【前日の為替概況】日米株価指数の上昇で、ドル円110.35 円、ユーロ円131.50 円まで反発

21 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。終値は110.27 円と前営業日NY 終値(110.21 円) と比べて6 銭程度のドル高水準だった。アジア時間に一時109.72 円まで売り込まれた反動で、海外市場 ではショートカバーが優勢となった。米長期金利の上昇に伴う買い戻しも入り、110.35 円まで値を上げ た。米国株相場の上昇に加えて、日経平均先物の大幅上昇も円売り・ドル買いを誘った。

ただ、欧州・オセアニア通貨に対してドル安が進んだ影響で、一本調子で上昇する展開にはならなかっ た。前週末の高値110.48 円が目先レジスタンスとして意識された面もある。

ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は経済指標や経済状況が示す景気実態は「米連邦準備理事会 (FRB)が政策スタンスを変えるほど進捗していない」と述べたほか、インフレ上昇については「経済再 開による一時的な影響を反映している」として、「現在のような高水準の物価上昇率は続かない」との見 通しを示した。パウエルFRB 議長は22 日の議会証言で「経済活動と雇用は引き続き強まった」「インフレ 率はここ数カ月で顕著に加速した」「インフレ率はFRB の目標に向けて低下する見通し」(証言原稿)との 見解を示すと伝わった。

ユーロ円は4 営業日ぶりに反発。終値は131.42 円と前営業日NY 終値(130.74 円)と比べて68 銭程度 のユーロ高水準。米国株の上昇を受けて、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退すると円売り・ユーロ買 いが広がった。5 時30 分過ぎに一時131.50 円と日通し高値を付けた。

FRB の利上げ前倒し観測で、前週今年最大の下げ幅となったダウ平均は一時610 ドル超上昇した。市場 では「前週の株売りは行き過ぎだった」との声が聞かれ、景気敏感株を中心に買い直された。また、ナイ ト・セッションの日経平均先物は大証終値比690 円高の2 万8710 円まで急伸した。

ユーロドルも4 日ぶりに反発。終値は1.1919 ドルと前営業日NY 終値(1.1864 ドル)と比べて0.0055 ドル程度のユーロ高水準だった。米国株高で、為替市場ではリスク・オンのドル売りが優勢となり一時 1.1921 ドルと日通し高値を付けた。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「引き締めは時期尚早であり、 進行中の経済回復とインフレ見通しにリスクをもたらす」「必要ならECB には利下げする余地がある」な どと述べたが、相場の反応は限られた。

オセアニア通貨は堅調だった。米国株の大幅反発でリスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZ ドルに買 いが入った。豪ドル米ドルは一時本日高値となる0.7546 米ドル、豪ドル円は83.25 円まで値を上げたほ か、NZ ドル米ドルは0.6999 米ドル、NZ ドル円は77.19 円と日通し高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】ドル円、パウエルFRB 議長の議会証言控えて底堅い展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜のパウエルFRB 議長の下院特別小委員会の公聴会での証言を 控えて底堅い展開が予想される。

21 日に公開された証言テキストによると、パウエルFRB 議長は「米国のインフレは加速したが、供給 の不均衡がいったん解消すれば、連邦準備制度の目標である2%に向け落ち着くだろう」と証言する。さ らに、米経済の再開に伴う消費の「回復」と原油高に言及して、「インフレはここ数カ月で著しく加速し た」との認識を示す一方、「これらの一時的な供給の影響が弱まれば、インフレ率はわれわれの長期目標 に向け再び鈍化すると予想される」と発言する予定となっている。

パウエルFRB 議長は、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的な金利予測分布図(ドット・ チャート)を受けた記者会見で、「あなた方がお望みなら、テーパリング(資産購入の段階的縮小)につ いて話し始めることを話す会合だったと考えてもらってもいい」と、テーパリング開始を示唆した。

市場では、パウエルFRB 議長が8月26-28 日のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年 次シンポジウム)でテーパリングについて強いシグナルを出し、年後半の米連邦公開市場委員会(FOMC) で実際に発表すると予想されている。

本日のドル円のオーダー状況は、上値には、110.40 円にドル売りオーダー、超えるとストップロス買 い、110.50 円に24 日と25 日のNY カットオプション、110.50-70 円には断続的にドル売りオーダーが控 えている。下値には、110.00 円に23 日、24 日、25 日のNY カットオプション、109.80 円にはドル買いオ ーダーが控えている。ドル円のテクニカルポイントは、一目・転換線が110.07 円、一目・基準線が109.69 円に控えており、支持線となっている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○16:30 ◇ 5 月スウェーデン失業率
○17:30 ◎ 5 月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.1%)
○18:15 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○23:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○23:00 ◎ 6 月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲3.0)
○23:00 ◎ 5 月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.4%/年率換算572 万件)
○23:00 ◎ 6 月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:18)
○23:30 ◎ メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○23 日02:00 ◎ 米財務省、2 年債入札
○23 日02:30 ◎ シュナーベルECB 専務理事、講演
○23 日03:00 ◎ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、議会証言

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

21 日23:06 カプラン米ダラス連銀総裁
「失業率は4.0-4.5%に低下し、6.5%成長が見込まれ る」
「経済見通しは著しく改善した」
「テーパリング開始は遅いよりは早い方が良い」

21 日23:08 ブラード米セントルイス連銀総裁
「2022 年のコアPCE インフレ率は2.5%となる見込み」
「上サイドのインフレに備える必要がある」
「パンデミックの収束が明確になりつつあり、我々はテー パリングの議論を始める時期にきている」
「21 年にインフレ率が目標値を上回ることは確実だが、 問題はそれがどれだけ早く解消されるか」

21 日23:29 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「引き締めは時期尚早であり、進行中の経済回復とイン フレ見通しにリスクをもたらす」
「基礎的なインフレ圧力による上昇効果は、予想される エネルギー価格の低下によってほぼ相殺されるだろう」
「欧米の経済状況は明確に異なる」
「必要ならECB には利下げする余地がある」

22 日00:47 ラマポーザ南アフリカ大統領
「新型コロナウイルス感染の第3 波は、これまでよりもか なり悪質な可能性」

22 日04:19 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「経済は十分に改善されていない」
「インフレ率は今年3%に上昇し、2022 年には2%近くに 低下する可能性」
「GDP は7%近くになると予想」
「インフレは経済再開による一時的な影響とみる」
「中期的な見通しは非常に良好」
「インフレ見通しについては著しい不確実性があり、デー タを注意深く見守っている」

22 日 05:35 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
(22 日の議会証言原稿)
「経済活動と雇用は引き続き強まった」
「インフレ率はここ数カ月で顕著に加速した」
「インフレ率はFRB の目標に向けて低下する見通し」
「パンデミックが依然として経済見通しのリスク」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 22062021 chart 1

<ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
小陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパン は実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役 好転の強い買いシグナルが点灯している。18 日の寄引同事線 の後、転換線を上回って引けていることから続伸の可能性が 示唆されている。
本日は、転換線110.07 円を念頭に置き、基準線を支持に 押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 110.82(6/17 高値)
前日終値 110.27
サポート1 109.69(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 109.23(日足一目均衡表・雲の上限)
fx morning 22062021 chart 2

<ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。3 手連続陰線で下落 した後、反発しているものの、転換線を下回って引けている ことから反落の可能性が示唆されている。
本日は、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線 を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1969(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.1919
サポート1 1.1848(6/21 安値)
fx morning 22062021 chart 3

<ユーロ円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の中で引けていることから、売りシ グナルが優勢な展開となっている。3 手連続陰線で下落した 後、抱き線で反発しているものの、転換線を下回って引けて いることから反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 131.90(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 131.42
サポート1 130.74(日足一目均衡表・雲の下限)
fx morning 22062021 chart 4

<豪ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることで、三役逆転 の強い売りシグナルが点灯している。4 手連続陰線で下落し た後、孕み線で反発しているものの、転換線を下回って引け ていることから反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を 上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 83.60(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 83.18
サポート1 82.14(6/21安値)
fx morning 22062021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社