FX Morning 07/29/2021

【前日の為替概況】ドル円、3 日ぶり小反発 FOMC はテーパリング議論が進んでいること示唆

28 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3 営業日ぶりに小反発。終値は109.91 円と前営業日NY 終値(109.78 円)と比べて13 銭程度のドル高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いた 米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り政策金利の据え置きを決定した。声明では経済に対する評 価をわずかに引き上げ、「ワクチン接種の進展により、経済活動と雇用の指標は引き続き上向いている」 と指摘した。一方、「パンデミックによって最も悪影響を受けたセクターは改善を示したが、完全には回 復していない」との見解も示した。

また、「米経済が雇用とインフレに関するFRB の目標に向けて前進した」との認識を示したうえで、「委 員会は今後の複数回の会合で引き続き進捗状況について評価する」と表明し、テーパリング開始に向けた 議論が進んでいることを示唆した。市場は当初ドル買いで反応し、3 時過ぎに一時110.28 円と日通し高 値を更新した。

ただ、パウエルFRB 議長がFOMC 後の定例記者会見で「労働市場の状況は引き続き改善したが、なお時 間がかかる」「テーパリング時期はデータ次第」「利上げには程遠い」などと発言すると、米10 年債利回 りが低下に転じ、ドル売りが優勢となった。4 時前には109.84 円付近まで下押しした。

なお、同議長はインフレ加速について「一時的でいずれ落ち着く」との従来認識を繰り返し、「インフ レ高進の恐れがある場合、FRB は対抗措置を講ずる」と話した。

ユーロドルは3 日続伸。終値は1.1845 ドルと前営業日NY 終値(1.1817 ドル)と比べて0.0028 ドル程 度のユーロ高水準だった。FOMC でテーパリング開始に向けて「今後複数の会合で経済情勢の進捗を確認 する」との見解が示されると、全般ドル買いで反応。3 時過ぎに一時1.1773 ドルと本日安値を付けた。 ただ、パウエルFRB 議長が「利上げ検討は程遠い」と強調すると、米長期金利の低下とともにドル売りが 優勢に。5 時30 分前に一時1.1850 ドルと本日高値を付けた。

ユーロ円は反発。終値は130.19 円と前営業日NY 終値(129.72 円)と比べて47 銭程度のユーロ高水準。 欧州株相場の反発や日経平均先物の上昇で、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぐと円売り・ユーロ買 いが進行。FOMC 公表直後に129.82 円付近まで下押ししたものの、そのあとはユーロドルの上昇とともに 130.24 円の本日高値まで値を上げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円は実需の動きに挟まれもみ合いか、米上院の法案採決に要注目

本日の東京時間のドル円はもみ合いとなるか。昨日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見前 後で上下するものの、結局は昨日の東京時間と変わらない水準に戻している。月末や本邦企業の夏季休暇 を控えて、上がったら売り、下がったら買いという実需や個人投資家のスタンスは当面変わらないと思わ れる。余程のサプライズが無ければ今週のこれまでのレンジ(109.59 円から110.58 円)を超えることは 難しく、東京時間に限れば昨日のレンジ(109.74 円から110.28 円)までの間で上下することになるか。

アジア時間はドル円を動意づける経済指標の発表はないが、動意づける可能性があるのは、米インフラ 投資法案の採決が早ければ米国28 日(日本時間本日午前)に行われることか。バイデン米大統領は「合 意を得られたもよう」とも発言していることで、採決の結果次第でドルが動く可能性はありそうだ。

なお、米国入り後には4-6 月期米国内総生産(GDP)速報値などが発表される。以前ほどはGDP への注 目が薄れているとはいえ、市場予想(前期比年率+8.0%)と結果にかい離が生じた場合は、為替市場も動 きそうだ。

ユーロドルをはじめとした欧州通貨は徐々に下値が切り上がりつつある。ただし、欧州通貨は月末を控 えた特殊玉が動きを激しくさせていることもあり、本日も欧州入りまではトレンドを作りにくい。なお、 先月は月末前日のロンドン16 時(日本時間24 時)のフィキシングは、円買いやポンド買いのフローが優 勢だった。一方月末はドル買いのフローが中心となり、事前に予想することが難しく出たところ勝負とな るだろう。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2 週分)

<海外>
○10:00 ◇ 7 月NBNZ 企業信頼感
○10:30 ◇ 4-6 月期豪輸入物価指数(予想:前期比1.0%)
○15:00 ◇ 6 月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比2.00%)
○15:45 ◇ 6 月仏卸売物価指数(PPI)
○16:30 ◇ 6 月スウェーデン失業率
○16:55 ◎ 7 月独雇用統計(予想:失業率5.8%/失業者数変化▲2.8 万人)
○17:30 ◇ 6 月英消費者信用残高(予想:6.0 億ポンド)
○17:30 ◇ 6 月英マネーサプライM4
○18:00 ◎ 7 月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:118.5)
○18:00 ◎ 7 月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲4.4)
○18:30 ◇ 6 月南アフリカPPI(予想:前月比0.4%/前年比7.3%)
○21:00 ◎ 7 月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%/前年比3.3%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:38.0 万件/319.6 万人)
○21:30 ☆ 4-6 月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率8.5%)
◎ 4-6 月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率10.5%)
◎ 4-6 月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率5.9%)
○23:00 ◎ 6 月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.3%/前年比▲3.3%)
○30 日02:00 ◎ 米財務省、7 年債入札

30 日
<国内>
○08:30 ◎ 6 月完全失業率
○08:30 ◎ 6 月有効求人倍率
○08:50 ◎ 6 月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 6 月商業販売統計速報(小売業販売額)

<海外>
○07:45 ◎ 6 月NZ 住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 4-6 月期豪PPI

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

28 日08:50 日銀金融政策決定会合における主な意見 (7 月15-16 日分)
「当面、感染症拡大により経済の下押し圧力が高まるリ スクがある。一方、ワクチンの普及が加速すれば、経済 活動が想定以上に活発化する可能性もある」
「国際商品市況が上昇する中でも予想インフレ率に大き な変化はなく、『物価安定の目標』の達成には依然とし て力不足である」
「資源価格の上昇で消費者物価(除く生鮮食品)の前年 比も上昇するが、2%の『物価安定の目標』の安定的達 成には距離があり、時期尚早に金融を引き締めないこと が重要である」
「金融政策の観点から気候変動問題に取り組むに当た っては、経済・物価への影響について、予断を持たずに、 政策判断の基盤となる調査・研究の蓄積を進める必要 がある」

28 日16:20 ジョンソン英首相
「8 月16 日が自己隔離制限解除の予定日」
「自己隔離の制限により、英国の回復ペースに少し問題 が生じたため、これが延長された場合に注意する必要」

28 日23:53 米国務省
「ジュネーブで開催された米露の戦略的安定対話は専 門的かつ実質的だった」
「9 月末に正式な協議をすることでロシアと合意」

29 日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「FRB はこの厳しい局面で米経済を支援するためにあら ゆる手段を行使し、雇用最大化と物価安定という目標を 促進することに全力で取り組む」
「ワクチン接種の進展により、経済活動と雇用の指標は 強化され続けている」
「パンデミックによって最も悪影響を受けたセクターは改 善を示したが、完全には回復していない」
「インフレ率は上昇しており、主に一時的な要因を反映」
「経済および米国の家計や企業への信用の流れを支援 するための政策措置を部分的に反映し、全体的な金融 状況は引き続き緩和的だ」
「経済の道筋はウイルスの経過に依存し続けている」
「ワクチン接種の進展により、公衆衛生危機が経済に与 える影響は引き続き減少する可能性があるが、経済見 通しに対するリスクは残る」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達 成を目指す」
「インフレ率がこの長期目標を継続的に下回っているた め、委員会は当面、2%をやや上回る程度のインフレ率 の達成を目指す」
「これによりインフレ率は時間とともに平均で2%になり、 長期的なインフレ期待は2%にしっかりととどまる」
「これらの結果が達成されるまで、委員会は緩和的な金 融政策の姿勢を維持すると予想する」
「昨年12 月、委員会は最大雇用と物価安定の目標に向 けてさらに著しい進展が見られるまで、FRB は引き続き 米国債の保有を少なくとも月800 億ドル、およびエージェ ンシーローン担保証券の保有を少なくとも月400 億ドル 増やした」
「経済はこれらの目標に向けて進歩を遂げており、委員 会は今後の会合で進展度合いを評価する」
「これらの資産購入は、円滑な市場機能と緩和的な金融 状況の促進を支援し、それによって家計や企業への信 用の流れを支援する」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は 今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引 き続き監視する」
「もし委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスク が生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整 する準備がある」
「委員会の評価は、公衆衛生に関連する情報、労働市 場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の 動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の決定は全会一致」

29 日03:35 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「ワクチンの進展や財政支援が経済に強力な支援を与 えた」
「家計支出は急速なペースで拡大した」
「住宅セクターは引き続き非常に堅調、企業の設備投資 は底堅い」
「労働市場の状況は引き続き改善したが、なお時間が かかる」
「インフレ率は著しく上昇」
「今後数カ月は高止まりし、その後鈍化する見通し」
「インフレ率は引き続き長期目標を下回る見通し」
「供給のボトルネックは予想よりも大規模」
「インフレは予想よりも長期化する可能性」
「テーパリング時期はデータ次第」
「債券購入の調整案をFOMC で精査した」
「利上げには程遠い」
「新たなレポ制度創設は市場に安全策を提供」
「インフレは一時的」
「インフレ率は目標を大幅に上回って推移」
「短期的なインフレリスクは上サイド」
「インフレを極めて注意深く監視している」
「テーパリングの時期やペース・構成を巡り、初めて突っ 込んだ討議をした」
「テーパリングの時期巡り決定しておらず、適切な時期 については様々な見方がある」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 29072021 chart 1

<ドル円=転換線から雲へサポートのバトンタッチできるか>
上影小陽線引け。上昇中の一目均衡表・雲の上限は強い抵 抗にならず、110.28 円へ上振れた。しかし21 日移動平均線 や一目・基準線が控える110.30 円台に乗せられず失速。雲 の中へ押し戻された。明日にも109.96 円、来週には110 円 台へ上昇する見込みの一目・転換線前後の底堅さを維持し、 現在110.10 円に位置する雲の上限越えを再び試すか。雲を 再度上抜けば、来週にもピークアウトする可能性がある転換 線に代わって雲の上限が下支えになりそう。110.28 円前後で 低下中の21 日線や一目・基準線110.37 円を再び試す展開が 視野に入ってくる。

レジスタンス1 110.59(7/23 高値)
前日終値 109.91
サポート1 109.59(7/27 安値)
サポート2 109.07(7/19 安値)
fx morning 29072021 chart 2

<ユーロドル=転換線前後で底堅く、21 日線をこなす>
下影小陽線引け。昨日1.1801 ドルへ低下したところで目 先の底を打った可能性がある一目均衡表・転換線付近で、底 堅さを示す下ひげをともなう陽線形成を続けた。21 日移動平 均線の抵抗はこなすことができた。ここからは一目・基準線 を試す展開。同線は1.1864 ドルで横ばいが続いているが、 来週から低下角度を強める見込み。基準線前後での動意停滞 を想定するが、一気に上抜けなくとも、サポートとなる転換 線を上回る水準を維持しつつ、日柄経過を味方に基準線をこ なすことが期待できる。

レジスタンス1 1.1881(7/9 高値)
前日終値 1.1845
サポート1 1.1801(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 29072021 chart 3

<ポンド円=じり高の90 日線の動きに乗って上値伸ばすか>
陽線引け。14 日以来、2 週間ぶりに153 円台を回復した。 いったん押し返された一目均衡表・雲の下限152.57 円の抵 抗をこなした。152.79 円前後でじり高の90 日移動平均線の 動きに乗って上値を伸ばすことになりそう。目先の上値の節 目13 日高値153.49 円や一目均衡表・雲の上限153.55 円を 試すことになるか。

レジスタンス1 153.49((7/13 高値)
前日終値 152.81
サポート1 152.19(7/28 安値)
fx morning 29072021 chart 4

<NZ ドル円=200 日線手前で下げ渋り、転換線を回復>
小陽線引け。76 円付近で上昇中の200 日移動平均線手前で 下げ渋り、一目均衡表・転換線を回復した。転換線は本日 76.29 円へ小幅に低下したところで底打ちし、いったん上昇 へ向かう見込み。同線とともに戻りを試す展開を予想する。

レジスタンス1 77.02(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 76.44
サポート1 76.00(200 日移動平均線)
fx morning 29072021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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