FX Morning 08/18/2021

【前日の為替概況】ユーロドル、続落 世界景気の先行き不透明感が広がってリスク・オフ

17 日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続落。終値は1.1710 ドルと前営業日NY 終値(1.1778 ドル)と比べて0.0068 ドル程度のユーロ安水準だった。新型コロナウイルスの感染再拡大やアフガニス タンでの地政学リスクの高まり、中国のインターネット上の不正競争行為に関する規定草案発表などで世 界景気の先行き不透明感が広がると、時間外のダウ先物が下落。リスク・オフのドル買いが先行した。21 時30 分発表の7 月米小売売上高は予想より弱い内容となったが、米長期金利の指標である米10 年債利回 りが1.27%台まで上昇するとドル買いがさらに強まり、一時1.1708 ドルと日通し安値を更新した。

なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は討論会で「感染力の強い新型コロナ変異ウイルス『デ ルタ株』の感染拡大が経済に著しい影響を及ぼすかどうかはまだ不明」「金融セクターを経済へのリスク と見ていない」「現在の危機は終わっていない。勝利を宣言することはできない」などと述べたが、金融 政策については言及しなかった。

ドル円は3 営業日ぶりに反発。終値は109.60 円と前営業日NY 終値(109.24 円)と比べて36 銭程度の ドル高水準だった。日本時間夕刻に一時109.12 円と日通し安値を付けたものの、前日の安値109.11 円が 目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となり、 一時109.66 円と日通し高値を更新した。その後の下押しも109.51 円付近にとどまった。

ユーロ円は4 日続落。終値は128.34 円と前営業日NY 終値(128.67 円)と比べて33 銭程度のユーロ安 水準。ダウ平均が一時500 ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移すると投資家がリスク回避姿勢 を強め円買い・ユーロ売りが優勢となった。2 時過ぎに一時128.26 円と3 月2 日以来の安値を更新した。

【本日の東京為替見通し】本日もオセアニア通貨が大相場となるか、円はレンジから抜けられず

東京時間は円に関しては、株価や時間外の米金利の動きがドル円を左右させるだろう。NY 入り後は先 月27-28 日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨公表が注目される。昨日、豪準備銀行(RBA) 理事会の議事要旨が、声明文よりもハト派寄りだったことが判明したことで豪ドルが大きく動いたように、 FOMC 議事要旨も声明文やパウエルFRB 議長の会見と比較し文言に差異があった場合は、米金利が動きド ル円も上下に振らされそうだ。

ドル円は大きなレンジを期待するのは難しいが、昨日に続きオセアニア通貨は大きな動きを見せそうだ。 経済指標では日本時間10 時半に豪州から4-6 月期の賃金指数が発表される。RBA にとって賃金が上昇し ないことが、テーパリングの遅れにつながる一因になっている。豪州の場合は7 月以後にデルタ株を中心 とした新型コロナウイルスの感染が拡大していることで、7-9 月期の指標の方が注目を集めるだろうが、 4-6 月期も市場予想より下回れば豪ドルの重しになるだろう。

豪ドル以上に大きな動きになりそうなのが、NZ ドルになる。昨日は宮城の東北学院の高校球児1 名が PCR 検査でウイルス感染が確認されたことで、甲子園の出場辞退が決定した。同様にニュージーランド (NZ)では1 件の感染で、全国土で3 日間、感染が確認された国内最大の都市オークランドでは7 日間の ロックダウンが決定した。「ウィズコロナ」ではなく「ゼロコロナ」を目指している国にとってはわずか な感染でも、経済的な影響が大きくなることで今後のウイルスの進行状況に目が離せない。

そのNZ からは、日本時間11 時にNZ 準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)が政策金利を発表する。 市場では、すでに0.25%の利上げ(0.50%へ)は織り込んでいる。仮に利上げ幅が予想通りでも、日本 時間12 時頃から始まるオアRBNZ 総裁の発言が終わるまではNZ ドルの動きは予断を許さないだろう。NZ は上述のようにウイルス感染の懸念材料はあるものの、この12 カ月で住宅価格は約30%上昇し、家賃を 払うことができない低所得者や先住民が急増しホームレスになる問題も出てきていることで、利上げは避 けられないとの予測だ。RBNZ はローン資産価値比率(LVR)を一段と厳格化すると発表しているが、住宅 問題についてや、デルタ株による経済の影響についてのRBNZ 総裁の発言には特に注目が集まりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◎ 7 月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前2023 億円の黒字、季節調整済1251 億円の黒字)
○08:50 ◎ 6 月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲2.8%/前年比15.8%)

<海外>
○11:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:0.50%に引き上げ)
○12:00 ◎ オアRBNZ 総裁、記者会見
○15:00 ◎ 7 月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
○15:00 ◎ CPI コア指数(予想:前年比2.2%)
○15:00 ◇ 7 月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.3%/前年比3.6%)
○17:00 ◎ 7 月南アフリカCPI(予想:前月比1.1%/前年比4.6%)
○18:00 ◇ 6 月ユーロ圏建設支出
○18:00 ☆ 7 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.2%)
○18:00 ☆ 7 月ユーロ圏HICP コア改定値(予想:前年比0.7%)
○20:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 6 月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比9.6%)
○21:30 ◎ 7 月カナダCPI(予想:前月比0.3%/前年比3.4%)
○21:30 ◎ 7 月米住宅着工件数(予想:160.0 万件、前月比▲2.6%)
◎ 建設許可件数(予想:161.0 万件、前月比1.0%)
○23:30 ◇ EIA 週間在庫統計
○19 日01:00 ◎ ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○19 日02:00 ◎ 米財務省、20 年債入札
○19 日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7 月27 日-28 日分)

19 日
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○10:30 ◎ 7 月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

17 日05:18 バイデン米大統領
「アフガニスタンから撤退する決断は間違っていない」
「我々はアフガニスタン軍に戦う意志を与えることができ なかった」
「国を守るべきはアフガニスタン軍であり、米軍ではな い」

17 日10:30 豪準備銀行(RBA)議事要旨
「最近の新型コロナウイルスの感染拡大により、回復は 中断された」
「以前に発表された債券購入率の変更を理事会が再確 認」
「債券買い入れプログラムは今後の経済状況により引き 続き見直される」
「短期的な見通しは非常に不確実」
「インフレが目標範囲内で持続的に推移するまで、利上 げは行わない」
「2024 年まで利上げの条件は満たされないだろう」
「失業率は短期的に上昇すると予想」
「メンバーはテーパリングを遅らせるケースを検討」

17 日15:27 アーダーンNZ 首相
「ニュージーランドは3 日間の都市封鎖(ロックダウン)に 入る」

17 日22:13 菅義偉首相
「緊急事態解除の前提は命を守れる医療体制の確保」
「3000 億円の交付金を新たに分配する」
「(衆院選の時期について)選択肢は少なくなってきてい る」
「アフガン情勢は今後も不透明と思う」

18 日02:17 ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策 上級代表
「タリバンを認めるとは言っていないが、彼らと話し合わ なければならないだろう」
「アフガニスタンの人々は人道的支援を必要としており、 これを維持する必要がある」
「タリバンのアフガニスタン占領は、14 年の露クリミア侵 攻以来、最も重大な地政学的出来事」

18 日02:51 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「デルタ株が経済に重要な影響を与えるかどうかはまだ 明確ではない」
「パンデミック前の経済に簡単に戻れるわけではない」
「金融セクターを経済へのリスクと見ていない」
「パンデミックは依然として経済活動に影を落としてい る」
「現在の危機は終わっていない。勝利を宣言することは できない」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 18082021 chart 1

<ドル円=雲の中へ戻すのは容易ではないか>
陽線引け。109.60 円台まで反発して、16 日の下落幅を取 り戻しかけている。
一目均衡表・基準線109.76 円が目先の抵抗で、上値に今 後の低下が見込まれる一目・転換線109.96 円も控えており 重しとなるか。16 日の下落幅をすべて取り戻しても、先週末 13 日の陰線も帳消しにするように一目・雲の中へ戻すのは容 易ではないだろう。

レジスタンス2 110.00(日足一目均衡表・雲の下限)
レジスタンス1 109.96(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 109.60
サポート1 109.11(8/16 安値)
fx morning 18082021 chart 2

<ユーロドル=戻りあっても低下中の転換線が勢い弱めそう>
陰線引け。一目均衡表・転換線付近で失速して、心理的に 意識されるポイント1.17 ドル前後の攻防となっている。節 目を割り込んでも下落が加速しないまま、仕掛け的な売買の 範囲にとどまって、レンジを大きく広げない可能性はある。 しかし、戻りがあっても、明日には1.1750 ドル台へ低下す る見込みの一目均衡表・転換線が上値に控えており、反発の 勢いを弱めそうな状態に変化はない。

レジスタンス1 1.1771(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1710
サポート1 1.1658(ピボット・サポート2)
fx morning 18082021 chart 3

<ユーロ円=200 日線を下回る水準でさえない展開>
陰線引け。4 日安値129.14 円や7 月20 日安値128.60 円と いった下値の節目をこなしながら下落幅を広げ、3 月以来の 安値水準128.20 円台に達した。相場の強弱を判断する上で の節目200 日移動平均線を下回っての推移で、さえない相場 展開が続きそう。5 日移動平均線が目先の抵抗となり、こな すことができても一目・基準線や、まだ低下が続く見込みの 一目・転換線が戻りを抑えるだろう。

レジスタンス1 128.83(5 日移動平均線)
前日終値 128.34
サポート1 127.77(2/24 安値)
fx morning 18082021 chart 4

<豪ドル円=こなした節目や転換線が反発を抑制>
陰線引け。3 日安値80.16 円や7 月20 日安値79.85 円を次々 と抜けて下落が加速し、1 月28 日以来の安値79.34 円まで売 りが進んだ。安値圏で反発も想定できる。しかし、下抜けた 前述の節目や、日足一目均衡表・転換線が上伸を抑制すると みる。

レジスタンス1 80.16(8/3 安値)
前日終値 79.52
サポート1 79.20(1/28 安値)
fx morning 18082021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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