圧力を感じさせる。底堅いながら、年初来高値 や昨日高値が位置する129 円台で戻りの鈍い推移が続くか。 下ひげをつけて下げ渋った3 日安値128.74 円や2 日安値 128.19 円付近へいったん下押す展開も想定しておきたい。

レジスタンス1 129.64(3/4 高値)
前日終値 129.24
サポート1 128.74(3/3 安値)
fx morning 05032021 chart 4

<豪ドル円=基準線と21 日線が底割れを防ぎそう>
上影小陽線引け。現水準83.47 円から低下へ向かう公算の 一目均衡表・転換線を一時は上回ったものの、押し戻された。 転換線は現状からすれば、来週10 日には83.01 円へ低下す る見込み。同線と82 円台で上昇中の一目・基準線に挟まれ たレンジ中心の推移が続きそう。ただ、基準線付近に位置し ている21 日移動平均線も支えになると考えられ、底割れ状 態になることはないだろう。

レジスタンス1 84.04(3/4 高値)
前日終値 83.39
サポート1 82.63(3/2 安値)
fx morning 05032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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