FX Morning 08/17/2021

【前日の為替概況】ドル円、続落 中国経済指標が予想を下回り世界景気への懸念が高まる

16 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は109.24 円と前営業日NY 終値(109.59 円) と比べて35 銭程度のドル安水準だった。この日発表の中国経済指標が予想を下回ったことを受けて、世 界的な景気減速への懸念が高まるとダウ平均が一時280 ドル超下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買 い・ドル売りが優勢となった。世界的に新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大が警戒されており、世 界経済の回復鈍化への懸念が市場心理の悪化につながった面もある。

8 月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が18.3 と予想の29.0 を下回ったほか、米長期金利の指標であ る米10 年債利回りが一時1.2217%前後まで低下したことも相場の重しとなり、22 時30 分過ぎには109.11 円と4 日以来の安値を付けた。市場では「アフガニスタン情勢を受けた地政学リスク回避の円買いも見ら れた」との指摘があった。もっとも、売り一巡後は109 円台前半で下げ渋る展開に。ダウ平均が上げに転 じ、史上最高値を更新したほか、米10 年債利回りが低下幅を縮小したことなどが相場を下支えした。

ユーロ円は3 日続落。終値は128.67 円と前営業日NY 終値(129.30 円)と比べて63 銭程度のユーロ安 水準。中国の景気減速懸念とアフガニスタンでの地政学リスクの高まりが投資家心理の悪化につながり、 リスクオフの円買いが先行。23 時前に一時128.50 円と3 月26 日以来の安値を付けた。ただ、安く始ま ったダウ平均が持ち直すとNY 序盤に見られたリスク回避ムードは後退。NY 午後は128.60 円を挟んだ狭 いレンジでのもみ合いに終始した。ユーロドルは反落。終値は1.1778 ドルと前営業日NY 終値(1.1797 ドル)と比べて0.0019 ドル程度のユーロ安水準だった。21 時前に一時本日安値となる1.1768 ドルまで 売り込まれた影響が残ったが、NY 市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。低調な米経済指標 や米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入った半面、ユーロ円やユーロスイスフランの下落に つれた売りが相場の重しとなり、大きな方向感は出なかった。

ユーロスイスフランは一時1.0736 スイスフランまで下落した。アフガニスタンでイスラム原理主義勢 力・タリバンが勢力を拡大し、首都・カブールまで制圧。タリバンは国際テロ組織「アルカイダ」と関係 が深いとされ、地政学リスクの高まりが避難通貨とされるスイスフラン買いにつながったようだ。

【本日の東京為替見通し】日経平均どの程度戻せるか注目、豪ドル/NZ ドルは年初来安値更新

本日の東京時間のドル円はもみ合いとなるか。昨日はアフガニスタンでタリバン勢力がほぼ全土を掌握 したことや、中国の経済指標悪化などもあり、リスクオフに市場は傾き円、スイスフランなどの避難通貨 や金先物などが買われた。しかしながら、ナスダック総合は反落したものの、ダウとS&P500 は史上最高 値を更新するなど、リスクオフ相場がこのまま続くかどうかは不透明だ。昨日大きく下落した日経平均も、 CME225 先物では大阪取引所比で180 円上昇して引けるなど、本日はある程度の反発が見込まれている。 どの程度本邦株価の反発があるかが注目され、株価の値動きがドル円にも影響を与えそうだ。

本日のアジア時間ではドル円を動意づけるのは、株価や時間外の米国の債券利回りの動向になるだろう。 アフガニスタン情勢は、リスク要因としては今後も大きく世界経済や、治安面で大きな課題となるだろう が、短期的に資金の流れがどの程度変わるかは判断をするのが現時点では難しいか。

NY 入り後は複数のイベントが行われることには注意したい。経済指標では7 月の米小売売上高、鉱工 業生産指数、設備稼働率ほか複数の指標が発表される。先週末の8 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ) 速報値、昨日の8 月米ニューヨーク連銀製造業景気指数などに対する市場の反応が、通常よりも大きかっ たことを考えると、本日の指標結果でも通常以上に動く可能性があることには留意しておきたい。また、 日本時間では18 日2 時半頃になるが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がオンラインでのタウンホ ールミーティング(意見交換会)を行う。今回の参加者は教職員や学生が参加するものであるため、どの ような質問を受けるかは分からないが、26-28 日のジャクソンホール会合でテーパリングについて言及す るとの声が強まっていることもあり、市場の注目度は高い。

ドル円以外では、東京時間にはオセアニア通貨の動きに注目したい。昨日は豪ニューサウスウェールズ 州での新型コロナウイルス感染拡大、ビクトリア州メルボルンでの夜間外出禁止令の再発令などもあり、 豪ドルは対NZ ドルで年初来安値を更新している。明日のNZ 準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC) を前に神経質な値動きになりそうだ。なお、本日は8 月の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨が公表され るが、声明文では発表されなかったことでサプライズがあれば豪ドルが動くだろう。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○13:30 ◇ 6 月第三次産業活動指数(予想:前月比1.8%)

<海外>
○10:30 ◎ 8 月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○15:00 ◎ 7 月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 4-6 月英失業率(ILO 方式、予想:4.8%)
○18:00 ☆ 4-6 月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比2.0%/前年比13.7%)
○21:15 ◇ 7 月カナダ住宅着工件数(予想:27.50 万件)
○21:30 ◇ 6 月対カナダ証券投資
○21:30 ☆ 7 月米小売売上高(予想:前月比▲0.2%/自動車を除く前月比0.1%)
○22:15 ◎ 7 月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
◇ 設備稼働率(予想:75.7%)
○23:00 ◇ 6 月米企業在庫(予想:前月比0.8%)
○23:00 ◎ 8 月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:80)
○18 日02:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、討議に参加
○18 日04:45 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

18 日
<国内>
○08:50 ◎ 7 月貿易統計(通関ベース)
○08:50 ◎ 6 月機械受注

<海外>
○07:45 ◎ 4-6 月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

16 日08:37 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「テーパリングの前にもう少し強い雇用報告を見たい」

16 日11:28 中国国家統計局
「中国の経済成長は依然として妥当なレンジ内」
「下半期も安定した回復を維持」

16 日23:20 グテーレス国連事務総長
「アフガニスタンにおけるグローバルなテロの脅威を抑 制し、人権の尊重を保証するために、あらゆる手段を用 いるよう要請」
「タリバンに対し、人命保護のために最大限の自制を促 す」

16 日23:31 アフガニスタン国連大使
「国連安全保障理事会に対し、あらゆる手段を用いて、 暴力の即時停止と人権および国際人道法の尊重を求め るよう要請」
「包括的で代表的な暫定政府の即時設立を求める」
「武力で政権を獲得した政権を承認しないよう強く求め る」

17 日01:02 石油輸出国機構(OPEC)筋
「現時点では、すでに計画されている以上の原油を市場 に供給する必要はないだろう」

17 日01:32 米国防省 「米軍とトルコ軍、そして国際パートナーがカブール空港 の制御に努めている」
「アフガニスタンからのテロの脅威を評価するのは時期 尚早」
「米国防長官は辞任を申し出ておらず、その予定もな い」

17 日03:09 ローゼングレン米ボストン連銀総裁
「下半期の米経済成長は力強いものになると予想」
「FRB は今秋、資産購入縮小を開始するだろう」
「力強い成長は2022 年半ばまでにFRB の債券購入終 了を正当化するだろう」
「FRB の新しいガイダンスでは政策変更を正当化するた めに予測ではなく結果が必要」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 17082021 chart 1

<ドル円=雲を下回る水準で売り地合い強める>
陰線引け。一目均衡表・雲を下回る水準で売り地合いを強 めた。
一目・転換線の上昇に追随できなかった。相場のレンジが 切り下がったことで、転換線は本日109.96 円へ小幅に上昇 したところで頭打ちとなる公算。雲の下限110.00 円を克服 できない可能性を示している。重い動きが続くことの示唆と いえよう。

レジスタンス1 109.76(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 109.24
サポート1 108.72(8/4 安値)
サポート2 108.34(5/7 安値)
fx morning 17082021 chart 2

<ユーロドル=基準線や転換線を目前に伸び悩む>
小陰線引け。日足一目均衡表・基準線1.1808 ドルや、昨 日まで1.1803 ドルで横ばいだった一目・転換線を目前とし た水準で伸び悩んだ。転換線は本日から低下の流れを再開。 現状からすれば19 日(木)には1.1750 ドル台へ低下する見 込み。上値を抑える要因となり、相場の勢いを弱める方向に 作用しそうだ。

レジスタンス1 1.1808(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.1778
サポート1 1.1724(8/12 安値)
fx morning 17082021 chart 3

<ポンド円=基準線付近の底堅さ背景とした強い反発を期待>
陰線引け。一時150.93 円と、目先の下値の節目だった3 日安値151.17 円を割り込み、7 月22 日以来の151 円割れと なった。日足一目均衡表・基準線150.98 円も小幅に下回る 格好となった。しかし、現状からすれば同線は明日150.96 円へ若干低下したところで底打ちする公算。来週にも上昇へ 転じる可能性がある基準線をいったん回復した。同線付近の 底堅さを背景に、どの程度の反発力を示せるか見定める局面 となる。

レジスタンス1 151.93(8/13 安値)
前日終値 151.31
サポート1 150.74(7/22 安値)
fx morning 17082021 chart 4

<NZ ドル円=反発できても転換線が抵抗となりそう>
陰線引け。一時76.54 円まで下落と4 日以来、約2 週間ぶ りの76 円台となった。一目均衡表・基準線76.60 円や76.40 円台の200 日移動平均線などといった下値の節目が位置する レンジへ下振れた。下落の流れの落ち着きどころを探ること を期待するが、反発できても、本日77.23 円で頭打ちとなる 公算の一目・転換線が戻り局面での抵抗となりそうだ。

レジスタンス1 77.23(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 76.69
サポート1 76.04(8/3 安値)
fx morning 17082021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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