【前日の為替概況】ドル円、FRB 高官のタカ派発言や米10 年債利回り1.37%台で110.23 円へ

26 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら続伸。終値は110.09 円と前営業日NY 終値 (110.02 円)と比べて7 銭程度のドル高水準だった。時間外の米10 年債利回りが上昇したことを受けて、 円売り・ドル買いが先行。米金融当局者からタカ派的な発言が相次いだこともドル買いを促し、一時 110.23 円と日本時間夕刻に付けた日通し高値に面合わせした。

ただ、「アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で少なくとも2 回の爆発があり、米兵を含めて60 人超が死亡した」と伝わると、ダウ平均が一時200 ドル超下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが入り、 一時109.94 円付近まで下押しした。もっとも、明日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理 事会(FRB)議長の講演を控えて、大きな方向感は出なかった。

ジョージ米カンザスティ連銀総裁は「今後も経済成長や雇用増加が続くと予想されることから、FRB は 早めにテーパリング(量的緩和の縮小)を始めるべき」と述べたほか、ブラード米セントルイス連銀総裁 は「現時点では資産購入は必要ない。テーパリングを開始し、2022 年第1 四半期までに資産購入を終わ らせるべき」と主張した。また、カプラン米ダラス連銀総裁も新型コロナデルタ株感染が急増しているも のの、経済には回復力があるとして「9 月FOMC でテーパリング計画を発表し、10 月から開始するべきと の考えに変わりはない」と述べた。

ユーロドルは5 営業日ぶりに反落。終値は1.1752 ドルと前営業日NY 終値(1.1772 ドル)と比べて0.0020 ドル程度のユーロ安水準だった。パウエルFRB 議長の講演を明日に控える中、米金融当局者からタカ派的 な発言が相次ぐと、ユーロ売り・ドル買いがやや優勢となった。24 時前に一時1.1746 ドルと日通し安値 を更新した。もっとも、同議長の講演内容を見極めたいとして様子見ムードも広がったため、一本調子で 下落する展開にはならなかった。

ユーロ円も5 日ぶりに反落。終値は129.37 円と前営業日NY 終値(129.51 円)と比べて14 銭程度のユ ーロ安水準。アフガニスタンを巡る地政学リスクの高まりが警戒されて、米国株相場が失速すると、投資 家がリスク回避姿勢を強め円買い・ユーロ売りが優勢となった。24 時過ぎに一時129.23 円と日通し安値 を付けた。その後の戻りも129.53 円付近にとどまった。

【本日の東京為替見通し】今夜23 時からのパウエルFRB 議長講演「経済見通し」控えて動意薄か

本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜23 時からのジャクソンホール会合でのパウエルFRB 議長の 講演「経済見通し(The Economic Outlook)」を控えて動きづらい展開が予想される。

過去のジャクソンホール(Jackson Hole)会合では、バーナンキ第14 代FRB 議長やイエレン第15 代 FRB 議長が金融政策を示唆していたが、題目に「金融政策(Monetary Policy)」が入っていた。

2010 年8 月27 日のバーナンキ第14 代FRB 議長の講演「経済見通しと金融政策(The Economic Outlook and Monetary Policy)」では、量的緩和策第2弾が示唆され、11 月のFOMC でQE2 が導入された。ドル円 は、高値85.46 円から安値84.27 円まで1.19 円下落した。

2016 年8 月26 日のイエレン第15 代FRB 議長の講演「FRB の金融政策手段(The Federal Reserve’s Monetary Policy Toolki)」では、「利上げへの論拠が強まった」と発言し、12 月のFOMC で利上げを実施 した。ドル円は、安値100.06 円から高値101.94 円まで1.88 円上昇した。

本日のジャクソンホール会合では、パウエル第16 代FRB 議長が、米連邦公開市場委員会(FOMC)での 多数派となりつつある年内のテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始に言及するのか否かが注目され ている。しかし、講演のテーマが「経済見通し(The Economic Outlook)」であり、「Monetary Policy」 が入っていないことで、言及しない可能性にも要警戒となる。

タカ派シナリオでは、9 月3 日に発表される米8 月雇用統計を見極めた後、9 月21-22 日のFOMC で年内 テーパリング開始を協議して表明し、12 月14-15 日のFOMC で開始される、というロードマップとなる。

本日のドル円のオーダー状況は、110.00 円の本日のNY カットオプションを軸にして、上値には、 110.20-30 円に断続的にドル売りオーダー、超えるとストップロス買いが控えている。下値には、109.90 円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売りが控えている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ◎ 8 月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比▲0.2%)

<海外>
○10:30 ◎ 7 月豪小売売上高(予想:前月比▲2.3%)
○15:00 ◇ 7 月独輸入物価指数(予想:前月比0.8%/前年比13.6%)
○15:45 ◇ 8 月仏消費者信頼感指数(予想:100)
○16:30 ◎ 4-6 月期スウェーデン国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.9%)
○20:00 ◇ 7 月メキシコ貿易収支(予想:0.33 億ドルの黒字)
○21:30 ◇ 7 月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.1%)
○21:30 ◇ 7 月カナダ原料価格指数
○21:30 ◎ 7 月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
◎ 7 月米個人所得(予想:前月比0.2%)
☆ 7 月米PCE デフレーター(予想:前年比4.1%)
☆ 7 月米PCE コアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比3.6%)
○23:00 ◎ 8 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:70.7)
○23:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ジャクソンホール会議で経済見通しについて講演
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

26 日20:36 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7 月 22 日分)
「金利に関するフォワードガイダンスを改訂する必要性 を強調」
「ガイダンスは必ずしも長期的な低金利を意味していな い」
「2%がインフレの上限であるという概念を明確に払拭す る必要」

26 日20:45 ジョージ米カンザスティ連銀総裁
「9 月会合ではテーパリング議論を反映した話し合いが 行われる」
「米連邦準備理事会(FRB)は緩和策を調整し始める時 期にきている」
「今年中に債券購入額を減らし始めるべき」
「米経済は順調に進展しインフレ率も上昇しており、テー パリング開始を示唆している」

26 日21:39 ブラード米セントルイス連銀総裁
「テーパリングを開始し、2022 年第1 四半期に終了すべ き」
「2022 年に少なくともインフレは2.5%まで上昇すると予 想」
「インフレは予想よりもさらに良くなっている」
「経済はパンデミックに適応することを学んだ」

26 日22:51 米国防総省
「カブールの空港で爆発。死傷者数は不明」
「アフガニスタンの首都カブールの空港周辺での爆発で、 多数の米軍関係者が死亡」
27 日04:10
「アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で起きた2 つの自爆攻撃はISIS と関連」

26 日23:38 カプラン米ダラス連銀総裁
「私の見通しを大きく変えるような材料は見当たらない」
「9 月のFOMC でテーパリング計画についてアナウンス し、10 月から開始することを望む」

27 日06:35 バイデン米大統領
「アフガニスタン首都カブールでの爆破事件の責任者を 捕らえる」
「ISIS の指導者と施設の攻撃計画を命じる」
「アフガニスタンからの退避を継続」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 27082021 chart 1

<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、2 手連続陽 線で上昇し、転換線を上回って引けていることで続伸の可能 性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 110.80(8/11 高値)
レジスタンス1 110.55(8/12 高値)
前日終値 110.09
サポート1 109.68(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 109.11(8/16 安値)
fx morning 27082021 chart 2

<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、4 手連続陽 線で上昇した後に孕み線で反落したものの、転換線を上回っ て引けていることから反発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1787(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.1752
サポート1 1.1724(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 27082021 chart 3

<ポンド円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。3 手連続陽線で上昇 した後に孕み線で反落したものの、転換線を上回って引けて いることから反発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 151.32(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 150.82
サポート1 150.39(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 27082021 chart 4

<NZ ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、4 手連続陽 線で上昇した後に孕み線で反落したものの、転換線を上回っ て引けていることから反発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 77.73(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 76.48
サポート1 75.71(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 27082021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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