【前日の為替概況】中国恒大のデフォルト懸念で円全面高 対ドル109.32 円、対ユーロ128.14 円

20 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3 営業日ぶりに反落。終値は109.44 円と前営業日NY 終 値(109.93 円)と比べて49 銭程度のドル安水準だった。巨額債務を抱え経営危機に陥った中国不動産開 発大手、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念を背景に、世界的に株価が急落。投資家がリスク 回避姿勢を強め、円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標である米10 年債利回りが1.29% 台まで低下したことも相場の重しとなり、一時109.32 円と日通し安値を更新した。市場では「米債務上 限引き上げを巡る与野党対立もリスク・オフの動きを強めた」との声が聞かれた。

ダウ平均は一時前営業日比970 ドル超下げたほか、CME 日経平均先物は925 円安の2 万9250 円まで売 られる場面があった。

ユーロドルはほぼ横ばい。終値は1.1726 ドルと前営業日NY 終値(1.1725 ドル)と比べて0.0001 ドル 程度のユーロ高水準だった。中国恒大を巡る懸念で欧州株相場が急落すると、リスク・オフのドル買いが 優勢となり、欧州序盤には一時1.1700 ドルと日通し安値を付けた。ただ、同水準には大きめのオプショ ンが観測されており、売り一巡後は買い戻しが進んだ。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも 入り、アジア時間早朝の高値1.1734 ドルを上抜けて一時1.1737 ドルまで値を上げた。

なお、9 月NAHB 住宅市場指数は76 と予想の74 を上回ったものの、相場の反応は限られた。

ユーロ円は5 日続落。終値は128.34 円と前営業日NY 終値(128.92 円)と比べて58 銭程度のユーロ安 水準。世界的な株価の下落を受けてリスク・オフの円買い・ユーロ売りが優勢になると、一時128.14 円 と本日安値を付けた。そのあとはユーロドルの上昇につれた買いが入り128.51 円付近まで下げ渋る場面 もあったが、株安に伴う円買いは根強く戻りは鈍かった。

ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時149.19 円、豪ドル円は79.05 円、NZ ドル円は 76.70 円、カナダドル円は84.90 円、南アフリカランド円は7.37 円まで値を下げた。

また、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは対ドルで4 万2522 ドル台まで下落したほ か、対円では466 万円台まで売られる場面があった。

【本日の東京為替見通し】21-22 日のFOMC 控え、中国恒大のデフォルトリスクに要警戒か

本日の東京外国為替市場のドル円は、本日から明日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC) を控えて、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)リスクに警戒する展開が予想される。

ジョージ・ソロス氏が「中国版リーマン」と警鐘を鳴らしている中国恒大集団は、昨日20 日の利払い は履行されずに先送りされた模様だが、23 日には2022 年3 月償還債の利払い(8350 万ドル)、29 日に24 年3 月償還債の利払い(4750 万ドル)が控えており、30 日以内に利払いができなければ、デフォルト(債 務不履行)となることで、予断を許さない状況が続くことになる。中国恒大集団の債務残高は約3090 億 ドル(約1.9 兆元)で、中国の国内総生産(GDP)の2%弱となる。習中国国家主席は「住宅は住むために 建てられるものであり、投機の対象ではない」として不動産バブルの崩壊を目論んでおり、「共同富裕」 社会を実現するための「革命」の始まりとなるかもしれないことで要警戒か。もし、FOMC 開催中に中国 恒大集団のデフォルトリスクが高まり、リーマンショックのような世界同時株安となった場合、FOMC で は、年内テーパリング(資産購入の段階的縮小)開始の協議ではなく、「中国版リーマン」ショックへの 対応策が協議される可能性が高まることになる。

さらに、米国の連邦債務上限の引き上げを巡り、与野党の対立が激化しつつあることもリスク回避要因 となる。イエレン米財務長官は、連邦債務上限が引き上げなければ、10 月にも資金が枯渇するX デイが 到来し、米国のデフォルト(債務不履行)リスクが高まる、と警鐘を鳴らしている。

23 日の早朝3 時にFOMC 声明と経済・金利見通しが発表され、3 時30 分からパウエルFRB 議長の定例記 者会見が始まる。市場のコンセンサスは、先日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のFed 番 記者が当局の話として報じた「9 月21-22 日開催のFOMC でテーパリング(資産購入の段階的縮小)の合 意形成、11 月2-3 日開催のFOMC で着手、2022 年半ばで終了」となっている。しかし、23 日は、中国恒 大集団の利払い日となっていることで、動き出した「灰色のサイ」がコンセンサスを踏みにじる可能性が 高まりつつある。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○日銀金融政策決定会合(1 日目)

<海外>
○10:30 ◎ 9 月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○16:05 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○16:30 ◇ 8 月スウェーデン失業率
○21:30 ◎ 4-6 月期米経常収支(予想:1912 億ドルの赤字)
○21:30 ◎ 8 月米住宅着工件数(予想:156.0 万件、前月比1.0%)
◎ 建設許可件数(予想:160.0 万件、前月比▲1.8%)
○22 日02:00 ◎ 米財務省、20 年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1 日目
○韓国(秋夕)、中国(中秋節)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

20 日13:26 アーダーンNZ 首相
「オークランドは、少なくとも2 週間レベル3 のまま」
「他の地域はレベル2 のまま」

20 日19:49 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理 事
「量的緩和(QE)の(ポジティブな)効果が反転する時が あるかもしれない」
「インフレの見通しは明るく、いつ量的緩和を終了するか が、債券購入の額面や購入のペースなどよりも重要に なっている」

21 日03:18 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「最近のインフレ上昇は一時的なもの」

21 日04:50 マコネル米上院院内総務(共和党)
「共和党は債務上限を巡り民主党に協力しない」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 21092021 chart 1

<ドル円=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。遅行スパンは実線を上回っているが、一目・転 換線は基準線を下回り、一目・雲の下で引けていることで、 売りシグナルが優勢な展開となっている。2 手連続陽線で上 昇後、抱き線で反落して転換線を下回って引けており、続落 の可能性が示唆されている。
本日は、雲の上限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線 を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 110.45(9/8 高値)
レジスタンス1 110.19(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 109.44
サポート1 109.11(9/15 安値)
サポート2 108.72(8/4 安値)
fx morning 21092021 chart 2

<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることで、三役逆転 の強い売りシグナルが点灯している。3 手連続陰線で下落し、 転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆さ れている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1776(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1726
サポート1 1.1664(8/20 安値)
fx morning 21092021 chart 3

<ポンド円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
大陰線引け。一目・転換線は基準線と同値だが、遅行スパ ンは実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、売 りシグナルが優勢な展開となっている。2 手連続陰線で下落 して、転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示 唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 151.02(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 149.45
サポート1 148.47(7/20 安値)
fx morning 21092021 chart 4

<NZ ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・雲の中で引けているが、一目・転換線は 基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回っており、買いシ グナルが優勢な展開となっている。しかし、5 手連続陰線で 下落して、転換線を下回って引けていることから続落の可能 性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 77.67(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 76.91
サポート1 75.50(8/24 安値)
fx morning 21092021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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