
12月のFOMC会合の議事録では、利上げのペースを落とすことで、インフレと雇用の改善がどこまで進んだのかを見極めることができるだろうというFOMCの委員の考えが見て取れる。FOMCでは、利上げのペースを過去4回の会合時の75bpから今回は50bpに減速させた。とはいえFOMCは現在の状況に満足しているというわけではなく、 委員は依然としてインフレ継続のリスクを懸念している。 パウエル議長は記者会見の中で「毎月の物価上昇のペースが落ちたことは歓迎すべきだが、インフレ率が継続的に低下の道筋をたどっていると確信するには、もっと多くの証拠が必要だ」と述べている。それに加え、経済予測サマリーでは2023年の利下げを見込んでいる委員はおらず、政策金利の予測中央値は4.6%から5.1%に上昇した。 結果として、FOMCの委員たちは現在の利上げは「適切である可能性が高い」と考えている。さらに委員会は、政策決定では柔軟性を持ちより幅広い選択肢を検討する必要があり、そして根拠なしに金融緩和をすれば物価安定に向けた取り組みが難しくなるだろうとも述べている。
米ドル指数は議事録公開後ほとんど動きはなく、引き続き104.24ドルから104.31ドルの間で推移している。
出典: Tradingview、Stone X
一方、株トレーダーたちはFOMCのタカ派的なメッセージに気づき、ナスダック100は議事録公開直後の30分で1%近く売られた。
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240分足では、ナスダック100は9月半ばからレンジ相場が続いており、10月13日の安値から、8月16日の高値~10月13日の安値の間の50%リトレースメントにあたる10440.64ドル~12080.78ドルの間で取引されている。 FOMCのタカ派的な姿勢を示した議事録は、2022年12月15日の会合の結果を裏付けるものだ。 指数がこのまま低下を続けると、最初のサポートラインは12月28日の安値である10671ドル。 そこを割ると10月13日の安値である10440ドル、その後は2020年7月からの水平サポートラインである9736.57ドルとなる。 しかし市場がこの議事録のタカ派的な姿勢を「もう古いニュースだ」と考えて無視するなら、ナスダック100はここから値上がりする可能性もある。 最初のレジスタンスラインは2022年12月22日にギャップが開いた11114.23ドル、その後は同日にギャップが解消した11207.38ドルとなる。 その上では、2022年12月15日の高値である11591.33ドルでギャップが開いたポイントまで価格が上昇する可能性がある。
出典: Tradingview、Stone X
FOMC議事録のタカ派的なメッセージにもかかわらず、米ドル指数はほとんど動かなった。 一方で株式市場には反応があり、議事録公開後ナスダック100は1%近く下落した。 この値下がりは続くか?またはギャップを超えて値上がりするか?金曜に公表される非農業部門雇用者数が、その行方を左右するだろう。
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