重要指標目白押し、ドルインデックスは上値抵抗線へ

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今週は静かに明けたものの、火曜から欧州株価指数の急落が発生、それにつれて米国株価指数先物に下げが波及しています。FXでは、新興国通貨の壊滅的状況に終わりは見えないものの、米ドルは上昇を継続しています。ゴールドは株式市場の弱さのため値を上げるかと思いきや、通貨ドルの好調に押されて不調を継続。他の貴金属も値を下げていますが、最も顕著なのはシルバーです。執筆時点で、メジャー通貨ペアおよびゴールドは安値から若干戻している印象ですが、これが本格的なトレンド反転につながるかはまだ未知数といえるでしょう。北米マーケット参加者は「労働の日」の祝日で月曜を休み、火曜からマーケットに戻って来ました。また、夏季休暇シーズンが終わり、ボラティリティも上がるのではと予想されます。

今週はマクロイベント多数
新興国マーケットにまつわる不安に加え、今週予定されている数々のマクロイベントによってもボラティリティがもたらされる可能性があります。
まずRBA(オーストラリア準備銀行)は大方の予想通り政策金利の据え置きを決定。ロウ総裁は金利変更の時期は依然としてまだ遠いこと、またその際の変更は引き下げではなく引き上げであろうこと、につきコメントしています。
またカナダ銀行は日本時間木曜夜の会合において政策金利の引き上げか据え置きを決定することになっています。すでに前回7月に利上げを実施してあることもあり、アナリストは全体として据え置きを予想しています。米国とカナダがNAFTAの合意に達しなかったことを受け、カナダ銀行としては「待ち」の姿勢になることも予想できます。
英国の工業・建設PMIは予想を下回り、特にインパクトに欠ける内容。
ここから、米国ISM工業PMI、オーストラリアGDP、英国サービスPMIが水曜夜に、また木曜には米国のADP民間部門給与データとISMサービスPMIが発表され、そして金曜夜の米国およびカナダの雇用統計を待つことになります。

これら多数のイベントを控え、ドルインデックスは大きく上昇を見せており、95.30から95.65のレジスタンスゾーンにかかっています。このエリアは以前に強力な上値抵抗の効果を見せており、前回8月初頭に一旦突破できた経緯があります。しかしその後2週間程度、価格は行きつ戻りつしながら決定的な突破を見せることはなく、このラインは下値支持線としての役割転化の機会もありませんでした。ドルインデックスはその後結果的に下落しています。さて、今回再度戻ってきたこの価格帯ですが、再び上値抵抗となるでしょうか。もし下げ戻す場合は、週足で同事線を見せた先週の高値である95.30が注目ポイントとなるでしょう。ここを割ったままとなると、先週のレンジを上方突破した勢いは削がれたとみられるでしょう。さらにこの月曜の安値95.00を割った場合、短期的には下落の勢いが決定付けられることになりそうです。しかし逆に、レジスタンスレベルを95.65から上抜けする場合、弱気傾向は消え、直近の高値97.00を視野に入れて上がっていく可能性があります。


出典: eSignal and FOREX.com