
ユーロ/米ドルの概要
ユーロ/米ドルは2月の安値(1.0533ドル)から反発しての値上がりが続き、50日間移動平均(1.0725)に向かいつつあるが、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)の低下が欧州中央銀行(ECB)による利上げサイクルの減速につながりうることから、上値の重い展開となっている。
ユーロ/米ドルは反発も、ユーロ圏CPIの減速に影響を受け上値は重くなるか
相対力指数(RSI)が売られすぎの方向に転じつつあることから、ユーロ/米ドルの今年の最高値(1.0940ドル)からの値下がりはひと段落した可能性が高い。弱気相場の勢いが落ちれば、週の高値を更新し続ける可能性もある。
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しかしユーロ圏の最新のCPIが公表されれば、ユーロ/米ドルには弱気筋の反応が見られる可能性がある。インフレ率の総合値は1月は前年比8.6%から8.2%に下落すると見込まれており、物価の圧力が弱まる兆候があれば、ECBが今後の金融政策のガイダンスを調整する方向に動くだろう。ECBのフィリップ・レーン委員は「エネルギー価格の状況の改善によって、近いうちにインフレ率は下がるだろう」と述べている。
一方ECBの理事会では50bpの追加利上げが予想されており、3月16日の会合を前にユーロ価格に逆風が吹く可能性がある。しかし、クリスティーヌ・ラガルド総裁が「必要であれば利上げを続ける」と主張したように、基本的なインフレの流れが強固に続くようであれば、ECBは引き締めの強い政策をとる可能性がある。
消費者物価指数が予想を上回った場合には、ユーロ圏の利上げの公算が高まることから、ユーロ/米ドルの直近の反発に拍車がかかる可能性がある。しかし、50日間移動平(1.0725ドル)を上回ることができなければ、2月の安値 (1.0533ドル)からの反発を維持することは難しいかもしれない。
ユーロ価格チャート – ユーロ/米ドル日足
ストラテジスト、David Songが作成 TradingViewでのEUR/USDチャート(英文のみ)
- ユーロ/米ドルは、1月の安値(1.0483ドル)を前にして反発したことから、50日間移動平均 (1.0725ドル)に接近し、相対力指数(RSI)が売られすぎの領域から離れている限りは、再び移動平均超えを試す可能性がある。
- 移動平均を超えれば、1.0880 ドル(23.6%のフィボナッチエクステンション)から 1.0940ドル(50%のフィボナッチリトレースメント)のエリアに向かう可能性が開かれるが、指数がすでにプラスの傾きを反映していないことから、2月の安値(1.0533ドル)からの反発を維持するのは難しいかもしれない。
- 1.0610ドル(38.2%のフィボナッチリトレースメント)を維持できない場合には再度1月の安値(1.0483ドル)に向かう可能性があり、この場合次の注目エリアは1.0370ドル(38.2%のフィボナッチエクステンション)付近となる。
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