【前日の為替概況】予想上回る米国8 月PPI でドル強含み、対円109.95 円、対ユーロ1.1810 ドル

10 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3 営業日ぶりに反発。終値は109.94 円と前営業日NY 終 値(109.72 円)と比べて22 銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した8 月米卸売物価指数(PPI) が予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。1 時前に一時109.95 円 付近まで値を上げた。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し高値109.99 円や節目の110.00 円には届かなか った。もっとも、NY 市場に限れば狭いレンジでの取引に終始した。NY 時間の安値は109.80 円で値幅は 15 銭程度と小さい。

ユーロドルは反落。終値は1.1814 ドルと前営業日NY 終値(1.1825 ドル)と比べて0.0011 ドル程度の ユーロ安水準だった。欧州市場序盤に一時1.1851 ドルまで上昇したものの、買い一巡後は次第に弱含ん だ。8 月米PPI が予想を上回ったことを受けて、米長期金利の指標である米10 年債利回りが1.35%台ま で上昇。全般ドル買いが優勢となり、一時1.1810 ドルまで値を下げた。

メスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレには上向きのリスクが見られる」「テーパリングを今 年開始し、2022 年上期にかけて終了することを支持」などと述べた。

ユーロ円は3 日ぶりに反発。終値は129.89 円と前営業日NY 終値(129.74 円)と比べて15 銭程度のユ ーロ高水準。欧州序盤に一時130.28 円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後はじり安の展開に。ユ ーロドルの下落につれた売りが出て、一時129.77 円付近まで下押しした。

トルコリラは軟調だった。取引終了間際に対ドルで一時8.4745 リラ、対円で12.95 円と日通し安値を 更新した。今週のカブジュオール・トルコ中銀総裁の講演をきっかけとした利下げへの警戒感が引き続き リラの重しとなっている。

カブジュオール氏は8 日、「現行の金融政策は引き締め的であり、第4 四半期にはインフレが低下する」 「短期的な物価上昇の影響が調整されたコア・インフレ率の重要性が増している」などと発言。これまで 金融政策の先行指標とされてきたCPI の総合指数からコア指数を重視するとの見解が示されたため、市場 では利下げ観測が高まった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、来週のFOMC に向けて材料難から動意に乏しい展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、来週21-22 日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け て、ブラックアウト期間に入っていることなどで材料難から動きづらい展開が予想される。

来週のFOMC では、低調な米8 月雇用統計を受けて、テーパリング(資産購入の段階的縮小)の開始時 期が年明け以降に先送りされるとの見方が台頭している。しかしながら、カプラン米ダラス連銀総裁「現 在のデータは9 月のテーパリング(段階的縮小)発表と10 月の開始が適切であることを示唆している」 に代表されるように、複数のタカ派の米連邦準備理事会(FRB)高官は、年内のテーパリング開始を主張 していることで、予断を許さない状況が続くことになる。また、バイデン米政権の3 兆5000 億ドル規模 の歳出法案に関して、米上院民主党のジョー・マンチン議員は支持しないとの見解を改めて示し、9 月27 日までに成立する手段はないとも述べている。さらに、民主党のペロシ下院議長は、歳出法案に連邦政府 の債務上限引き上げに関する条項を盛り込まない方針を示しており、財政面でも予断を許さない状況が続 くことになる。

本日のドル円のオーダー状況は、110.00-40 円に断続的にドル売りオーダー、110.50 円には大口のドル 売りオーダーが控えている。下値には、109.60 円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売り、 109.30-50 円に断続的にドル買いオーダー、109.00-10 円に断続的にドル買いオーダーが控えている。

ドル円のテクニカルポイントとして、一目均衡表の雲の下限109.75 円、雲の上限110.19 円、転換線 110.02 円、基準線109.96 円、そして21 日移動平均線109.85 円、90 日移動平均線109.92 円が挙げられ る。主要なテクニカルポイントが110 円付近に集約していることは、現状のドル円相場の膠着の結果では あるが、今後の大相場を予感させるものでもある。

市場のポジション動向は、IMM 通貨先物の非商業(投機)部門の取組(9 月7 日時点)では、ドルの買 い越し額が109.3 億ドルとなっており、年内のテーパリング開始を予想している。円は62325 枚の売り持 ち、ユーロは26308 枚の買い持ちとなっている。すなわち、FOMC で、テーパリング開始が来年以降に先 送りされた場合、ドル買い持ちポジションの手仕舞いによるドルの下落がリスクシナリオとなる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 7-9 月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 8 月企業物価指数(予想:前月比0.2%/前年比5.6%)

<海外>
○15:00 ◇ 8 月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◇ 7 月トルコ経常収支(予想:5.7 億ドルの赤字)
○16:00 ◇ 7 月トルコ鉱工業生産
○14 日03:00 ◎ 8 月米月次財政収支(予想:1730 億ドルの赤字)
○ノルウェー総選挙

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

10 日06:21 バイデン米大統領
「約8000 万の米国民がワクチン未接種」
「現在はワクチン未接種者によるパンデミック」
「新たな措置がワクチン接種と検査を押し上げるだろう」
「FOX ニュースを含めて多くの企業がワクチン接種義務 化」

10 日11:19 ホワイトハウス
「バイデン米大統領と習・中国国家主席が広範囲の戦 略的協議を行った」
「諸問題へのオープンで率直な関与で合意」
「中国との事務レベルでの協議は実を結ばなかった」

10 日11:55 習近平・中国国家主席
「様々な方法で頻繁に連絡を取り合うことを双方で合意 した」
「米中関係が正しい方向に戻るように前に進めるべき」

10 日14:34 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「経済状況が良好なままであれば、パンデミック緊急購 入プログラム(PEPP)は来年終了するだろう」
「市場は緩和策が永遠に続かないのは理解している」
「米連邦準備理事会(FRB)のテーパリングの見通しが、 欧州中央銀行(ECB)にも圧力になっている」

10 日16:33 ルメール仏経済・財務相
「景気は、年末までにパンデミック(世界的大流行)前の 水準に回復する見通し」

10 日22:18 メスター米クリーブランド連銀総裁
「インフレ予測は今年も高いまま、来年は低下へ」
「インフレには上向きのリスクが見られる」
「今年、テーパリングを開始し2022 年上期で終了するこ とを支持」

10 日22:26 石油輸出国機構(OPEC)筋
「OPEC は来週初、2022 年の石油需要見通しを下方修 正する見込み」

10 日23:11 セフコビッチ欧州委員会副委員長
「欧州連合(EU)の包括的な目的は英国と安定した関係 を築くこと」
「EU は北アイルランドの人々に対して揺るぎないコミット メントを持っている」
「英国とWin-Win の状況を見つけたい」
「来週、フロスト英・担当交渉官と電話会談する予定」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 13092021 chart 1

<ドル円=9/8 高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回っているものの、 遅行スパンは実線を下回り、一目・雲の下で引けていること から、売りシグナルが優勢な展開となっている。孕み線で反 発しているものの、転換線を下回って引けていることで、反 落の可能性が示唆されている。
本日は、9 月8 日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、 同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 110.80(8/11 高値)
レジスタンス1 110.45(9/8 高値)
前日終値 109.94
サポート1 109.59(9/3 安値)
サポート2 109.11(8/16 安値)
fx morning 13092021 chart 2

<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の下で引けているものの、買いシグ ナルが優勢な展開となっている。しかし、抱き線で反落して、 転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆さ れている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1852(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1814
サポート1 1.1787(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 13092021 chart 3

<ポンド円=雲の下限を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の中で引けているものの、転換線を 上回って引けていることから買いシグナルが優勢な展開と なっている。抱き線で反発して転換線を上回って引けている ことで続伸の可能性が示唆されている。
本日は、雲の下限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同 線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 152.64(9/10 高値)
前日終値 152.18
サポート1 151.79(日足一目均衡表・雲の下限)
fx morning 13092021 chart 4

<NZ ドル円=雲の上限を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。孕み線で反発して、 転換線を上回って引けていることから続伸の可能性が示唆 されている。
本日は、雲の上限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同 線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 78.65(9/3 高値)
前日終値 78.18
サポート1 77.71(日足一目均衡表・雲の上限)
fx morning 13092021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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