FX Morning 06/30/2021
FOREX.com 2021/06/30 08:00 JST
【前日の為替概況】ドル円、ロンドンフィキシングの円買いで110.43 円まで弱含み
29 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら4 日続落。終値は110.53 円と前営業日NY 終 値(110.63 円)と比べて10 銭程度のドル安水準だった。金や銅など貴金属相場が総崩れとなる中、欧州 序盤からのドル高の流れが継続。米長期金利の指標である米10 年債利回りが1.50%台まで上昇したこと もドル買いを促し、21 時30 分過ぎに一時110.73 円付近まで値を上げた。
ただ、日本時間夕刻に付けた日通し高値110.76 円を上抜けることは出来なかった。月末・四半期末が 近づく中、ロンドン16 時(日本時間24 時)のフィキシングに向けた円買いのフローが観測されると一時 110.43 円と日通し安値を更新した。米長期金利が低下に転じたことも相場の重し。もっとも、一目均衡 表転換線が位置する110.42 円がサポートとして意識されると下げ渋っている。
なお、4 月米ケース・シラー住宅価格指数や6 月米消費者信頼感指数など、米景気回復を示唆する経済 指標の発表が相次いだものの、相場の反応は限られた。市場では「週末の6 月米雇用統計をにらんで様子 見ムードも強く、商いは低調だった」との声が聞かれた。
ユーロドルは続落。終値は1.1897 ドルと前営業日NY 終値(1.1925 ドル)と比べて0.0028 ドル程度の ユーロ安水準だった。金属価格の下落を背景に、対資源国通貨中心にドル高が進むとユーロに対してもド ル買いが先行。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て22 時過ぎに一時1.1878 ドルと日通 し安値を付けた。ただ、米長期金利が低下に転じると買い戻しが優勢に。0 時30 分過ぎには一時1.1912 ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。
ユーロ円は4 日続落。終値は131.48 円と前営業日NY 終値(131.96 円)と比べて48 銭程度のユーロ安 水準。月末・四半期末が近づく中、NY 市場に入ると円買いが目立つ展開となった。23 時30 分前に一時 131.28 円と日通し安値を付けた。その後の戻りも131.63 円付近にとどまった。
ユーロ円以外のクロス円もさえない展開。ポンド円は一時152.62 円、豪ドル円は83.00 円、NZ ドル円 は77.16 円、カナダドル円は89.11 円、南アフリカランド円は7.69 円まで値を下げる場面があった。
【本日の東京為替見通し】ドル円 月末・四半期末のフロー見極め、6 月中国製造業PMI にも注目
本日の東京外国為替市場のドル円は、月末・四半期末でのリバランスや本邦実需筋からの売り買いなど を見極めつつ、7 月2 日の米6 月雇用統計の発表を控えて動きづらい展開が予想される。
ドル円の上値は、23 日が111.10 円、24 日が111.12 円までとなっており、米10 年債利回りが1.4%台 で推移している現状では、111 円台の本邦輸出企業からのドル売りが上値を抑える構図が続くことになる。 ちなみに、1980 年代以降のFF 金利と米10 年債利回りの平均乖離幅は1.4%程度となっており、現状の乖 離幅はバイアスがかかっていない状況となっている。
下値は、25 日が110.48 円、28 日が110.50 円、29 日が110.43 円までとなっており、一目・転換線(※ 過去9 日間の高値・安値の中心値)の110.42 円が支持線となり、本邦輸入企業や本邦資本筋のドル買い も観測されていることで、限定的となっている。
本日のドル円のオーダー状況は、本日のNY カットオプション110.50 円と110.75 円を軸にして、上値 には、110.80-90 円に断続的にドル売りオーダー、111.00 円にドル売りオーダー、超えるとストップロス 買いが控えている。下値には、110.40 円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売り、110.00-30 円に断続的にドル買いオーダーが控えている。
10 時に発表される6 月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の予想は50.8 となっており、5 月の51.0 からの悪化が見込まれており、中国の景気回復が足踏み状態にあることが示唆されている。明日7 月1 日に中国共産党の党創立100 年を迎える中、バイデン米政権は対中強硬姿勢を強めており、対中法案の「米 国イノベーション・競争法案(USICA)」や「米国グローバル・リーダーシップおよび関与保障法案(Eagle Act)」を打ち出している。中国も外国からの制裁に報復するための「反外国制裁法」を打ち出しており、 米中対立激化への警戒感が高まったままの状況が続いていることも、中国の景況感を鈍化させる要因とな りつつある。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 5 月鉱工業生産速報(予想:前月比▲2.4%/前年比27.0%)
○14:00 ◇ 5 月新設住宅着工戸数(予想:前年比8.3%)
○14:00 ◇ 6 月消費動向調査(消費者態度指数一般世帯、予想:35.0)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○10:00 ◎ 6 月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.8)
○15:00 ☆ 1-3 月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比▲1.5%/前年比▲6.1%)
○15:00 ◇ 1-3 月期英経常収支(予想:132.5 億ポンドの赤字)
○15:00 ◇ 5 月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比2.78%)
○15:45 ◇ 5 月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45 ◇ 5 月仏消費支出(予想:前月比7.5%)
○15:45 ◇ 6 月仏CPI 速報値(予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○16:00 ◇ 6 月スイスKOF 景気先行指数(予想:144.7)
○16:00 ◇ 5 月トルコ貿易収支(予想:41.0 億ドルの赤字)
○16:55 ◎ 6 月独雇用統計(予想:失業率5.9%/失業者数変化▲2.0 万人)
○17:00 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ☆ 6 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.9%)
○18:00 ☆ 6 月ユーロ圏HICP コア速報値(予想:前年比0.9%)
○20:00 ◎ ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○20:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 5 月南アフリカ貿易収支(予想:465 億ランドの黒字)
○21:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○21:15 ☆ 6 月ADP 全米雇用報告(予想:60.0 万人)
○21:30 ☆ 4 月カナダGDP(予想:前月比▲0.8%/前年比19.1%)
○21:30 ◇ 5 月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比3.1%)
○21:30 ◇ 5 月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.0%)
○22:45 ◎ 6 月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:70.0)
○23:00 ◎ 5 月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.8%/前年比5.2%)
○23:30 ◇ EIA 週間在庫統計
○1 日01:00 ◎ 5 月ロシア失業率(予想:5.2%)
○1 日02:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
29 日13:15 オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総
裁
「NZ の経済活動はコロナ前に戻ってきている」
29 日21:12 メルケル独首相
「欧州の完全回復までにはまだ長い道のり」
29 日22:17 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「一部のセクターの価格上昇は元に戻ると予想」
「インフレと成長は第2 四半期にピークに達する」
「状況が整った場合に利上げできるよう準備したい」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは
実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好
転の強い買いシグナルが点灯している。逆行現象や4 手連続
陰線で反落が警戒されるものの、転換線を上回って引けてい
ることから反発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線
を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 | 111.30(2020/3/26 高値) |
前日終値 | 110.53 |
サポート1 | 110.42(日足一目均衡表・転換線) |
サポート2 | 109.92(日足一目均衡表・基準線) |

<ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは
実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆
転の強い売りシグナルが点灯している。2 手連続陰線で下落
し、転換線を下回って引けていることから続落の可能性が示
唆されている。
本日は、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線
を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 | 1.1985(日足一目均衡表・雲の下限) |
前日終値 | 1.1897 |
サポート1 | 1.1848(6/21 安値) |

<ユーロ円=雲の下限を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは
実線を下回り、一目・雲の中で引けているものの、売りシグ
ナルが優勢な展開となっている。4 手連続陰線で下落してい
るものの、転換線を上回って引けていることから反発の可能
性が示唆されている。
本日は、雲の下限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同
線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 | 132.09(日足一目均衡表・基準線) |
前日終値 | 131.48 |
サポート1 | 130.95(日足一目均衡表・雲の下限) |

<豪ドル円=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは
実線を下回り、一目・雲の下で引けていることで、三役逆転
の強い売りシグナルが点灯している。2 手連続陰線で下落し、
転換線を下回って引けていることから続落の可能性が示唆
されている。
本日は、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を
上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 | 83.66(日足一目均衡表・基準線) |
前日終値 | 83.03 |
サポート1 | 82.14(6/21安値) |

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社