【前日の為替概況】ドル円110.27 円から109.78 円、FRB 議長テーパリング年内適切も時期触れず

27 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3 営業日ぶりに反落。終値は109.84 円と前営業日NY 終 値(110.09 円)と比べて25 銭程度のドル安水準。ボスティック米アトランタ連銀総裁が「米雇用増加が 引き続き堅調であれば、10 月のテーパリング(量的緩和の縮小)開始が合理的」と述べたほか、メスタ ー米クリーブランド連銀総裁が「私たちは実質的なさらなる進展を遂げた」「9 月にテーパリングの詳細 について協議し、年末までに開始することを支持」との考えを示すなど、複数の米金融当局者からタカ派 的な発言が伝わると全般ドル買いが先行。22 時30 分過ぎに一時110.27 円まで値を上げた。

パウエルFRB 議長がジャクソンホール会議での講演で「年内のテーパリング開始が適切になり得る」と しながらも、「テーパリングは利上げ時期を示す直接的なシグナルではない」と強調すると、米長期金利 の低下とともに一転ドル売りが優勢となった。4 時30 分前に一時109.78 円と日通し安値を更新した。

パウエルFRB 議長は新型コロナウイルスデルタ株の感染拡大については「注意深く点検する」としたほ か、足もとのインフレ上昇については「一時的なものである可能性」と従来の見方を繰り返した。「想定 したほどタカ派的な内容ではなかった」と受け止められ、米株高・債券高・ドル安につながった。

ユーロドルは反発。終値は1.1795 ドルと前営業日NY 終値(1.1752 ドル)と比べて0.0043 ドル程度の ユーロ高水準。注目のパウエルFRB 議長の講演を控える中、複数の米金融当局者からタカ派的な発言が伝 わったため全般ドル買いが先行。22 時30 分前に一時1.1735 ドルと日通し安値を付けた。パウエルFRB 議長の講演をきっかけに米金融緩和の早期縮小観測が後退すると、一転ユーロ買い・ドル売りが優勢にな り、一時1.1802 ドルと13 日以来の高値を更新した。

FF 金利先物市場では先物価格が上昇し、FRB による金融引き締めの可能性低下が示唆された。市場関係 者からは「FRB 当局者が日常的にテーパリングに言及しているため、マーケットがサプライズを受けるリ スクが低下。テーパー・タントラムが引き起こされる公算は低くなった」との声が聞かれた。

ユーロ円は反発。終値は129.54 円と前営業日NY 終値(129.37 円)と比べて17 銭程度のユーロ高水準。 ユーロドルの上昇につれた買いが入り、23 時30 分過ぎに一時129.75 円と日通し高値を付けた。

【本日の東京為替見通し】デルタ感染やアフガニスタン情勢に要警戒、今週は米8 月雇用統計

本日の東京外国為替市場のドル円は、9 月3 日に発表される米8 月雇用統計を控えて動きづらい展開の 中、パウエルFRB 議長が指摘した新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大やアフガニスタン情勢の悪化懸 念による地政学リスクを見極めていくことになる。

先週末27 日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB 議長の講演「経済見通し(The Economic Outlook)」 では、年内のテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始が示唆されたものの、テーパリング開始が利上 げ開始のシグナルを意図することはない、と強調された。

今後は、9 月3 日に発表される米8 月雇用統計を見極め、9 月21-22 日の米連邦公開市場委員会(FOMC) でテーパリング開始時期が協議されて公表され、年内にテーパリングが開始され、2022 年にテーパリン グが終了し、2023 年に利上げが開始されるというメイン・シナリオを軸にして、新型コロナウイルスの 変異株感染拡大や米中対立を軸にした中東・極東の地政学リスクを勘案していくことになる。

米8 月非農業部門雇用者数の予想は、前月比76.3 万人程度の増加、最少予想が前月比+50 万人程度、 最大予想が前月比+102.5 万人程度となっており、発表まで予断を許さない状況が続くことになる。

ドル円のテクニカルポイントは、一目均衡表・転換線109.84 円、一目・基準線109.76 円、雲の上限(先 行スパン1)110.13 円と雲の下限(先行スパン2)110.11 円、21 日移動平均線109.83 円や90 日移動平 均線109.81 円となる。明日には、先行スパン1 が110.10 円、先行スパン2 が110.11 円となり雲が捻れ ることで、「変化日」となる可能性が示唆されていることから要警戒か。「変化日」とは、トレンドが変化 する日柄だが、変化しなければ加速する日柄と見なされている。

本日のドル円のオーダー状況は、上値には、110.30 円にドル売りオーダー、110.40-90 円には月末に向 けた本邦輸出企業からのドル売りオーダーが控えている。下値には、109.70 円から109.00 円にかけて断 続的にドル買いオーダーが控えている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 7 月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比2.1%)

<海外>
○16:00 ◇ 8 月スイスKOF 景気先行指数(予想:125.9)
○18:00 ◎ 8 月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:118.0)
○18:00 ◎ 8 月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲5.3)
○21:00 ◎ 8 月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比3.9%)
○21:30 ◇ 4-6 月期カナダ経常収支
○23:00 ◎ 7 月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.5%/前年比▲8.5%)
○インド(クリシュナ神生誕日)、トルコ(戦勝記念日)、英国(サマーバンクホリデー)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

27 日06:35 バイデン米大統領
「アフガニスタン首都カブールでの爆破事件の責任者を 捕らえる」
「ISIS の指導者と施設の攻撃計画を命じる」
「アフガニスタンからの退避を継続」
「アフガニスタンへの追加派兵が必要なら認める方針」
「ISIS の指導者がどこにいても見つけ出す」
「(新型コロナウイルスワクチン)ブースター接種を開始 する時期の前倒しを検討」

27 日19:15 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「米雇用増加が引き続き堅調であれば、10 月のテーパ リング開始が合理的」
「8 月の雇用増加が6 月、7 月の雇用増加と一致するこ とが重要」
「テーパリングをできるだけ早く終了させたい」
「2022 年第1 四半期にテーパリングを終了することに異 論はない」
「インフレの基盤は非常に強力」

27 日21:16 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「インフレ圧力が一時的ではないかもしれない兆候がい くつかある」
「金融政策では経済を抑制している供給網のボトルネッ クを解決できない」
「労働市場は進展している」
「テーパリングは遅いより早い方が良いが、デルタ株な どの状況には注意が必要」
「経済に利益をもたらしていないと信じているため、テー パリングに動くことに賛成」
「利上げを検討する前にテーパリングを終了すべき」
「利上げの時期を判断するためにデータを注視する必 要」
「インフレは2%の目標で落ち着くと予想」
「2022 年後半または2023 年初頭までFRB が利上げに ついて検討することはないだろう」

27 日22:12 メスター米クリーブランド連銀総裁
「私たちは実質的なさらなる進展を遂げた」
「9 月にテーパリングについて協議し、年末までに開始す ることを支持」
「テーパリングを急ぐ必要はない」
「年内にテーパリングが開始されると予想」
「11 月にテーパリングを開始するか、12 月に開始するか は重大な違いにはならない」
「FRB が基本、実質的なさらなる進歩の基準を満たして いる」
「9 月のFOMC 会合でテーパリングのタイミングとペース について検討するべき」
「2022 年半ばまでにテーパリング終了を目指したい」
「金利変更は今後さらに長くなるだろう」

27 日22:24 カプラン米ダラス連銀総裁
「FRB は可能な限り早急にテーパリングを開始すべき」

27 日22:36 ブラード米セントルイス連銀総裁
「テーパリングを開始し、2022 年第1 四半期に終了すべ き」

27 日23:02 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「年内のテーパリング開始が適切になり得る」
「テーパリングは利上げ時期を示す直接的なシグナルで はない」
「雇用に関して顕著な進展があった」
「重要な進展はインフレ面で満たした」
「新型コロナウイルスデルタ株の拡大、注意深く点検」
「資産購入が終了しても長期債保有は緩和的な金融環 境を支える」
「インフレ上昇は一時的なものである可能性」
「持続的な高インフレが深刻な懸念となった場合、FRB は対応する」

28 日03:12 クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長
「インフレは大部分が一時的なものである可能性が非常 に高い」
「雇用市場の拡大がさらに進展すれば、テーパリングを 支持する」
「株式市場は企業収益の反発を反映している」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 30082021 chart 1

<ドル円=8/16 安値を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回っているものの、 遅行スパンは実線を下回り、一目・雲の下で引けていること から、売りシグナルが優勢な展開となっている。しかしなが ら転換線を上回って引けていることで、抱き線で反落したも のの、反発の可能性が示唆されている。
本日は、8 月16 日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨 み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 110.80(8/11 高値)
レジスタンス1 110.27(8/27 高値)
前日終値 109.84
サポート1 109.11(8/16 安値)
サポート2 108.72(8/4 安値)
fx morning 30082021 chart 2

<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。遅行スパンは実線を上回っているものの、一 目・転換線は基準線を下回り、一目・雲の下で引けているこ とから、売りシグナルが優勢な展開となっている。しかし、 抱き線で反発して、転換線を上回って引けていることから続 伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.1833(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.1795
サポート1 1.1733(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 30082021 chart 3

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、抱き線で反 発して、転換線を上回って引けていることから続伸の可能性 が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 130.08(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 129.54
サポート1 128.85(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 30082021 chart 4

<豪ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは 実線を下回り、一目・雲の下で引けていることから、三役逆 転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、抱き線でで 反発して、転換線を上回って引けていることから続伸の可能 性が示唆されている。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 81.62(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 80.33
サポート1 79.74(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 30082051 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

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