FX Morning 04/16/2021

【前日の為替概況】ドル円、4 日続落 米経済指標は良好ながら米長期金利が大幅に低下

15 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4 日続落。終値は108.76 円と前営業日NY 終値(108.93 円)と比べて17 銭程度のドル安水準だった。3 月米小売売上高や4 月米ニューヨーク連銀製造業景気指 数など、この日発表された米経済指標が予想を上回る良好な結果となったにもかかわらず、米長期金利が 大幅に低下したため円買い・ドル売りが優勢となった。23 時30 分前に一時108.61 円と3 月24 日以来の 安値を付けた。その後の戻りも鈍かった。

なお、米長期金利の指標である米10 年債利回りは一時1.5268%前後と3 月11 日以来約1 カ月ぶりの 低水準を付けた。

ユーロドルは4 営業日ぶりに反落。終値は1.1967 ドルと前営業日NY 終値(1.1980 ドル)と比べて0.0013 ドル程度のユーロ安水準だった。欧州市場では米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り一時 1.1993 ドルと3 月4 日以来の高値を付けたものの、節目の1.2000 ドルに接近した場面では戻り売りなど が出たためNY 市場では上値の重さが目立った。ユーロポンドなどユーロクロスの下落につれたユーロ売 り・ドル買いも出て、一時1.1956 ドルと日通し安値を更新した。なお、ユーロポンドは一時0.8670 ポン ド、ユーロ豪ドルは1.5430 豪ドル、ユーロNZ ドルは1.6679NZ ドルまで下落した。

ユーロ円は3 日ぶりに反落。終値は130.15 円と前営業日NY 終値(130.49 円)と比べて34 銭程度のユ ーロ安水準。ドル円の下落につれた売りが出たあとは、全般ユーロ売りが進んだ流れに沿って一時130.03 円と日通し安値を更新した。

トルコリラは上昇した。トルコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を19.00%に据え置くことを決め たと発表。声明では前回あった「必要に応じて追加の金融引き締めを行う」との文言が削除された。市場 では「これまでの金融引き締め姿勢が後退した」と受け止められ、リラ売りが優勢となる場面もあったが、 米国株相場が史上最高値を更新する中、リスクオンの様相が強まると円やドルに対してリラを買い戻す動 きが優勢になった。対円では一時13.55 円付近まで切り返したほか、対ドルでは8.0125 リラと2 日以来 のリラ高水準を付けた。

利下げを望むエルドアン・トルコ大統領が3 月下旬に自らの主張に近い「ハト派」のカブジュオール・ トルコ中銀総裁を据えた後の初の金融政策決定会合とあって、市場では注目が集まっていた。

【本日の東京為替見通し】ドル売りトレンド継続か、日米首脳会談や地政学リスクも要注目

本日の東京時間のドル円の上値は重いままか。良好な米経済指標にもドル買いの勢いは限られているこ とは、強いドル売りトレンドが形成されていると言えそうだ。米10 年債利回りが1 カ月ぶりに1.6%台 を割り込み、米金利が低下傾向をたどったことがドル円の頭を押さえたが、引けにかけてはじりじりと上 昇したのにもかかわらずドル円の戻しが鈍かったことも、ドル円の頭の重さを表している。

また、昨日発表された対外及び対内証券売買契約等の状況で、国内投資家の外貨資産買いも目立ったが、 海外投資家の円資産の買いも昨年2 月以来の高水準だったように、海外からの円買い意欲も継続されるか。 ただし、ドル円の上値が限られるだろうが、東京時間は買い遅れている本邦勢などが買いを入れていくこ とで急落することはなく、緩慢な動きの中でのドル売り・円買いとなりそうだ。

本日の東京時間には1-3 月期中国国内総生産をはじめ、中国から複数の経済指標が発表される。ドル 円への直接的な影響は薄いだろうが、株式市場や市場全体のリスクオン・オフにつながり、間接的にドル 円相場に影響を及ぼすこともありそうなので注意を怠らないようにしておきたい。

東京時間ではないが、円絡みで注目されるのは本日ワシントンDC で日米首脳会談が行われることだ。 重要な議題が対中問題になることで、人権問題を含め踏み込んだ共同声明などが出た場合には、地政学リ スクを含め市場への影響も必至なことで要警戒となる。また、地政学リスクではバイデン米大統領が中国 だけではなく、ロシアに対しても強硬姿勢を示していることもリスク要因となりそうだ。

ドル円以外では東京時間ではオセアニア通貨、欧州入り後は欧州通貨が市場を牽引するだろう。昨日の 豪雇用統計はヘッドラインこそは良かったが、正規雇用者数が減少したことで豪ドルは一時的に発表後に 弱含んだ。しかし、欧米時間に豪ドルは再び上昇に転じ、対ドルでは3 月中旬以来の水準まで上値を広げ た。

日米首脳会談で中国批判が高まると、豪州も対中関係の悪化が避けられないことで豪ドルの上値を抑え ることもあるが、ここ最近のトレンドを変えるのは難しそうだ。なお、昨日は対ドルで、ランドが1.6% 弱、メキシコペソやブラジルレアルが0.6%強、オセアニア通貨の豪ドルとNZ ドルが0.3-0.4%程度上昇 するなど、市場の動きはリスクオンに反応しやすい通貨の上げ幅が大きい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○11:00 ☆ 1-3 月期中国国内総生産(GDP、予想:前期比年率1.5%/前年同期比19.0%)
○11:00 ◎ 3 月中国鉱工業生産(予想:前年比17.2%)
○11:00 ◎ 3 月中国小売売上高(予想:前年比28.0%)
○15:30 ◇ 3 月スイス生産者輸入価格
○18:00 ◎ カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○18:00 ◇ 2 月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済220 億ユーロの黒字)
○18:00 ☆ 3 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.3%)
○18:00 ☆ 3 月ユーロ圏HICP コア改定値(予想:前年比0.9%)
○21:15 ◇ 3 月カナダ住宅着工件数(予想:25.00 万件)
○21:30 ◇ 2 月対カナダ証券投資
○21:30 ◇ 2 月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.4%)
○21:30 ◎ 3 月米住宅着工件数(予想:161.1 万件、前月比13.4%)
◎ 建設許可件数(予想:175.0 万件、前月比1.7%)
○23:00 ◎ 4 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:89.6)
○23:45 ◎ カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○日米首脳会談(ワシントン)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

15 日10:11 黒田日銀総裁
「国内景気は厳しい状況にあるが、基調としては持ち直 している」
「消費者物価の前年比は当面マイナス圏で推移する」
「感染症の影響を注視し、必要であれば躊躇なく追加緩 和」

15 日16:23 独ロベルト・コッホ研究所(RKI)のヴィーラー 所長
「ドイツ国内の病院状況は急速に悪化している」
「多くの大都市でICU ベッドが残っていない」

15 日22:09 ジョンソン英首相
「グリーンシル・キャピタルによるロビー活動の真相を探 らなければならない

15 日22:54 露外務省
「米国の対露制裁への報復措置を近いうちに発表する」

15 日23:18 クガニャゴSARB(南ア準備銀行)総裁
「インフレ予測のリスクは均衡しており、金融緩和策の継 続は可能」
「インフレ見通しを見る限りでは政策を調整する必要は ない」

15 日23:38 米情報機関高官
「ロシアのウクライナ国境近くでの軍事行動は‘力の見
せつけ’であり、米国は真剣に準備しなければならない」

16 日01:34 シルアノフ露財務相
「米による露国債への制裁で米銀は機会を逃すことにな る」
「米制裁にもかかわらず、露国債への高い需要を予想」

16 日02:15 米ホワイトハウス
「大統領にとって対面では初の首脳会談となる日米会談 はとても重要であり、中国についてが最優先トピックとな る」

16 日03:36 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「ヘッジファンドとマネーファンドの安定性を強化すること が重要」
「協議すべき時期が来たならば金融正常化に向かう話し 合いをするが、現在はその時ではない」
「インフレや雇用の目標にはまだ全然届いていない」
「インフレが好まれないほど上昇することはないだろう」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 16042021 chart 1

<ドル円=転換線が基準線を下抜け売りサイン点灯>
小陰線引け。一時108.61 円と、目先の下値の節目3 月23 日安値108.41 円に近づいた。
目先のすう勢を示す5 日移動平均線は108.97 円前後で低 下中。一目均衡表・転換線は109.58 円と、基準線109.69 円 を下抜けて売り示唆へ転換。反発できても、低下中の転換線 が戻りを抑えるだろう。さえない推移が続きそうだ。8-9 日 の上昇幅に対する下方倍返しにおおむね相当する108 円付近 や、大台割れとなった際の最初のめど3 月5 日安値107.82 円などが意識される。

レジスタンス1 109.10(4/14 高値)
前日終値 108.76
サポート1 108.04(4/8-9 上昇幅の下方倍返し)
サポート2 107.82(3/5 安値)
fx morning 16042021 chart 2

<ユーロドル=下押しても200 日線を維持できれば問題ない>
小陰線引け。一目均衡表・雲の下限を前にやや伸び悩んだ。 まずは下押しが、1.1955 ドル前後で上昇中の5 日移動平均線 前後までにとどまるか見定めたい。同線を下回っても、相場 の強弱の重要な節目とされる200 日線を維持できれば、上値 を試す流れは持続していると判断していいだろう。

レジスタンス1 1.2007(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.1967
サポート1 1.1914(200 日移動平均線)
fx morning 16042021 chart 3

<ユーロ円=転換線は一時低下もじり高を再開する見込み>
陰線引け。一目均衡表・転換線は130.13 円でしばらく横 ばいだが、来週20 日には130.09 円へわずかながら下押す見 込み。やや不安定な同線を割り込む場面が散見される。しか し、高値圏からの下放れを回避しているため、転換線の低下 は一時的にとどまりそう。同線はじり高の流れを再開すると みられ、転換線の戻りとともに、高値更新をうかがう流れへ 向かうだろう。

レジスタンス1 130.69(4/7 高値=年初来高値)
前日終値 130.15
サポート1 129.57(4/8 安値)
fx morning 16042021 chart 4

<豪ドル円=低下する基準線とともに雲の中へ沈むリスクも>
下影小陽線引け。一目均衡表・基準線83.87 円や転換線を やや上回る水準へ戻しており底堅い。83.90 円前後で上昇中 の5 日移動平均線とともに上値を試す展開が想定できる。し かし、まだ4 月のレンジ上限84.40 円台を抜けきれない。上 放れできないまま、来週末にも低下へ転じる基準線とともに 雲の中へ沈むリスクはある。

レジスタンス1 84.73(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 84.30
サポート1 83.75(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 16042021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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