FX Morning 07/09/2021

【前日の為替概況】ドル円、反落 株安でリスク回避の円買い

8 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は109.72 円と前営業日NY 終値(110.66 円)と 比べて94 銭程度のドル安水準だった。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、景気回復が遅 れかねないとの懸念から世界の株式相場が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売り が優勢となった。24 時前に一時109.53 円と6 月11 日以来約1 カ月ぶりの安値を付けた。市場では「日 本政府が東京都に4 回目の緊急事態宣言を発令したことで、世界的な変異ウイルスの広がりへの警戒感が 高まった」との声が聞かれた。

欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50 指数は2%超急落したほか、ダウ平均は一時 530 ドル超下げた。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比670 円安の2 万7480 円まで 売られる場面があった。

もっとも、NY 午後は下げ渋る展開となった。米国株相場が急速に下げ幅を縮小したほか、一時は1.24% 台まで低下した米10 年債利回りが1.30%台まで低下幅を縮めたことがドル円を下支えした。

ユーロドルは3 営業日ぶりに反発。終値は1.1845 ドルと前営業日NY 終値(1.1790 ドル)と比べて0.0055 ドル程度のユーロ高水準だった。対円中心にドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行。 欧州中央銀行(ECB)が発表した戦略見直しが想定の範囲内であったことも買い安心感につながり、一時 1.1868 ドルと日通し高値を更新した。

ECB は1 年半にわたる戦略見直しの結果、中期的なインフレ率目標を「2%」に変更すると発表した。 これまでの「2%に近いが、それを下回る水準」を改め、物価の一時的な上振れを容認する。気候変動に 対する考慮を金融政策に加味することも明らかにした。

なお一部報道によると、戦略見直しの内容が先行きの政策にどのように反映されるかを示す「フォワー ドガイダンス」を巡っては合意に至らなかった。22 日の理事会で改めて討議するという。

ユーロ円は5 日続落。終値は129.95 円と前営業日NY 終値(130.50 円)と比べて55 銭程度のユーロ安 水準。日本時間夕刻に一時129.63 円と日通し安値を付けたものの、NY 市場に限れば130.00 円を挟んだ 狭いレンジでのもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方 向感が出なかった。

【本日の東京為替見通し】株価動向を見守る展開、円買い要因少ないが軟調な株価が上値圧迫

本日の東京時間のドル円は株式市場の動きを確かめながら、ドル円のリバウンドがあるかを探る展開と なるか。米中間のデカップリングの悪影響が、世界の株式市場へ徐々に広まっている。昨日も中国政府に よる海外上場規制強化などを背景に、株売りによるリスクオフ相場に動いた。また、中国の軍事情報にリ ンクしている企業への米国の投資を停止する米大統領命令もあり、FT やラッセルのインデックスから約 20 の中国企業株を削除することを発表しているが、今月26 日からはMSCI インデックスからも上述の多 くの企業が削除されるとされている。中国側からも今後の報復行為が予想されることで、この流れによる 資金の動きの遷移が一時的に終わるのか、当面続くのかを見極める必要がある。

ただし、株価の下落がリスクオフにより円買い・ドル売りにはなっているものの、ファンダメンタルズ の弱い日本買いが長期間続くのも難しいと思われる。12 日から東京都に緊急事態宣言が再発令されるな ど、円買い要因はほぼない。ポジションの偏りによる調整のドル円売りが落ち着けば、再び円売り相場に 戻るとも思われる。

ドル円以外の通貨は、本日は東京時間夜から動きが活発となりそうだ。本日はラガルド欧州中央銀行 (ECB)総裁、ベイリー英中銀(BOE)総裁をはじめ複数の中銀関係者の講演が控えている。昨日のECB の戦略見直しが盛り上がりに欠ける結果となったこともあり、講演後はECB 総裁に踏み込んだ質問が出て くる可能性もあり、総裁の回答の内容に警戒したい。

なお、アジア時間には6 月中国消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が発表される。ここ最 近は中国の経済指標で為替相場が動くことはなくなっているが、中国株も不安定な動きをしていることで、 指標発表後の中国株の動きには要注意となりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 6 月マネーストックM2(予想:前年比6.0%)

<海外>
○10:30 ◎ 6 月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.3%)
○10:30 ◎ 6 月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比8.8%)
○15:00 ☆ 5 月英国内総生産(GDP、予想:前月比1.5%)
○15:00 ◎ 5 月英鉱工業生産指数(予想:前月比1.5%/前年比21.6%)
○15:00 ◎ 5 月英製造業生産高(予想:前月比1.0%)
○15:00 ◇ 5 月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:111.00 億ポンドの赤字/12.50 億ポンドの赤字)
○15:00 ◎ 6 月ノルウェーCPI(予想:前月比0.4%/前年比2.9%)
○16:00 ◇ 5 月トルコ経常収支(予想:30.3 億ドルの赤字)
○16:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○19:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○19:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○20:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(6 月10 日分)
○21:30 ☆ 6 月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化19.5 万人/失業率7.7%)
○23:00 ◇ 5 月米卸売売上高
○23:00 ◇ 5 月米卸売在庫(予想:前月比1.1%)
○24:00 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20 カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(伊ベネチア、10 日まで)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

8 日11:40 ロウ豪準備銀行(RBA)総裁
「持続的2-3%のインフレに2024 年までかかると予想」
「利上げの条件はインフレの状況次第であり、期日では ない」
「債券買い入れの縮小は中銀の支援停止を意味するも のではない」
「将来的な景気循環の中で量的緩和が必要となる可能 性は高い」
「マイナス金利は考えていない」

8 日13:38 中国人民銀行副総裁
「一部の赤字輸出企業を支援するために、人民元レート を基本的に安定させる」
「輸出企業を支援するために政策手段を適宜調整する」

8 日15:33 スナク英財務相
「失業率は以前よりはるかに低い」
「私とジョンソン首相は国に対し同じ野望を抱いている」
「雇用と賃金を通して国民を支援することがベスト」

8 日20:05 欧州中央銀行(ECB)
「インフレ目標を2%に引き上げる」
「中期で対称的な2%のインフレ目標を採用する」
「7 月22 日の会合から新戦略の適用を開始する」
「金融政策に気候変動に対する考慮を加味する」
「インフレ目標2%からの乖離は容認する」
「インフレ目標2%からの上下の乖離は望ましくない」

8 日21:37 ラガルドECB 総裁
「全会一致で戦略を承認」
「新たな目標は明白であり、対話が容易」
「インフレ目標2%は上限ではない」

9 日02:15 米ホワイトハウス
「日本政府はオリンピックを実施するために必要な公衆 衛生上の措置を講じている」
「大統領夫人がオリンピック開会式に出席するかはまだ 検討中」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 09072021 chart 1

<ドル円=90 日線や雲の上限を試す局面>
下影陰線引け。一目均衡表・基準線110.43 円や、110.50 円台に位置する21 日移動平均線を下抜けて6 月11 日以来、 約1 カ月ぶりの安値109.53 円まで下落した。
109.47 円前後で推移する90 日移動平均線や、一目均衡表・ 雲の上限109.39 円を試す局面だが、同下限109.23 円や6 月 7 日安値109.19 円程度までの下落余地も視野に入れて臨むべ きか。下抜けると、次は5 月25 日安値108.56 円、同19 日 安値108.57 円が位置するレンジが意識される。

レジスタンス1 110.34(5 日移動平均線)
前日終値 109.72
サポート1 109.23(日足一目均衡表・雲の下限)
サポート2 108.56(5/25 安値)
fx morning 09072021 chart 2

<ユーロドル=転換線こなしても21 日線が上伸抑制か>
上影陽線引け。一時1.1868 ドルと、6 日に一目均衡表・転 換線付近で伸び悩んで1.1895 ドルを上値に下落し抵抗の値 幅を7-8 割がた回復する反発となった。ただ、6 日と同様に ここからも転換線付近が重いか。本日の1.1856 ドルからま だ低下が続く見込みの同線を日柄の経過を味方に上回るこ とは考えられるが、1.1920 ドル付近で低下中の21 日移動平 均線が上伸を抑制するだろう。

レジスタンス1 1.1895(7/6 高値)
前日終値 1.1845
サポート1 1.1782(7/7 安値)
fx morning 09072021 chart 3

<ユーロ円=6 月に下げ渋った130 円付近を下抜け下落加速>
下影陰線引け。6 月21 日に長い下ひげを形成して下げ渋っ た際の安値130.04 円を下抜け、129.63 円まで下落が加速し た。4 月23 日安値129.59 円、同8 日安値129.57 円といった ポイントを前に下落の勢いをいったん緩めたが、130 円台で 低下中の5 日移動平均線や一目均衡表・転換線131.03 円が 戻り局面での抵抗となる。自律反発する場面を挟みつつも、 下値を探る展開が続きそうだ。

レジスタンス1 130.56(5 日移動平均線)
前日終値 129.95
サポート1 129.63(7/8 安値)
fx morning 09072021 chart 4

<豪ドル円=下抜けた6/21 安値82.14 円が目先の抵抗>
下影大陰線引け。一目均衡表・転換線付近で戻りが抑えら れ、6 月21 日安値82.14 円を下抜けた。2 月12 日以来の安 値81.32 円まで下落幅を広げた。下抜けた82.14 円が目先の 抵抗となり、82 円半ばで低下中の5 日移動平均線付近でも戻 りが鈍りそう。82.76 円へ低下した転換線付近まで戻すのも 難しそうで、崩れた相場が強い地合いを回復するのは容易で はない。

レジスタンス1 82.14(6/21 安値)
前日終値 81.57
サポート1 81.09(2/12 安値)
fx morning 09072021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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