FX Morning 05/06/2021

【前日の為替概況】ドル円、反落 米雇用指標が予想を下回る

5 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は109.21 円と前営業日NY 終値(109.33 円)と 比べて12 銭程度のドル安水準だった。アジア市場では一時109.48 円まで値を上げる場面もあったが、海 外市場では上値の重さが目立った。4 月ADP 全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が74.2 万人増と予想の80.0 万人増を下回ったことが相場の重しとなり、22 時30 分過ぎに一時109.15 円と日通 し安値を付けた。

4 月米サービス部門PMI 改定値が64.7 と予想の63.1 を上回り、同総合PMI が63.5 と速報値の62.2 か ら上方修正されたことが分かると109.32 円付近まで下げ渋る場面もあったが、4 月米ISM 非製造業指数 が62.7 と予想の64.3 を下回ったことから、戻りも限定的だった。米長期金利の指標である米10 年債利 回りが1.56%台まで低下したことも相場の重し。

ユーロドルは小幅ながら続落。終値は1.2005 ドルと前営業日NY 終値(1.2014 ドル)と比べて0.0009 ドル程度のユーロ安水準だった。NY 市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。ユーロポンドの 下落につれたユーロ売り・ドル買いが出たほか、レーンECB 専務理事兼チーフ・エコノミストが「ワクチ ン普及や経済の制限解除は3 月見通しに織り込まれている」と述べ、債券購入の削減についても「インフ レや資金調達の状況次第」として、慎重な姿勢を示したことが相場の重しとなった半面、米長期金利の低 下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったため相場は方向感が出なかった。

ユーロポンドは一時0.8624 ポンドまで弱含んだ。6 日投票のスコットランド地方選で英国からの独立 を目指すスコットランド民族党(SNP)が過半数に届かない見込みだと伝えられたことなどを背景にユー ロ売り・ポンド買いが進んだ。市場の一部では「英中銀金融政策委員会(MPC)でテーパリングについて の議論が開始される」と予想する向きもあった。

ユーロ円は続落。終値は131.11 円と前営業日NY 終値(131.34 円)と比べて23 銭程度のユーロ安水準。 ただ、ユーロドルと同様にNY 市場に限れば131 円台前半での狭いレンジ取引に終始した。

【本日の東京為替見通し】本日はポンド・デーとなるか、円は緊急事態宣言延長への反応に警戒

本日の東京時間のドル円は、日本と中国が連休明けとなる中で、実需勢の動きを確かめながら方向感が 出にくい動きとなるか。先週末、東京勢が引けた水準は108 円後半だったことで、30 日の欧米から東京 休場の間はドル高・円安に傾いている。通常であれば水準的に輸出勢が売りから入ることが想像できるが、 どの程度下押しするかを見定める必要がある。

特に本日には4 都府県の緊急事態宣言の延長の有無が発表される予定であり、実需の売りにもかかわら ず下げ幅が限られるようなことになれば、ワクチン普及で完全に後れを取っている日本(円)売りに相場 が傾くこともありそうだ。緊急事態宣言については、延長幅が2 週間から1 カ月との話が出ていることで、 その期間により為替市場も動く可能性があるだろう。特に本邦よりも海外勢の方が日本の対応および先行 きに対してネガティブに捉えていることもあり、日本人が思っている以上に市場が反応するかもしれない。

ドル円以外では本日は英国(ポンド)デーともいえそうだ。英中銀(BOE)が金融政策委員会(MPC)後 に政策金利などを発表する。政策金利の据え置きや、資産買取プログラムの8950 億ポンドでの据え置き が市場予想となっている。しかしながら、今年の成長見通しを上方修正するのではないかと予想する声が 多くなっている。議事要旨の詳細を含めポンドの動きが注目される。

また、本日は英スコットランドの議会選が始まる。新型コロナウイルスに対する規制もあり、結果の確 定は8 日までずれ込むとされているが、様々な憶測がポンドを上下させることになるだろう。週末の英タ イムズ紙は改選議席129 議席のうち、スコットランド国民党(SNP)は2 議席増やし、65 議席を獲得する との結果も出ているが、各調査会社によりばらつきがあることで予断を許さない。また、週末の英テレグ ラフ紙はSNP が55%以上の得票を獲得すればポンドは1-1.5%下落し、SNP が45%以下の得票となった場 合はポンドが1%上昇するとの予測も出ている。

市場全体にいえることは、昨日から今日までの間だけでも世界情勢が大きく動いていることには目を向 けておきたい。欧州連合(EU)は昨日、国から補助金を受けている外国籍企業の規制強化を発表した。中 国政府を具体的には名指しはしていないものの、この規制が中国向けということは明らかなことで、バイ デン政権樹立後は欧州も米国と歩調を合わせることを示したかたちだ。また、イスラエルでは第1 党リク ードのネタニヤフ首相による組閣の見通しが立たなかったため、野党が政権樹立に動くことになったこと で、中東情勢にも要注意となる。なお、バイデン米大統領がワクチンの特許権廃止を求める行動をとって いるが、実際に廃止になるには時間を要することで、市場への影響はまだ先になりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ☆ 3 月18-19 日分の日銀金融政策決定会合議事要旨

<海外>
○10:00 ◇ 5 月NBNZ 企業信頼感
○15:00 ◎ 3 月独製造業新規受注(予想:前月比1.5%/前年同月比25.6%)
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○17:30 ◎ 4 月英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:60.1)
○18:00 ◎ 3 月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比1.6%/前年比9.4%)
○19:30 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:19.00%に据え置き)
○20:00 ☆ 英中銀金融政策委員会(MPC)2 日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産 買取プログラムは8950 億ポンドで据え置き)
○20:00 ☆ MPC 議事要旨
○20:15 ◎ ラガルドECB 総裁、講演
○20:30 ◇ 4 月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◇ 1-3 月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比4.3%)
○21:30 ☆ 1-3 月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比▲0.8%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:54.0 万件/362.0 万人)
○22:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○22:15 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00 ◎ カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○7 日02:00 ◎ メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○英スコットランド議会選

7 日
<国内>
○08:30 ◇ 3 月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:50 ◇ 4 月マネタリーベース

<海外>
○10:30 ◎ RBA 四半期金融政策報告
○10:45 ◎ 4 月Caixin 中国サービス部門PMI
○未定 ◎ 4 月中国貿易収支

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

5 日12:51 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「完全雇用の達成には、数年を要するかもしれない」

5 日16:32 イラク治安部隊
「過激派からの攻撃により、キルクークの北西にある2 つの油井で石油生産が停止」

5 日18:45 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「FRB の債券購入は金融政策の重要な部分を占めてい る」
「株式や住宅市場の上昇は現在の金融安定性に対する 重大なリスクにはならない」
「今年のインフレ率は2%以上になると予想しているが、 一時的なものだろう」
「インフレ率がどの程度まで上昇すれば政策変更を促す ことができるかについて、線引きをするつもりはない」
「インフレ率が高くなりすぎた場合、FRB には対応する能 力がある」

5 日19:34 ジョンソン英首相
「2 度目のスコットランド独立は無謀」
「スコットランドのほとんどの人が、今は2 回目の独立住 民投票の時期ではないと感じている」

5 日22:41 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チー フ・エコノミスト
「ワクチン普及や経済の制限解除はECB3 月見通しに織 り込まれている」
「来年のインフレは1%台前半を予測」
「債券購入の削減はインフレや資金調達の状況次第」

5 日22:43 エバンズ米シカゴ連銀総裁
「FRB の政策は当面の間、維持される見通し」
「成長見通しについて非常に楽観的」
「見通しは数カ月前よりも前向き」
「インフレ目標の達成はより困難になる可能性」

6 日01:02 ローゼングレン米ボストン連銀総裁
「失業率は2022 年末までに完全雇用の範囲になると予 想」
「FRB はインフレが問題になった場合に対応するための 手段がある」

6 日01:09 メスター米クリーブランド連銀総裁
「フォワードガイダンスは、改訂された金融政策戦略と完 全に一致」
「全体的な金融安定リスクは中程度」
「年末時点で失業率は4.5%と予想」

6 日02:15 米ホワイトハウス
「新型コロナワクチンの知的財産権の放棄を支持するか どうか、近く決定する」
「バイデン大統領は選挙時に権利放棄を支持していた」
「目標は国際社会にできるだけ早くワクチンを提供する こと」

6 日02:22 ラーブ英外相
「中国に対して建設的で調整されたアプローチを求め る」
「G7 の価値観を支持する国を拡大しなければならない」

6 日04:16 米通商代表部(USTR)
「新型コロナウイルスワクチンに対する知的財産権放棄 を支持」
「権利放棄に関する交渉には時間がかかる」

6 日04:22 クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長
「テーパリングについて議論する時期ではない」
「実際の失業率はまだ10%に近い」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 06052021 chart 1

<ドル円=下押しあっても雲へ深く入り込む展開は回避へ>
小陰線引け。一目均衡表・基準線付近で戻りが鈍かった。 横ばいから下落へ転じる同線に沿って、一目・雲などのサポ ートを試すことになるか。
雲の上限109.05 円を割り込む場面もありそう。しかし、 上昇傾向の一目・転換線が支えとなり、雲の中へ深く入り込 む展開にはならないだろう。

レジスタンス1 109.70(5/3 高値)
前日終値 109.21
サポート1 108.67(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 108.33(4/23-5/3 上昇幅の61.8%押し)
fx morning 06052021 chart 2

<ユーロドル=転換・基準線が交差する水準への収れん想定>
小陰線引け。1.2010 ドル付近で上昇中の21 日移動平均線 を下回るやや重い推移だった。しかし、本日1.1974 ドルへ 低下したところで底打ちする一目均衡表・雲の上限付近では 底堅さを示すと考えられ、強弱の重要な節目200 日移動平均 線を下回る事態は回避できるだろう。一目・転換線と基準線 の交差が予想される1.2010 ドル付近へ収れんしていく展開 を想定する。

レジスタンス1 1.2076(5/3 高値)
前日終値 1.2005
サポート1 1.1948(200 日移動平均線)
fx morning 06052021 chart 3

<ユーロ円=転換線の切り上がりに追いつけるか注視>
小陰線引け。130.98 円に位置していた一目均衡表・転換線 を割り込むことなく下げ渋り、131 円台でNY を引けた。本日 は131.29 円へ切り上がった転換線を下回っているが、一目・ 基準線130.97 円付近で引き続き下支えされるとみる。底堅 さを示し、まだ上昇傾向が続く見込みの転換線にキャッチア ップできるか注視したい。

レジスタンス1 131.64(5/4 高値)
前日終値 131.11
サポート1 130.65(4/23-29 上昇幅の61.8%押し)
fx morning 06052021 chart 4

<豪ドル円=基準線を支えとした84 円台の推移継続を予想>
小陽線引け。84 円台で上昇傾向の一目均衡表・転換線を目 先の支えとした底堅さを維持している。同線はほどなく頭打 ちとなる見込みだが、一目・基準線が支えとなり84 円台の 推移を継続するとみる。

レジスタンス1 85.01(4/29 高値)
前日終値 84.60
サポート1 84.02(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 06052021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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