FX Morning 07/08/2021

【前日の為替概況】ユーロドル、続落 原油安を受けた資源国通貨とともに下落

7 日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続落。終値は1.1790 ドルと前営業日NY 終値(1.1824 ドル)と比べて0.0034 ドル程度のユーロ安水準だった。WTI 原油先物価格が一時3%超下落すると、ドル が対資源国通貨中心に上昇。ユーロに対してもドル買いが優勢となり、節目の1.1800 ドルを下抜けて一 時1.1782 ドルと4 月5 日以来約3 カ月ぶりの安値を付けた。欧州時間発表の5 月独鉱工業生産が予想を 下回り、欧州経済の先行き不透明感が広がったことも相場の重し。その後の戻りも1.1820 ドル付近にと どまった。

なお、欧州中央銀行(ECB)は金融政策の戦略見直しの結果を明日8 日20 時に公表すると発表。21 時 30 分にはラガルドECB 総裁が会見を行う。一部報道では「ECB は新たなインフレ目標を2%に設定するこ とで合意した」「新たなインフレ目標のオーバーシュートを受け入れる」と伝わった。

ドル円は4 営業日ぶりに小反発。終値は110.66 円と前営業日NY 終値(110.63 円)と比べて3 銭程度 のドル高水準だった。米長期金利の指標である米10 年債利回りが一時1.2946%前後と2 月19 日以来の 低水準を付けたことが相場の重しとなり、21 時30 分前に110.51 円付近まで下押ししたものの、対資源 国通貨中心にドル高が進むと対円でもドル買い戻しが優勢に。23 時30 分前には110.81 円付近まで持ち 直した。ただ、欧州時間に付けた日通し高値110.82 円には届かなかった。

6 月15 日-16 日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「テーパリング開始の基準に向けた 進展が続くと予想」「経済活動と雇用指標が強まった」「インフレに対するリスクが上向きに傾いていると 判断」としながらも、「実質的なさらなる進展の基準は、まだ満たされていない」「資産購入計画の変更を 発表するのに忍耐強くあるべき」「経済見通しへのリスクは残っている」との見解が示された。議事要旨 公表後にやや弱含む場面もあったが、反応は一時的だった。

ユーロ円は4 日続落。終値は130.50 円と前営業日NY 終値(130.81 円)と比べて31 銭程度のユーロ安 水準。ユーロドルが下落につれた売りが出て、一時130.43 円と日通し安値を付けた。原油安を背景に、 資源国のクロス円が下落した影響も受けた。

【本日の東京為替見通し】円買い材料は少ないがドル円はもみ合いか、ECB 戦略点検に注目

本日の東京時間のドル円は110 円後半を中心としたもみ合いとなるか。昨日はわずかながら先週のレン ジ下限を割り込んだものの押し返されている。欧米時間での下値トライも110 円半ばで支えられたことを 考えると、潜在的な買い意欲は本日も継続されそうだ。そもそも、日本のファンダメンタルズは元々弱く、 東京都で再び緊急事態宣言が発令される状況下で、経済再開にかじを切っている他国と比較する日本=円 買いが長続きすることも難しいだろう。国内からは政治的な信頼を失い、海外からは経済的信頼や新型コ ロナウイルス対策への信頼も失っていることで、円買いには限りがありそうだ。

ドル円以外では昨日はふたつのユーロで盛り上がった。1 つ目はサッカー・EURO2020 の準決勝が日本時 間早朝まで行われて、世界中で観戦されていた。イングランドの勝利は英国経済にとっては好要因となる が、スタジアムの状況を見ている限りでは新型コロナウイルス・デルタ株が蔓延しないわけがなく、今後 の感染状況が注目される。なお、EURO2020 決勝も英国のウェンブリースタジアムで開催される。

2 つ目の通貨ユーロは、昨日約3 カ月ぶりの水準まで弱含んだ。一部通信社が、「欧州中央銀行(ECB) は新たなインフレ目標を2%に設定することで合意する」「新たなインフレ目標のオーバーシュートを受 け入れる」と報じている。柔軟性を持たせ一時的なインフレに対してもテーパリングを先走らないという ことであれば、ユーロの上値は重くなるか。なお本日、日本時間20 時にECB による金融政策の戦略見直 しが公表されることで、内容をより吟味する必要があり要注目となる。

なお、オセアニア通貨の動きにも引き続き注意を払いたい。原油価格の調整売りなどもあり、一昨日の NY 入り後から上値が抑えられているが、上述のユーロ圏と比較するとインフレ懸念がある。本日はロウ 豪準備銀行(RBA)総裁の講演もあることで、豪ドルも発言内容次第では急に動意づく可能性もある。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◎ 5 月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前1 兆8200 億円の黒字/季節調整済1 兆5866 億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:2415 億円の黒字)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 6 月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数41.8/先行き判断指数49.5)

<海外>
○11:30 ◎ ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○14:45 ◇ 6 月スイス失業率(季節調整前、予想:2.9%)
○15:00 ◇ 5 月独貿易収支(予想:151 億ユーロの黒字)
○15:00 ◇ 5 月独経常収支
○19:35 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:00 ◎ 6 月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.51%)
○20:00 ◎ 欧州中央銀行(ECB)、金融政策の戦略見直しの結果を公表
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○21:00 ◎ 6 月ブラジルIBGE 消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.59%)
○21:30 ◎ ラガルドECB 総裁、会見
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:35.0 万件/333.5 万人)
○24:00 ◇ EIA 週間在庫統計
○9 日04:00 ◇ 5 月米消費者信用残高(予想:184 億ドル)

9 日

<国内>
○08:50 ◇ 6 月マネーストックM2

<海外>
○10:30 ◎ 6 月中国CPI
○10:30 ◎ 6 月中国生産者物価指数(PPI)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

7 日18:20 欧州委員会
「ユーロ圏の2021 年国内総生産(GDP)見通しは+4.8% (従来+4.3%)」
「ユーロ圏の2022GDP 見通しは+4.5%(従来+4.4%)」
「ユーロ圏の2021 年インフレ率見通しは1.9%」
「ユーロ圏の2022 年インフレ率見通しは1.4%」

7 日20:29 ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事
「世界的なインフレ率の持続的な上昇リスクが高まって いることから、早急な金融引き締めが求められる」

8 日02:43 ボルソナロ・ブラジル大統領
「現行の投票制度が維持されたままならば、2022 年の 選挙結果を受け入れない可能性」

8 日03:09 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
「委員はテーパリング開始の基準に向けた進展が続くと 予想」
「実質的なさらなる進展の基準は、まだ満たされていな い」
「短期金融市場では金利の下向き圧力を観察。短期的 にはこれらの金利に対する一段の下向き圧力の可能 性」
「何人かの委員会は目標に向けた進捗状況を評価し、 資産購入計画の変更を発表するのに辛抱強くあるべき であると強調」
「委員は経済活動と雇用指標が強まったことに同意し た」
「ワクチン接種の進展は、公衆衛生危機の経済への影 響を引き続き減少させる可能性が高いが、経済見通し へのリスクは残っている」
「インフレ上昇の最大の要因は供給のボトルネックの影 響を受けたセクター、またはパンデミックによって落ち込 んだレベルから価格レベルが回復しているセクターと認 識」
「長期的なインフレ期待は目標と概ね一致する範囲にと どまっていると認識」
「多数の委員はインフレに対するリスクが上向きに傾い ていると判断」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 08072021 chart 1

<ドル円=基準線を試すも下げ渋る>
極小陽線引け。一時110.40 円と、一目均衡表・基準線110.43 円を割り込んだ。しかし下放れる展開には至らず、110.50 円 台で上昇中の21 日移動平均線を回復した。21 日線が現行ペ ースの上昇を続ければ、今後低下する公算の一目・転換線と 110.70 円台で交差する見込み。そのレンジへ向かうことが想 定でき、現水準付近の底堅さを維持できそう。下押しがあっ ても基準線前後で再び下げ渋ることが期待できる。

レジスタンス1 111.03(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 110.66
サポート1 110.21(6/22 安値、ピボット・サポート2)
サポート2 109.72(6/21 安値)
fx morning 08072021 chart 2

<ユーロドル=短期ダブルボトムを形成できず下落継続>
陰線引け。2 日に下げ渋った際の安値1.1808 ドル付近にと どまることができず、短期スパンでのダブルボトム形成の期 待をかなえることはできなかった。一目均衡表・転換線の方 向性が示唆する下向きの流れは継続へ。目先のすう勢を示す 5 日移動平均線の低下をともない、下値を広げる展開が続く とみる。

レジスタンス1 1.1864(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1790
サポート1 1.1738(4/5 安値)
fx morning 08072021 chart 3

<ポンド円=転換線と90 日線が交差する水準へ収れんか>
極小陽線引け。戻りは、6 日に154 円台、昨日は153 円台 をどうにか回復する程度にとどまり押し返された。ただ、 152.60 円付近で緩やかに上昇する90 日移動平均線付近で、 足もとでの下押しの流れ停滞を示唆する極小線を形成。同線 や一目均衡表・雲の下限152.30 円付近の底堅さを維持でき そうだ。一方、低下中の一目・転換線と基準線が戻りを抑制 しそう。相場が、転換線と90 日線の交差が想定される152.70 円台へやがて収れんすると考えるなら、当面は現水準付近の レンジ中心の振れにとどまるか。

レジスタンス1 153.26(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 152.69
サポート1 152.04(4/23-6/21 安値を通る上昇トレンド)
fx morning 08072021 chart 4

<NZ ドル円=上向き示唆のテクニカル指標も散見>
小陽線引け。78 円台回復を試すも押し戻された。動意の鈍 さを示唆する小さな値幅のローソク足を形成。低下傾向の一 目均衡表・基準線77.81 円が目先の抵抗になる可能性もある が、一目・転換線はまだ切り上がる見込み。一目・雲の下限 も上昇と、上向きを示唆するテクニカル指標も散見される。 78.08 円前後で横ばいの90 日移動平均線も位置する78 円台 回復への期待はまだ継続している。

レジスタンス1 78.12(7/7 高値)
前日終値 77.64
サポート1 77.07(6/30 安値)
fx morning 08072021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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