
ユーロ/米ドル見通し
ユーロ/米ドルは週明けからより安値圏での高値と安値を付けており、4月の安値(1.0788ドル)を割り込んだ。相対力指数(RSI)のオシレーターは依然として下落傾向を反映していることから、価格がさらに下落すれば買われ過ぎの領域へと押し下げられる可能背うがある。
ユーロ/米ドル見通し:4月の安値を割り込み、RSIは買われすぎの領域に
ユーロ/米ドルは50日間移動平均(1.0892ドル)を上回ることができず、ここ1か月の安値 (1.0763ドル)まで下落した。移動平均の正の傾斜に対する反応が乏しい中、価格は3月の安値 (1.0516ドル)からの反転を帳消しにする可能性がある。
David Songが市場ファンダメンタルズの見通しを語る週間にぜひご参加ください。
出典: CME
最近の米ドルの値上がりから、米国債利回りは月間の高値を更新した。CMEのFedWatchツールによると、連邦公開市場委員会(FOMC)が金利を据え置く確率は60%となっており、市場参加者は米国の金融政策に対する見通しを変えつつあるように見える。
政策引き締めに向けた思惑が強まることで、ユーロ/米ドル価格は引き続き値下がりの圧力にさらされる可能性がある。米国でのインフレは依然としてFRBの目標である2%をかなり超えており、個人消費支出(PCE)価格指数の最新の値もインフレの継続を示すと見られていることから、この発表がFOMCに影響を与えるかどうかもまだ不明だ。
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FRBが重視するインフレ指標であるコアPCEは、3月の前年比4.6%から4月には前年比5.0%に上昇すると予測されている。物価上昇の持続を示す証拠が出れば、特に労働市場がひっ迫していることから、パウエル議長と仲間たちは利上げサイクルの延長に向かうかもしれない。 それまでの間、FRBの政策に関する思惑がユーロ/米ドル価格に影響を与える可能性がある。最近の米ドルの強さは米国債利回りの上昇と表裏一体であるためだ。さらに欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の政策についてフォワードガイダンスを行わなくなったため、米国の動向がユーロ/米ドル価格の短期的な見通しに影響を与えるかもしれない。 以上を踏まえ、ユーロ/米ドルでは安値圏での高値と安値を付ける今週頭からの動きが継続し、引き続きここ1か月の安値を更新していく可能性がある。相対力指数(RSI)のオシレーターは依然として下落傾向を反映していることから、これ以上価格が下落すると買われすぎの領域に入る可能性がある。 チャート作成:ストラテジスト、 David Song ・ユーロ/米ドルは、50日間移動平均(1.0892ドル)を超えて値を戻すのに苦戦した後、週明けからより安値圏での高値と安値をつけている。4月の安値(1.0788ドル)を割り込むと、もはや移動平均の正の傾斜に反応しなくなる可能性がある。 ・1.0610ドル(38.2%のフィボナッチリトレースメント)を割り込んだ場合、3月の安値(1.0516ドル)を試す展開が視野に入ってくる。ユーロ/米ドルの下落がさらに続けば、依然として下落傾向を反映している相対力指数(RSI)が売られすぎの領域まで押し下げられる可能性もある。 ・RSIが30を下回ると、昨年の値動きのようにユーロ/米ドルがいっそう下落する可能性が高まる。ただし、2月からの値動きを反映してこのオシレーターが買われすぎの領域を前に反転する可能性もある。 ・一方、RSIが30より上を維持し、弱気筋の勢いが弱まったことを示した場合、ユーロ/米ドルは3月の安値(1.0516ドル)を防衛しようとする可能性もある。 追加資料: 今月のオープニングレンジを維持できなかった金価格は脆弱な状況に 本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。ユーロ価格チャート – ユーロ/米ドル日足
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