FX Morning 06/10/2021

【前日の為替概況】ドル円、米長期金利低下で売り先行も終盤には109.66 円へ反発

9 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は109.63 円と前営業日NY 終値(109.50 円)と 比べて13 銭程度のドル高水準だった。米長期金利の指標である米10 年債利回りが1.47%台に低下する と円買い・ドル売りが先行。22 時30 分過ぎに一時109.23 円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値 109.20 円や7 日の安値109.19 円がサポートされると一転上昇。109.00-10 円には11 日期限のまとまっ た規模のオプションが観測されていることもあり、109 円台前半での下値の堅さも意識された。米長期金 利が低下幅を縮小したことも相場の支援材料となり、一時109.66 円と日通し高値を更新した。

市場では「米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)時期を探るうえで重要な 5 月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控えて、やや神経質な動きだった」との指摘があった。

ユーロドルは小反発。終値は1.2180 ドルと前営業日NY 終値(1.2173 ドル)と比べて0.0007 ドル程度 のユーロ高水準だった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.2218 ドルと日通 し高値を付けたものの、その後失速。米金利が低下幅を縮めたことでドル買い戻しが進み、一時1.2174 ドル付近まで下押しした。10 日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会と米インフレ指標の発表を控えて、投 資家の様子見気分も強く大きな方向感が出にくい面もあった。

ユーロ円は続伸。終値は133.53 円と前営業日NY 終値(133.29 円)と比べて24 銭程度のユーロ高水準。 ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出て一時133.63 円と本日高値を付けたものの、引けにか けてはやや伸び悩んだ。

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調だった。対ドルでは一時3 万6000 ドル台後 半、対円では404 万円台まで上昇する場面があった。中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨とし て採用するブケレ大統領の提案を賛成多数で承認したことが好感された。ビットコインの法定通貨採用は 世界初。

【本日の東京為替見通し】欧米市場のイベント控えて動意に乏しい展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、欧州市場での欧州中央銀行(ECB)理事会やニューヨーク市場で の米5 月消費者物価指数の発表を控えて、109 円台での動きづらい展開が予想される。

ドル円は、来週15-16 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、注目の米5 月消費者物価指数(CPI) が発表されることで、109 円台のNY カットオプションが値動きを抑制する展開が予想される。ドル円の NY カットオプションは、本日109.55-60-65 円に合計17 億ドル、本日と明日で109.70-75-80 円に17 億 ドル、110 円には本日と明日で17 億ドル観測されており、値動きを抑制している。

米5 月総合CPI の予想は前年比+4.7%で4 月の前年比+4.2%から上昇、コアCPI の予想は前年比+3.4% で4 月の前年比+3.0%からの上昇が見込まれている。昨日の米10 年債利回りは1.471%まで低下し、 1.491%で引け、ダウ平均は152.68 ドル下落して引けた。パウエルFRB 議長やハト派のFRB 高官は、イン フレ率の高進は、ベース効果やバイデン米政権の大規模財政出動による一時的な現象としている。しかし、 クォールズFRB 副議長やクラリダFRB 副議長、タカ派のFRB 高官は、テーパリング(資産購入の段階的縮 小)開始の協議を要請しており、来週のFOMC でテーパリング開始が表明され、来年1 月以降に開始され る可能性も払拭されていない。

2013 年6 月19 日のFOMC では、5 月のバーナンキ第14 代FRB 議長による「テーパー・タントラム(Taper tantrum)」を受けて、2013 年後半からのテーパリング開始が表明され、予告通りに2013 年12 月からテ ーパリング(月額850 億ドルから750 億ドルへ減額)が開始された。

かつてニューヨーク連邦準備銀行に勤務し、米連邦準備理事会(FRB)が長期のインフレ期待を評価す る手法を変更するのに貢献したブライアン・サック氏は、現状のインフレ期待が、大規模な債券購入プロ グラムを縮小(テーパリング)するための地ならしをFRB が開始する必要性を意味するとの見方を示して いる。

一方で、バーナンキ第14 代FRB 議長が導入していたインフレ測定のための「バーナンキモデル」によ ると、5 月のCPI は前年比+4.8%へ上昇し、8 月まで高水準で高止まるものの、年末にかけては前年比+3.4% 程度まで低下すると示唆されており、ハト派のFRB 高官のインフレ高進は一時的との見方を裏付けている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 5 月企業物価指数(予想:前月比0.5%/前年比4.5%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○08:01 ◇ 5 月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:77)
○15:00 ◎ 5 月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.9%)
○15:45 ◇ 4 月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
○16:00 ◇ 4 月トルコ失業率
○16:30 ◎ 5 月スウェーデンCPI(予想:前月比0.4%/前年比2.0%) コア指数(予想:前月比0.4%/前年比2.2%)
○18:00 ◎ 1-3 月期南アフリカ経常収支(予想:1821 億ランドの黒字)
○20:45 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:05 ◎ ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:30 ☆ ラガルドECB 総裁、定例記者会見
○21:30 ☆ 5 月米CPI(予想:前月比0.4%/前年比4.7%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.4%/前年比3.4%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:37.0 万件/360.2 万人)
○11 日02:00 ◎ 米財務省、30 年債入札
○11 日03:00 ◎ 5 月米月次財政収支(予想:2500 億ドルの赤字)
〇英米首脳会談

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

9 日08:41 ケント豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「インフレ率が目標範囲内で持続的に推移するのは早く ても2024 年までないだろう」
「完全雇用まで景気が回復し、インフレが目標範囲で推 移するまで緩和策は維持される」

9 日10:57 中国商務省
「今年の対外貿易について、盲目的に楽観視することは できない」
「貿易会社の為替リスクへの対応能力を強化する」

9 日15:45 ホールデン英金融政策委員会(MPC)委員
「金融政策の蛇口を閉め始める必要があるだろう」
「賃金上昇が必要となる幾分の可能性がある」

9 日15:45 ホールデン英金融政策委員会(MPC)委員
「金融政策の蛇口を閉め始める必要があるだろう」
「賃金上昇が必要となる幾分の可能性がある」

9 日16:21 イングベス・リクスバンク(スウェーデン中銀) 総裁
「早すぎる政策の終了は大きなリスクが見込まれる」
「インフレが7 月以降上昇すると考えるのは合理的」

9 日16:42 中国外務省
「台湾問題などを明記した日豪共同声明について、中国 は脅威を調査し、日豪に断固として反対する」
「中国の国内問題への介入と、地域の平和と安定を危 険にさらすことを控えるよう求める」

9 日17:48 ドンブロウスキス欧州委員会副委員長
「米国との関係は以前よりもよくなった」
「米国との貿易協議は建設的に行われた」

9 日23:04 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「理事会は回復には引き続き大規模金融政策が必要で あると判断」
「2%インフレ目標の持続的達成のため政策金利を下限 で維持」
「現時点の予測では、政策金利維持は2022 年後半まで 継続」
「回復が順調に進むまで量的緩和プログラムを継続」
「債券購入ペースについての決定は理事会の継続的な 評価によって導かれる」
「回復を支援しインフレ目標を達成するために、適切な 金融刺激策を維持」
「米国では消費者主導の力強い回復を経験しており、欧 州では回復が具体化し始めている。ただ、ウイルス再拡 大が一部の新興市場経済の回復を妨げている」
「金融環境は引き続き非常に緩和的であり、資産価格の 全般的な上昇に反映」
「商品価格、特に原油が上昇しカナダドルを押し上げた」
「ワクチン接種がより速いペースで進み、夏には制限が 緩和されるため、カナダ経済は個人消費に牽引されて 力強く回復すると予想」
「住宅市場の活動は緩やかになると予想されるが、依然 として高いまま」
「予想通り、CPI インフレはガソリン価格の上昇により、1 -3%のインフレ抑制範囲の上限付近まで上昇した」
「主に一時的な要因と基準年の影響により、コアインフレ 指標も上昇した」
「消費者物価指数のインフレ率は夏まで3%近くにとどま る可能性が高い。ただ基準年効果が減少し、過剰生産 能力が引き続き下押し圧力を及ぼすため、年後半には 緩和すると予想」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 10062021 chart 1

<ドル円=6/4 高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯中。しかし2 手連続陽線で反発 したものの、転換線を下回って引けていることで反落の可能 性が示唆されている。
本日は、転換線109.76 円を念頭に置き、6 月4 日の高値を 抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準上抜けた場合は手仕 舞い。

レジスタンス1 110.33(6/4 高値)
前日終値 109.63
サポート1 108.92(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 108.57(5/19 安値)
fx morning 10062021 chart 2

<ユーロドル=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。孕み線で反発して転 換線を上回って引けていることから続伸の可能性が示唆さ れている。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.2254(6/1 高値)
前日終値 1.2180
サポート1 1.2130(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 10062021 chart 3

<ポンド円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。しかし、抱き線で反 落し、転換線を下回って引けていることから続落の可能性が 示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 155.21(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 154.78
サポート1 153.67(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 10062021 chart 4

<NZ ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
小陰線引け。遅行スパンは実線を下回っているものの、一 目・転換線は基準線を上回り、一目・雲の上で引けているこ とから買いシグナルが優勢な展開となっている。しかし、2 手連続陰線で下落し、転換線を下回って引けていることから 続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 79.18 (日足一目均衡表・転換線)
前日終値 78.71
サポート1 78.13(日足一目均衡表・雲の上限)
fx morning 10062021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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