FX Morning 05/31/2021

【前日の為替概況】ドル円、米4月インフレ率前年比+3.1%で110.20 円まで上昇

28 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら4 日続伸。終値は109.85 円と前営業日NY 終 値(109.81 円)と比べて4 銭程度のドル高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)が重視する4 月米個人 消費支出(PCE)などの物価指標発表を控えて、強い結果を期待した思惑的なドル買いが先行。米PCE コ アデフレーターが前年同月比3.1%上昇と予想を上回り、1992 年7 月以来の大幅な伸びを記録したことが 分かると、全般ドル買いが加速した。目先のストップロスを断続的に巻き込んで、一時110.20 円と4 月 6 日以来の高値を付けた。

ただ、110 円台では戻りを売りたい向きも多く、滞空時間は短かった。米長期金利が低下したことも相 場の重しとなり、2 時30 分過ぎには一時109.74 円と日通し安値を付けた。英米3 連休を控えた週末とあ ってポジション調整目的の売りも出たようだ。

なお、バイデン米政権は約6 兆ドル規模の予算案を発表したが、前日に伝わっていたこともあり市場の 反応は鈍かった。

ユーロドルは小反落。終値は1.2192 ドルと前営業日NY 終値(1.2195 ドル)と比べて0.0003 ドル程度 のユーロ安水準だった。FRB が物価の目安として注目する米PCE コアデフレーターの発表を前に思惑的な ドル買いが先行。実際に予想を上回る強い数字だったことが分かると、一時1.2133 ドルまでユーロ安・ ドル高が進んだ。ただ、米長期金利が低下すると一転買い戻しが優勢に。市場では「ロンドン16 時(日 本時間24 時)のフィキシングに向けたユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.2205 ドルと日通し高値を付けた。

ユーロ円は小幅続伸。終値は133.93 円と前営業日NY 終値(133.91 円)と比べて2 銭程度のユーロ高 水準。21 時30 分前に一時133.61 円と本日安値を付けたものの、売り一巡後はユーロドルの持ち直しに つれた買いが入り日通し高値に並ぶ134.00 円まで値を戻した。

トルコリラは軟調だった。対ドルでは一時8.6134 リラと史上最安値を更新したほか、対円では12.78 円と約1 カ月ぶりの安値を付けた。トルコ中銀のオグザン・オズバス副総裁が25 日付で解任されたこと を受けて中銀の独立性に対する不信感が高まる中、リラ売りの流れが継続。米格付け会社スタンダード・ アンド・プアーズ(S&P)による同国格付けの発表が予定される中、市場では「格下げへの警戒感が高ま り、リラの重しとなった」との指摘もあった。

【本日の東京為替見通し】英米市場が休場のため動意に乏しい展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、英国がスプリング・バンク・ホリデー、米国がメモリアルデーで 休場のため動意に乏しい展開が予想される。

米連邦準備理事会(FRB)が公式にインフレ目標の基準としている4 月個人消費支出(PCE)総合価格指 数は、前月比+0.6%、前年同月比では+3.6%上昇した。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア価格指 数は前月比+0.7%上昇で、2001 年10 月以来の大きな上昇率となり、前年同月比では+3.1%上昇と、1992 年7 月以来の大きな伸びを記録した。しかしながら、米10 年債利回りは1.59%台で引けており、ドル円 の上値を抑える要因となる。パウエルFRB 議長やハト派のFRB 高官が、インフレ率の上昇をベース効果な どによる一時的な現象と一蹴していることから、過度なインフレ懸念が鎮静化されつつある。

ドル円が110 円台に定着するには、経験則的に、日米の10 年債利回りの差が2.4%以上必要であり、 FF 金利と米10 年債利回りの平均的な乖離が1.4%程度なので、パウエルFRB 議長が2023 年までのゼロ金 利継続を表明している限りは、ドル円の上値は限定的だと予想される。

10 時に発表される5 月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の予想は51.2 となっており、4月の51.1 からの若干の改善が見込まれている。中国の景況感の改善は、商品や資源価格の上昇を通して、資源国通 貨の買い要因となることから要注目となる。

ドル円のオーダー状況は、上値には、110.20-70 円に断続的にドル売りオーダーが控えている。下値に は、109.20-60 円に断続的にドル買いオーダーが控えている。

ドル円のテクニカルポイントは、上値が3 月31 日の高値の110.97 円、下値が一目・転換線の109.38 円となっている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◎ 4 月鉱工業生産速報(予想:前月比4.0%/前年比17.0%)
○08:50 ◇ 4 月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比15.3%)
○14:00 ◇ 5 月消費動向調査(消費者態度指数一般世帯、予想:33.0)
○14:00 ◇ 4 月新設住宅着工戸数(予想:前年比5.0%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)

<海外>
○10:00 ◎ 5 月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.2)
○15:00 ◇ 4 月南アフリカマネーサプライM3
○16:00 ◎ 1-3 月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比6.3%)
○17:00 ◇ 4 月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比9.6%)
○17:30 ◎ ビスコ伊中銀総裁、講演
○21:00 ◎ 5 月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
○21:00 ◎ 4 月南アフリカ貿易収支(予想:375 億ランドの黒字)
○21:00 ☆ 1-3 月期インドGDP(予想:前年同期比0.9%)
○21:30 ◇ 1-3 月期カナダ経常収支(予想:25.0 億カナダドルの黒字)
○21:30 ◇ 4 月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比1.7%)
○21:30 ◇ 4 月カナダ原料価格指数(予想:前月比1.7%)
○英国(スプリング・バンク・ホリデー)、米国(メモリアルデー)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

28 日14:34 黒田日銀総裁
「ETF の購入はまだ必要であり、今のところ停止すること を検討していない」
「パンデミック後も強力な緩和を続ける」
「日本経済は年末までにパンデミック前の水準に回復す る」

28 日16:47 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「銀行の配当に対する規制は、9 月に撤廃すべき」

28 日23:28 麻生太郎財務相
「G7 財務相は世界経済やデジタル決済について議論し た」
「日本は税制での協調が重要だと主張した」

29 日02:49 ホワイトハウス
「米大統領の2022 年予算案は6 兆100 億ドルの支出が 見込まれている」
「21 年GDP を5.2%、22 年が4.3%、23 年は2.3%を予 測」
「失業率は21 年が5.5%、22 年4.1%、23 年には3.8% まで低下を見込む」
「大統領の予算案は、経済的・財政的に健全なコースを 描いている」
「予算案は、投資と長期的な赤字削減の必要性のバラ ンスをとっている」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

fx morning 31052021 chart 1

<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。4 手連続陽線で上昇 し、転換線を上回って引けていることから続伸の可能性が示 唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 110.97(3/31 高値)
前日終値 109.85
サポート1 109.38(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 108.92(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 31052021 chart 2

<ユーロドル=5/25 高値を抵抗に戻り売りスタンス>
小陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパン は実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役 好転の強い買いシグナルが点灯している。しかしながら、陰 線で転換線を下回って引けていることから続落の可能性が 示唆されている。
本日は、転換線1.2200 ドルを念頭に置き、5 月25 日の高 値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合 は手仕舞い。

レジスタンス1 1.2266(5/25 高値)
前日終値 1.2192
サポート1 1.2126(日足一目均衡表・基準線)
fx morning 31052021 chart 3

<ポンド円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。高値圏での孕み線で 反落しているものの、転換線を上回って引けていることから 反発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 156.08(5/27 高値)
前日終値 155.83
サポート1 154.81(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 31052021 chart 4

<NZ ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは 実線を上回り、一目・雲の上で引けていることから、三役好 転の強い買いシグナルが点灯している。高値圏での孕み線で 反落しているものの、転換線を上回って引けていることで反 発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線 を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 80.18(5/27 高値)
前日終値 79.65
サポート1 79.06(日足一目均衡表・転換線)
fx morning 31052021 chart 5

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社