上昇に転じたポンド円―148円に達してからの展開に目が離せない

今週、日本円の下落傾向によりポンド円は火曜日に年初来高値を更新し、昨年12月につけた148.00のレジスタンスレベルを試す展開となりました。先週末のフランス大統領選でEU支持派のエマニュエル・マクロン氏が最終選出され、Frexit(フレグジット、フランスの脱EU)の懸念が消失したことで、FX市場の焦点は英国に戻ってきました。脱EUの条件交渉の開始、そして6月に急遽実施されることとなった総選挙、そして今週のイングランド銀行の政策発表に注目が集まりました。

さて、メイ首相により実施の発表がなされた臨時総選挙の実施日は6月8日となっています。任期終了を待たず前倒ししてこの時期に実施する決断をしたメイ首相の狙いは、EUとの離脱に向け、首相が適切と判断する条件でEUとの合意を結ぶために、困難な条件交渉にあたってのより堅い信任を得るということにあります。この発表によってポンドは一時急騰しましたが、これはメイ首相率いる保守党が大勝するという予測に基づくもので、労働党を含む他の政党を大きく引き離している世論調査を背景としています。実際にEU離脱交渉の行方はこの総選挙の結果で大きく左右されますが、現時点ではメイ首相にかなりの追い風が吹いているといえそうです。

この総選挙実施の発表以降、ポンドは特に日本円に対して上昇傾向にあります。日本円はこの直近3週間ほど、低ボラティリティとリスクオンの市場環境によって安全資産としての需要が減少してきており、下落基調にあります。

今週のイングランド銀行の金融政策に関する発表は6月の総選挙にも影響を及ぼしうる可能性がありましたが、やはり広く予想されていた通り中立的なスタンスを変えず、政策金利も史上最低レベルの0.25%のまま変更なしでした。利上げについて、2019年末までとスケジュールの繰上げの可能性に言及し、円滑なブレグジットからの影響についてあまり悲観的でないコメントが出されましたが、反面、目下のインフレ率に賃金が追いついていない状況、またブレグジットの交渉と直接的影響についてはイングランド銀行が直接左右できるものではないことについての声明に反応してか、一旦148.00のレジスタンスで足踏みする展開にもなりそうです。

最近の急上昇でテクニカル上の重要な分岐点に来たポンド円ですが、148円のレジスタンスはやはり強そうで、下落トレンドを上に抜けた勢いを続けるのは難しいかもしれません。
低ボラティリティとポンドの上昇の勢いで148円を突破する場合、次のターゲットは152円となるでしょう。また、この148円のレジスタンスで跳ね返され、下落の勢いがつくと、145円も視野に入ってくるかもしれません。