FX Morning 08/20/2021

【前日の為替概況】ドル円、小反落 景気鈍化懸念でリスク回避

19 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3 営業日ぶりに小反落。終値は109.74 円と前営業日NY 終値(109.77 円)と比べて3 銭程度のドル安水準だった。前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC) 議事要旨を受けて、米国のテーパリング(量的緩和の縮小)開始観測が強まったことや、新型コロナウイ ルスのデルタ株感染拡大で、景気鈍化懸念からリスク回避姿勢が強まった。欧州市場では一時109.48 円 と前日の安値に面合わせする場面があった。

ただ、NY 市場では下値の堅さが目立った。一時は270 ドル超下落したダウ平均が上げに転じるなど、 米国株相場が底堅く推移すると過度なリスク回避姿勢が後退。1.21%台まで低下した米10 年債利回りが 1.25%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えし、109.84 円付近まで持ち直した。前週分の米新規失 業保険申請件数や7 月米景気先行指標総合指数が予想よりも強い内容となったことも買い戻しを誘った。

ユーロドルは下落。終値は1.1675 ドルと前営業日NY 終値(1.1711 ドル)と比べて0.0036 ドル程度の ユーロ安水準だった。NY 勢参入直後に一時1.1704 ドル付近まで値を戻す場面もあったが、1.17 ドル台で の滞空時間は短く、米長期金利が低下幅を縮めると再び上値が重くなった。3 時30 分過ぎには1.1673 ド ル付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた年初来安値1.1666 ドルはサポートされた。

ユーロ円は反落。終値は128.14 円と前営業日NY 終値(128.54 円)と比べて40 銭程度のユーロ安水準。 日本時間夕刻に一時127.94 円と2 月24 日以来約半年ぶりの安値を付けたものの、NY 市場では大きな方 向感は出なかった。NY 時間の安値は128.14 円、高値は128.46 円で値幅は32 銭程度だった。

南アフリカランドは軟調だった。世界的な株価の下落でリスク・オフムードとなり、対ドルで一時 15.2723 ランドと3 月10 日以来約5 カ月ぶりの安値を付けた。同国が世界最大の産出量を誇るプラチナ の価格が大幅に下落したこともランド売りを誘った。対円でも一時7.19 円と欧州時間に付けた3 月11 日以来の安値に面合わせした。

産油国通貨は軟調だった。WTI 原油先物価格が6 日続落し約3 カ月ぶりの安値を付けたことを受けて、 産油国通貨とされるカナダドルやメキシコペソに売りが出た。カナダドルは対米ドルで一時1.2830 カナ ダドル、ペソは対ドルで一時20.2085 ペソまで下落した。

【本日の東京為替見通し】アジア2 番目の感染記録で円売り意欲も、昨日に続き豪ドルにも注目

本日の東京時間のドル円はもみ合いとなるか。昨日はアジア時間ではリスクオフの動きがドル買いを中 心に反応し、ドル円も110 円前半までじり高となった。しかし、欧州勢参入後のリスクオフは円買いが優 勢となり、東京時間の上昇分を全て吐き出し、前日安値に並ぶ水準まで押し返されている。本日は、ほぼ 昨日の上下の中間で戻ってきていることで、上サイドも下サイドも攻めにくく、週末を控えもみ合いにな るか。

本日は本邦からは7 月全国消費者物価指数(CPI)が発表されるが、閉塞感が漂う本邦経済指標で市場 が動くことは難しいか。むしろ、東京時間は5・10 日(ゴトー日)にかけての仲値の動きや、新型コロナ ウイルスの感染が更に拡大していることに市場の目は向きそうだ。

ウイルスの感染状況については、昨日はインドに次いでアジアで日本が2 番目の新規感染件数を記録し ている。子供から親へ感染が増加していることもあり、新学期の休校を含め、新たな対策などが週末を前 に発表され、それに円売りを仕掛けるなどの動きには要警戒となりそうだ。もっとも、市場が昨日のよう にドル買いのリスクオフと動かず、円買いのリスクオフに動く可能性もあることでドル円の動きは難しく なるだろう。

円以外では、オセアニア通貨を中心としたリスク許容度に敏感に反応する通貨に注目したい。昨日の東 京時間もドル円やユーロドルに目を向けている市場参加者が多かったが、市場を動意づけたのは円でもユ ーロでもなく豪ドルだった。G7 通貨にばかり目が向くものの、ユーロ/豪ドルは東京時間には上昇して いたように、豪ドルも様々なクロス取引が目立っている。昨日は、7 月の豪雇用統計が表面上は好結果(失 業率が4.6%へ大幅低下、新規雇用も増加)だった反面、他の内容の悪化(労働参加率と月間労働時間の 減少、就活の諦め)もあったことで、豪ドルの動きが大きくなり、対ドル・対円ともに年初来安値を更新 している。本日は早朝からケント豪準備銀行(RBA)総裁補佐の講演が予定されていることで、豪ドルの 動きには警戒したい。また、南ア・ランドも豪ドル同様にコモディティ価格の暴落で、大幅に売られてい ることで、コモディティ価格の値動きにも目を通しておきたい。

なお、本日は米国からは主だった経済指標の発表はないが、カプラン米ダラス連銀総裁の講演が予定さ れている。また、米連邦準備理事会(FRB)のホームページで、来週のジャクソンホールでのパウエルFRB 議長の講演が27 日東部時間10 時に開始と正式に発表された。来週の市場はこの講演が最も注目されるこ とになりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ☆ 7 月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比▲0.4%)
○08:30 ☆ 7 月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比▲0.8%)

<海外>
○15:00 ◇ 7 月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.8%)
○15:00 ◎ 7 月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比6.0%)
○15:00 ◎ 7 月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.2%/前年比5.7%)
○15:00 ◎ 4-6 月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○21:30 ◎ 6 月カナダ小売売上高(予想:前月比4.4%/自動車を除く前月比4.6%)
○24:00 ◎ カプラン米ダラス連銀総裁、講演

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

19 日06:31 オアNZ 準備銀行(RBNZ)総裁
「経済を支えるために政策金利を非常に低くしたことは あまり後悔していない」
「18 カ月で住宅価格を下げることを計画している」
「ロックダウンが無ければ、昨日政策金利を引き上げて いた可能性がかなり高い」
「政策金利を中立水準に向けて徐々に引き上げる計画」

19 日11:00 オーストラリア統計局(ABS)
「7 月の失業率は労働市場の強さとみるべきではない」
「能力の限界で仕事を探すことをあきらめた失業者が、 労働力人口から省かれている」

19 日23:49 ネト・ブラジル中銀総裁
「ローカルな問題が22 年GDP 見通しに影響を与え始め ている」

20 日01:26 イエレン米財務長官
「期限切れとなる連邦政府の追加失業給付、いくつかの 州では支援を継続する必要があるかもしれない」
「デルタ変異株、地域経済や労働市場に短期的な影響 を与える可能性」

20 日02:25 エルドアン・トルコ大統領
「欧州はアフガニスタンやその他地域からの新たな移民 に対して責任を負う必要がある」
「トルコが欧州の移民保管庫になるという責任はない」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 20082021 chart 1

<ドル円=基準線付近を維持し、転換線の攻略うかがう>
極小陰線引け。一目均衡表・基準線109.76 円を軸に上下 した。
再び上値の雲の中へどうにか潜り込んだものの、上抜けは 難しかった。低下が続く見込みの一目・転換線を下回る水準 での推移が続きそう。基準線付近のレンジを維持して、日柄 の経過を味方に、低下局面の転換線攻略を狙う展開か。

レジスタンス2 110.57(ピボット・レジスタンス2)
レジスタンス1 110.23(8/19 高値)
前日終値 109.74
サポート1 109.11(8/16 安値)
fx morning 20082021 chart 2

<ユーロドル=短期・5 日線付近で戻り重い>
陰線引け。一時1.1666 ドルと、昨年11 月以来の安値水準 で推移している。1.17 ドル台で低下中の短期・5 日移動平均 線前後で売り圧力にさらされる状態。同線をどうにかこなす ことができても、上値に一目均衡表・転換線が抵抗として控 えており、さえない相場が続くことになりそうだ。

レジスタンス1 1.1736(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1675
サポート1 1.1603(2020/11/4 安値)
fx morning 20082021 chart 3

<ユーロ円=転換線を抵抗とした戻り売り相場継続>
陰線引け。一時127.94 円と2 月24 日以来、約半年ぶりの 安値128 円割れとなった。低下が続く見込みの一目均衡表・ 転換線を抵抗とした戻り売り相場が継続。2 月22 日安値 127.50 円を目先の下値の節目に、127 円割れもうかがう展開 といえる。

レジスタンス1 128.88(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 128.14
サポート1 127.50(2/22 安値)
fx morning 20082021 chart 4

<豪ドル円=反動の戻しあっても即座の5 日線回復は困難か>
大陰線引け。78.25 円まで年初来安値を更新した。昨年12 月23 日以来の安値水準に達した反動の戻りはあっても、ま ずは79 円付近まで。79 円台でも現在やや上値で推移する5 日移動平均線をすぐに回復するのは難しそうにみえる。

レジスタンス1 78.92(8/19 レンジ半値水準)
前日終値 78.45
サポート1 77.93(ピボット・サポート1)
fx morning 20082021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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