FX Morning 03/24/2021

【前日の為替概況】ユーロドル、反落 欧州で新型コロナウイルス感染が再拡大

23 日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反落。終値は1.1849 ドルと前営業日NY 終値(1.1933 ドル)と比べて0.0084 ドル程度のユーロ安水準だった。欧州では新型コロナウイルスの感染が再拡大し ておりユーロ売りが出やすい地合いだった。ダウ平均が一時370 ドル超下落したこともリスク・オフのド ル買いを促し、前日の安値1.1872 ドルを下抜けて1.1842 ドルまで下げ幅を広げた。

なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米下院金融サービス委員会で「我々は物価安定の責務 に強くコミット」「インフレは今年、経済の回復とともに上昇すると予想」「行き過ぎた高インフレに対処 する手段ある」「テーパリング(量的緩和の縮小)については開始のかなり前に知らせる」などと述べた。 また、パウエル氏とともに議会証言に臨んだイエレン米財務長官は「税制の変更を検討する予定」「企業 に打撃を与えるような政策は提案しない」などと語った。ユーロ円も反落。終値は128.67 円と前営業日 NY 終値(129.88 円)と比べて1 円21 銭程度のユーロ安水準。欧州で新型コロナ対策のロックダウン(都 市封鎖)延長に向けた動きが出る中、経済正常化が遅れるとの懸念が強まりリスク・オフの円買い・ユー ロ売りが広がった。前日の安値128.90 円を下抜けて一時128.60 円まで値を下げた。

ドル円は続落。終値は108.59 円と前営業日NY 終値(108.85 円)と比べて26 銭程度のドル安水準だっ た。欧州市場では一時108.41 円まで売られる場面もあったが、NY 市場では米国株安に伴うリスク・オフ のドル買いが優勢となり108.76 円付近まで下げ渋った。もっとも、クロス円が下落した影響も受けたた め、引けにかけては再び上値が重くなった。米10 年債利回りが一時1.6136%前後まで低下したことも相 場の重し。

カナダドルは一時買いが強まる場面があった。対米ドルでは一時1.2521 カナダドル付近、対ユーロで は1.4857 カナダドルの本日高値まで値を上げたほか、対円では86.83 円付近まで買い戻された。カナダ 銀行(BOC、カナダ中央銀行)が市場機能改善を理由に、1 年前に導入した危機流動性プログラムを縮小 すると表明したことを受けた。なお、国債購入プログラムの縮小開始時期については言及しなかった。

もっとも、米国株安や原油先物価格の大幅下落を背景に、カナダドル買いの勢いは長続きしなかった。

【本日の東京為替見通し】欧州通貨中心の動きか、感染第3 波深刻の中PMI 次第で更に下押しも

本日の東京時間のドル円はもみ合いか。市場の注目が欧州通貨に向いていることもあり、ドル円は株価 の値動きや、米金利の上下に多少振れるものの大きなトレンドがない。米金利相場が終了したわけではな いことで、ドル円も米金利次第で大きく動く可能性はあるが、本日は米5 年債入札、明日は7 年債入札を 控えて、東京時間で米金利が明確な動きを形成するのは難しいだろう。また、NY 時間にバーキン米リッ チモンド連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁と今年 の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票メンバーの講演が控えていることも東京時間での動きを鈍くするだ ろう。なお、パウエルFRB 議長とイエレン米財務長官は昨日の下院に続き、上院銀行委員会で「コロナウ イルス支援・救済・経済保障法」(CARES 法)について証言する予定となっているが、前日に続いての証 言のため市場が動意づくような発言が出てくることはほぼないか。

一方、欧州通貨は東京時間も上値が重く推移しそうだ。昨日の東京午前にメルケル独首相が独で厳格な ロックダウンを4 月初旬に行うと発表したように、欧州圏は変異株を中心とした感染拡大が深刻だ。ファ イナンシャルタイムズ(FT)紙が欧州のウイルス感染第3 波の影響で、多くのエコノミストが独・仏・伊 を含め多くの欧州圏の経済予測を引き下げる可能性が高いと報じたように、今後の経済指標は悪化する可 能性が高い。ユーロドルは今月9 日につけた年初来安値1.1836 ドルに近づいていることもあり、本日中 に安値更新の可能性もあるか。また、本日は仏・独・ユーロ圏・英の各国から製造業とサービス業の購買 担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。上述のように市場は欧州圏の成長予測に悲観的になりつつ あることで、市場予想を下回るネガティブサプライズへの反応が大きくなりそうだ。

昨日、一番大きく動いたオセアニア通貨の値動きにも目を通しておきたい。アーダーンNZ 首相は住宅 バブル対策として、更なる措置を検討しているとの報道もあることで、引き続きNZ 政府の動きには注視 しておきたい。なお、週初に動いたトルコリラを中心とした新興国通貨は、昨日は様子見状態になってい る。本日は南アから消費者物価指数(CPI)の発表があり、26 日の南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員 会(MPC)へ影響を与えることもありそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 2 月企業向けサービス価格指数(予想:前年比▲0.5%)
○08:50 ☆ 1 月20-21 日分の日銀金融政策決定会合議事要旨

<海外>
○16:00 ◎ 2 月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比0.8%)
○16:00 ◎ 2 月英CPI コア指数(予想:前年比1.4%)
○16:00 ◇ 2 月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.6%/前年比1.6%)
○17:00 ◎ 2 月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.9%/前年比3.0%)
○17:15 ◎ 3 月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:56.5)
○17:15 ◎ 3 月仏サービス部門PMI 速報値(予想:45.5)
○17:30 ◎ 3 月独製造業PMI 速報値(予想:60.8)
○17:30 ◎ 3 月独サービス部門PMI 速報値(予想:46.2)
○18:00 ◎ 3 月ユーロ圏製造業PMI 速報値(予想:57.7)
○18:00 ◎ 3 月ユーロ圏サービス部門PMI 速報値(予想:46.0)
○18:30 ◎ 3 月英製造業PMI 速報値(予想:55.0)
○18:30 ◎ 3 月英サービス部門PMI 速報値(予想:51.0)
○20:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 2 月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.40%)
○21:30 ◎ 2 月米耐久財受注額(予想:前月比0.8%/輸送用機器を除く前月比0.6%)
○21:50 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、討議に参加
○22:45 ◎ 3 月米製造業PMI 速報値(予想:59.3)
○22:45 ◎ 3 月米サービス部門PMI 速報値(予想:60.0)
○22:45 ◎ 3 月米総合PMI 速報値
○23:00 ☆ パウエルFRB 議長とイエレン米財務長官が米上院銀行委員会でCARES 法について証言
○23:30 ◇ EIA 週間在庫統計
○24:00 ◎ 3 月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.5)
○25 日00:40 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○25 日02:00 ◎ 米財務省、5 年債入札
○25 日02:35 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○25 日04:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

25 日
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○08:00 ◎ エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

23 日05:38 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「状況は大幅に改善されているが、経済回復は完了に は程遠い」
「経済回復は予想より迅速に進み、強化されているよう だ」
「FRB はあらゆる手段を使い経済を支援することを約 束」
24 日01:38
「(インフレのリスクについて質問されて)我々は物価安 定の責務に強くコミット」
「我々は行き過ぎた高インフレに対処する手段ある」
「インフレは今年、経済の回復とともに上昇すると予想」
「将来の財政手段についてはコメントしない」
「テーパリング(量的緩和の縮小)については開始のか なり前に知らせる」
「一部の資産価格はやや高い」
「銀行の資本は十分」

23 日08:23 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「景気回復が完了に近づくまで緩和的な金融政策が必 要」
「米経済の回復過程で中小企業にリスクが残っているこ とを懸念」

23 日09:52 麻生財務相
「直ちに増税を考えているわけではない」
「引き続き2025 年度までのPB 黒字化達成に向け改革」

23 日10:26 ロバートソン・ニュージーランド(NZ)財務相
「不動産投資家は新築をターゲットにすべき」
「新築への投資家は税制優遇を受ける」

23 日10:45 イエレン米財務長官
(23 日の議会証言テキストより)
「2022 年に完全雇用が戻る可能性」
「経済対策で景気回復ができると確信」
24 日01:49
「税制の変更を検討する予定」
「法人税の物価や消費者に与える影響は不明瞭」
「企業に打撃を与えるような政策は提案しない」

23 日16:16 レーンECB 専務理事兼主任エコノミスト
「パンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)を通じた 債券購入額は、今後着実に増加していく」

23 日10:53 メルケル独首相
「私たちは今非常に深刻な状況にある」
「厳密に食料品店のみが営業可能」
「イースター期間のみ、教会にはオンラインのみでのサ ービス提供を求める」
「4 月1 日-5 日は社会的接触が少ない静かな日とする」
「4 月1 日と3 日は休日として扱われる」

23 日17:02 ブリンケン米国務長官
「米国は北大西洋条約機構(NATO)との関係を再構築 したい」

23 日23:20 格付け会社フィッチ・レーティングス
「トルコ中銀総裁の更迭で金融政策の信頼性とインフレ 抑制見通しが損なわれた」
「トルコ中銀総裁解任の影響を見極め、新総裁の下での 政策方針を検討する」

23 日23:45 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「インフレの上昇は一時的と予測」
「インフレが1970 年代のような動きに戻るとは予想して いない」
「刺激策は永久に続くわけではない」

24 日01:04 マクギネス欧州委員会委員(金融サービス 担当)
「ロンドン金融街シティーのEU 市場アクセスへの同等性 については急いでいない」

24 日02:19 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)
「残りのすべての危機流動性プログラムを停止する」
「量的緩和策の縮小開始時期については言及せず」

24 日02:37 グラベル・カナダ銀行(中央銀行、BOC)副 総裁
「債券購入ペースの調整は、政策金利の引き上げ時期 に対する見解の変更を意味しない」
「フォワードガイダンスで示されたポイントに到達し、イン フレ目標が達成された時点で利上げを開始する必要が ある」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 24032021 chart 1

<ドル円=21 日線を試す展開か>
下影陰線引け。今後の低下が見込まれる一目均衡表・転換 線付近で戻りが鈍く、嫌気するように売りを次第に強めた。
本日108.07 円前後で推移する21 日移動平均線を試す展開 か。上昇中の同線付近で底堅さを示すとみるが、下抜けると 一目・基準線107.14 円を見据えて下落が続くことになるだ ろう。

レジスタンス1 109.13(3/19 高値)
前日終値 108.59
サポート1 108.07(21 日移動平均線)
サポート2 107.66(2/23-3/15 上昇幅の38.2%押し)
fx morning 24032021 chart 2

<ユーロドル=上昇中の200 日線に沿って戻せるか注視>
陰線引け。1.1930 ドル付近で頭打ちとなった一目均衡表・ 転換線を越えた水準では上値が重く、年初来安値1.1836 ド ルをつけた9 日以来の安値1.1842 ドルまで急落した。やや 上の1.1863 ドル前後で200 日移動平均線が上昇中。いった ん割り込んだ同線に沿って、現在1.1916 ドルに位置する転 換線付近へ戻すことができるか注視したい。

レジスタンス1 1.1916(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1849
サポート1 1.1800(2020/11/23 安値)
fx morning 24032021 chart 3

<ユーロ円=21 日線や基準線を下抜け地合い悪化>
大陰線引け。129 円台の一目均衡表・転換線を上回ってか らの動きが鈍く、130 円台に戻せず失速した。急速に下値を 広げ、サポートを期待した21 日移動平均線や一目・基準線 を下抜け。上昇中のこれらのテクニカル指標は戻り局面で強 い抵抗にならないとみるが、いったん弱まった地合いはすぐ に回復できそうにない。基準線や21 日線を追うように戻す ことができるか見定めることになる。

レジスタンス1 129.32(3/19 安値)
前日終値 128.67
サポート1 128.19(3/2 安値)
fx morning 24032021 chart 4

<豪ドル円=基準線を下抜け、売り基調に転じた可能性>
大陰線引け。サポートの一目均衡表・基準線83.61 円を下 抜けて大幅安となった。売り基調に転じた可能性が高い。2 月26 日安値ほか82 円の節目を割り込むポイントをめどに下 値を探ることになりそう。急落に対する反発があっても、 83.73 円前後で低下中の5 日移動平均線付近までにとどまる か。

レジスタンス1 83.59(3/22 安値)
前日終値 82.79
サポート1 81.99(2/26 安値)
fx morning 24032021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたもので あり、通貨、CFD、その他あらゆる金融商品の、購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くあ りません。本文書に盛り込まれている、いかなる見解や情報も、予告や通知なく変更することが あります。本文書は、特定の投資目的や、何らかの財務的背景、特定の受領者の意思などに沿っ て書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている、あらゆる過去の価 格データ・価格推移データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供 元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版 を原版とし、翻訳版と原版で相違がある場合には、原版の内容が優先するものとします。本文書 の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことによる、いかなる人物や団 体が結果的に引き起こした損失についても、当社は一切その責を負いません。

先物取引、先物オプション取引、外国為替証拠金取引(またはFX)、CFD、その他、入金額より もレバレッジをかけて、より大きな金額で取引をする金融商品には、当初入金額を超える大きな 損失を被るリスクがあり、すべての人に適するわけではありません。レバレッジを大きくして取 引すると、その分リスクも高くなります。金スポットや銀の取引は、米国商品取引法(U.S. Commodity Exchange Act)の規制で保護されていません。また、差金決済取引(CFD)は米国 在住者の取引は許可されていません。外国為替証拠金取引(FX)や商品先物取引を行う前には、 投資目的、投資経験、リスク許容範囲等について十分検討する必要があります。本文書内にある、 いかなる見解、ニュース、調査、分析、価格その他についても、「本文書を読むいかなる人物や 団体も、FOREX.comが、投資、法的、税務に関して助言するものではないことを理解している」 ことを前提として、一般的な情報として提供されるものです。いかなる投資、法的、税務に関す る事柄についても、適切な専門家や助言者に相談をしてください。FOREX.comは、米国の商品先 物取引委員会(CFTC)、英国の金融行動監督機構(FCA)、オーストラリアのオーストラリア証 券投資委員会(ASIC)、日本の金融庁の規制を受けています。