FX Morning 06/11/2021

【前日の為替概況】ドル円 米5 月CPI で上昇も米長期金利低下で反落

10 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3 営業日ぶりに反落。終値は109.33 円と前営業日NY 終 値(109.63 円)と比べて30 銭程度のドル安水準だった。5 月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回った ことが分かると円売り・ドル買いが先行し、22 時30 分過ぎに一時109.80 円と日通し高値を付けたもの の、一目均衡表転換線109.76 円近辺がレジスタンスとして意識されると失速した。一時は1.53%台まで 上昇した米10 年債利回りが低下に転じ、1.43%台と約3 カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重しと なり、5 時30 分前には109.31 円と日通し安値を付けている。

なお、米CPI の結果については「FRB がテーパリングを急ぐほどではないと受け止められた」「FRB は来 週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で考えを変えることはないだろう」との声が聞かれた。

ユーロドルは小反落。終値は1.2170 ドルと前営業日NY 終値(1.2180 ドル)と比べて0.0010 ドル程度 のユーロ安水準だった。予想を上回る米インフレ指標やラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁のタカ派的な 発言を受けて売りと買いが交錯し、方向感に乏しい展開となった。22 時前に一時1.2195 ドルと日通し高 値を付けたものの、すぐに失速し22 時30 分前には1.2144 ドルと日通し安値を付けた。ただ、そのあと は再びユーロ買い・ドル売りが進み1.2190 ドル付近まで持ち直した。

なお、ECB はこの日開いた定例理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を市場予想 通り現行水準に維持することを決定。また、景気判断を従来から強めた一方、「現時点で縮小すれば借り 入れコストの上昇につながり、景気回復が頓挫する恐れがある」と指摘した。

ユーロ円は3 日ぶりに反落。終値は133.10 円と前営業日NY 終値(133.53 円)と比べて43 銭程度のユ ーロ安水準。22 時前には133.76 円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げ、 5 時前には一時133.04 円と本日安値を付けた。ドル円につれた動きとなった。

【本日の東京為替見通し】本日からのG7 首脳会議や来週のFOMC 控えて動意に乏しい展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、本日からの先進7 カ国首脳会議(G7 サミット)や来週の米連邦 公開市場委員会(FOMC)を控えて、109 円台のNY カットオプションのガンマ取引に値動きを抑制される 展開が予想される。

ドル円は、米5 月消費者物価指数が前年比+5.0%だったものの、109 円後半で伸び悩み109.30 円台へ 売り押された。米10 年債利回りも1.53%台へ上昇したものの、パウエルFRB 議長やハト派の米連邦準備 理事会(FRB)高官のインフレ高進は一時的との見解を信じて1.43%台まで反落している。経験則では、 FF 金利(0-0.25%)と米10 年債利回りの平均乖離幅は1.4%、ドル円が110 円台に定着するには、日米 10 年債利回りの差が2.4%程度必要なことで、来週のFOMC でのテーパリング(資産購入の段階的縮小) 議論の可能性が後退していることで、ドル円は上値が重い展開が予想される。

本日から13 日まで、英南西部コーンウォールで開かれるG7 サミットでは、気候変動問題や新型コロナ ウイルスのワクチン供給(※バイデン米大統領がワクチン接種5 億回分の世界への無料提供を表明予定) などが協議される模様。ただしかし、市場関係者にとっては、対中国、対ロシア包囲網の構築に要注目と なる。

G7 サミットで対中包囲網が強化された場合、極東の地政学リスク回避の円買い要因となり、欧米によ る2022 年北京冬季五輪の「外交的ボイコット」の可能性もあることで、要注目となる。

バイデン米政権は、米上院で中国との覇権争いで米国の競争力を高める包括法案「米国イノベーション (技術革新)競争法案」を可決したことで、中国は「中国を仮想敵とするな」と反発している。

欧州議会は、昨年末に中国と合意した包括的投資協定の批准のための審議を凍結しており、中国側の反 発を招いている。

また、来週16 日に予定されている米露首脳会談に向けて、ロシアが2014 年のクリミア併合後の米国債 売却に続き、ロシア政府系ファンドからのドル資産売却を表明しており、ロシアに対する欧米の包囲網構 築にも要注目か。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 4-6 月期法人企業景気予測調査(予想:大企業全産業▲5.5/大企業製造業なし)

<海外>
○15:00 ◇ 5 月独卸売物価指数(WPI)
○15:00 ☆ 4 月英国内総生産(GDP、予想:前月比2.2%)
○15:00 ◎ 4 月英鉱工業生産指数(予想:前月比1.2%/前年比30.5%)
◎ 製造業生産高(予想:前月比1.5%)
○15:00 ◇ 4 月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:121.0 億ポンドの赤字/25 億ポンドの赤字)
○16:00 ◇ 4 月トルコ鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%)
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、カンリフBOE 副総裁、ラムスデンBOE 副総裁、スナク英財務
相、国際決済銀行(BIS)主催のイベントに参加
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:5.50%に引き上げ)
○20:00 ◇ 4 月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.3%)
○21:00 ◎ 4 月インド鉱工業生産(予想:前年同月比120.0%)
○21:30 ◇ 1-3 月期カナダ設備稼働率(予想:80.6%)
○23:00 ◎ 6 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:84.0)
○先進7 カ国(G7)首脳会議(英コーンウォール地方カービスベイ、13 日まで)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

10 日11:29 易綱中国人民銀行総裁
「中国の潜在的な経済成長率はある程度低下」
「中国のGDP 拡大は潜在的な成長率に近いものになる と予想」
「高齢化が進む中、資本と労働への投資による経済成 長モデルを維持するのは難しい」
「人民元相場は妥当な水準で基本的な安定を維持」
「通常の金融政策を堅持する」

10 日16:33 マーティン・アイルランド首相
「我々はジョンソン英首相を信頼しているが、英国からの さらなる行動が必要」

10 日16:41 ミシェル欧州連合(EU)大統領
「ブレグジットを巡る我々の利益を保証するためにあら ゆる手段をとる」
「我々は一貫性と単一市場を保護する」

10 日20:49 欧州中央銀行(ECB)声明
「PEPP は少なくとも2022 年3 月末まで継続」
「PEPP は著しく高いペースで継続」
「QE は毎月200 億ユーロのペースで実施」
「PEPP プログラムの規模を1 兆8500 億ユーロで再確 認」

10 日21:35 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレは第2 四半期に一段と上昇すると予想」
「基本的な物価圧力はたるみの影響から抑制されてい る」
「不確実性は依然としてある」
「短期的な経済見通しは不確実」
「ユーロ圏の成長率見通しは現在、概ね均衡」

10 日21:47 欧州中央銀行(ECB)
「2021 年成長見通し4.6%予測(3 月4.0%)」
「2022 年成長見通し4.7%予測(3 月4.1%)」
「2023 年成長見通し2.1%予測(3 月2.1%)」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 11062021 chart 1

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。しかし、抱き線で反 落し、転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示 唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 109.76(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 109.33
サポート1 109.00(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 108.57(5/19 安値)
fx morning 11062021 chart 2

<ユーロドル=6/1 高値を対抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。しかし、抱き線で反 落して、転換線を下回って引けていることから続落の可能性 が示唆されている。
本日は、6 月1 日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、 同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.2254(6/1 高値)
前日終値 1.2170
サポート1 1.2104(6/4 安値
fx morning 11062021 chart 3

<ユーロ円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。しかし、抱き線で反 落し、転換線を下回って引けていることから続落の可能性が 示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 133.51(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 133.10
サポート1 132.81(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 11062021 chart 4

<豪ドル円=6/2 高値を抵抗に戻り売りスタンス>
寄引同事線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行ス パンは実線を下回り、一目・雲の上で引けているものの、売 りシグナルが優勢な展開となっている。寄引同事線で基準線 を下回って引けていることから下落の可能性が示唆されて いる。
本日は、転換線84.75 円を念頭に置き、6 月2 日の高値を 抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手 仕舞い。

レジスタンス1 85.19(6/2 高値)
前日終値 84.77
サポート1 84.40(日足一目均衡表・雲の上限)
fx morning 11062021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたもので あり、通貨、CFD、その他あらゆる金融商品の、購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くあ りません。本文書に盛り込まれている、いかなる見解や情報も、予告や通知なく変更することが あります。本文書は、特定の投資目的や、何らかの財務的背景、特定の受領者の意思などに沿っ て書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている、あらゆる過去の価 格データ・価格推移データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供 元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版 を原版とし、翻訳版と原版で相違がある場合には、原版の内容が優先するものとします。本文書 の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことによる、いかなる人物や団 体が結果的に引き起こした損失についても、当社は一切その責を負いません。

先物取引、先物オプション取引、外国為替証拠金取引(またはFX)、CFD、その他、入金額より もレバレッジをかけて、より大きな金額で取引をする金融商品には、当初入金額を超える大きな 損失を被るリスクがあり、すべての人に適するわけではありません。レバレッジを大きくして取 引すると、その分リスクも高くなります。金スポットや銀の取引は、米国商品取引法(U.S. Commodity Exchange Act)の規制で保護されていません。また、差金決済取引(CFD)は米国 在住者の取引は許可されていません。外国為替証拠金取引(FX)や商品先物取引を行う前には、 投資目的、投資経験、リスク許容範囲等について十分検討する必要があります。本文書内にある、 いかなる見解、ニュース、調査、分析、価格その他についても、「本文書を読むいかなる人物や 団体も、FOREX.comが、投資、法的、税務に関して助言するものではないことを理解している」 ことを前提として、一般的な情報として提供されるものです。いかなる投資、法的、税務に関す る事柄についても、適切な専門家や助言者に相談をしてください。FOREX.comは、米国の商品先 物取引委員会(CFTC)、英国の金融行動監督機構(FCA)、オーストラリアのオーストラリア証 券投資委員会(ASIC)、日本の金融庁の規制を受けています。