FX Morning 03/11/2021

【前日の為替概況】米2 月コアインフレ率でドル売り、対円108.34 円、対ユーロ1.1930 ドル

10 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら続落。終値は108.38 円と前営業日NY 終値 (108.48 円)と比べて10 銭程度のドル安水準だった。「日銀は国債金利がより柔軟に動く方法を政策点 検で検討している」との一部報道を受けて円買い・ドル売りが先行。一時108.50 円付近まで値を下げた。 ただ、黒田東彦日銀総裁が5 日に長期金利の変動幅拡大に対して否定的な見解を示したこともあり、ドル 売り圧力はすぐに後退した。2 月米消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除くコア指数が予想を 下回ったことが分かると、インフレ加速による長期金利上昇への警戒感が薄れ、米金利の低下とともにド ル売りが再燃。前日の安値108.42 円を下抜けて一時108.34 円まで下げ足を速めた。

米下院は、1.9 兆ドル規模の新型コロナウイルス経済対策法案を再可決した。バイデン大統領は12 日 に署名する見通しで、同法案はその後成立する。

ユーロドルは続伸。終値は1.1929 ドルと前営業日NY 終値(1.1901 ドル)と比べて0.0028 ドル程度の ユーロ高水準だった。明日予定されている欧州中央銀行(ECB)定例理事会とラガルドECB 総裁の会見を 見極めたいとして、しばらくは方向感に乏しかったが、米CPI を受けて米金利が低下すると1.1930 ドル と日通し高値を更新した。「ECB 予測草案では、インフレ上昇は一時的との見解が示される」との一部報 道が伝わったものの、相場の反応は限られた。

ユーロ円は3 日続伸。終値は129.29 円と前営業日NY 終値(129.10 円)と比べて19 銭程度のユーロ高 水準。日銀絡みの報道で円買いが先行すると129.04 円付近まで値を下げた後、ユーロドルの上昇につれ た買いも入り、129.31 円付近まで値を戻した。

カナダドル円は85 円台後半でのもみ合いに終始した。カナダ銀行(BOC、中央銀行)はこの日、市場予 想通り政策金利を現行の0.25%で据え置くと発表した。声明では「インフレ率が継続的に目標の2%に達 するまでは現行の金融緩和策を維持する」との方針を改めて示した半面、「新型コロナ流行で落ち込んだ 世界経済は回復基調にあり、米景気はコロナ感染減と財政支出の拡大を背景に勢いを増している」「カナ ダ経済も想定されていたより底堅い」とし、2021 年第1 四半期のGDP 見通しを1 月時点のマイナスから プラスに引き上げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日銀の金融政策点検への思惑から伸び悩む展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、来週の日銀金融政策決定会合での金融政策点検への思惑や3 月期 末決算に向けた本邦実需筋の円買いで伸び悩む展開が予想される。

ニューヨーク市場のドル円は、「日銀は国債金利がより柔軟に動く方法を政策点検で検討している」と の報道で軟調に推移している。金融政策の点検に関して、黒田日銀総裁は「長期金利の変動許容幅を拡大 する必要があるとは考えていない」と述べ、雨宮日銀副総裁は「緩和効果が損なわれない範囲内で金利は もっと上下に動いてもよい」と述べており、本日も日銀関係筋からの発言に要警戒となる。

昨年の3 月期末のドル円の仲値は108.83 円付近だったことで、本邦機関投資家のレパトリエーション (国外滞留資金の本国環流)に絡む円買いの分岐点となるのかもしれないため要警戒か。

米下院では、バイデン大統領が提案した1 兆9000 億ドルの新型コロナウイルス対策法案の上院修正案 が可決(賛成220 票対反対211 票)され、明日バイデン米大統領の署名によって成立することになり、ダ ウ平均は史上最高値を更新している。

米国の2 月の財政赤字は、3109.22 億ドルとなり、2021 会計年度(20 年10 月~21 年2 月)の財政赤字 は1 兆466 億ドルに拡大している。過去最大の財政赤字を記録した2020 会計年度(19 年10 月~20 年9 月)の財政赤字は3 兆1319 億ドルで、同時期(10 月-2 月)の財政赤字は6244.65 億ドルだった。2 月11 日、米国議会予算局は、2021 年度の財政赤字は2 兆3000 億ドルに達するとの見通しを発表していたが、 バイデン米政権の1 兆9000 億ドル規模の経済対策は反映されていないため、今年度は過去最大を更新す る可能性が高まっている。また、2 月末時点の米国の債務残高は、27.9 兆ドルに拡大しており、新型コロ ナウイルス救済法案(1.9 兆ドル)の成立により、30 兆ドル規模に達することになる。

イエレン米財務長官は、1 月の指名公聴会で、米国の債務増加(※26.9 兆ドル)は憂慮すべきではなく、 低金利環境の下(※年間利払い費用は約6000 億ドル)で「大きな行動」をするように呼び掛けていたが、 今後は、2011 年8 月のような米国債格下げの可能性に要警戒となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 2 月企業物価指数(予想:前月比0.5%/前年比▲0.7%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○09:01 ◇ 2 月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:45)
○16:00 ◇ 1 月トルコ経常収支(予想:16.0 億ドルの赤字)
○18:00 ◎ 10-12 月期南アフリカ経常収支(予想:1565 億ランドの黒字)
○21:00 ◎ 2 月ブラジルIBGE 消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.72%)
○21:45 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30 ☆ ラガルドECB 総裁、定例記者会見
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:72.5 万件/422.0 万人)
○12 日03:00 ◎ 米財務省、30 年債入札
○インド(シバ神生誕日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

10 日07:08 ロウ豪準備銀行(RBA)総裁
「3 年国債利回り目標の撤廃や変更は検討せず」
「金利を動かす前にCPI が持続的に目標に収まる必要 がある」
「理事会は債券購入プログラムのさらなる延長を検討」

10 日09:50 スイス国立銀行(中央銀行)のツアブリュッ ク副総裁(国内紙ブリック)
「ここ数週間のスイスフランの下落は歓迎であり喜ばし い」
「現在の金融緩和政策を変更するには時期尚早」
「大きな不透明感が残っており、金利の転換について語 るのは時期尚早」

10 日20:09 ラブロフ露外相
「現在の石油価格は生産者・消費者間のバランスを多 かれ少なかれ反映」
「OPEC+内でサウジアラビアとの協力を発展させる計画 は結果をもたらす」
「OPEC+は石油価格の急変動がないことを確認しようと している」

10 日21:49 ルイス英・北アイルランド相
「欧州連合(EU)離脱協定に盛り込まれた北アイルランド 議定書について、英国は引き続き義務にコミットしてい る」

11 日00:06 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「経済見通しは改善したものの、理事会は回復には引き 続き大規模金融政策が必要であると判断」
「2%インフレ目標の持続的達成のため政策金利を下限 で維持」
「現時点の予測では、政策金利維持は2023 年まで継 続」
「回復が順調に進むまで量的緩和プログラムを継続」
「回復の強さに自信を持てるようになれば、債券購入ペ ースは必要に応じて調整される」
「回復を支援しインフレ目標を達成するために、適切な 金融刺激策を維持」
「世界経済は、地域やセクター間で不均一が続いている ものの、新型コロナウイルスのパンデミックからは回復」
「米国の景気回復は、ウイルス感染が減少し、財政支援 が収入と消費を押し上げるにつれて勢いを増している」
「石油やその他の商品価格は上昇。カナダドルは米ドル に対して比較的安定している」
「2021 年第1 四半期のGDP 成長率はプラスになると予 想」
「外需の改善と商品価格の上昇も輸出と企業投資の見 通しを明るくした」
「より強い短期的な見通しにもかかわらず、ウイルスの 進化と経済成長の道筋については、依然としてかなりの 経済的緩みと著しい不確実性がある」
「労働市場は回復まで程遠く、雇用はまだパンデミック 以前のレベルをはるかに下回っている」
「CPI インフレ率は1-3%の目標バンドの下限近くだが、 今後数カ月以内に一時的にバンド上限付近に達する可 能性がある」
「コアインフレは現在1.3-2%の範囲」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 11032021 chart 1

<ドル円=3/9 高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることで、三役好転 の強い買いシグナルが点灯中。しかし、高値圏での孕み線、 2 手連続陰線で反落し、続落の可能性が示唆されている。
本日は、3 月9 日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、 同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 109.23(3/9 高値)
前日終値 108.38
サポート1 107.80(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 106.82(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 11032021 chart 2

<ユーロドル=3/9 安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることで、三役逆転 の強い売りシグナルが点灯している。しかし、4 手連続陰線 で下落後、孕み線、2 手連続陽線で反発しており、続伸の可 能性が示唆されている。
本日は、3 月9 日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨 み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1975(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1929
サポート1 1.1836(3/9 安値)
fx morning 11032021 chart 3

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることで、三役好転 の強い買いシグナルが点灯している。2 手連続陽線で転換線 を上回っていることで、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 129.98(2/25 高値)
前日終値 129.29
サポート1 128.92(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 11032021 chart 4

<豪ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることで、三役好転 の強い買いシグナルが点灯中。3 手連続陽線で転換線を上回 って引けていることで続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 84.95(2/25 高値)
前日終値 83.85
サポート1 83.06(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 11032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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