FX Morning 05/25/2021

【前日の為替概況】ユーロドル、反発 コロナ対策の行動制限緩和による経済正常化に期待

24 日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反発。終値は1.2216 ドルと前営業日NY 終値(1.2182 ドル)と比べて0.0034 ドル程度のユーロ高水準だった。欧州で新型コロナウイルス対策の行動制限を緩 和する動きが広がる中、経済の正常化を期待したユーロ買いが先行。米長期金利の指標である米10 年債 利回りが1.59%台に低下したこともドル売りを促し、一時1.2230 ドルと日通し高値を付けた。

ただ、前週半ばに上値を抑えられた1.2240 ドル台がレジスタンスとして意識されると1.2205 ドル付近 まで伸び悩む場面もあった。

ドル円は反落。終値は108.75 円と前営業日NY 終値(108.96 円)と比べて21 銭程度のドル安水準だっ た。20 時30 分前に一時108.98 円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値109.00 円 が目先戻りの目処として意識されると失速した。NY 勢の本格参入後は全般ドル売りが進んだ流れに沿っ て、一時108.71 円付近まで下押しした。もっとも、日本時間夕刻に付けた日通し安値108.70 円を下抜け ることは出来なかった。一目均衡表基準線108.64 円や前週末の安値108.61 円もサポートとして意識され る。

なお米国務省はこの日、新型コロナ感染拡大を踏まえて、日本への渡航を中止するよう勧告。東京五輪・ パラリンピックの開催予定日が近づく中、渡航警戒レベルを最高のレベル4 に引き上げた。

ユーロ円は反発。終値は132.85 円と前営業日NY 終値(132.72 円)と比べて13 銭程度のユーロ高水準。 欧州時間に一時133.05 円まで上昇した影響が残ったものの、NY 市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。

メキシコペソは堅調だった。WTI 原油先物価格が一時4%超上昇したことなどを背景に産油国通貨とさ れるメキシコの通貨ペソに買いが入った。ドルペソは一時19.8493 ペソ、ペソ円は5.48 円までペソ高に 振れた。

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調だった。米電気自動車大手テスラのイーロン・ マスク最高経営責任者(CEO)がツイッターに「北米のビットコイン採掘者と話した」「北米のビットコイ ン採掘者は再生エネルギー使用データを公表へ」などと投稿すると買いが加速。対ドルでは一時3 万9900 ドル台、対円では434 万円近辺まで上昇する場面があった。

【本日の東京為替見通し】米国の日本への渡航中止勧告による日経平均・円の動きに注目

本日の東京時間のドル円は株式市場の動きをにらみながら神経質な動きになりそうだ。昨日のNY 市場 で日本人にとって一番気がかりなニュースは、米国が日本への渡航中止勧告(渡航警戒レベルを最高のレ ベル4 に引き上げ)だろう。これにより、オリンピック開催へ邁進していた日本政府や国際オリンピック 委員会(IOC)の動きが急変する可能性がある。その場合の為替市場の反応は難しく、市場がオリンピッ ク中止による円売りになるのか、オリンピック株を中心に日経平均株価が売られ円買いになるのか注目さ れる。ただし、米国の警戒レベル引き上げは、いままで日本や複数の国への引き上げが遅れていたことが 要因という声も出ている。なお、昨日は米株式市場が堅調だったこともあり、CME225 先物は大阪取引所 比では155 円高で引けている。

東京時間では上述したニュースへの反応、米債先物市場の金利動向などが市場を動意づけることになる だろうが、NY 入り後にはクオールズFRB 副議長や今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバー でもあるエバンス米シカゴ連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演などが行われることにも注 目したい。また、本日は米2 年債の入札もあることで、入札絡みのフローにも要警戒となりそうだ。

欧州通貨は本日5 月の独Ifo 企業景況感指数が発表されることもあり、東京時間はトレンドを作るのは 難しそうだ。

一方で、原油価格などの高騰もありオセアニア通貨やカナダドルのような資源国通貨の動きに注目が集 まる。オセアニア両国はウイルス感染を抑制している反面、対中関係が懸念材料とされている。ここ最近 は中国の国家発展改革委員会(NDRC)の圧力で豪ドルが一時的に売られるものの、反応が徐々に鈍くなっ ている。英紙のインタビューを受けたマフタNZ 外相は「豪中間で何が起きているか無視することはでき ない」と述べたが、「中国との関係悪化を乗り切るためには、輸出業者は多様性が必要」としているよう に、オセアニア国が中国脱却に本格的に舵を切れば、中国からの圧力への豪ドル・NZ ドルの反応はより 限定されるだろう。なお、明日NZ 準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)が行われることで、NZ ド ルは様々な憶測やポジション調整で上下する可能性もある。

ドルカナダドルは2015 年5 月以来となる1.20CAD 割れ目前に迫っていることで、割り込んだ後の動き が注目される。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○09:00 ◎ 1-3 月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比2.7%)
○15:00 ☆ 1-3 月期独GDP 改定値(季節調整済、予想:前期比▲1.7%/前年同期比▲3.0%)
○15:00 ☆ 1-3 月期独GDP 改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲3.3%)
○17:00 ◎ 5 月独Ifo 企業景況感指数(予想:98.2)
○20:00 ◇ 4 月メキシコ貿易収支(予想:15.00 億ドルの黒字)
○20:40 ◎ エバンス米シカゴ連銀総裁、講演
○21:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:00 ◎ ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○22:00 ◇ 3 月米住宅価格指数(予想:前月比1.2%)
◇ 1-3 月期米住宅価格指数
○22:00 ◎ 3 月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比12.3%)
○23:00 ☆ 4 月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲4.5%/97.5 万件)
○23:00 ◎ 5 月米消費者信頼感指数(予想:119.4)
○23:00 ◎ 5 月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:19)
○23:00 ◎ クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、米上院銀行委員会で証言
○23:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○26 日01:00 ◎ テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○26 日01:00 ◇ 4 月ロシア鉱工業生産(予想:前年比6.5%)
○26 日02:00 ◎ 米財務省、2 年債入札
○欧州連合(EU)首脳会議(最終日)

26 日
<国内>
○08:50 ◇ 4 月企業向けサービス価格指数
○10:30 ◎ 鈴木人司日銀審議委員、あいさつ

<海外>
○07:45 ◎ 4 月NZ 貿易収支
○11:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

24 日10:27 中国国家発展改革委員会
「行き過ぎた投機が商品価格を押し上げた」
「商品に関して異常な取引を検査する」
「商品先物を巡るいかなる違反も容認しない」

24 日22:28 ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事
「米国は空前の景気回復の真っ只中にある」
「近い将来、インフレ率の上昇が予想される」
「物価がパンデミック禍の低水準から回復」
「支援金やその他の援助が支出に影響」

24 日23:20 ロシア安全保障会議
「米露関係の正常化は両国の利益となる」

24 日23:31 ミシェル欧州連合(EU)大統領
※ベラルーシ当局が民間旅客機を緊急着陸させたこと について
「国際的なスキャンダルであり受け入れることはできな い」
「EU サミットではベラルーシへの制裁を協議」

24 日23:45 サンダース英中銀金融政策委員会(MPC) 委員
「5 月に英中銀が発表した予測におおむね同意」
「経済状況を考える際にはGDP の成長率だけではなく、 その水準に注目することが重要」
「英CPI は、労働市場の余力により暫くの間抑制され続 ける可能性が高い」
「経済が十分力強く回復している証拠は見られない」
「将来的にはある程度の金融引き締めが必要になる可 能性」

24 日23:51 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「MPC はマイナス金利が必要になるとは考えていない」
「一時的なCPI の動向は、中期的なインフレ率に直接影 響を与えることは少ないだろう 」
「米国のインフレ動向は英国とかなり類似している」
「もし価格圧力がより一般化すれば、ガイダンスを再評 価する必要があるだろう」
「ポンド高は貿易価格に下落圧力をかけている」

24 日23:57 カンリフBOE 副総裁
「余剰生産の解消に進展があるという明確な証拠が得ら れるまで、政策の引き締めを行わないというガイダンス を強調」
「パンデミックからの脱却、企業倒産の規模が重要な指 標となる」

25 日01:01 マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁
(米ウォールストリートジャーナルの記事で)
「テーパリングは経済にとって正しい行動」
「カナダ経済には引き続き大規模な金融支援が必要」

25 日01:50 ブラード米セントルイス連銀総裁
「今年と来年は2%以上のインフレが見込まれる」
「インフレはほぼ一時的なもの」
「今後数カ月でFRB の資産購入変更を検討する可能 性」

25 日02:16 フォンデアライエン欧州委員長
「EU はベラルーシ政権に資金を提供している個人や企 業・経済団体に対する制裁と、ベラルーシ航空部門への 制裁について議論する予定」
「ベラルーシに対するEU からの投資援助30 億ユーロは、 同国が民主主義を尊重するまで凍結」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 25052021 chart 1

<ドル円=基準線付近で底堅さ示し一定のレンジ継続へ>
小陰線引け。現水準109.18 円で頭打ちとなる見込みの一 目均衡表・転換線や一目・雲の上限の低下が示唆する下方向 へじりじり値動きが進んだ。
ただ、一目・基準線108.64 円が引き続き目先の支え。上 昇が予想される同線を割り込んでも大きな下振れを回避し、 転換線と基準線に挟まれたレンジへ回帰する展開を想定す る。

レジスタンス1 109.18(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 108.75
サポート1 108.34(5/7 安値)
サポート2 107.64(4/26 安値)
fx morning 25052021 chart 2

<ユーロドル=転換線とともに失速するリスク抱えたまま>
陽線引け。一目均衡表・転換線1.2149 ドルを維持しつつ も、もみ合いレンジを脱しきれない。
転換線は横ばいから上昇へ転じる見込みだが、来週31 日 にも頭打ちとなる流れに変化はない。レンジの上方ブレイク を果たさないまま、転換線とともに失速するリスクを抱えた ままといえる。

レジスタンス1 1.2245(5/19 高値)
前日終値 1.2216
サポート1 1.2149(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 25052021 chart 3

<ポンド円=転換線を割り込む>
小陰線引け。一目均衡表・転換線154.15 円を割り込んだ。 明日154.19 円へわずかながら切り上がる同線の動きへ追随 するように、相場が持ち直す可能性もある。しかし、その後 にいったん頭打ちとなる公算が高い転換線の不安定さが示 唆するような振れとなり下値を試すなら、まずは11 日安値 153.15 円がめどとなりそう。ただ、その下に控える153 円付 近で上昇中の21 日移動平均線がサポートになると考えられ、 153 円割れは回避できるか。

レジスタンス1 154.84(5/18 高値=年初来高値)
前日終値 153.95
サポート1 153.15(5/11 安値)
fx morning 25052021 chart 4

<NZ ドル円=転換線・基準線の交差する水準へ収れんへ>
陽線引け。78 円割れとなる場面を挟みつつも、今後の上昇 が見込まれる一目均衡表・基準線78.31 円を回復した。低下 が予想される一目・転換線78.64 円付近が重そうで、上伸も 容易ではないか。まずは転換線と基準線の交差が想定される 78.40 円付近へいったん収れんして、その後に動き出す方向 を探ることになりそう。

レジスタンス1 78.97(5/19 高値)
前日終値 78.47
サポート1 77.98(5/21・24 安値)
fx morning 25052021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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