注目記事

グローバルイベントは、外貨為替マーケットにどう影響するのか

過去20年にわたり、為替マーケットは世界最大の金融舞台へと成長しました。実際、国際決済銀行 (BIS) が2019年に実施した3年ごとの調査によると、為替マーケットが継続的に達成している売上平均は一日あたり 5 兆米ドルを超えます。この平均額は2014年に記録した 6 兆米ドル からは下落しているものの、為替マーケットは現在もグローバルマーケットにおける主要な存在です。

為替マーケットは大規模かつ広範囲であることから、さまざまな要因で為替レートが大きく変動します。マーケットをけん引する主要な要因は、経済的要因地政学的要因の2グループに大きく分けられます。これらの要因の重要性を踏まえ、グローバルイベントが外貨為替マーケットにどう影響するのかを理解することが、取引の成功を左右する主な側面の1つとなります。

グローバルイベントと外貨為替マーケット

マーケットを左右する代表的なイベントとして、選挙がよく挙げられます。2016年に実施されたブレグジットの国民投票や、米国や英国、日本で繰り広げられたリーダーシップ争いなどに見られるように、マーケットは選挙後に非常に大きな影響を受けます。例を挙げると、2016年6月に英国が欧州連合を離脱するという衝撃的な決断を下した余波により、英ポンドは対米ドルでなんと1800ピップスもの値動きを一日で記録し、過去6か月間での値幅を50%超えました。

選挙などの地政学的イベントに加え、GDPや貿易収支など常時使用される経済指標も、一国の通貨の為替レートに大きな影響を及ぼすことがあります。外貨取引に強いトレーダーを目指すなら、グローバルイベントが外貨為替マーケットにどう影響するのかをじっくりと学ぶ必要があります。

主要な経済的要因

外貨取引で成功したいと考えている個人トレーダーは、重要な経済イベントの経過をリアルタイムで追うことを怠ってはいけません。この目的を達成するための最良な手段の1つとして、経済カレンダーを参照することが挙げられます。日次カレンダーに主要イベントと各発表時間が記載されているので、活動中の為替トレーダーは重要な情報をすべて追う際に活用できます。

為替マーケットに影響を及ぼす主要な経済指標を数点、以下で詳しく説明します。

中央銀行の政策

外貨為替マーケットを動かす主要な要因としては、金融政策が最も重要です。金融政策では多面的なアプローチを採用し、国家の通貨供給を管理することを通して物価の安定を促進します。金融政策は、国家の中央銀行当局が、公開市場操作、金利調整、預金準備率の調整を通して実施します。世界有数の中央銀行には、イングランド銀行 (BoE)、日本銀行 (BoJ)、連邦準備銀行 (Fed)、欧州中央銀行 (ECB) などがあります。一般的に、金利が予期せず引き上げられると、これまで注目が集まっていなかった潜在的な通貨にメリットとなり、金利が突然引き下げられると、潜在的な通貨にはデメリットとなります。

国内総生産 (GDP)

GDP は、国家の経済活動、総合的な経済生産、成長を表します。要約すると、GDP が高い国は経済活動を通した生産が活発で、低い国は経済活動が低迷している、ということになります。国際通貨基金 (IMF) が 2020 年に発表した研究によると、世界で GDP が最も高いのは、米国 (20 兆 4,900 億米ドル)、中国 (13 兆 4,000 億米ドル)、日本 (4 兆 9,700 億米ドル) となっています。GDP は国家の全体的な経済状況や経済力を評価する際に必須の指標ではありますが、GDP は通常、数値が連動している時期から 1 か月 (多くの場合 2~3 か月) 以上遅れて発表されるため、マーケットを劇的に動かす要因とはならないことがあります。

失業率

国家の失業率は、労働市場全体に対する失業者の割合を表します。高い失業率は通常、不況のサイクルや GDP の成長停滞に伴って見られる一方、低い失業率は堅調な経済状況を示します。

インフレ率

外貨為替マーケットに影響するグローバルイベントを調べる際には、インフレの概念をとらえることを忘れてはいけません。インフレは消費者物価や生産者価格の上昇を示す指標です。中央銀行はインフレを調整する際、金利の引き上げを優先します。金利を引き上げることで、価値の下落した通貨が及ぼす影響を抑えます。インフレを実際の状況に当てはめる際に考慮する指標は主に 2 つあり、消費者物価指数 (CPI) と生産者価格 (PPI) となっています。

インフレと失業はともに、中央銀行が注視する主要な分野であり、中央銀行の動きに続くマーケットの反応は、インフレと失業に対する中央銀行の見方を反映しています。つまり、インフレが予測より高く、失業率が予測より低い場合は、中央銀行が金利を引き上げる可能性が高いということを示唆しており、これまで注目を集めていなかった通貨の力が増すことにつながります。一方、インフレと失業率の動きが逆の場合には、中央銀行の対応も逆となります。

これらの主要な経済指標などの発表が想定外の内容だった場合に為替マーケットがどう反応するのかを注視することで、トレーダーは今後続いて発生する激しい値動きやトレンドをうまく利用するための戦略を立てることができます。

地政学的リスク要因

多くの経済指標と対照的に、マーケットに影響する地政学的リスク要因は頻繁には発生しません。2020 年は、空前絶後の新型コロナウイルス感染爆発から予定通り実施される米国大統領選挙まで、地政学的リスクとなるイベントがいくつか発生しています。これらの各イベントは、通貨の値動きを加速させつつ為替マーケットに多大な影響を及ぼしました。以下のチャートが示すように、マーケットの動きは、ネガティブなニュースを中心に、重大なイベントの発生前後に大きくなる傾向があります。

 

出典:State Street Global Advisors、ブルームバーグ

以下に挙げる地政学的要因は、外貨の値動きに決定的な影響を与えます。これらの要因はすべて、外貨の価格が向かう方向をあっという間に変える可能性を有しています。

政治的イベント

一般論として、為替マーケットは政治における不確実性を好みません。実際、選挙サイクル後に世界のマーケットが受けるポジティブ・ネガティブな影響について書籍が出版されています。上述の通り、2016年のブレグジット国民投票は、英ポンド (GBP) に非常に強力な圧力をかけました。不確実性に直面する中、英ポンドは 1985年以来最低の水準にまで下落しました。2019年には、アルゼンチンが自国の通貨の下落を抑えるため、米ドルへのアクセスを大幅に制限するという、選挙年の価格変動の例となるイベントがもう1件発生しました。

自然災害

ハリケーン、地震、山火事は突如発生し、経済に深刻な結果をもたらすことがあります。例として、2019年末から2020年始めにかけてオーストラリアで発生した山火事が、経済および通貨マーケットに甚大な影響をもたらしたことが挙げられます。被害額が数十億豪ドルに上るとの見通しを基に、オーストラリア準備銀行 (RBA) は支援的な政策を急きょ取り入れました。続いて RBA が相次いで金利を引き下げたことで、豪ドルは対米ドルで大幅に値を下げ、経済イベントと地政学的イベントの複合的な影響がはっきりと表れました。

人道上の危機

戦争やテロ、感染爆発は、被害国の経済や通貨に壊滅的な影響を及ぼすことがあります。世界規模での人道上の危機として最も代表的な例は、2020年の新型コロナウイルス (COVID-19) の感染爆発です。検疫隔離、移動規制、閉鎖指示が広範囲で実施されたことで、世界経済は大打撃を受けました。特に大きな影響を受けたのは米ドルで、FED が大胆な量的緩和 (QE) 政策や大胆な金融政策をワシントンから実施した後、同通貨は過去数年で最低の水準にまで下落しました。

終わりに

さまざまな意味で、グローバルイベントがいかに外貨為替マーケットに影響を及ぼすか、ということについてはいくら強調しても足りません。計画通り発表される経済データから新型コロナウイルスなどの「想定外」のイベントに至るまで、これらの要因がもたらす影響は甚大で後半にわたる可能性があります。高い志を持つ為替トレーダーにとって、このようなイベントを「常に把握」しておくことは、取引の成功を目指す上での必須条件です。

値動きやマーケットのファンダメンタルズをじっくりと調査してから、取引を開始しましょう。Forex.com はどのようなサイズの通貨マーケット参入にも対応しており、スプレッドや手数料の面でのサポートおよび大量に取り引きする FX トレーダーへのサポートを提供しています。自分に合ったタイプの口座を選ぶための情報がさらに必要な方は、ぜひ今すぐお問い合わせ願います。

本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたもので あり、通貨、CFD、その他あらゆる金融商品の、購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くあ りません。本文書に盛り込まれている、いかなる見解や情報も、予告や通知なく変更することが あります。本文書は、特定の投資目的や、何らかの財務的背景、特定の受領者の意思などに沿っ て書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている、あらゆる過去の価 格データ・価格推移データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供 元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版 を原版とし、翻訳版と原版で相違がある場合には、原版の内容が優先するものとします。本文書 の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことによる、いかなる人物や団 体が結果的に引き起こした損失についても、当社は一切その責を負いません。

先物取引、先物オプション取引、外国為替証拠金取引(またはFX)、CFD、その他、入金額より もレバレッジをかけて、より大きな金額で取引をする金融商品には、当初入金額を超える大きな 損失を被るリスクがあり、すべての人に適するわけではありません。レバレッジを大きくして取 引すると、その分リスクも高くなります。金スポットや銀の取引は、米国商品取引法(U.S. Commodity Exchange Act)の規制で保護されていません。また、差金決済取引(CFD)は米国 在住者の取引は許可されていません。外国為替証拠金取引(FX)や商品先物取引を行う前には、 投資目的、投資経験、リスク許容範囲等について十分検討する必要があります。本文書内にある、 いかなる見解、ニュース、調査、分析、価格その他についても、「本文書を読むいかなる人物や 団体も、FOREX.comが、投資、法的、税務に関して助言するものではないことを理解している」 ことを前提として、一般的な情報として提供されるものです。いかなる投資、法的、税務に関す る事柄についても、適切な専門家や助言者に相談をしてください。FOREX.comは、米国の商品先 物取引委員会(CFTC)、英国の金融行動監督機構(FCA)、オーストラリアのオーストラリア証 券投資委員会(ASIC)、日本の金融庁の規制を受けています。