週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円、ポンド、加ドル、豪ドル、南ア・ランド)
FOREX.com 2023/02/03 10:44 JST
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週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
ドルの方向性を探る展開か
◆ドル円、今後のインフレ指標が一段と重要に
◆日銀正副総裁の人事を巡る報道に注意
◆ユーロドル、利上げ期待後退から上値は重い
予想レンジ
ドル円 126.00-130.50 円
ユーロドル 1.0600-1.1050 ドル
2 月 6 日週の展望
ドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を終えてドルの方向性を探る展開が想定される。また、日銀の正副総裁の人事を巡る思惑に振らされる可能性もあるだろう。
FOMC 後にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は少なくても今後 2 回利上げする見通しを示
したほか、現段階での年内利下げを否定するなど、印象としてはタカ派姿勢だった。ただ、「ディスインフレのプロセスが始まった」と発言したことに市場は過敏に反応し、利上げ停止への思惑が高まったことが会合後の米金利低下・ドル安につながったとされている。
基本的には今後の見通しについては引き続き「データ次第」としている通り、現段階では不確
実性が高く、今回でドルの方向性を決定づけるのは難しいだろう。改めて今後のインフレ指標に一段と注目が集まることになったことは確かだ。来週は米重要指標が少ないが、週末 10 日に米ミシガン大学が発表する 1 年先の期待インフレ率の結果には注意が必要だろう。また、FOMC を終えて米当局者の発言などにも警戒したいところだ。
また、日銀の正副総裁人事を巡る報道にも気を付けたい。一部報道では 10 日を軸に人事案を国
会に提示することで調整が進んでいるとされている。現時点での新総裁の最有力候補は現副総裁である雨宮氏で、新副総裁には初の女性となる翁氏が浮上している。翁氏は先日、「金融正常化を少しずつ進めるべき」と述べている通り緩和縮小に積極的な姿勢を示しているだけに、就任が決まれば日銀の金融政策見通しに対する思惑が一段と高まりそうだ。
ユーロドルは、利上げ期待後退から上値が重くなりそうだ。欧州中央銀行(ECB)が 2 日の理事会で予想通り 0.50%利上げし、3 月会合でも 0.50%利上げを示唆したものの、その後の金利見通しについては慎重な姿勢を示した。市場では「利上げ停止が意識された」との声が聞かれている。
1 月 30 日週の回顧
ドル円は、「令和臨調(座長が翁氏)が政府日銀の共同声明見直しを提言」との報道で一時 129.21円まで下落したものの、海外時間には米長期金利の上昇を支えとして一時 130.57 円まで買い戻された。その後は FOMC を前に様子見ムードが広がり、130 円台前半を挟んで方向感を欠いていたが、1 月 ADP 全米雇用報告や 1 月米 ISM 製造業景気指数が予想を下回る結果となると下落。FOMC 後にパウエル FRB 議長が「ディスインフレのプロセスが始まった」と発言したことをきっかけに米長
期金利が急低下するにつれて売りが強まり、一時 128.09 円まで下げ足を速めた。ただ、その後は再び 128 円台後半まで買い戻されている。
ユーロドルは、独長期金利の低下を受けて一時 1.0802 ドルまで下落する場面があったが、FRB
議長の発言を受けてドル安が加速すると一時 1.1033 ドルと昨年 4 月以来の高値まで買い上げられた。ただ、ECB 理事会を受けて独長期金利が急低下するとともに 1.08 ドル台後半まで失速した。(了)
週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)
豪ドル、RBA の金融政策に注目
◆豪ドル、四半期金融政策報告のインフレ見通しもポイント
◆NZ、新首相の就任後に与党支持率が上昇
◆ZAR、深刻な電力不足で買い材料は乏しい
●予想レンジ
豪ドル円 88.00-94.00 円
南ア・ランド円 7.20-7.70 円
2 月 6 日週の展望
豪ドルは神経質な展開か。1 月 31 日-1 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ幅が縮小され、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容も「想定よりもタカ派的な姿勢ではなかった」と受け止められたが、7 日には年内最初の豪準備銀行(RBA)金融政策が控えている。豪米金利差の行方が注目され、豪ドル相場の方向性を左右することになりそうだ。
市場では現行の 3.10%から 3.35%への金利引き上げをほぼ織り込んでいるものの、その後の金
利経路については定まっておらず、同時に公表される声明文から先行きの金融政策を探ることになる。もっとも、RBA は前回までの声明文で「(政策金利の見通しについて)あらかじめ決まった
道筋はない」と繰り返し述べており、今回も明確なヒントは得られないかもしれない。
その場合は 10 日公表の RBA 四半期金融政策報告に注目が集まりそうだ。昨年 11 月公表の前回
分では消費者物価指数(CPI)が昨年末に 8%程度(トリム平均は 6.5%程度)でピークを迎え、
その後は鈍化していくと予想されていたが、2024 年末時点でも 3.25%程度(トリム平均も 3.25%程度)となり、RBA のインフレ目標(2-3%)内に収まるのは 2025 年以降となっていた。
なお、豪 4 大銀行は現時点で RBA のターミナルレートについて「3.35-3.85%」と予想しており、4 銀行とも 5 月までに豪利上げ局面は終了、早ければ年内にも利下げ局面へと移行すると見ているようだ。
隣国 NZ は 6 日がワイタンギ・デーの祝日となるが、重要な経済指標などの発表は予定されてい
ない。ヒプキンス新首相の就任後に与党労働党の支持率が上昇し、最新の世論調査では野党国民党の支持率を上回った。政局の先行き不透明感はいったん後退した格好となったが、新内閣の発表後には一時 NZ ドル売りが進む場面が見られるなど不安定な状況が続いている。また、同国最大の都市オークランドでは記録的な豪雨によって大規模な洪水が発生。市長が非常事態を宣言する状況となっており、経済的な影響も懸念される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い展開か。南アフリカでは深刻な電力不足状態が続いており、当局は最大都市ヨハネスブルクで熱波と電力不足の影響から水道供給が不測の事態に陥る可能性について警告。政府はこうした電力不足に対処するため「国家非常事態宣言」の発令を検討するなど、国内では連日ネガティブなニュースが伝わっている。当然ながら経済にも大きな影響を及ぼしており、ZAR の買い材料は乏しいのが現状だ。
1 月 30 日週の回顧
豪ドルは方向感の乏しい動き。週明けから伸び悩む展開となっていたが、対ドルでは FOMC 後にドル売りが進んだ影響から買い戻しが入る場面も見られた。ZAR も対ドル・対円ともに方向感を欠いた。もっとも、対円では再び年初来安値をうかがう場面も見られるなど、南アフリカの深刻な電力不足などが懸念材料となり、戻りの鈍さが目立った。(了)
週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
加ドル、初の BOC 議事要旨に注目
◆ポンド、金利先安観が続けば更なる下値余地も
◆ポンド、北アイルランド問題を巡る協議もポイントに
◆加ドル、BOC が初めて公表する会合議事要旨に注目
予想レンジ
ポンド円 155.00-162.50 円
加ドル円 94.50-98.50 円
2 月 6 日週の展望
ポンドはイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策発表後に金利先安観が強まった流れが継続するようであれば、下値余地を広げることになりそうだ。BOE は 2 日、政策金利を 3.50%から4.00%に引き上げることを決定した。10 会合連続となる追加利上げや上げ幅は市場予想通り。ただし、同時に発表した金融政策レポートではインフレについて「徐々に低下し始めており、今後1 年間で急激に低下する可能性がある」と指摘。声明では「今後はより持続的なインフレ圧力の証拠があれば、一段の金融引き締めが必要になる」と利上げサイクルが最終局面に入っていることを示唆した。ベイリーBOE 総裁も会見で「ハト派的な見解に振れた」ことを認めている。
ベイリー総裁は「利上げの打ち止めを意味するものではない」と市場をけん制したものの、英
金利は大きく低下し、ポンドも売り優勢となった。短期金融市場では年末までの利下げを完全に織り込んでいる。今後は英金融当局者の発言や足もとのインフレ動向を確かめながら、金利の先行きに対する思惑でポンドは上下することになるだろう。
英国が欧州連合(EU)を正式に離脱し、1 月末で 3 年が経過した。離脱後に英 EU 間で論争の的
となっていた北アイルランドを巡る問題が解決に向かいつつあるようだ。一部英メディアは、「北アイルランドに持ち込まれる製品について定期検査の必要なしという案を EU が認めた」と報じた。英政府は合意には至ってないとしているが、離脱による同国経済の損失は年 1000 億ポンドという試算もでるなか、経済的な合理性を考えれば英国も EU との溝を埋めたいはずだ。今後、互いに歩み寄る姿勢がより期待され、進展あればポンドにとってはポジティブ材料となる。
加ドルは 8 日にカナダ中銀(BOC)が初めて公表する金融政策決定会合の議事要旨に注目。今回明らかにされるのは先月 25 日に開催された会合の内容。BOC は市場予想通りに 8 会合連続となる政策金利引き上げが決定されたものの、声明では利上げの休止が示唆された。議事要旨では、インフレが鈍化基調にあるなかハト派的な見方の浸透度合いや、利上げの打ち止めを匂わすことについてメンバー内でコンセンサスがどの程度取れていたかに関心が集まりそうだ。内容次第では、短期金融市場が織り込んでいる第 4 四半期での利下げがより現実味を帯びてきそうだ。
1 月 30 日週の回顧
ポンドは対ドルや対円で弱含み。国際通貨基金(IMF)が新たな経済見通しで今年の英成長予測を大幅に下方修正したことが分かると売りが先行。ただその後、想定ほどタカ派ではなかった米金融当局の姿勢を受け、対ドルでは持ち直す場面もあった。英金融政策で利上げサイクルの最終局面への思惑が強まると、対ドルでは 1.22 ドル前半、対円で 157 円前半まで下値を広げた。
加ドルは月末絡みと見られる売りで、対ドルでは 1.34 加ドル後半まで加ドル安が進行。ただ、
米金融政策を経て全般ドル売りが進んだ場面では、1.32 加ドル半ばまで加ドル高ドル安に傾いた。
加ドル円はドル円の下げに引きずられ、98 円手前から 96 円前半まで上値を切り下げた。(了)
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