FX Morning 06/17/2021

【前日の為替概況】ドル円は4 日続伸 FOMC 見通し中央値は2023 年まで2 回の利上げ示唆

16 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4 日続伸。終値は110.71 円と前営業日NY 終値(110.08 円)と比べて63 銭程度のドル高水準だった。109.90 円を挟んだ狭いレンジ内でのもみ合いとなっていた が、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策公表後には大きく上昇。FOMC の金利見通しでは2023 年ま でに利上げを見込む参加者が3 月FOMC 時点の7 人から13 人に増加し、中央値からみると2 回の利上げが 想定されることが明らかになった。また、2022 年までの利上げを見込む参加者も3 月時の4 人から7 人 へと増加しており、ゼロ金利解除期待の高まりから米10 年債利回りが大幅に上昇。パウエル米連邦準備 理事会(FRB)議長がその後の記者会見でインフレが予想以上に上昇する可能性について指摘したことも あり、米長期金利の上昇とともにドルが全面高となったため、引け前には一時110.72 円と4 月5 日以来 の高値を更新した。

なお、パウエルFRB 議長は会見で「インフレはFRB の予想以上に上昇し持続する可能性がある」「今日 の会合では目標に向けた進展を巡って討議した」「目標達成に向けたさらなる著しい進展には依然として 程遠い」などの見解を示した。

ユーロドルは3 営業日ぶりに反落。終値は1.1995 ドルと前営業日NY 終値(1.2126 ドル)と比べて0.0131 ドル程度のユーロ安水準だった。しばらくは1.21 ドル台前半で小安く推移していたが、FOMC 後にはドル が全面高となった流れに沿って売りが加速。節目の1.2000 ドルも下抜けて、一時1.1994 ドルと5 月6 日以来の安値をつけた。

ユーロ円は3 営業日ぶりに反落。終値は132.79 円と前営業日NY 終値(133.49 円)と比べて70 銭程度 のユーロ安水準だった。米国株式相場が軟調に推移したことを受けて売りが先行。FOMC 後にダウ平均が 下げ幅を広げると132.69 円まで下押しした。もっとも、ドル円が上昇した影響も受けたため、ユーロド ルと比較すると売りの勢いは限られた。

【本日の東京為替見通し】ドルの底堅さ継続か、豪雇用統計にも注目

本日の東京為替市場では、想定よりもタカ派だったFOMC 金利見通しを受けてドルはNY 市場に引き続き 底堅く推移することが予想される。ドル円は年初来高値110.97 円や20 年3 月以来の111 円台が意識され た値動きとなるか。もっとも東京時間は海外市場からの調整の場になることも多く、また、本邦輸出企業 による円買い需要も警戒が必要だろう。

7 時台のドル円のオーダー状況は、昨日高値の上から111 円付近までは売りが優勢。ただし、節目の 111.00 円を上回るとストップロス買いも集まり始めた。111 円台での売りオーダーは薄く、大台をしっか りと超えて行くようだと上値余地を更に試しやすくなるようにみえる。一方、下サイドは110 円前半に少 しずつ買いが入りつつあるが、本格的な買いは昨日安値から下109 円後半からとなる。

FOMC の金利見通しに関しては、中央値で23 年2 回の利上げ想定や、22 年中の利上げ見込みが前回3 月の4 人から今回は7 人に増えたことはサプライズ。ただ、PCE インフレ見通しについては、21 年末の中 心値が前回から1%も上方に修正されたものの、22 年と23 年はそれぞれ3 月見通しから0.1%の引き上 げに留まった。

なお、注目されたテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)については、パウエルFRB 議長は予備的な 議論(talking about talking)をしたと述べている。

本日のアジア時間の注目イベントは5 月豪雇用統計。失業率は4 月から横ばいの5.5%、新規雇用者数 3.00 万人増と前回の3.06 万人減をほぼ埋める人数が見込まれている。確かに豪労働市場回復への期待感 は高まっているものの、FOMC 後は豪ドルの地合いが弱いことから、予想より弱い結果への反応に警戒し たい。

FOMC 後に対ドルでの売りが目立ったのは米金利上昇に敏感に反応した新興国通貨。南ア・ランド(ZAR) やメキシコペソ(MXN)の1 日の下落幅は1.8%だった。米金利動向次第では新興国通貨への売りが相場 全般をリードする可能性もあり、この後の値動きにも目を向けておく必要があるだろう。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○日銀金融政策決定会合(1 日目)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○09:10 ◎ ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○10:30 ◎ 5 月豪雇用統計(予想:失業率5.5%/新規雇用者数3.00 万人)
○16:00 ◎ ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16:30 ☆ スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○18:00 ☆ 5 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.0%)
○18:00 ☆ 5 月ユーロ圏HICP コア改定値(予想:前年比0.9%)
○18:00 ◇ 4 月ユーロ圏建設支出
○20:00 ◇ 4 月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比99.7%)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:19.00%で据え置き)
○21:30 ◇ 4 月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:35.9 万件/343.0 万人)
○21:30 ◎ 6 月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:31.0)
○21:30 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○23:00 ◎ 5 月米景気先行指標総合指数(予想:前月比1.3%)
○23:00 ◎ エルダーソンECB 専務理事、講演
○18 日01:30 ◎ ビスコ伊中銀総裁、講演
○ユーロ圏財務相会合(ルクセンブルク)

18 日
<国内>
○08:30 ☆ 5 月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 5 月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

16 日17:33 独IFO 経済研究所
「ドイツの今年の成長率見通しを+3.7%から+3.3%へ下 方修正」

16 日17:42 フロスト英国務相
「北アイルランド議定書に関しては、あらゆる選択肢が ある」

16 日19:30 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「金融政策の正常化は、慎重に段階的に行われるべき」

16 日20:45 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「金融政策は緩和的である」

16 日20:48 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「パンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)の終わり を議論するのは時期尚早」

16 日23:37 イエレン米財務長官
「国際的な最低税率について、10 月のG20 サミットまで に進展させたい」
「アイルランドが最低税率の引き上げることを信じてい る」
「アイルランド財務相と建設的な話し合いができた」
17 日01:15 イエレン米財務長官
「米国の安全を防衛するために中国からのデカップリン グもあるだろう」
「米国の国家安全保障と経済の安全が最優先事項」

17 日00:55 プーチン露大統領
「米国とロシアは相手国の首都に大使を戻す」

17 日02:48 バイデン米大統領
「ロシアの油田がランサムウェアに見舞われた場合、ど う感じるかをプーチンに尋ねた」
「米国とロシアは、核戦争に勝つことはできず、戦うべき ではないことに同意した」
「軍備管理についての次のステップについての詳細を話 し合った」

17 日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「FRB はこの厳しい局面で米経済を支援するためにあら ゆる手段を行使し、雇用最大化と物価安定という目標を 促進することに全力で取り組む」
「ワクチン接種の進展により、米国での新型コロナウイ ルスの蔓延は減少した」
「ワクチン接種と強力な政策支援の進展で、経済活動と 雇用指標は強まった」
「パンデミックによって最も悪影響を受けたセクターは依 然として弱いものの、改善が見られる」
「インフレ率は上昇しており、主に一時的な要因を反映」
「経済および米国の家計や企業への信用の流れを支援 するための政策措置を部分的に反映し、全体的な金融 状況は引き続き緩和的だ」
「経済の道筋はワクチン接種の進捗状況を含め、ウイル スの行方に著しく左右されるだろう」
「ワクチン接種の進展により、公衆衛生危機が経済に与 える影響は引き続き減少する可能性があるが、経済見 通しに対するリスクは残る」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達 成を目指す」
「インフレ率がこの長期目標を継続的に下回っているた め、委員会は当面、2%をやや上回る程度のインフレ率 の達成を目指す」
「これによりインフレ率は時間とともに平均で2%になり、 長期的なインフレ期待は2%にしっかりととどまる」
「これらの結果が達成されるまで、委員会は緩和的な金 融政策の姿勢を維持すると予想する」
「委員会の最大雇用と物価安定の目標に向けてさらに 著しい進展が見られるまで、FRB は引き続き米国債の 保有を少なくとも月800 億ドル、エージェンシーローン担 保証券の保有を少なくとも月400 億ドル増やす」
「これらの資産購入は、円滑な市場機能と緩和的な金融 状況の促進を支援し、それによって家計や企業への信 用の流れを支援する」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は 今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引 き続き監視する」
「もし委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスク が生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整 する準備がある」
「委員会の評価は、公衆衛生に関連する情報、労働市 場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の 動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の決定は全会一致」

17 日03:42 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「インフレ期待が過度に上昇すれば金融政策を調整す る用意がある」
「インフレはFRB の予想以上に上昇し持続する可能性 がある」
「長期のインフレ期待はおおむねFRB の目標と一致して いるもよう」
「インフレはここ数カ月で著しく上昇し、数カ月間高止ま りした後に鈍化する可能性がある」
「景気回復は不完全であり、リスクが残る」
「金融政策は経済に引き続き強力な支援を提供」
「利上げ後でも政策は引き続き極めて緩和的にとどま る」
「今日の会合では目標に向けた進展を巡って討議した」
「目標達成に向けたさらなる著しい進展には依然として 程遠い」
「一段の指標を確認し、もう少し辛抱強くなる必要があ る」
「次回の会合から進展具合の評価を始める」
「進展が継続すればテーパリング戦略を今後の会合で 検討することは適切」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 17062021 chart 1

<ドル円=転換線を割り込まず急上昇>
下影陽線引け。低下の公算が大きかった一目均衡表・転換 線に近づく動きが先行したものの下げ渋り、急上昇へ転じた。
本日から明日にかけて生じる一目・雲のねじれに接近した ところでの相場展開は、まず上振れ方向だった。まだ予断を 許さないが、110.24 円前後へ上昇した5 日移動平均線を支え とした底堅さを維持できるか。レンジ切り上げで転換線が上 昇傾向へ転じたことも買い基調の継続を示唆している。

レジスタンス2 111.71(2020/3/24 高値)
レジスタンス1 110.97(3/31 高値=年初来高値)
前日終値 110.71
サポート1 110.24(5 日移動平均線)
fx morning 17062021 chart 2

<ユーロドル=転換線に届かず大きく下振れて雲の中へ>
大陰線引け。一時1.2135 ドルと目先の重し5 日移動平均 線を上回る場面もあったが、一目均衡表・転換線の抵抗をこ なすことができずに大きく下振れた。下落幅の拡大を反映し て1.21 ドル付近へ切り下がった転換線まで戻すのも容易で はないか。下抜けた一目・雲の上限1.2053 ドルや1.2036 ド ル前後で推移する90 日移動平均線、1.2069 ドル前後へ低下 した5 日線など様々な抵抗が反発局面に控えている。

レジスタンス1 1.2053(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.1995
サポート1 1.1943(一目均衡表・雲の下限)
fx morning 17062021 chart 3

<ポンド円=21 日線を割り込み、レンジ下放れリスク浮上>
小陰線引け。低下過程で154.95 円に位置していた一目均 衡表・転換線を越えた水準で上値が重くなり下押した。一 目・基準線155.77 円を上回るところへ戻してNY を引けてお り、一定の底堅さは感じられた。転換線は本日さらに154.81 円へ低下する一方、基準線は明日にも小幅に切り上がり転換 線と重なる見込み。同水準への相場収れんを予想するが、支 えの1 つになるとみられた154.90 円付近で上昇中の21 日移 動平均線を下回っている。上値を試す流れの変調とも考えら れ、早期に同線を回復できなければ、現行のレンジを放れる のは下方向かもしれない。

レジスタンス1 155.49(6/15 高値)
前日終値 154.85
サポート1 154.14(6/10 安値)
fx morning 17062021 chart 4

<NZ ドル円=90 日線付近の攻防>
陰線引け。一目均衡表・転換線付近の重さを払しょくでき ず、一時78 円割れとなった。77.99 円前後で上昇中の90 日 移動平均線付近の攻防となる。一目・雲の下限付近までの下 押しリスクを視野に入れつつも、90 日線とともに雲の上限 77.31 円の上抜けや一目・転換線を試す展開を想定する。

レジスタンス1 78.50(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 78.06
サポート1 77.53(日足一目均衡表・雲の下限)
fx morning 17062021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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