FX Morning 03/22/2021

【前日の為替概況】ドル円、ほぼ横ばい 持ち高調整に終始

19 日のニューヨーク外国為替市場でドル円はほぼ横ばい。終値は108.88 円と前営業日NY 終値(108.89 円)と比べて1 銭程度のドル安水準だった。欧州序盤に一時108.61 円と日通し安値を付けたものの、米 10 年債利回りが1.74%台まで上昇すると買い戻しが優勢になった。米連邦準備理事会(FRB)が米銀行の 自己資本比率に影響する「補完的レバレッジ比率(SLR)」の特例措置を延長せず、予定通り3 月末で終了 すると伝わると、米国債は売られ(金利は上昇)、米国株は金融株中心に売りが広がった。為替市場では 米金利上昇に伴うドル買いや、米株安に伴うリスク・オフのドル買いが優勢となり、一時109.05 円付近 まで持ち直した。もっとも、NY 中盤以降は週末を控えた持ち高調整の動きに終始し、108 円台後半で値動 きが鈍った。

ユーロドルは小幅ながら続落。終値は1.1904 ドルと前営業日NY 終値(1.1915 ドル)と比べて0.0011 ドル程度のユーロ安水準だった。欧州各国で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることからユーロ 売りが出やすい中、FRB がSLR の緩和措置を延長しないと発表すると米長期金利が上昇。全般ドル買いが 優勢となり、一時1.1874 ドルと日通し安値を更新した。

ただ、ダウ平均が下げ渋ったうえ、ナスダック総合が持ち直すとリスク・オフのドル買いが後退。米 10 年債利回りが上昇幅を縮めたこともあり、1.1912 ドル付近まで下げ渋った。

ユーロ円は続落。終値は129.62 円と前営業日NY 終値(129.75 円)と比べて13 銭程度のユーロ安水準。 欧州の新型コロナ感染第3 波を背景に売りが出たほか、欧米株価の下落を受けてリスク回避的な円買い・ ユーロ売りが入ると一時129.32 円と本日安値を付けた。なお、現物のダウ平均は一時350 ドル超下落し たほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比560 円安の2 万8930 円まで値を下げる場面が あった。

ただ、米国株や日経平均先物が下げ渋ると投資家のリスク回避姿勢が和らぎユーロ円にも買い戻しが入 った。3 時過ぎには129.69 円付近まで下げ幅を縮めている。

トルコリラは堅調だった。トルコ中銀は前日、原油価格の上昇と通貨リラの変動でインフレリスクが高 まったことに対応し、予想以上の政策金利引き上げを実施した。大幅利上げに伴うリラ買いの流れがこの 日も継続し、対ドルでは一時7.1927 リラと2 月25 日以来の高値を付けたほか、対円では15.13 円と2 月22 日以来約1 カ月ぶりの高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】中銀会合終了し今週は大相場か、欧州通貨やトルコリラも波乱含み

本日の東京時間の為替市場は、神経質な値動きになるか。先週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀 政策決定会合、イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC)など、各国の中央銀行による会合が行 われたことで、市場の動きは会合終了までは様子見でレンジの幅が狭かった。今週からは中銀のブラック アウト期間が終了したこともあり、各国要人の講演などで先週よりも神経質な値動きになることが予測さ れる。本日もパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、クオールズFRB 副議長、バーキン米リッチモンド 連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演などが予定されていることで、発言による米金利 動向が為替市場を大きく動かすことになりそうだ。

先週、日銀政策決定会合後の黒田日銀総裁の会見で「長期金利変動幅の変更は、拡大ではなく表現を明 確化」と、発言したことで市場の混乱が広がった。市場筋の中では黒田総裁が日銀内で孤立をしていると 危惧をしている声が出ている。黒田総裁は2023 年4 月まで任期はあるが、以前より日銀内の方向性が定 まらなくなることは、今後の円相場にも影響を与えることになるだろう。

本日のドル売り・円買い要因は、週末の米中会談が非難の応酬になり両大国間の緊張が増したこと、米 ロシア間の関係悪化など、リスクの増大があげられる。一方でドル買い・円売り要因は、経済的には米国 と日本との間では、ウイルス・パンデミック前よりも格差が拡大する可能性が高いことがあげられる。米 国の経済回復期待は、ここ最近の長期金利上昇をみても鮮明になっているが、一方で日本は具体的なウイ ルス対策に欠け、尚且つ諸外国と比較するとワクチンの普及率が極端に低いことで経済回復期待が全くな く、円売り要因は根強い。これら両要因がある中で、期末を控えた本邦勢の動きが相場をかく乱すること になるだろう。以前は期末にはレパトリエーションで円買いが強かったが、この10 年は一方的に円買い に傾いているわけではなく、フローに関しては出たとこ勝負になりそうだ。

欧州通貨も今週は大きな動きになりそうだ。米金利上昇が欧州通貨の上値を抑えているが、フランスや ポーランドで新たなロックダウン導入なども進んでいることで、欧州通貨の売り材料が増加している。ま た、欧州連合(EU)と英国の間の関係が、ブレグジット後で最悪な状況に陥っていることも上値を抑えそ うだ。英国が離脱協定で合意した北アイルランドに関する重要部分について一方的に履行の延期を決定し たこと、週末もEU がウイルスワクチンの原料の英国輸出禁止を企てていることなど、EU・英関係の改善 が見えてこない。その状況下でユーロは対ポンドでも売り圧力が高い。先週行われたBOE のMPC の議事要 旨などを読む限り、英国は米国同様に長期金利の上昇についてさほど懸念を感じていない内容だった。そ れに対して欧州中央銀行(ECB)は長期金利上昇に対して多くの要人が警戒発言を繰り返している。ここ 最近はユーロポンドの下落傾向が継続し、先週は昨年2 月以来の水準まで弱含んでいる。ECB とBOE の長 期金利上昇に対する考えの違いがユーロポンドの値動きを激しくしていることで、金利動向は米国だけで なく欧州金利の動きにも注目する必要がありそうだ。

また、週末にトルコでは中銀総裁が更迭されたことで、トルコリラは早朝から暴落して始まっている。 また、週末にバイデン米大統領がプーチン露大統領を「人殺し」と述べたことついて、エルドアン・トル コ大統領は「受け入れられない」と発言していることで、米トルコ関係の悪化も懸念されている。先週は トルコ中銀が市場予想を上回る利上げを行い、トルコリラは強含んだが、今週はトルコリラ相場も波乱含 みの展開になりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○14:00 ◇ 1 月景気動向指数改定値

<海外>
○16:00 ◇ 2 月トルコ失業率
○17:30 ◎ 2 月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.0%)
○18:00 ◇ 1 月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○21:00 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○22:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、パネルディスカッションに参加
○22:00 ◎ バイトマン独連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 2 月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.8%/年率換算650 万件)
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23 日00:15 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23 日00:30 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○23 日02:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○23 日02:30 ◎ クオールズFRB 副議長、講演
○南アフリカ(人権の日の振替休日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

19 日06:36 ブリンケン米国務長官
「アラスカでの協議、中国側に米国がルールに基づく秩 序の強化にコミットすると伝える」
「米国は新疆・香港・台湾、サイバー攻撃の問題を取り 上げると中国に伝える」

19 日06:52 サリバン米大統領補佐官
「中国には米国の懸念を率直に伝える」
「衝突は望まないが原則と友好国を守る」

19 日07:13 中国外交担当トップ、楊・共産党政治局員
「中国は米国の内政干渉に強く反対」
「米国は中国を攻撃するよう一部の国を煽っている」
「米国は国際貿易の未来を脅かすため国家安全保障の 概念を乱用している」

19 日12:17 中国高官
「米国は中国の国内外政策に根拠のない批判をして対 立を煽った」

19 日12:24 王毅中国外相
「過去の困難な米中関係は、今後も続けるべきではな い」

19 日18:23 スパーン独保健相
「感染増加により、来週の制限緩和はできない可能性」
「欧州には第3 波を単独で止められる十分なワクチンが ない」
「イースターはクリスマスと同様の状況になる可能性」

19 日20:11 パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事
「5 年以内に中央銀行デジタル通貨“デジタルユーロ”を 開始する可能性」

19 日20:15 エルドアン・トルコ大統領
「(バイデン米大統領のプーチン露大統領についての発 言は)容認できない」

19 日12:50 日銀声明
「ETF 買い入れ、原則6 兆円の目標を削除」
「必要な場合に強力に金利の上限を画すため連続指し 値オペ制度を導入」

19 日15:36 黒田日銀総裁
「長期金利の過度な低下は経済活動に悪影響を及ぼす 可能性」
「貸出促進付利制度はより機動的に、長短金利の引き 下げが可能になる」
「今回明記した長期金利の変動幅変更は表現明確化で あり拡大ではない」
「当面は感染症の影響を注視し、必要なら躊躇なく追加 緩和講じる」
「ETF、12 兆円の上限を維持し必要に応じて弾力的に買 い入れ」
「出口を考えているわけではない」
「マイナス金利の深堀りができないことはない」
「長期金利が-0.25%を下回っても緩和効果を阻害する とは思わない」
「長期金利の上昇によって緩和効果下げることは絶対 避ける」
「為替の動向、大きな問題があるとは考えていない」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定するのが望 ましい」

19 日23:11 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「経済の先行きは明るい」
「今後も必要な限りサポートを続ける」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 22032021 chart 1

<ドル円=転換線付近の動向注視>
極小陰線引け。週明け早朝の市場で一目均衡表・転換線 108.85 円を下回る動きが先行した。
まだ小幅に上昇することが見込まれる同線を再び上回っ てきた。しかし戻りの鈍さが嫌気されれば、107 円台で上昇 中の21 日移動平均線を試す展開が意識されるだろう。

レジスタンス1 109.36(3/15 高値=年初来高値)
前日終値 108.88
サポート1 108.34(3/10 安値)
サポート2 107.74(21 日移動平均線)
fx morning 22032021 chart 2

<ユーロドル=頭打ちしそうな転換線が抵抗となるか>
小陰線引け。週明けは下値を探る動きが進展し、200 日移 動平均線1.1857 ドルを試す展開となっている。緩やかに上 昇する同線付近でいったん下落の流れは停滞しそう。しかし、 戻り局面に控える一目均衡表・転換線1.1930 ドルは、明日 には1.1931 ドルへ若干ながら上昇する見込みだが、同水準 で頭打ちとなる可能性が高い。目先は重しにならなくとも、 次第に抵抗として意識されてくると考えられる。

レジスタンス1 1.1937(3/19 高値)
前日終値 1.1904
サポート1 1.1836(3/9 安値=年初来安値)
fx morning 22032021 chart 3

<ユーロ円=基準線付近の底堅さ背景に戻り試す>
小陰線引け。本日の朝方は、一目均衡表・基準線128.86 円前後の攻防となった。上昇中の同線付近でサポートされた。 129.23 円前後で上昇中の21 日移動平均線を下回る水準の底 堅さも感じられた。ただ、いったん割り込んだ一目・転換線 129.79 円付近からは動きが重くなる展開を想定する。まずは 先週末の高値130.00 円の節目回復できるか注目したい。

レジスタンス1 130.00(3/19 高値)
前日終値 129.62
サポート1 128.78(3/8 安値)
fx morning 22032021 chart 4

<豪ドル円=しばらく基準線・転換線に挟まれ底堅く推移か>
小陰線引け。下方ギャップをともない週の取引をスタート した。一目均衡表・基準線83.43 円近辺で下げ渋り、83.78 円前後で上昇中の21 日移動平均線も回復してきた。小幅な 上昇が見込める一目・転換線84.47 円を上回る展開を期待す るが、上抜けきれなくとも、基準線と転換線に挟まれたレン ジでしばらく底堅く推移すると予想する。

レジスタンス1 84.63(3/19 高値)
前日終値 84.29
サポート1 83.59(3/22 オセアニアタイム安値)
fx morning 22032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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