【前日の為替概況】ドル円、3 日続伸 タカ派的な金融政策への傾斜で米長期金利に上昇圧力

24 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3 日続伸。終値は110.73 円と前営業日NY 終値(110.33 円)と比べて40 銭程度のドル高水準だった。22 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの年 内着手や2022 年中の利上げ開始の可能性が示され、米長期金利の上昇に圧力がかかる中、全般ドルが買 われやすい地合いとなった。市場では「一目均衡表雲の上限110.19 円を明確に上抜けたことで、テクニ カル的にも買いが入りやすい」との声が聞かれた。4 時前に一時110.79 円まで買われ、レジスタンスと して意識されている8 月11 日の高値110.80 円に迫った。8 月米新築住宅販売件数が74.0 万件と予想の 71.5 万件を上回ったことも相場の支援材料。

米長期金利の指標である米10 年債利回りは一時1.4647%前後と7 月2 日以来の高水準を付けた。

なお、メスター米クリーブランド連銀総裁は「労働市場が予想通りに改善すれば、FRB は11 月にテー パリングを開始し、来年末までに利上げを行う可能性がある」と述べたほか、ジョージ米カンザスティ連 銀総裁は「テーパリング開始への労働市場の基準はすでに満たしている」との考えを示した。

ユーロドルは反落。終値は1.1720 ドルと前営業日NY 終値(1.1739 ドル)と比べて0.0019 ドル程度の ユーロ安水準だった。欧州株相場や時間外のダウ先物の下落を背景にリスク・オフのドル買いが先行。米 長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て一時1.1701 ドルと日通し安値を更新した。ただ、26 日投票の独連邦議会選挙(総選挙)の結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードも広がったため、NY 中盤以降は値動きが鈍った。

ユーロ円は3 日続伸。終値は129.77 円と前営業日NY 終値(129.52 円)と比べて25 銭程度のユーロ高 水準。欧州株の下落を受けてリスク回避的な円買い・ユーロ売りが先行すると一時129.39 円と日通し安 値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると129.85 円と日通し高値を付けた。安く始まった ダウ平均が持ち直したことも相場を下支えした。

【本日の東京為替見通し】ドル円は米金利上昇で底堅い、恒大リスクと独総選挙に要注目

先週の値動きを見ても、ドル円を見ると米金利の上昇でドル高・円売りとなっているが、コモディティ 通貨(豪ドルや南アランド)は円買いが進んでいる。仮に恒大のデフォルト(債務不履行)が避けられた 場合でも、中国でこれまでのような不動産投資熱が醒めることによりバブルの崩壊するリスクが高い。中 国不動産の行き詰まりは、中国への鉄鉱石の約3 分の1 が豪州産であることもあり、豪州経済には大きな 痛手となる。この半年で鉄鉱石価格が急落し、すでに豪州のGDP へ影響を与えている。一部では鉄鉱石価 格が10 ドル下落すると、豪州の名目GDP が65 億豪ドル下がり、13 億豪ドルの税収減になるというデー タもある。現時点ではリーマン危機のように全体的な金融機関に飛び火することは少ないとされているが、 今後は様々な国にも影響を及ぼす可能性が高いことで、恒大リスクを軽視するのは危険だろう。

本日は、アジア時間は市場を動意づける経済指標の発表予定は少ない。しかしながら、独米の政治的な 動きには注意を怠らないようにしたい。昨日、独の議会選挙が行われ、世論調査の支持率調査をリードし てきた中道左派・社会民主党(SPD)とメルケル首相が所属する中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・ CSU)が大接戦を繰り広げている。現在はCDU/CSU とSPD の大連立政権となっているが、勝者が決まらな い限りはどの政党間での連立が組まれるかが未知数だ。独では政党により色分けがされているが、上述の SPD は「赤」、CDU/CSU は「黒」、緑の党は「緑」、自由民主党は「黄」に分かれている。SPD が勝利を収め ると、今まで政権を取っていた黒との連立を組むことを選択せず、ケニア連合(ケニアの国旗=黒と赤、 緑)の実現はないのではないかとの声が多い。なお、連立が決定するのは非常に時間を要することが多く、 第4 次メルケル独首相政権は選挙が行われたのが2017 年9 月24 日だったが、連立が樹立されたのが2018 年3 月14 日と半年弱も時間を要している。

また、米国では25 日の土曜日に、下院予算委員会は3.5 兆ドルの支出法案を委員会から通過させた。 超党派のインフラ法案は本日(27 日)に投票される予定であり、この法案の採決に注目が集まる。 なお、欧米時間にはラガルドECB 総裁、エバンス米シカゴ連銀総裁、ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブ レイナードFRB 理事ほか多くの要人の講演が予定されている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 8 月企業向けサービス価格指数(予想:前年比1.2%)
○14:00 ◇ 7 月景気動向指数改定値

<海外>
○17:00 ◇ 8 月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比7.8%)
○20:00 ◇ 8 月メキシコ貿易収支(予想:26.00 億ドルの赤字)
○20:45 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、欧州連合(EU)議会に出席
○21:00 ◎ エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○21:30 ◎ 8 月米耐久財受注額額(予想:前月比0.6%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○22:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○24:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○24:00 ◎ パネッタECB 専務理事、講演
○28 日00:30 ◎ 米財務省、2 年債入札
○28 日01:30 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○28 日01:50 ◎ ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○28 日02:00 ◎ 米財務省、5 年債入札

28 日 <国内>
○08:50 ☆ 7 月15-16 日分の日銀金融政策決定会合議事要旨

<海外>
○10:30 ◎ 8 月豪小売売上高

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。 ※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

24 日11:01 西村・経済再生担当相
「台湾のTPP11 加入申請を歓迎」
「台湾は日本にとって基本的価値を共有し、顕密な経済 関係を有する極めて重要なパートナー」

24 日14:47 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレ加速、エネルギー価格との関連性高い」
「第4 四半期のPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)
購入額の調整はテーパリングではなく、再調整」
「ユーロ圏の恒大集団へのエクスポージャーは限定的」

24 日19:49 エルドアン・トルコ大統領
「シリアはトルコにとって脅威」
「ロシアからのシリアへの違ったアプローチを期待」
「ロシアとのさらなる関係強化を模索」

24 日21:44 メスター米クリーブランド連銀総裁
「2022 年末までに利上げの条件を満たすと予想」
「利上げ後、しばらくの間は緩和政策が必要」
「インフレは今後数年間で2%を幾分上回る」
「来年の米GDP は3.75-4%と見込む」
「今年末の失業率は4.75%前後、来年末は4%前後と予 想」
「11 月からのテーパリング開始を支持」

24 日21:57 ロペスオブラドール・メキシコ大統領
「メキシコを移民キャンプにしたくない」

25 日00:48 ジョージ米カンザスティ連銀総裁
「テーパリング開始への労働市場の基準はすでに満た している」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 27092021 chart 1

<ドル円=雲の支え背景とした底堅さ続くか>
陽線引け。一目均衡表・雲を上回る水準で上伸した。
目先の上値の節目である8 月11 日高値110.80 円を抜けて 7 月初旬以来の高値圏に達すれば一定の達成感が生じるかも しれない。しかし、雲の上限を支えに底堅い推移を続けるこ とが想定でき、111 円台の大台乗せを目指す展開とみる。

レジスタンス2 111.66(7/2 高値=年初来高値)
レジスタンス1 111.12(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 110.73
サポート1 110.19(日足一目均衡表・雲の上限)
fx morning 27092021 chart 2

<ユーロドル=低下が続く見込みの転換線が重し>
下影小陰線引け。日足一目均衡表・転換線や雲の下限 1.1761 ドル、17 日に伸び悩み長い上ひげを形成した際の高 値1.1789 ドルと、抵抗となる水準が多い1.17 ドル後半で伸 び悩んだ。転換線の低下が続くことも見込まれ、このまま伸 び悩むようであれば、23 日安値1.1684 ドルや8 月20 日につ けた年初来安値1.1664 ドルを試すことになる。下抜けて勢 いづけば、次は昨年11 月4 日安値1.1603 ドルが意識されて くるだろう。

レジスタンス1 1.1758(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1720
サポート1 1.1664(8/20 安値=年初来安値)
fx morning 27092021 chart 3

<ユーロ円=強弱の分かれ目200 日線付近の攻防>
下影陽線引け。129.68 円前後で推移する200 日移動平均線 付近の攻防となっている。200 日線は、相場の強弱を判断す る上の重要な分かれ目だが、上昇中の同線は強い抵抗になら ないとみる。伸び悩んでも一目均衡表・基準線が目先のサポ ート。下押しが進んだ場合も、129 円割れで底打ちの兆しを 示している一目・転換線が支えとなりそう。

レジスタンス1 130.28(9/10 高値)
前日終値 129.77
サポート1 129.34(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 27092021 chart 4

<豪ドル円=転換線・基準線付近で下げ渋る>
下影小陰線引け。抵抗でもありサポートともなり動意が停 滞しやすい一目均衡表・雲の中で伸び悩んだ。しかし、一目・ 転換線や基準線が推移する80 円近辺で下げ渋っている。上 昇中の基準線に沿った底堅い動きを予想する。転換線は 79.81 円へ低下したが、ここで底打ちする公算。基準線を割 り込んでも、転換線の支えがあり安心感を誘う。

レジスタンス1 80.77(9/24 高値)
前日終値 80.41
サポート1 80.08(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 27092021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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