とうとう、広く注目されていたフランス大統領選の結果が確定しました。フランスの次期大統領の座をつかんだのは事前の予想通り、EU支持の中道派、エマニュエル・マクロン氏。反EU派のマリーヌ・ル・ペン「国民戦線」を大差で破る勝利は、EUに関する信認の明確な表明ということもできるでしょう。
日本時間5月8日(月)未明の出口調査による得票率は、マクロン氏65%に対しル・ペン党首35%。30ポイント差をつけています。最終結果も、大きくは変わらないとみられています。
ル・ペン党首は新たなる戦いへ
投票が締め切られ、出口調査からマクロン氏の地すべり的勝利が見込まれる中、ル・ペン党首は敗北宣言を発表。そのスピーチの中で、ル・ペン党首は国民戦線を「根本的に改革」し、6月の議会選挙において「戦いを率いる」ための新たな政治運動を起こすと約束しました。マクロン氏に対する敗北を受け入れはしたものの、ル・ペン党首は今回の選挙が極右勢力にとって歴史的な強さを示した結果であったこと、そして自身とその率いる国民戦線運動の戦いは一新され、決して終わることがない、という高らかな宣言でした。
マクロン新大統領―フランスと欧州のための舵取り
一方新大統領となるマクロン氏は、むしろ慎重な勝利宣言を発し、フランス社会における多様かつ根深い分断について言及しました。「文明の危機」という表現を掲げながら、この分断という問題に立ち向かい、不平等と戦う団結の力の代表としてフランスと欧州を守ることを宣言しています。
結果にともない、マクロン氏はドイツのメルケル首相、英国のメイ首相など世界の主要な指導者からすぐに祝福を受けています。米国のトランプ大統領はツイッターで、「エマニュエル・マクロン、次期フランス大統領となる今日の大勝利おめでとう!共に仕事ができるのが非常に楽しみだ!」と祝福を寄せています。
マーケットの反応
2週間前の第1回目投票直後、マクロン氏の突破がユーロへの安心材料となって急騰をもたらしたのに対し、今回の決着ではマーケットはかなり落ち着いた反応を見せています。今回は、広く期待されていたマクロン氏の勝利とその安心感はすでに織り込み済みであったといえるでしょう。また、マクロン氏がル・ペン党首に付けた差はかなり大きいものでしたが、これは直前の世論調査で予想されたものとそれほど変わることはありませんでした。
週明けのアジア市場では、ユーロは米ドルと日本円に対してやや窓を開けて高値からスタートしたのみで、比較的上昇は抑えられているようです。ヨーロッパ市場に向けて変化が見られる可能性はあるものの、総じてすでにサプライズではなかった選挙結果であったため、特段大きな反応は見られにくいといえるでしょう。
今後ユーロは今回の選挙結果によって支えられ、とりわけマクロン新大統領がEU支持の政策によってフランスをまとめられればその傾向は強まっていくでしょう。ただ同時に、ル・ペン党首が宣言した新しい政治運動がマクロン大統領にとって時を経るにつれ大きな抵抗となり、ユーロの上昇を抑える可能性もあります。今後数週間で始まる6月の議会選挙に向けてまだ目が離せないといえるでしょう。
日本時間5月8日(月)未明の出口調査による得票率は、マクロン氏65%に対しル・ペン党首35%。30ポイント差をつけています。最終結果も、大きくは変わらないとみられています。
ル・ペン党首は新たなる戦いへ
投票が締め切られ、出口調査からマクロン氏の地すべり的勝利が見込まれる中、ル・ペン党首は敗北宣言を発表。そのスピーチの中で、ル・ペン党首は国民戦線を「根本的に改革」し、6月の議会選挙において「戦いを率いる」ための新たな政治運動を起こすと約束しました。マクロン氏に対する敗北を受け入れはしたものの、ル・ペン党首は今回の選挙が極右勢力にとって歴史的な強さを示した結果であったこと、そして自身とその率いる国民戦線運動の戦いは一新され、決して終わることがない、という高らかな宣言でした。
マクロン新大統領―フランスと欧州のための舵取り
一方新大統領となるマクロン氏は、むしろ慎重な勝利宣言を発し、フランス社会における多様かつ根深い分断について言及しました。「文明の危機」という表現を掲げながら、この分断という問題に立ち向かい、不平等と戦う団結の力の代表としてフランスと欧州を守ることを宣言しています。
結果にともない、マクロン氏はドイツのメルケル首相、英国のメイ首相など世界の主要な指導者からすぐに祝福を受けています。米国のトランプ大統領はツイッターで、「エマニュエル・マクロン、次期フランス大統領となる今日の大勝利おめでとう!共に仕事ができるのが非常に楽しみだ!」と祝福を寄せています。
マーケットの反応
2週間前の第1回目投票直後、マクロン氏の突破がユーロへの安心材料となって急騰をもたらしたのに対し、今回の決着ではマーケットはかなり落ち着いた反応を見せています。今回は、広く期待されていたマクロン氏の勝利とその安心感はすでに織り込み済みであったといえるでしょう。また、マクロン氏がル・ペン党首に付けた差はかなり大きいものでしたが、これは直前の世論調査で予想されたものとそれほど変わることはありませんでした。
週明けのアジア市場では、ユーロは米ドルと日本円に対してやや窓を開けて高値からスタートしたのみで、比較的上昇は抑えられているようです。ヨーロッパ市場に向けて変化が見られる可能性はあるものの、総じてすでにサプライズではなかった選挙結果であったため、特段大きな反応は見られにくいといえるでしょう。
今後ユーロは今回の選挙結果によって支えられ、とりわけマクロン新大統領がEU支持の政策によってフランスをまとめられればその傾向は強まっていくでしょう。ただ同時に、ル・ペン党首が宣言した新しい政治運動がマクロン大統領にとって時を経るにつれ大きな抵抗となり、ユーロの上昇を抑える可能性もあります。今後数週間で始まる6月の議会選挙に向けてまだ目が離せないといえるでしょう。
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