FX Morning 03/23/2021

【前日の為替概況】ユーロドル、3 日ぶり反発 米長期金利低下や米株高のリスク・オンでドル売り

22 日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3 営業日ぶりに反発。終値は1.1933 ドルと前営業日 NY 終値(1.1904 ドル)と比べて0.0029 ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利の低下などをながめ ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前週末の高値1.1937 ドルを上抜けて一時1.1947 ドルまで上値を 伸ばした。米国株相場が上昇したことで、リスク・オンのドル売りも観測された。

なお、独シュピーゲル誌は「ドイツはロックダウン(都市封鎖)を4 月18 日まで延長する」と報じた ものの、相場の反応は限られた。

ユーロ円も3 日ぶりに反発。終値は129.88 円と前営業日NY 終値(129.62 円)と比べて26 銭程度のユ ーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出て一 時129.94 円と日通し高値を更新した。

ユーロ円以外のクロス円も底堅く推移した。豪ドル円は一時84.38 円、NZ ドル円は78.12 円、スイス フラン円は117.91 円、南アフリカランド円は7.41 円まで値を上げた。

ドル円は小幅安。終値は108.85 円と前営業日NY 終値(108.88 円)と比べて3 銭程度のドル安水準だ った。対ユーロなどでドル安が進んだ影響を受けた半面、ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いが入 ったためドル円自体は方向感が出なかった。NY 時間の安値は108.65 円付近、高値は108.86 円付近で値 幅は21 銭程度だった。

なお、ニューヨーク・タイムズ紙は「バイデン政権は3 兆ドル規模のインフラ投資計画を検討している」 と報じたものの、米ホワイトハウスはこの報道について「時期尚早でありホワイトハウスの考えを反映し ていない」との見解を示した。

トルコリラは13 円台後半でのもみ合い。先週末にエルドアン・トルコ大統領が金融引き締め政策を推 し進めるアーバル・トルコ中銀総裁を更迭したことを受けて、週明け早朝取引では一時12.80 円と昨年 11 月以来の安値まで売り込まれた。ただ、欧米市場では値動きが細り、方向感に乏しい展開となった。

なお、米格付け会社ムーディーズは「トルコ中銀が政策金利を再びインフレを下回る水準まで引き下げ る可能性」「エルドアン大統領による中銀総裁の解任で信用圧力が高まる」「トルコへの資本流入が逆行す る可能性は高い」との見解を示した。

【本日の東京為替見通し】もみ合い予想、国際リスク高まりや米入札前で嵐の前の静けさか

本日の東京時間の為替市場は、もみ合いに終始するか。昨日の欧米時間の値動きが非常に限られたもの となり、東京時間では新たなニュースなども出にくいことで大きな動きを期待するのは難しそうだ。ただ し、昨日は中銀政策決定会合の嵐の後の静けさよりも、世界各国のリスク要因が増加していることで、嵐 の前の静けさの一日であった可能性が高い。

国際的なリスク要因としては、新疆ウイグル自治区の人権侵害などもあり、米・EU・英・カナダなどの 諸外国が中国に対して制裁を課している。現時点で制裁は個別の高官に対して少数で、各国とも中国の出 方を見ている状況だ。中国の対応次第では、この後本格的に制裁を課し、中国リスクが増長する可能性も あるだろう。本来であれば日本も同様に制裁を課す立場ではあるが、円に関してはリスクオフの円買いに 傾きやすくなるか。また、ロシアに対する諸外国の対応も同様で、バイデン米大統領がプーチン露大統領 を「人殺し」と断定したこともあり、米露関係も引くに引けない状況に陥っているので、今後も大きなリ スク要因として残りそうだ。

相場を先導していた米金利だが、ここ最近は神経質に動いているものの為替市場への影響は徐々に少な くはなってきている。ただし、本日は米国の2 年債の入札があり、24 日に5 年債、25 日に7 年債と入札 が行われることや、ブラックアウト期間明けで米要人(本日はパウエルFRB 議長とイエレン米財務長官が 米下院で証言、ブラード米セントルイス連銀総裁とウイリアムズ米NY 連銀総裁)の講演が続くことで、 米金利の値動き次第で為替市場は動きやすくなるだろう。

なお、昨日はCME225 先物が大阪取引所比で185 円上昇していることで、200 円前後の日経平均の上昇 は織り込み済みか。

欧州通貨は、昨日は買い戻しが優勢となったが、積極的に買い上げるほどのニュースはない。昨日のフ ァイナンシャルタイムズ(FT)紙が欧州のウイルス感染第3 波の影響で、多くのエコノミストが独・仏・ 伊を含め多くの欧州圏の経済予測を引き下げる可能性が高いと報じている。それに呼応するように、ドイ ツ連邦銀行が「ドイツの2021 年1-3 月期成長率は、急激に縮小する見通し」と公表している。また、英 国と北アイルランド議定書の問題や、ワクチンの争奪戦で欧州連合(EU)・英関係が悪化していることも、 欧州通貨にはネガティブな要因だ。この問題が容易に解決できないことで上値の抑えとなるだろう。なお、 本日はベイリー英中銀(BOE)総裁をはじめ複数のBOE 関係者が講演を行う。欧州中央銀行(ECB)よりも 長期金利の上昇について容認姿勢を見せているBOE 関係者が、今回の講演でも金利高を是認するのか、懸 念を表明するのかにより、ポンドは対ユーロを中心に大きく動く可能性もある。

昨日大きく動いたトルコリラは対円、対ドルともに下落分の半値を戻してもみ合いになっている。ここ から再び下落基調をたどるのか、下落前の窓を埋めにかかるのか重要な水準に位置していることで、本日 もトルコリラの動きは目が離せなくなりそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○未定 ◇ 3 月月例経済報告

<海外>
○14:00 ◎ 2 月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.6%)
○16:00 ◎ 2 月英雇用統計
○16:00 ◎ 11-1 月英失業率(ILO 方式、予想:5.2%)
○17:40 ◎ ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○18:55 ◎ カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○19:00 ◎ ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○20:50 ◎ ベイリーBOE 総裁、講演
○21:30 ◎ 10-12 月期米経常収支(予想:1885 億ドルの赤字)
○22:00 ◎ ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:00 ☆ 2 月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲6.5%/87.5 万件)
○23:00 ◎ 3 月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:16)
○23:10 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、討議に参加
○24 日01:00 ☆ パウエルFRB 議長とイエレン米財務長官が米下院金融サービス委員会でコロナウイルス 支援・救済・経済安全保障(CARES)法について証言
○24 日02:00 ◎ 米財務省、2 年債入札
○24 日02:30 ◎ ブレイナードFRB 理事、講演
○24 日03:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加

24 日
<国内>
○08:50 ◇ 2 月企業向けサービス価格指数
○08:50 ☆ 1 月20-21 日分の日銀金融政策決定会合議事要旨

<海外>
○06:45 ◎ 2 月ニュージーランド(NZ)貿易収支

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

22 日07:39 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「米経済は強い春と夏を迎える」
「2021 年の価格圧力を予想」
「インフレは1 年の現象ではなく多年にわたる」
「1.9 兆ドルの支援策で米経済はほとんど回復」
「米経済はおそらく回復完了間近」

22 日10:46 黒田日銀総裁
「2%のインフレターゲットはグローバルスタンダードで変 更すべきでない」
「ETF の買い入れは個別銘柄に影響が出ないように TOPIX 連動限定にした」
「現時点でのETF 買い入れ停止や売却は検討していな い」

22 日14:48 エルバン・トルコ財務相
「財政政策が金融政策をサポートするだろう」
「インフレ圧力が下がるまでマクロ政策を継続する」
「自由な為替相場制度の実施を継続する」

22 日15:51 易綱中国人民銀行総裁
「中国は、グリーンファイナンス投資に市場の力が必要」

22 日20:09 ドイツ連邦銀行
「ドイツの2021 年1-3 月期成長率は、急激に縮小する 見通し」

22 日21:06 クノット・オランダ中銀総裁
「年初来の債券利回りの上昇は、景気回復を反映したも の」

22 日22:18 中国外務省
※新疆ウイグル自治区を巡り欧州連合(EU)が対中制 裁を決定したことについて
「EU に重大な間違いを正すよう要請」
「EU は中国の内政に干渉すべきではない」
「中国の主権と利益を傷つけた10 人と4 機関に制裁を 科す」

22 日22:29 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「FRB の中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトは 決定ではない」
「CBDC で最初になる必要はない」
「デジタルドルの実験は継続するものの、急いで採用す ることはない」
「CBDC にはメリットあるが、重大なリスクもある」

22 日22:56 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「短期的な経済見通しは、パンデミックやワクチン接種次 第ということもあり、不確実性の影響を受ける」

22 日23:39 米格付け会社ムーディーズ・インべスター ズ・サービス
「トルコ中銀が政策金利を再びインフレを下回る水準ま で引き下げる可能性」
「エルドアン大統領による中銀総裁の解任で信用圧力 が高まる」
「トルコへの資本流入が逆行する可能性は高い」

23 日01:12 カナダ外務省声明
「新疆ウイグル自治区の人権侵害を受け、中国の4 人 の高官と1 機関に対し制裁を科すことを決定」
「対中制裁は米英との共同であり、EU と連携したもの」

23 日02:12 トラス英国際貿易相
「自由貿易協定に関する米国との交渉は進展し、更なる 協議を約束」

23 日03:17 アイルランド外相
「北アイルランド議定書について英国が明確なロードマ ップを示すのであれば、EU は柔軟に対応し、猶予期間 の延長もあり得る」

23 日04:20 ホワイトハウス
「3 兆ドル規模の新たなインフラ投資計画を検討している という報道、時期尚早でありホワイトハウスの考えを反 映していない」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 23032021 chart 1

<ドル円=下値で上昇中の21 日線を試すリスク継続>
下影極小陽線引け。切り上がりの余地を若干残す一目均衡 表・転換線付近に戻す底堅さを示した。
しかし反発力は限定的で、108.86 円へわずかながら上昇し た同線を下回って推移する時間帯が増えそう。戻りの鈍さを 嫌気して、108 円割れ水準で上昇中の21 日移動平均線を試す リスクはくすぶったままだ。

レジスタンス1 109.36(3/15 高値=年初来高値)
前日終値 108.85
サポート1 108.34(3/10 安値)
サポート2 107.92(21 日移動平均線)
fx morning 23032021 chart 2

<ユーロドル=横ばいとなった転換線付近がやや重そう>
陽線引け。緩やかに上昇する200 日移動平均線付近で折り 返し、一目均衡表・転換線を試す展開となっている。 転換 線は、現状からすれば本日1.1931 ドルへじわりと水準を上 げたところで頭打ちと見込み。横ばいとなった同線は上昇局 面より、上抜けにくいとみる。転換線の明確な克服は、200 日線のサポートがもう少し切り上がってからかもしれない。

レジスタンス1 1.1989(3/18 高値、21 日移動平均線)
前日終値 1.1933
サポート1 1.1861(200 日移動平均線)
fx morning 23032021 chart 3

<ポンド円=21 日線付近で下げ渋る>
陽線引け。上昇中の21 日移動平均線付近で下げ渋り、や や小ぶりだが陽線で引けた。本日150.36 円前後へじり高と なる21 日線を割り込む場面もあるか。昨日安値150.28 円前 後の攻防となりそう。割り込んだ場合、一目均衡表・基準線 149.49 円が支えとなる。

レジスタンス1 151.42(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 150.90
サポート1 150.28(3/22 安値)
fx morning 23032021 chart 4

<NZ ドル円=横ばいの転換線がさえない推移を示唆>
下影小陽線引け。一目均衡表・基準線付近で下げ渋った。 本日77.51 円へ小幅に切り上がった同線を試す展開が続くか。 基準線を支えに戻すことができても、昨日高値や先週末の高 値78.24 円が控える78 円台は重そうに見える。現水準78.32 円で頭打ちとなる一目・転換線の動向もさえない推移を示唆 している。

レジスタンス1 78.12(3/22 高値)
前日終値 77.96
サポート1 77.12(3/5 安値)
fx morning 23032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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