FX Morning 08/19/2021

【前日の為替概況】ドル円、続伸 FOMC 議事要旨公表前に米長期金利が一時1.29%台へ上昇

18 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は109.77 円と前営業日NY 終値(109.60 円) と比べて17 銭程度のドル高水準だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7 月27 日-28 日分) の公表に向けて、米長期金利の指標である米10 年債利回りが1.29%台まで上昇すると全般ドル買いが先 行。3 時頃に一時110.07 円と日通し高値を付けた。ただ、FOMC 議事要旨公表後に米長期金利が値を消す とドル円にも売りが出て、109.76 円付近まで下押しした。ダウ平均が一時400 ドル近く下落したことも 相場の重し。なお、FOMC 議事要旨では「大半の当局者は経済が予想通り幅広く発展するなら年内のテー パリング開始が適切と指摘した」「幾人かの当局者はさらなる進歩は十分に満たされていないとして、2022 年初めのテーパリング開始が適切と指摘した」ことが明らかになった。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホールでの講演を来週に控えて、市場では「FOMC 議事要旨の内容を確認したい」と、注目が集まっていた。

ユーロドルはほぼ横ばい。終値は1.1711 ドルと前営業日NY 終値(1.1710 ドル)と比べて0.0001 ドル 程度のユーロ高水準だった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、1.1700 ドル 割れに観測されていたストップロスを誘発し一時1.1694 ドルと昨年11 月4 日以来の安値を付けた。ただ、 FOMC 議事要旨公表後に米長期金利が値を消すとユーロドルにも買い戻しが入り一時1.1742 ドルと日通し 高値を付けた。もっとも、反応は一時的ですぐに失速した。NY 市場に限れば、大きな方向感は見られな かった。なお、ブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、「FRB はインフレショックを考慮する必要が ある」「22 年第1 四半期までにテーパリングを完了し、必要に応じて利上げのオプションも考慮するべき」 などと述べたと伝わった。ユーロ円は5 営業日ぶりに反発。終値は128.54 円と前営業日NY 終値(128.34 円)と比べて20 銭程度のユーロ高水準。ユーロドルが日通し高値を付けたタイミングで一時128.95 円ま で買われたものの、ユーロドルが失速すると128.51 円付近まで押し戻された。

米ドルカナダドルは底堅い動き。7 月カナダ消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、2011 年以来の大 幅な伸びとなったことを受けて米ドル売り・カナダドル買いが先行。21 時30 分過ぎに一時1.2598 カナ ダドルまで値を下げた。ただ、そのあとは米金利上昇に伴って米ドル買い・カナダドル売りが優勢に。WTI 原油先物価格が5 月以来約3 カ月ぶりの安値を付けると、産油国通貨とされるカナダドルにも売りが出て 一時1.2663 カナダドルまで値を上げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円は一時110 円乗せも株・原油軟調で上値は限定的か

本日の東京時間のドル円は上値が限られるか。昨日は110 円台を回復したドル円だが、ダウ平均が35000 ドルの節目を割り込み、原油先物価格も引け後の時間外取引で下げ幅を広げている。市場はまだリスクオ フ地合いが強く、ドル円の上値は限られそうだ。アフガニスタン情勢の混迷を受けて、米民主党内でも意 見が分裂している。今後の法案などの採決の行方も不安視されていることで、ドルの上値を抑える要因に なりそうだ。

本日も東京時間に限れば、引き続き株価や時間外の米金利の動向に一喜一憂することになるだろう。ま た、本日のNY カットで109.65-70 円のオプションが期限を迎えることが、ドル円の動きを鈍くさせるか。

NY 入り後は8 月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、7 月の景気先行指標総合指数などの経済指標 には注目が集まりそうだ。ここ最近は今までは大きく動くことが少なかった米国の景気関連の経済指標で も、米金利が敏感に反応することで、連れてドル円は動意づきそうだ。また、本日は前週分の米新規失業 保険申請件数と失業保険継続受給者数も発表される。

ドル円以外では、連日大きく動いているオセアニア通貨に目を向けておきたい。早朝からオアNZ 準備 銀行(RBNZ)総裁が会見を行い、「ロックダウンがなかった場合は利上げの可能性が高かった」と述べた ことで、NZ ドルが小幅ながら買い戻された。本日は7 月の豪雇用統計も発表されることで、豪ドルやNZ ドルの動きが再び市場を引っ張る可能性もある。なお、豪州の失業率は今年に入り1 月の6.4%から毎月 改善し、6 月は約10 年ぶりの水準となる4.9%まで低下しているが、7 月は5.0%まで戻すとの市場予想 になっている。豪州では8 月からデルタ株を中心とした新型コロナウイルス感染の拡大が深刻になってい ることで、今後の雇用悪化も予想され、7 月も市場予想よりも悪い結果となった場合には、豪ドルの反応 は大きくなるかもしれない。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○10:30 ◎ 7 月豪雇用統計(予想:失業率5.0%/新規雇用者数▲4.62 万人)
○15:30 ◇ 4-6 月期スイス鉱工業生産指数
○17:00 ◇ 6 月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○17:30 ◎ 7 月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.7%)
○21:30 ◎ 8 月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:23.0)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:36.3 万件/280.0 万人)
○23:00 ◎ 7 月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.8%)
○インド(イスラム教新年)、休場

20 日
<国内>
○08:30 ☆ 7 月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 7 月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)

<海外>
○08:01 ◇ 8 月英消費者信頼感指数(Gfk 調査)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

18 日05:16 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「データを綿密に監視して、高インフレが一時的なものか どうかを確認する」
「FRB は必要ならインフレと戦うために金利を引き上げ る」

18 日09:39 NZ 準備銀行(RBNZ)
「(ロックダウン下でも)政策金利発表時間に変更なし」

18 日11:15 RBNZ 声明
「今回の決定は新型コロナウイルス発生に伴う政府の 経済制限に関連している」
「インフレ期待を固定し、最大の持続可能な雇用に貢献 し続けるために、金融刺激策のレベルをさらに下げるこ とであることで同意」
「ロックダウンという不確実性が高まっていることを考慮 して政策金利を変更しないことで合意」
「短期的には、原油高などの一時的な物価上昇や、供 給不足や輸送コストの上昇などの一時的な要因により、 インフレ圧力の拡大が強まっている」
「短期的なインフレは2022 年半ばに目標範囲を超えると 予想」
「政策金利見通しとして、2021 年12 月時点では0.6%」

18 日12:12 オアRBNZ 総裁
「『今のところは』政策金利を0.25%に維持する」
「ロックダウンは懸念されるが、昨年よりは懸念していな い」
「経済のモメンタムを維持するには良い状況にある」
「金融刺激策を継続する必要性は低い」
「利上げが明らかな方向性」
「我々の決定は金融刺激を縮小するため」

18 日13:44 ロバートソン・ニュージーランド(NZ)財務相
「経済回復に自信」
「RBNZ は意図して強力なシグナルを送った」
「財政的な余裕があり、追加の借入の必要はない」
「長期の新型コロナウイルス拡大は予測していない」

18 日23:18 ロシア外務省
「(アフガニスタンの全土を掌握した)タリバンの最初の 声明は、今後の交渉への希望に繋がる」

19 日00:12 米下院外交委員会のミークス委員長(民主 党)
「米国人や同盟国の人々の避難のため必要であれば、 アフガン撤退期限8 月31 日以降も米軍は留まるべき」

19 日01:12 ブラード米セントルイス連銀総裁
「FRB はインフレショックを考慮する必要がある」
「22 年を通してインフレ率は2.5%と見ているが更に高くな るリスクもあり、そうなればFRB はインフレ抑制モードに 入るだろう」
「最近の米指標は弱めだが、それでも今年は7%、22 年 には4%と非常に堅調な成長を見込んでいる」
「22 年第1 四半期までにテーパリングを完了させ、必要 に応じて利上げのオプションも考えるべき」

19 日03:09 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
「FRB は今後の会合でテーパリング見通しを評価する」
「当局者は最近の物価上昇が一時的である可能性が高 いと評価」
「テーパリング決定は利上げに関連せず」
「FRB は一部で予想外に強いインフレを確認」
「見通しに高レベルの不確実性を確認」
「一部の当局者は金融安定リスクの高まりを指摘」
「一部の当局者は暗号資産(仮想通貨)取引のリスクを 懸念」
「今年、テーパリング開始は適切である可能性」
「一部の当局者は比較的早期のテーパリング準備が賢 明と指摘」
「デルタ株が予想より悪化すれば、幾人かの当局者は 見解を変更」

19 日03:34 エルドアン・トルコ大統領
「(アフガニスタンを占領した)タリバンの穏健的な声明を 歓迎し、協力に前向き」
「カブール空港のセキュリティ維持を依然として目指して いる」
「アラブ首長国連邦(UAE)は大規模なトルコ投資を考え ている」

19 日04:45 国際通貨基金(IMF)
「アフガニスタンは特別引出権(SDR)を入手できないだ ろう」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 19082021 chart 1

<ドル円=雲の攻略は難しそう>
上影小陽線引け。一目均衡表・雲の下限110.00 円を上回 ったところで売り圧力にさらされ、抵抗を克服しきれなかっ た。一目・転換線109.96 円を下回る水準へ押し戻され、一 目・基準線109.76 付近でNY を引けている。横ばいの基準線 付近を維持できても、今後の低下が見込まれる転換線や、雲 の下限を上回る水準での重さは続きそう。再び雲の中へどう にか潜り込んでも、上抜けは難しそうにみえる。

レジスタンス2 110.42(日足一目均衡表・雲の上限)
レジスタンス1 110.07(8/18 高値)
前日終値 109.77
サポート1 109.11(8/16 安値)
fx morning 19082021 chart 2

<ユーロドル=転換線に近づいたところで戻りの勢い弱まる>
上影極小陽線引け。引き続き心理的に意識されるポイント 1.17 ドル前後の攻防となる。節目を割り込む場面もあったが、 下落を加速してレンジを拡大が続くようなことはなかった。 1.1742 ドルまで戻したものの、上値に低下中の一目均衡表・ 転換線を控えるなか反発の勢いも限られた。転換線は本日 1.1750 ドルへ低下したところで底打ちする可能性もあるが、 相場が昨日安値1.1694 ドルを下回ればさらに水準を切り下 げる状況。同線を抵抗とした下値不安は継続中だ。

レジスタンス2 1.1802(日足一目均衡表・基準線)
レジスタンス1 1.1750(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1711
サポート1 1.1668(ピボット・サポート2)
fx morning 19082021 chart 3

<ポンド円=基準線・転換線が交差する水準へ収れんか>
上影陽線引け。17 日に7 月21 日以来の安値150.36 円まで 下値を広げたところからの反発が、どの程度の力強さを示せ るか見定める局面となっている。一目均衡表・基準線150.96 円を下回る水準から、151 円前後へ戻してきた。今後の上昇 が見込まれる基準線を維持して推移することになるか。まず は同線と、低下が見込まれる一目・転換線の交差が予想され る151.40 円付近へ収れんする展開を想定する。

レジスタンス1 151.41(8/18 高値)
前日終値 150.99
サポート1 150.36(8/17 安値)
fx morning 19082021 chart 4

<NZ ドル円=自律反発の余地あるが力強さ明示できず>
小陰線引け。相場の切り下がりとともに低下する一目均衡 表・転換線と基準線が示唆する下向きの流れが続いている。 抵抗となる両線から多少下方へかい離し、自律的な反発余地 も生じた。目先の下値の節目だった7 月20 日安値75.27 円 を割り込んだが下落を75.23 円にとどめたことも好感できる。 しかし、まだ上昇の勢いを取り戻す兆候の明示はない。

レジスタンス1 76.17(8/18 高値)
前日終値 75.58
サポート1 74.92(2/1 安値)
fx morning 19082021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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