注目記事

Brexit:メイ首相の不信任投票否決、ポンド上昇

英国メイ首相は、離脱案の大差による否決後、立て続けに襲ってきた試練は無事乗り切ったようです。野党労働党のコービン党首が動議した不信任案に対し、325 対 306のわずか19票差で否決、信任はかろうじて確保できた格好です。

この結果を受け、ポンドは上昇。メイ首相の地位が少なくとも短期的には若干安定したことを受けた市場の安心感の表れといえるでしょう。ただ、市場がメイ首相の勝利を望んでいたというわけではなく、あくまで離脱案に対するメイ首相にとっては屈辱的ともいえる敗北からコービン党首の不信任案動議、そしてその否決と、市場では織り込み済みであったこと、そしてその予想から外れることがなかったというまでの意味合いといえます。

マーケットの反応
ポンドは反射的にドルに対し0.2%急騰、1.29付近のレジスタンスラインまで達しましたが、間もなく戻り下げ、上昇分がほぼ帳消しとなっています。
ユーロに対しても0.3%急騰し、過去7週の高値0.8839まで達し、その後やや戻していますが、それでも上昇分0.25%を保っている格好です。
ポンド円は堅実に上昇を続け、心理的節目の140.00をも抜け、140.71まで達しました。その後やや戻していますが、それでも0.4%の上昇分は確保しています。
比較的強いポンドはFTSEにとっては重しとなっています。FTSE指数はその70%が多国籍企業により構成されており、ポンドの強さは為替レートの関係で構成銘柄の業績には必ずしもプラスにならず、これがFTSEの不調につながっています。
ただ、英国内のみで事業を行っている住宅関連や銀行等の企業については、ポンドと共にやや上昇する見込みがあります。

今後の展開
さて、ここからはメイ首相も投資家も「プランB」に集中することになります。1月21日(月)までに次の方策をまとめることになりますが、その「プランB」については次の可能性につき注目です。

1) EUとの再交渉
2) リスボン条約第50条の延期措置(離脱移行期間の延長)
3) 離脱案の再採決
4) 2度目のEU離脱の是非を問う国民投票
5) 合意なき離脱

これ以外のあまり好ましくない選択肢、たとえば保守党党首選や議会総選挙などについては排除されつつあり、ポンドには支えになるでしょう。ただ、前途は依然として多難で見通しが悪く、高いボラティリティへの警戒が引き続き必要です。

マーケットが望んでいるのは?

ずばり本質的に、「合意なき離脱」のリスクがなくなること、またはEU離脱自体がなくなること、のいずれかをマーケットは望んでいるといえるでしょう。大小にかかわらずどのようなものであれ、英国が「合意なき離脱」のリスクから遠ざかるものであれば、ポンドを押し上げることになりえます。EUと合意できる離脱条件がまとまらなければ、強制的に3月29日をもって無秩序な離脱が実施されますが、これは英国にとり破壊的な影響を及ぼすとみられています。現在この可能性が依然として重く横たわっており、このためポンドは一定以上上昇できない状況にあります。