FX Morning 02/08/2021

【前日の為替概況】ドル円、8 日ぶり反落 米雇用統計発表後に失望のドル売り

5 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は8 営業日ぶりに反落。終値は105.39 円と前営業日NY 終値 (105.54 円)と比べて15 銭程度のドル安水準だった。米上院が今会計年度予算の大枠となる予算決議案 を可決したと伝わると、時間外のダウ先物が上昇幅を拡大。株高を背景に投資家のリスク志向が改善し円 売り・ドル買いが強まった。22 時30 分前には一時105.77 円と昨年10 月12 日以来の高値を更新した。

ただ、1 月米雇用統計発表後はドル売りが優勢となり、3 時前には一時105.34 円と欧州時間に付けた日 通し安値に面合わせした。非農業部門雇用者数は前月比4.9 万人増とほぼ予想通りの結果となったが、今 週発表の1 月ADP 全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数の好結果を受けて、米雇用統計への期 待が高まっていただけに失望売りが出たようだ。前月の数値が下方修正されたことも相場の重し。米10 年債利回りが一時1.18%台まで上昇すると買い戻しが入り、下げ渋る場面もあったが戻りは鈍かった。

なお、米下院も上院を通過した同決議案を可決した。下院通過により、バイデン米大統領が掲げる1.9 兆ドル規模の経済対策案を今後数週間で民主党のみで可決させることが可能になった。

ユーロドルは5 日ぶりに反発。終値は1.2046 ドルと前営業日NY 終値(1.1964 ドル)と比べて0.0082 ドル程度のユーロ高水準だった。1 月米雇用統計の結果が伝わるとドルに失望売りが広がり、6 時過ぎに 一時1.2050 ドルと日通し高値を付けた。足もとで相場下落が続いたあとだけに週末を控えたポジション 調整目的の買いも入りやすかった。

ユーロ円も5 日ぶりに反発。終値は126.92 円と前営業日NY 終値(126.25 円)と比べて67 銭程度のユ ーロ高水準。米追加経済対策が早期成立するとの期待が台頭する中、投資家のリスク選好意欲が高まり円 売り・ユーロ買いが優勢になった。取引終了間際に一時127.00 円と日通し高値を付けた。

ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時144.89 円、豪ドル円は80.92 円、NZ ドル円は 75.95 円、スイスフラン円は117.25 円、南アフリカランド円は7.11 円まで値を上げた。トルコリラ円は アーバル・トルコ中銀総裁が「高水準のインフレ率になお上昇圧力がかかっている。利下げは今年のかな り先まで検討せず、利上げもあり得る」との見解を示したことも相場の支援材料となり、一時14.99 円と 昨年8 月6 日以来約半年ぶりの高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】スーパーボウルで小動きか、ワクチン関連などの続報には要警戒

本日の東京時間のドル円は105 円台を中心にもみ合いとなるか。本日は、日本時間午前8 時半より米国 で第55 回スーパーボウルが開催される。今年は昨年に続き連覇がかかるカンザスシティ・チーフスとタ ンパベイ・バッカニアーズの争いになる。チーフスには昨年のMVP・QB マホームズ、バッカニアーズには 6 度のスーパーボウル制覇を記録し、今シーズンにニューイングランドから移籍した43 歳のQB ブレイデ ィがいることで、まさにゴールデンカードといえる組み合わせのため注目度が高い。先週末の米国のテレ ビの経済チャンネルも、相場よりもこちらの話題が主になっているほどで、試合が終わる東京時間昼過ぎ までは市場の動きはそっちのけになりそうだ。また。本邦からは貿易収支や、景気ウオッチャー調査など が発表されるが、他のオセアニア・アジア圏から主だった経済指標の発表もなく、米国も同様に市場を動 意づかせる指標の発表もないことが値動きを更に狭めることになるだろう。

ただし、週末に様々なニュースがあったことで、ニュースへの反応には要警戒となるだろう。6 日付 の英ファイナンシャル・タイムズ(FT)紙には、アストロゼネカとオックスフォード大学で開発されたウ イルス・ワクチンが南アの変異株には効果が薄かったことが判明したことが掲載された。ワクチン接種で 経済回復論が浮上していたものの、変異株の蔓延で市場の雰囲気に水を差しかねない可能性がある。

欧州からはポジティブとネガティブ双方のニュースがある。ポジティブなニュースでは、週末にイタ リアのポピュリスト政党・5 つ星運動と右派の北部同盟が、ドラギ前欧州連合(EU)による新政権を支持 すると示唆したことが挙げられる。すでに6 日までにイタリア民主党、自由の人民など複数の政党からも 支持表明が出ていたが、カギを握る他政党の支持表明で、当面のイタリア政局は安定する可能性が高い。

一方でネガティブなニュースとしては、ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の逮捕以 来ロシアが混迷し、ロシアと欧州の関係が悪化していることが挙げられる。先週末にラブロフ露外相がボ レルEU 外務・安全保障政策上級代表との会談後、「ロシアはEU が信頼できないパートナーになっている と思っている」などと発言していることで、今後の欧露関係の展開は要注意となりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50
◎ 12 月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前1 兆830 億円の黒字/季節調整済2 兆2017 億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:9475 億円の黒字)
○14:00 ◇ 1 月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数30.0/先行き判断指数35.0)

<海外>
○15:45 ◇ 1 月スイス失業率(季節調整前、予想:3.7%)
○16:00 ◎ 12 月独鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年同月比▲0.8%)
○9 日00:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○9 日01:00 ◎ ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○9 日01:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○9 日02:00 ◎ メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○ニュージーランド(ワイタンギ・デーの振替休日)、休場

9 日
<国内>
○08:30 ◇ 12 月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:50 ◇ 1 月マネーストックM2

<海外>
○09:01 ◇ 1 月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 1 月豪NAB 企業景況感指数

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

5 日07:43 ロウ豪準備銀行(RBA)総裁
「景気回復は予想より早く始まり、我々の予測より強い」
「豪経済は他国より良好」
「GDP は21 年、22 年と3.5%増を見込む」
「利上げには、インフレ率が2-3%の目標圏内で持続的 に推移する必要」
「RBA の金融緩和策がなければ、豪ドルは大幅に上昇 しているだろう」
「当面は低金利が続くと見込む」
「失業率を低下させるため、あらゆる手段を講じている」
「大規模な金融支援は当面維持されるだろう」
「債券買い入れは国益にかなうと理事会は判断」
「RBA は財政ファイナンスはしない」
「GDP は今年半ばまでに19 年末の水準に回復を見込 む」

5 日13:58 黒田日銀総裁
「日銀のETF 買い入れは、コロナによる市場の不安定化 を緩和する効果」

5 日18:25 ブロードベントBOE(イングランド銀行)副総 裁
「景気回復はワクチンの展開にリンクされるだろう」
「一時解雇制度が終了すると、失業率が上がる可能性 が非常に高い」
「中銀がマイナス金利導入の前に時間を必要とすること は珍しいことではない」
「ECB もマイナス金利に対して同様の準備時間を要し た」

5 日19:51 ラブロフ露外相
「(ボレルEU 外務・安全保障政策上級代表との会談後) ロシアはEU が信頼できないパートナーになっていると思 っている」

5 日21:54 ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委 員
「BOE は短期的な政策の方向性について、まったくシグ ナルを出していない」
「新型コロナウイルス前よりも、より多くのオンラインでの 消費と家庭からの仕事の増加を望んでいる」

6 日00:14 バイデン米大統領
「完全雇用は10 年先に雇用データが示す」
「経済対策はやり過ぎて困ることはない」
「我々の経済がまだ問題を抱えていることは非常に明 確」
「現金給付額の縮小はしていない」
「超党派の支持より国民への支援提供を選びたい」

6 日00:18 米ホワイトハウス
「雇用統計は非常に強力な救済が緊急に必要であるこ とを示している」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 08022021 chart 1

<ドル円=5 日線前後で下げることできるか>
上影陰線引け。一時105.77 円と、昨年10 月12 日以来の 高値まで上振れた。
しかし105.58 円に位置した200 日移動平均線を上回る同 水準から押し戻されて週の取引を終えた。105.26 円前後で上 昇中の5 日移動平均線前後で下げ渋ることができるか見定め ることになるが下抜ければ、まずは先週2-3 日にもみ合った レンジ付近へ下押すことになりそうだ。

レジスタンス1 105.77(2/5 高値)
前日終値 105.39
サポート1 104.83(2/2 安値)
サポート2 104.68(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 08022021 chart 2

<ユーロドル=雲の中で戻り試す展開想定>
陽線引け。一目均衡表・雲の下限1.1957 ドル前後で下げ 渋り、1.2050 ドルまで反発した。低下中の一目・転換線1.2061 ドル前後からは動きが重くなるか。しかし、90 日移動平均線 も位置する1.2000 ドルの節目近辺では底堅さを示しそう。 雲の中へとどまり、戻りを試す展開を想定する。

レジスタンス1 1.2088(2/2 高値)
前日終値 1.2046
サポート1 1.2000(90 日移動平均線)
fx morning 08022021 chart 3

<ユーロ円=転換線や雲が支えに>
陽線引け。126 円近辺に位置した一目均衡表・雲の上限付 近の底堅さを背景に、一時1 日以来の127 円回復となった。 1 月29 日高値127.34 円や、同7 日高値127.49 円に近づいた こともあり、いったん伸び悩む可能性もある。しかし、上昇 傾向の転換線前後で下げ渋りそう。同線が低下へ転じても、 水準を切り上げる雲の上限が代わって下支えとなるか。

レジスタンス1 127.34(1/29 高値)
前日終値 126.92
サポート1 126.47(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 08022021 chart 4

<豪ドル円=5 日線まで下支えが乏しい点は気掛かり>
陽線引け。1 月8 日につけた80.93 円近辺の動きとなった。 高値圏で伸び悩んだ場合、下支えとなりそうな直近の日足テ クニカル指標が、80.36 円前後で推移する5 日移動平均線ま でない点は気掛かり。ただ、80.20 円前後に位置する21 日線 や一目・転換線80.06 円が支えとなり、深押しは回避できる だろう。

レジスタンス1 81.51(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 80.92
サポート1 80.36(5 日移動平均線)
fx morning 08022021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたもので あり、通貨、CFD、その他あらゆる金融商品の、購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くあ りません。本文書に盛り込まれている、いかなる見解や情報も、予告や通知なく変更することが あります。本文書は、特定の投資目的や、何らかの財務的背景、特定の受領者の意思などに沿っ て書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている、あらゆる過去の価 格データ・価格推移データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供 元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版 を原版とし、翻訳版と原版で相違がある場合には、原版の内容が優先するものとします。本文書 の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことによる、いかなる人物や団 体が結果的に引き起こした損失についても、当社は一切その責を負いません。

先物取引、先物オプション取引、外国為替証拠金取引(またはFX)、CFD、その他、入金額より もレバレッジをかけて、より大きな金額で取引をする金融商品には、当初入金額を超える大きな 損失を被るリスクがあり、すべての人に適するわけではありません。レバレッジを大きくして取 引すると、その分リスクも高くなります。金スポットや銀の取引は、米国商品取引法(U.S. Commodity Exchange Act)の規制で保護されていません。また、差金決済取引(CFD)は米国 在住者の取引は許可されていません。外国為替証拠金取引(FX)や商品先物取引を行う前には、 投資目的、投資経験、リスク許容範囲等について十分検討する必要があります。本文書内にある、 いかなる見解、ニュース、調査、分析、価格その他についても、「本文書を読むいかなる人物や 団体も、FOREX.comが、投資、法的、税務に関して助言するものではないことを理解している」 ことを前提として、一般的な情報として提供されるものです。いかなる投資、法的、税務に関す る事柄についても、適切な専門家や助言者に相談をしてください。FOREX.comは、米国の商品先 物取引委員会(CFTC)、英国の金融行動監督機構(FCA)、オーストラリアのオーストラリア証 券投資委員会(ASIC)、日本の金融庁の規制を受けています。