【前日の為替概況】ドル円、続伸 米10 年債利回りが1.38%台まで上昇

7 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は110.28 円と前営業日NY 終値(109.86 円)と 比べて42 銭程度のドル高水準だった。米長期金利の指標である米10 年債利回りが1.38%台まで上昇し たことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。一目均衡表雲の上限110.11 円を上抜けて、110.32 円 まで上値を伸ばした。一時は2 万9590 円まで売り込まれた日経平均先物が持ち直し、再び3 万円台に乗 せたことも相場を下支えした。

ユーロドルは続落。終値は1.1840 ドルと前営業日NY 終値(1.1870 ドル)と比べて0.0030 ドル程度の ユーロ安水準だった。欧州時間発表の9 月独ZEW 景況感指数が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ ドル買いが先行。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、一時1.1838 ドルと日通し安値を付けた。市 場では「9 日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に、ポジション調整目的の売りが出た」との声も聞 かれた。 また、独連邦議会選挙(総選挙)を26 日に控えて、メルケル首相のキリスト教民主・社会同 盟(CDU・CSU)陣営の支持率が世論調査で統計開始以来初めて20%を割り込んだ。CDU・CSU の支持率が 過去最低となったことも意識されたもよう。

ユーロ円は続伸。終値は130.58 円と前営業日NY 終値(130.39 円)と比べて19 銭程度のユーロ高水準。 しばらくは130 円台半ばでのもみ合いが続いていたが、ドル円や日経平均先物の上昇につれた円売り・ユ ーロ買いがじわりと強まると一時130.66 円と日通し高値を更新した。

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは下落した。中米エルサルバドルのブケレ大統領が 6 日夜(日本時間7 日早朝)、法定通貨としての正式採用を7 日に控える中、同国が400 ビットコインを 所有していると明らかにすると、アジア時間には対ドルで一時5 万2921 ドル台まで上昇し、5 月13 日以 来の高値を付ける場面があった。

ただ、NY 市場に入ると利益確定目的の売りなどが膨らみ、一時4 万3050 ドル台まで急落した。もっと も、ブケレ大統領がツイッターで「150 ビットコインを追加購入した」「今後も押し目買いを継続する」 と発言すると一転買い戻しが優勢となり、4 万7700 ドル台まで急速に下げ渋った。

【本日の東京為替見通し】米金利上昇でドル底堅いか、本日から3 日間はFRB 高官講演が相次ぐ

本日のドル円は米金利が堅調に推移していることで上値トライとなるか。目先の水準として意識される のは今月1 日高値の110.42 円となる。しかし、その水準を抜けたとしても8 月上旬には幾度となく上値 トライに失敗している。上昇トレンドを作るためには、更なる米金利の上昇が必要となるだろう。

米金利に関しては、週末から21-22 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けてブラックアウト期間に 入ることで、本日から金曜日までに予定されている米連邦準備理事会(FRB)高官の発言が注目される。 確認されているだけでもウィリアムズ米NY 連銀総裁、カプラン米ダラス連銀総裁、デイリー米サンフラ ンシスコ連銀総裁、エバンス米シカゴ連銀総裁、ボウマンFRB 理事、メスター米クリーブランド連銀総裁 の講演がこの3 日間で予定されている。多くの講演が日本時間の夜に予定されていることで、市場のトレ ンドを作るのは米国時間になりそうだ。

米金利以外では、米国の政治状況が市場に影響を及ぼす可能性もあるので警戒しておきたい。米下院委 員会では3.5 兆ドルの景気刺激策の審議が開始されるが、上院では与党・民主党のマンチン議員が審議の 停止を求めるなど、党内の混乱がどのようなかたちで進むのかが注目されている。また、パウエルFRB 議長についてバイデン米大統領が再任を認めるかの判断も近々発表されることにも警戒したい。米紙では、 共和党員であるパウエルFRB 議長の再任を認めず、民主党員のブレイナードFRB 理事を指名することによ り、バイデン米大統領が与党内の支持を回復できるのではないかとの論調も出ている。

ドル円以外の通貨では、米金利が大きく動いていることで、東京時間にはリスク許容度に敏感なオセア ニア通貨の動きにも注目したい。特に昨日の豪準備銀行(RBA)理事会後に乱高下した豪ドルは、本日も 神経質に動きそうだ。また、日本時間の夜になるが、カナダ銀行(BOC、中央銀行)が政策金利を発表す ること、英国からはベイリー英中銀(BOE)総裁、ブロードベントBOE 副総裁、ラムスデンBOE 副総裁、 テンレイロ英金融政策委員会(MPC)委員が講演を行うことでカナダドルやポンドの値動きも注目される。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ☆ 4-6 月期実質国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.4%/前期比年率1.6%)
○08:50 ◎ 7 月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2 兆3000 億円の黒字/季節調整済1 兆8522 億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:6345 億円の黒字)
○14:00 ◇ 8 月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数45.0/先行き判断指数46.2)

<海外>
○15:45 ◇ 7 月仏貿易収支(予想:61.47 億ユーロの赤字)
○15:45 ◇ 7 月仏経常収支
○19:00 ◇ 7-9 月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:49)
○20:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○23:00 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○23:00 ◇ 8 月カナダIvey 購買部協会景気指数
○24:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブロードベントBOE 副総裁、ラムスデンBOE 副総裁、テンレ イロ英金融政策委員会(MPC)委員、講演
○9 日01:00 ◎ 8 月ロシアCPI(予想:前月比0.1%)
○9 日02:00 ◎ 米財務省、10 年債入札
○9 日02:10 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○9 日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○9 日04:00 ◇ 7 月米消費者信用残高(予想:250.0 億ドル)

9 日
<国内>
○08:50 ◇ 8 月マネーストックM2
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○07:00 ◎ カプラン米ダラス連銀総裁、バーチャル会合に参加
○07:45 ◇ 4-6 月期ニュージーランド(NZ)製造業売上高
○08:01 ◇ 8 月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○10:30 ◎ 8 月中国CPI
○10:30 ◎ 8 月中国生産者物価指数(PPI)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

7 日05:18 ブケレ・エルサルバドル大統領
「エルサルバドルは200 ビットコインを購入。さらに購入 する計画も」
8 日00:25
「エルサルバドルは150 ビットコインを追加購入」
「バーゲンは終了したようだ」
「押し目をありがとう」
「エルサルバドルは550 ビットコインを保有」

7 日13:32 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「週40 億豪ドルの国債買い入れを実施し、来年2 月まで 同水準で継続する」
「完全雇用への復帰と目標と一致するインフレを達成す るために、非常に支援的な金融条件を維持」
「RBA はインフレ率が持続的に2-3%の目標範囲内に収 まるまで利上げをしない」
「中銀の中心的なシナリオでは、この条件は2024 年まで 満たされない」

7 日17:38 サンダース英MPC(金融政策委員会)委員
「これまでのような刺激策は必要ない」
「英中銀、来年利上げが必要になる可能性」

7 日22:22 メルケル独首相
「現時点では供給問題が影を落としているものの、自動 車産業を含む独経済の回復を実感」

7 日23:36 米ホワイトハウス高官
「バイデン米大統領はデルタ変異株の拡大を阻止する ため、6 つの戦略を木曜日に発表」

8 日00:42 スナク英財務相
「我々が財政に責任を持つ政党であることを人々が認識 してくれることを望む」

8 日00:50 ジョンソン英首相
※さらなる増税を否定するように求められ
「コロナによって状況が大きく変わった」
「今議会でこれ以上の増税は望まない」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 08092021 chart 1

<ドル円=雲のねじれ部分を上抜け>
下影陽線引け。昨日は戻りの鈍さを嫌気した下押しが先行 した。しかし、前日6 日のレンジ下限109.69 円に並んだと ころで下げ渋った。一目均衡表・雲が厚みを狭め、相場の変 わり目にもなりやすい「ねじれ」が生じた部分を上抜けてい る。
目先のすう勢を示す5 日移動平均線も、低下傾向から上昇 へ転じた。再び厚みを増し始めた雲が支えとなり、1 日に伸 び悩んだ際の高値110.42 円を上抜けて勢いづけば、レンジ 上放れも可能だろう。

レジスタンス1 110.80(8/11 高値)
前日終値 110.28
サポート1 109.76(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 109.11(8/16 安値)
fx morning 08092021 chart 2

<ユーロドル=転換線前後で下げ渋ることできるか>
上影陰線引け。1.1830 ドル台で低下傾向の一目均衡表・雲 の下限を追うように、一時1.1838 ドルまで下値を探った。 上昇傾向の一目・転換線1.1822 ドル前後の攻防となりそう。 転換線付近で下げ渋るとみるが、下値を広げる展開となれば、 一目・基準線1.1787 ドルのサポートを頼ることになる。

レジスタンス1 1.1901(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 1.1840
サポート1 1.1787(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 08092021 chart 3

<ユーロ円=131 円台の90 日線や雲の上限を狙う展開か>
小陽線引け。130.10 円台の一目均衡表・雲の下限を上回る 水準での推移が続いている。抵抗でもありサポートともなる 雲の中で動意の鈍さも感じられるが陽線を形成。底堅さを示 しており、131.14 円前後で推移する90 日移動平均線や、雲 の上限131.37 円をうかがう流れとなるか。売られて雲を割 り込んでも、明日にも130 円台へ上昇する見込みの一目・転 換線が支えとなりそうな状態を維持している。

レジスタンス1 131.14(90 日移動平均線)
前日終値 130.58
サポート1 129.96(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 08092021 chart 4

<豪ドル円=200 日線位置する82 円目前でいったん停滞>
小陰線引け。200 日移動平均線が位置する82 円台回復を目 前に、じり高の流れがいったん停滞している。一目均衡表・ 雲の下限81.46 円前後の攻防。低下へ転じる雲の下限は強い 支えになっていない。再び上値を試すにしても、切り上がり が見込まれる一目・転換線が支えになる状態となってからか もしれない。

レジスタンス1 81.88(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 81.46
サポート1 80.89(9/2 安値)
fx morning 08092021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたもので あり、通貨、CFD、その他あらゆる金融商品の、購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くあ りません。本文書に盛り込まれている、いかなる見解や情報も、予告や通知なく変更することが あります。本文書は、特定の投資目的や、何らかの財務的背景、特定の受領者の意思などに沿っ て書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている、あらゆる過去の価 格データ・価格推移データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供 元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版 を原版とし、翻訳版と原版で相違がある場合には、原版の内容が優先するものとします。本文書 の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことによる、いかなる人物や団 体が結果的に引き起こした損失についても、当社は一切その責を負いません。

先物取引、先物オプション取引、外国為替証拠金取引(またはFX)、CFD、その他、入金額より もレバレッジをかけて、より大きな金額で取引をする金融商品には、当初入金額を超える大きな 損失を被るリスクがあり、すべての人に適するわけではありません。レバレッジを大きくして取 引すると、その分リスクも高くなります。金スポットや銀の取引は、米国商品取引法(U.S. Commodity Exchange Act)の規制で保護されていません。また、差金決済取引(CFD)は米国 在住者の取引は許可されていません。外国為替証拠金取引(FX)や商品先物取引を行う前には、 投資目的、投資経験、リスク許容範囲等について十分検討する必要があります。本文書内にある、 いかなる見解、ニュース、調査、分析、価格その他についても、「本文書を読むいかなる人物や 団体も、FOREX.comが、投資、法的、税務に関して助言するものではないことを理解している」 ことを前提として、一般的な情報として提供されるものです。いかなる投資、法的、税務に関す る事柄についても、適切な専門家や助言者に相談をしてください。FOREX.comは、米国の商品先 物取引委員会(CFTC)、英国の金融行動監督機構(FCA)、オーストラリアのオーストラリア証 券投資委員会(ASIC)、日本の金融庁の規制を受けています。