FX Morning 07/16/2021

【前日の為替概況】ユーロは欧州株下落で弱含み、対ドル1.1796 ドル、対円129.61 円

15 日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反落。終値は1.1812 ドルと前営業日NY 終値(1.1837 ドル)と比べて0.0025 ドル程度のユーロ安水準だった。日本時間夕刻に一時1.1851 ドルと日通し高値を 付けたものの、その後失速した。欧米株価が軟調に推移する中、リスク・オフのドル買いが優勢となった。 原油先物価格の下落を受けて、対資源国通貨中心にドル高が進んだ影響も受け、1.1796 ドルと日通し安 値を付けた。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会で開かれた公聴会で「金融政策はかなりの 期間、緩和的であり続ける」「高インフレが予想以上に長引けば、FRB は適切に対応する」「量的緩和の縮 小(テーパリング)の道筋や構成巡り次回会合で議論する」などと証言したが、新味の乏しい内容で市場 の反応は限られた。

ユーロ円は3 日続落。終値は129.75 円と前営業日NY 終値(130.16 円)と比べて41 銭程度のユーロ安 水準。欧米株価が重く推移し、原油価格が下落すると、リスク回避が意識されて全般円買いが優勢となっ た。3 時30 分前には一時129.61 円と日通し安値を更新した。

豪ドル円は一時81.43 円、NZ ドル円は76.54 円、カナダドル円は87.06 円、スイスフラン円は119.56 円、メキシコペソ円は5.49 円まで値を下げた。

南アフリカランド円はズマ前大統領の収監をきっかけに暴動が全土に拡大する中、一時7.52 円まで下 落した。当初はズマ氏の支持者による収監への抗議デモが中心だったが、次第に無関係の貧困層の人々も 加わり暴徒化。略奪なども横行し、地元メディアによると「無政府状態」になっているという。

ドル円は続落。終値は109.83 円と前営業日NY 終値(109.97 円)と比べて18 銭程度のドル安水準だっ た。日本時間夕刻に一時109.71 円と日通し安値を付けたものの、9 日の安値109.70 円や一目均衡表雲の 上限109.55 円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。22 時前に一時110.09 円と日通し高値を付け た。原油安でドル高・資源国通貨安が進んだ影響も受けた。

ただ、米長期金利の指標である米10 年債利回りが一時1.2906%前後まで低下したこともあって、上値 は重かった。クロス円の下落も相場の重しとなり、引けにかけて109.78 円付近まで押し戻されている。

【本日の東京為替見通し】ドル円、米10 年債利回り1.3%前後を受けて軟調推移か

本日の東京外国為替市場のドル円は、パウエルFRB 議長のハト派証言を受けて米10 年債利回りが1.3% 前後まで低下していることで、上値が重い展開が予想される。

また、新疆ウイグル自治区、南シナ海、台湾海峡、香港などを巡り、米中の対立が激化しつつあること も、極東の地政学リスク回避の円買い圧力を強めつつある。

経験則的には、FF 金利誘導目標と米10 年債利回りの平均乖離幅は1.4%程度、ドル円が110 円以上に 定着するには、日米10 年債利回りの格差が2.4%程度必要となっている。パウエルFRB 議長が2023 年末 までゼロ金利政策を継続すると表明している限りは、ドル円の上値は限定的なのかもしれない。

日銀金融政策決定会合では、現行の金融緩和策の維持が見込まれている。注目ポイントは、金融機関の 気候変動対応投融資を支援する新たな資金供給制度(気候変動対応オペ)の骨子の内容や東京都への緊急 事態宣言の再発令やコロナワクチンの接種加速などを踏まえた新たな経済・物価見通しが注目点となる。

黒田日銀総裁の会見では、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(資産購入の段階的縮小)協議、 欧州中央銀行(ECB)のインフレ目標2%への引き上げ、フォワードガイダンスの変更観測、ニュージー ランド準備銀行(RBNZ)の大規模資産買い入れプログラム(LSAP)の停止、オーストラリア準備銀行(RBA) のソフト・テーパリングなどへの見解に要注目となる。

ドル円のオーダー状況は、上値には、110.10 円にドル売りオーダー、110.20 円から111.10 円にかけて 断続的にドル売りオーダーが控えている。下値には、109.70 円にドル買いオーダー、割り込むとストッ プロス売り、109.60 円、109.50 円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売りが控えている。

ドル円のテクニカル分析では、陰線新安値4 手で111.66 円から109.53 円まで下落した後、3 手連続陽 線(赤三兵)で110.70 円まで反発したものの、転換線の明確な上抜けに失敗して「下げ三法」となり、 109.71 円まで反落している。本日は、雲の上限の109.55 円や7 月8 日の安値109.53 円への売り仕掛け に要警戒となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表、予想:当座預金金利▲0.10%で据え置き)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(7 月、基本的見解)
○15:30 ☆ 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見

<海外>
○07:45 ◎ 4-6 月期ニュージーランド(NZ)消費者物価指数(CPI、予想:前期比0.8%/前年比2.8%)
○18:00 ☆ 6 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.9%)
○18:00 ☆ 6 月ユーロ圏HICP コア改定値(予想:前年比0.9%)
○18:00 ◇ 5 月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済80 億ユーロの黒字)
○21:15 ◇ 6 月カナダ住宅着工件数(予想:27.00 万件)
○21:30 ◇ 5 月カナダ卸売売上高(予想:前月比1.1%)
○21:30 ◇ 5 月対カナダ証券投資
○21:30 ☆ 6 月米小売売上高(予想:前月比▲0.4%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、イベントに参加
○23:00 ◎ 7 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:86.5)
○23:00 ◇ 5 月米企業在庫(予想:前月比0.5%)
○17 日05:00 ◎ 5 月対米証券投資動向
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議(オンライン)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

15 日11:39 李・韓国中銀総裁
「今回の決定は全会一致ではなく、一人のメンバーが 0.25%の利上げを主張」
「感染が落ち着けば、経済の回復トレンドは継続する」
「原油価格は当初の予想よりも高い」

15 日13:44 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「インフレが加速しているという材料はあるが、利上げは 急がない」
「中銀は経済を注意深く監視する」
「昨日のインフレは高かったが、それが一時的であるか どうかを評価するために証拠を集める必要がある」

15 日17:26 ビスコ伊中銀総裁
「時期尚早のテーパリングは避けなければならない」
「テーパリングについての話し合いは今月始まるのだろ うが、9 月も継続される」
「たとえインフレが目標を上回る兆候があったとしても、 好ましい状態を維持しなければならない」

15 日19:05 サンダース英中銀金融政策委員会(MPC) 委員
「刺激策の解除がまもなく適切となる可能性がある」
「インフレ率は2-3 年に渡って目標を上回る可能性」
「労働市場の緩みは縮小している」

15 日21:22 ブラード米セントルイス連銀総裁
「緊急措置を終わらせる時になっている」
「高インフレの一部は一時的なもの」
「インフレ上昇の一部は2022 年まで持続可能」

15 日23:03 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「金融機関は十分に資本化されている」
「金融システムにおける損失吸収のための資本レベル は適正」
「FOMC は国債やMBS 買い入れについて今後数週間で 協議する予定」
「テーパリングを始めるために新たな労働力参加の傾向 を理解する必要はない」
「インフレ率は2%をはるかに上回っている」
「2%をはるかに超えるインフレはいいとは思わない」
「債務は持続可能な軌道に戻る必要」
「我々はインフレ期待を注意深く監視」
「インフレの上振れは予想よりも大きい」
「インフレ期待が許容範囲を超えた場合は対応する」
「金融市場の状況は非常に緩和的」
「時折、市場は泡立っていると感じる」

16 日00:23 エバンズ米シカゴ連銀総裁
「年末にコアPCE は3%になると予想」
「年末の失業率は4.5%と予想。まだ長い道のり」
「今年は7%、来年は3%のGDP 成長を見込む」
「テーパリングの時期を調整するのに2-3 カ月以上は かかる」
「年末の失業率が4.5%なら金融政策の調整あり得る」
「利上げは2024 年と引き続き予想する」

16 日00:49 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総 裁
「一時的なインフレが恒久的な問題を引き起こす場合は 手段を講じる」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 16072021 chart 1

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、買いシ グナルが優勢な展開となっている。しかし、2 手連続陰線で 反落して「下げ三法」となり、転換線を下回って引けている ことから続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 110.26(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 109.83
サポート1 109.55(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 109.17(日足一目均衡表・雲の下限)
fx morning 16072021 chart 2

<ユーロドル=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。孕み線で反落して転 換線を下回って引けていることから続落の可能性が示唆さ れている。
本日は、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1983(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.1812
サポート1 1.1772(7/14 安値)
fx morning 16072021 chart 3

<ポンド円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。3 手連続陰線で下落 し、転換線を下回って引けていることから続落の可能性が示 唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 152.37(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 151.90
サポート1 150.67(7/8 安値)
fx morning 16072021 chart 4

<NZ ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。抱き線で反落して、 転換線を下回って引けていることから続落の可能性が示唆 されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 77.37(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 76.71
サポート1 75.98(7/8安値)
fx morning 16072021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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