ユーロドル、4 日ぶり反発 米指標が予想を下回り米長期金利低下
FOREX.com 2023/02/01 08:44 JST
【前日の為替概況】ユーロドル、4日ぶり反発 米指標が予想を下回り米長期金利低下
31日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4営業日ぶりに反発。終値は1.0863ドルと前営業日NY終値(1.0851ドル)と比べて0.0012ドル程度のユーロ高水準だった。10-12月期米雇用コスト指数が前期比1.0%上昇と予想の1.1%上昇を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。1月米消費者信頼感指数が107.1と予想の109.0を下回ったこともドル売りを促し、一時1.0875ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.01まで低下した。
ドル円は反落。終値は130.09円と前営業日NY終値(130.39円)と比べて30銭程度のドル安水準だった。賃金の伸びを総合的に示す米雇用コスト指数の下振れで全般ドル売りが先行すると一時129.75円と日通し安値を付けた。
ただ、下値は限定的だった。一目均衡表雲転換線が位置する129.44円がサポートとして意識されたほか、市場では「129円台には国内輸入企業の買いが観測されている」との声が聞かれ、2時30分過ぎには130.35円付近まで下げ渋った。
ユーロ円は反落。終値は141.32円と前営業日NY終値(141.52円)と比べて20銭程度のユーロ安水準。欧州市場序盤に一時140.75円まで売られた影響が残ったものの、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。ユーロドルの上昇につれた買いが入り、一時141.54円付近まで強含む場面があった。
スイスフランは全面高の展開。ドルスイスフランは一時0.9151スイスフラン、ユーロスイスフランは0.9944スイスフランまで値を下げたほか、スイスフラン円は142.25円まで値を上げた。
また、ポンドスイスフランは一時1.1280スイスフランまで大幅に下落した。市場では「月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだポンド売り・スイスフラン買いのフローが観測された」との声が聞かれた。
【本日の東京為替見通し】FOMCは明日未明、それまでOP130円を中心とした値動きか
本日の東京為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちという雰囲気がどうしても広がってしまいそうだ。公表は明日未明ではあるため、それまでドル円は130.00円に観測される大きめの2日NYカットオプションや3日NYカットを意識した値動きが想定される。月初ということもあり、本邦実需の動向に振らされる場面もありそうだ。
米連邦準備理事会(FRB)は昨日から本日まで開催するFOMCで、フェデラル・ファンド(FF)レートの誘導目標を現行の4.25-4.50%から4.50-4.75%に引き上げを決定する見込み。昨年3月から始まった利上げサイクルでは8回目の金利引き上げとなる。
市場の注目は、今後の利上げ幅やいつ休止するか、そして米金融政策がいつ利下げに転じるかだろう。米WSJ紙のFEDウォッチャーとして知られるニック・ティミラオス記者の週末の記事がタカ派的と受けとめられ、一部の米投資銀行は次回3月会合から夏にかけて25ベーシスポイント(bp)の利上げ2回を予測。ただし、昨日発表された米雇用コスト指数が前期比で上昇率が鈍ったことは、FOMCメンバーが注視しているとされる指数でもあり、年央以降の緩和を見込む短期金融市場を後押しすることになる。
いずれにせよ、結局はFOMC声明やパウエル議長の定例記者会見を精査する必要があり、それまでは持ち高調整が中心となりそうだ。ただ、1月堅調だった株式市場は「利上げサイクルが完全に終盤」と楽観的に捉え過ぎている感じもする。もしFRB議長が金利の高め維持に固執するような口調となれば、反動の大きさにも警戒しておきたい。
アジア時間では、主だった経済指標は1月Caixin中国製造業PMIのみ。昨日の1月中国製造業PMIは4カ月ぶりに50を回復し、景況感の改善が確認された。本日の予想は49.5ではあるが、上振れするようなら、中国と経済的に結びつきが強いオセアニアの通貨の動意につながるかもしれない。
【本日の重要指標】
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○10:45 ◎ 1月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.5)
○16:00 ◇ 1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比▲0.3%)
○16:00 ◇ 1月トルコ製造業PMI
○17:30 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比1.5%/前年同期比▲2.9%)
○17:30 ◇ 1月スイス製造業PMI(予想:54.2)
○17:50 ◎ 1月仏製造業PMI改定値(予想:50.8)
○17:55 ◎ 1月独製造業PMI改定値(予想:47.0)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:48.8)
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI改定値(予想:46.7)
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比9.0%)
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比5.1%)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏失業率(予想:6.5%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 1月ADP全米雇用報告(予想:17.8万人)
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI改定値(予想:46.8)
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.0)
○24:00 ◇ 12月米建設支出(予想:前月比横ばい)
○2日00:30 ◇ 1月メキシコ製造業PMI
○2日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○2日03:00 ◎ 1月ブラジル貿易収支(予想:30.00億ドルの黒字)
○2日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.50-4.75%に引き上げ)
○2日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○2日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:13.75%で据え置き)
○英中銀金融政策委員会(MPC)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
31日08:48 鈴木財務相
「政府・日銀共同声明の見直しの是非言及は時期尚早」
「政府・日銀ともに賃金上昇の重要性は認識」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=切り上がる転換線は底堅さ示唆>
小陰線引け。一目均衡表・転換線を上回る水準で小動きが続いた。
転換線は本日129.74円へ小幅に切り上がり、現行レンジの維持が続くのであれば、明日には130円台へ乗せる見込み。同線の動きが示唆する底堅い推移が想定され、一目・基準線131.00円の抵抗を試す展開が意識される。。
レジスタンス1 131.00(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 130.09
サポート1 129.21(1/30安値)
サポート2 128.36(1/20安値)
<ユーロドル=21日線付近の底堅さ維持>
下影小陽線引け。一時1.0802ドルまで下振れたが、1.08ドル半ばへ持ち直してNYを引けた。21日移動平均線を下値に控えるなか下げ渋り、一目均衡表・転換線を回復している。本日1.0866ドルへ切り上がった転換線を今朝方は下回っているが、21日線付近の底堅さ維持が期待でき、じり高傾向の転換線を追う流れが想定される。
レジスタンス1 1.0929(1/26高値)
前日終値 1.0863
サポート1 1.0799(21日移動平均線)
<ユーロ円=一目・雲を試す展開期待>
下影小陰線引け。140.90円台で緩やかに上昇する200日移動平均線を下回る場面もあったが、同水準では底堅さを示し戻した。141円台を回復している。21日線も支えとなっており、大きな下振れは回避できそう。今後141円台へ切り上がる一目均衡表・転換線も支援となりそうで、現在142.74円に位置している一目・雲の下限を試す展開が期待できる。
レジスタンス1 141.98(1/30高値)
前日終値 141.32
サポート1 140.72(21日移動平均線)
<豪ドル円=上伸は転換線が押し上げ効果を示してからか>
下影陰線引け。一時91.09円へ下振れ一目均衡表・雲の中に潜り込んだたものの反発した。低下中の90日移動平均線92.27円付近では動きが重くなりそうで、上伸しにくいようにみえる。一方、下押しがあっても雲付近では底堅さを示し、昨日安値の下抜けは回避できるとみるが、上昇するにしても今後の切り上がりが予想される一目・転換線90.75円の押し上げ効果が表れてからになるか。
レジスタンス1 92.27(90日移動平均線)
前日終値 91.78
サポート1 91.09(1/31安値)
情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社
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